読書日和

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純音楽茶房ムシカ Flute × Clarinet Karmia 1st Concert

2019-02-24 16:35:16 | コンサート、演奏会


(左からフルートの高橋亜希子さん、ピアノの大下枝里子さん、クラリネットの高西望さん。写真は全プログラム終了後にて。)

2月3日、広島県広島市の純音楽茶房ムシカに「Flute × Clarinet Karmia 1st Concert」を聴きに行きました。
他のコンサートのプログラム表にこのコンサートのチラシが挟まっているのを見て、ゲストのピアノ奏者大下枝里子さんの演奏を「広島女学院 第22回クリスマスチャリティーコンサート」で聴いていたこともあり興味を持ちました。
Karmia(カルミア)とは北アメリカ原産の初夏に咲く花で、チラシにも花が描かれていました
花言葉の「優美な女性」は、レースの日傘を広げたようなおしとやかで美しい花姿に由来するとのことです。

このコンサートはプログラム表の曲目解説が素晴らしく、昨年の秋からクラシックを中心にコンサートをよく聴くようになって以来一番丁寧に書かれた解説だと思いました。
音楽家ではない私には難しい言葉もありますが全体として素敵な解説でした
演奏プログラム順にその素敵な解説とともにご紹介していきます。



1.「タランテラ」 カミーユ・サン=サーンス(1835―1921)

こんな面白い作品を残してくれたサン=サーンスに感謝の言葉しかありません。
彼が22歳のときに描いたフルートとクラリネットのための作品です。
”タランテラ”という語源は2つあり、1つ目は、イタリア南部の港町”タラント”という地名。
2つ目は、そこタラントに生息すると言われる毒蜘蛛”タランチュラ”人が、かまれると狂ったように踊り続けなければいけない伝説があります。
名前が地名に由来しているということもあり”タランテラ”は、南イタリアで生まれた3/8または6/8拍手の舞曲です。
冒頭からピアノの低音(バス)声部がタランテラ主題(a-e-f-d-c-e-e-e、ラ-ミ-ファ-レ-ド-ミ-ミ-ミ)を奏で、各楽器に引き継がれ持続するのですが、これはバロック時代に多くみられる「オスティナート・バス」という手法であり、音楽に確固たる世界観を与えるのに一役買っています。
イタリア語のオスティナートを訳すと”頑固な”という意味合いがあり、革新的でありつつも頑固で辛辣と言われた彼にぴったりの技法だったのかもしれません。
執拗なまでに続くオスティナートに、気付けばクラリネットとフルートが密接に絡み合っていきます。
繊細に弾むそれぞれの音は軽妙な踊り手の足さばきのように、曲の中間部では長調に転調し、揺れるドレスの裾も優雅さを増し、分散和音と共に大きく発展していきます。
そして、一貫したタランテラ主題もより華やかさを増し、情熱的なコーダを迎えます。



三人で演奏していました。
リズムが独特で、コミカルでもありミステリアスでもありました。
またピアノの一定のリズムが音の底にありました。
途中で物凄く力強くなり、さらに軽快な音色でした




(純音楽茶房ムシカ)



2.「フルートとピアノのためのソナチネ」 アンリ・デュティユー(1916―2013)

フランス語の”エスプリ esprit”という言葉をご存じでしょうか。
英語でいうスピリット=精神に当たりますが、日本語で使用する際には主に”フランス的精神”と訳されます。
この曲こそまさに”エスプリ”ではないかと私は感じます。
1943年のパリ音楽院卒業試験のために作曲され、彼の代表作のひとつとなりました。
印象派絵画のような、多彩で流動的な楽曲です。
大きく3つの楽章で構成されていますが、区切りなく演奏するように描かれています。
冒頭より流れる7/8拍子のAllegrettoはたゆたう波間を表すようです。
時に湧き起こる泡や弾ける水面というエッセンスを加えながら新たなシーンに移ります。
重い雷雲を連想するカデンツァ(拍手に捉われず自由に演奏する部分)を経て、2楽章Andante 3/4拍子。
冒頭のテーマを発展させ幻想的な世界を作りますが、鐘の音のようなピアノの音で打ち消されます。
かと思えば光の飛沫の如く、微細な輝きで満ちた3楽章Anime 2/4拍子がやってきます。
粒子のような繊細な輝きからガラスを割ったような強烈な反射、目まぐるしくシーンは移り、再び暗雲立ち込めるカデンツァを抜け、全速力で空高く澄んだ空気のもとへ飛び出すように終結します。
緻密かつ奔放な音楽に何を感じるか。
これぞデュティユーに提示された”フランス的精神”ではないでしょうか。



ピアノとフルートで演奏していました。
少し悲しげな始まりで、フルートは力強くなって行きました。

フルートの独奏があり、力強く速さもあり、最後はゆったりになりました。
その後はピアノとフルートでゆったりとした暗い演奏、凄く強い演奏、凄い速さでの軽快な演奏と、どんどん演奏が変わっていきました。
凄く速い演奏の時はピアノもフルートも一つの音が凄く短かったです。
最後は一端ゆっくり弱くな演奏になってから、どんどん強くなって弾けるように終わりました。




(ステージ)



3.「カルメン狂詩曲」 マイケル・ウェブスター(1944―)

《カルメン》は、ジョルジュ・ビゼー作曲のフランス語オペラです。
物語の舞台はスペインであり、作中もスペイン民族音楽がふんだんに使われています。
タバコ工場で働く魅力的なジプシー女カルメンに誘惑されてしまった2人の男、衛兵ホセと闘牛士エスカミーリョ、ホセの許嫁であるミカエラの4人が翻弄され続けるストーリーです。
各楽曲の魅力も素晴らしいことで有名で、声楽抜きでオーケストラ組曲としてコンサートで演奏されることも数知れません。
オペラを観たことのない方もほとんどの曲を耳にしたことがあるでしょう。
フルート、クラリネット、ピアノのためのアレンジに際し、オペラの魅力が損なわれないようボリュームたっぷりに編曲されています。
この《カルメン狂詩曲》に登場する代表的な4曲を選抜し、ご紹介します。
まず、この旋律を聴けば「あ!」となるはず〈前奏曲〉です。
軽快で力強いリズムは勇敢な男性、賑やかな歓声を表しているように感じます。
次に、カルメンがホセを誘惑するシーン、〈ハバネラ”恋は野の鳥”〉です。
「あなたが私を好きでないなら私から好きになってやるわ。私に好かれると大変よ!」と豪気な歌詞を色気たっぷりに歌われます。
なるほど、ここまで強気に愛されてしまうと許嫁がいても心が揺らいでしまうのですね(笑)。
そして、〈第3幕への間奏曲〉という曲。
タイトルこそ残念ながらありませんが、現在もフルートを代表する名曲のひとつとなっています。
原曲はハープで奏でられる分散和音にフルートの牧歌的なメロディーが重なりなんとも美しい一曲です。
伸びやかな音楽が慌ただしい劇中に束の間の休息をもたらします。
紹介する最後の曲、〈ジプシーの踊り〉です。
時に前向きに、時に妖しく、まるで登場人物の心情を表すように幾度も色を変えながら終盤まで駆け抜けます。
今回のアレンジでは終盤に組み込まれているため、まるで舞台さえ完結してしまうような華やかなラストへと誘います。



三人で椅子に座っての約20分の演奏をしました。
演奏前のトークでマイケルさんはクラリネット奏者、奥様はフルート奏者と言っていました。
またカルメンはオペラの曲なので三人でオペラ歌手のように演奏したいと言っていました。

軽快な始まりで、「タンタタタタタターン!」というよく聴くメロディに引き込まれました
ゆったりとしたミステリアスな音色になる場面がありました。
「タッタタッタータタターッタ」もよく聴くメロディです。

ピアノが凄く力強くリードして二人が続く場面がありました。
フルートとクラリネットでゆったり演奏した時、クラリネットがかなり高い音を出していたのが印象的でした。
三人での演奏になり、全体のメロディがとても綺麗でした。

「タンタタ タタタタ タンタタ タタターン」の凄く有名なメロディになります。
軽快で力もありました。

三人で静かめにリズミカルな演奏をする印象的な場面があり、ミステリアスさもありました。
最後は物凄く力強くスピーディーに、弾けるような演奏で終わりました。
まるで爆発するようでした。




(右側がステージ、左側は観客席)



4.「3つの前奏曲」 ジョージ・ガーシュウィン(1898―1937)

ガーシュウィンのクラリネットの名旋律といえば、皆さん何を思い描きますでしょうか。
わたしは《ラプソディー・イン・ブルー》の冒頭のクラリネットソロのグリッサンド(音を滑らすこと)かなと思います。
実はこの技法をガーシュウィン自身が初めから楽譜に書き起こしたのではないのです。
当時リハーサル中に、クラリネット奏者ロス・ゴーマンが冗談のつもりでジャズ風のグリッサンドで演奏したところ、ガーシュウィンがそれを気に入り、楽譜に書き加えたものです。
さて、本日演奏します3つの前奏曲は、元々はピアノ独奏に書かれた1926年の作品です。
その作品をクラリネットとピアノのために1987年に編曲してくれた(本日使う楽譜)のがアメリカの作曲家James Cohn(1928―)です。
彼は8つの交響曲をはじめ数多くの室内楽曲を作曲しています。
前奏曲Ⅰは、Allegro ben ritmato e deciso(明るく、リズムにノリながら、きっぱりと)イタリア語楽語通りの曲です。
ⅡはAndante con moto e poco rubato(流れるように前に進みながら、自由に)ピアノの4拍子に乗りながらクラリネットのA管ならではの温かい深みのある旋律とが溶け合う色気のある曲です。
Ⅲ Allegro ben ritmato e deciso、Ⅰ同様の楽語表記でノリのよい曲調です(拍子も一緒です)が、Ⅰとは調が違い、3連符が多用され、グリッサンド技法も登場します。


カルメンの後に15分休憩になりました。
そして4曲目の演奏前のトークでこのコンサートは前半はフランスもの、後半はアメリカものの曲と言っていました。

前奏曲Ⅰ
ピアノとクラリネットで演奏し、クラリネットは二本持っていました。
ピアノの強い始まりが印象的で、曲はスピーディーでコミカルな演奏でした。
その後クラリネットをもう一本に持ち替えました。

前奏曲Ⅱ
ゆっくりめでミステリアスな始まりでした。
この曲は音色に情緒を感じ、ピアノもクラリネットもとても情感ある演奏をしていました。
ここでもう一度クラリネットを持ち替えました。

前奏曲Ⅲ
凄く速いピアノで始まり、クラリネットも凄い速さでした。
そしてクラリネットの叫ぶような音色がありました。



5.「フルートとクラリネットのためのデュオ 作品24」 ロバート・ムチンスキー(1929―2010)

シカゴ生まれのポーランド系アメリカ人。
ピアノと作曲の両方に邁進していましたが、作曲の師匠の助言から作曲を専門とすることを決めます。
しかし後に母校ドゥポール大学で作曲のみならず、ピアノ、音楽理論を指導し、最終的にはアリゾナ大学作曲家の主任として引退します。
指導者として大学に身を置きながらも、協奏曲、交響曲、室内楽、ジャンルを問わず多くの作品を生み出しました。
1992年には自身の作品を自らがピアノ演奏しCD収録し、精力的に活動します。
管楽器の為の作品を多く残し、リズミックでジャズ要素を取り入れた楽曲は「格好良い」と演奏者からも評判です。
この作品の魅力はフルートとクラリネットが最も美しく響く音域を効果的に使用し、2本の音が絶妙な距離感で寄り添うところにあります。
随所にブルーノート(黒人音楽)の要素も見られます。

1:Andante sostenute
霧に覆われたような一見不安定な響きですが、めまぐるしいダイナミクス(強弱)の変化により前進意思を強く感じます。

2:Allegro risoluto
基本的な拍子こそ5/8拍子ですが、クラリネットとフルートそれぞれが別の拍子感を持ち、より変拍子感が強まります。交差するメロディーラインが浮き立ち立体的な曲。

3:Moderato
ブルースジャズ風な響き。追憶のような曲。

4:Allegro ma non troppo
ふたつの声部がパズルのピースのように噛み合います。休符の中にさえ緊張感が張り詰めています。

5:Andante molto
葬送行進曲のような提示。程なく3/4拍子を限りなく自由に引き伸ばしたレチタティーヴォ(話すように)風なメロディーが心の琴線に触れます。

6:Allegro
ジャズのようなリズム遊びがシニカルな曲。
常にどちらかの音が弾け、音楽中ひとつの休符も許しません。しだいに高揚し決然と終止符が打たれます。



フルートとクラリネットで演奏しました。
短めの6曲が緩→急→緩→急→緩→急で演奏されていきました。



6.「3つの踊り」 ゲイリー・ショッカー(1959―)

アメリカ出身の今年還暦を迎える作曲家でありフルーティスト。
ジャズやヒーリング音楽、ジャンルの型に囚われない斬新な作風はいつも音楽界に新しい風を吹き込みます。
彼の作品を自身で初演する「自作自演コンサート」は世界中から注目を集めています。
おおらかな人柄で親日家としても有名で、日本公演を行うとすぐにチケット完売の大人気のアーティストです。
彼はジュリアード音楽院で学び、生粋のアメリカ育ち故かまるで「アメリカンジョーク」をそのまま楽譜に起こしたようなユニークな楽曲が多いです。
この《3つの踊り》は、ラテン系リズムを採用した3つのダンス音楽。
本人の言葉で「ハッピーデュオ」の通り、笑顔溢れるデュエットで、生活の中、誰しもが目にする光景を切り取った作品です。
Ⅰ Easy Going サンバのリズムにのって軽妙な会話が繰り広げられます。晴天の中、気まぐれに歌いだす様子は平和そのもの。遊び心が楽譜にちらり。
Ⅱ Moody 柔らかなピアノにのせたブルース。全ての声部が常に寄り添っている様子は「愛をもって」とショッカーの指示が。南米の香りにどこか日本的な響きも感じるまさにムーディーな1曲。
Ⅲ Coffee Nerves
弾けるようなロンド形式のサンバ。テーマが少しずつ形をかえ、喧噪の中での会話は時に怒号のようにも聞こえます。時折出てくるフラッター(音を振動させる演奏技法)はサンバホイッスルを表しています。
カーニバルの勢いはとどまるところを知らず、高揚感満載のフィニッシュ。



現役のフルート奏者の曲で、フルートの二番のパートを今回はクラリネットで演奏するとのことでした。
また今回はフルート二本で演奏する時と比べて音色がまるで違うのでフルートとクラリネットの演奏の掛け合いが分かるとのことでした。

一楽章
先にフルートが演奏し、後からクラリネットが追いかけるのと、その逆もありました。
まさに掛け合っているような演奏でした、
またピアノとフルート、ピアノとクラリネットの演奏が何度もあり、どちらも雰囲気が明るかったです。

二楽章
ピアノとフルートのもの悲しげな演奏で始まり、クラリネットも入って行きました。
今度はピアノの音色をベースにフルートとクラリネットで息の合った演奏をし、音色が穏やかでした。
三人で凄く明るく穏やかな演奏をし、それが続いた場面がとても良かったです。

三楽章
とても軽快でスピードも速く、草原を楽しく走っているようでした。



7.「フルート、ヴィオラと弦楽のためのコンチェルティーノ」 エルネスト・ブロッホ(1880―1959)

スイス生まれですが、1916年以降アメリカで活躍した、ユダヤ人ヴァイオリニストであり作曲家。
優れた教育者であり、世界中の音楽学校からのオファーが絶えなかったことでも有名です。
生涯の中でバロックからまるで現代音楽の片鱗を見るものまで多様な作品を遺しました。
それ故にか、食わず嫌いもなく「新古典主義」というまさに温故知新なジャンルを確立させた人物であります。
この《コンチェルティーノ》は、フルート、ヴィオラまたはクラリネットとオーケストラの為に描かれました。
単一楽章ですが、内面的に3楽章構成となっており、彼の作品例に漏れずバロックとロマンの融合を実現しています。
1楽章Allegro comodo ピッチカート(弦を指で弾く奏法)の伴奏にのり、クラリネットの流麗かつ憂いを帯びたテーマがフルートに引き継がれ、秋風のように情緒を変化させます。
2楽章Andanteは闇夜のようなしっとりとした感触を4/2拍子の幅広い音楽で表現します。
どこか教会的な和声から、旋律は朝焼けを夢見るようにドラマティックに広がります。
3楽章Allegroこれまでの世界観と一変、幾何学模様のようにオーケストラ対フルート、クラリネットの掛け合いが噛み合います。
張り詰めた緊張感に息も忘れた頃、瞬きの間にイ長調へ転調しフィニッシュします。
聴き手としては虚を突かれる思いですが、この突如現れたサーカスに翻弄されるのもブロッホの狙いなのでしょうか。
だって、この心が浮き立つメロディーが耳から離れないのです。



コンチェルト(協奏曲)の小さいのがコンチェルティーノで、1、2、3楽章の各楽章の切れ目がないと言っていました。
このコンサートはずっとクラリネットの高西望さんがトークをしていましたがこの時はトークの息が上がっていて、前の曲の演奏でかなり疲れているのが分かりました。

ピアノとクラリネットで始まり、すぐにフルートも加わりました。
軽快さと孤高さを感じるメロディでした。
さらに三人で凄く豪華な雰囲気の演奏をし、明るさと力強さがありました。

ピアノだけでもの悲しげな演奏をします。
フルートとクラリネットが入り、伸びのある演奏でこちらももの悲しげでした。
三人でダイナミックな演奏をした場面もあり、やはりそんな時は気持ちも盛り上がります


アンコールは「アンドウェー・ゲニオン」の「巡り合い」でした。
凄くゆったりな曲で、穏やかな気持ちでコンサートを聴き終わりました。


フルート、クラリネット、ピアノによる演奏、良い演奏だと思いました。
全演奏を聴いてみて、聴きに行って良かったと思いました。
1st Concertとあったので2ndもあるのかなと思います。
もしまたコンサートをされる時はぜひ聴いてみたいです


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演奏者プロフィール

高橋亜希子(フルート)

エリザベト音楽大学音楽学部演奏学科卒業。
同大学卒業演奏会に出演。
第18回尚美学園 高校生ソロ・アンサンブルコンテスト最優秀賞受賞。
日本フルート協会主催第31回フルート新人演奏会に出演。
第7回ドルチェ楽器デビューコンサートに出演。
大学在学中、コンサートシリーズ「室内楽の夕べ」学生オーディションに合格、演奏会に出演。
現在各地の音楽祭出演やイベント演奏、アウトリーチなど幅広く活動を展開する。
これまでにフルートを砂守生子、関根雅裕、大代啓二の各師に師事。
Miu音楽アカデミー講師。
中国フルート友の会役員。


高西望(クラリネット)

エリザベト音楽大学音楽学部演奏学科卒業。
中国ユース音楽コンクール優秀賞、クラリネットアンサンブルコンクール一般C部門第1位を受賞。
これまでにクラリネットを末永祐美子、橋本眞介の各氏に師事。
M.アリニョン、武田忠善、C.ナイディック、R.ギュイヨ、E.ヌブーの各氏の講習会、マスタークラスを受講。
2014年にドイツ・シュトゥットガルトに一年間留学し、S.マンツ、D.アルトマンの各氏に師事。
現在、エリザベト音楽大学付属音楽園クラリネット、ソルフェージュ講師、三原ポポロアウトリーチ登録アーティスト、一般社団法人アマービレフィルハーモニー管弦楽団登録団員。


大下枝里子(ピアノ)

エリザベト音楽大学を経て、同大学大学院修士課程修了。
卒業演奏会、大学院新人演奏会に出演。
在学中、学長奨励賞、学長表彰を受賞。
PTCピアノコンクール最優秀賞、長江杯国際音楽コンクール35才以下の部にて第3位等、コンクールに多数入賞。
2002年、コジマムジカコレギア定期演奏会にて、シューマン作曲ピアノ協奏曲を共演。
2018年、チェコフィルハーモニー弦楽四重奏団と共演。
2019年、『華麗なる広島ニューイヤーコンサート』に出演。
これまでにピアノを、本田綾子、竹中淳子、長原博美、砂田直美、戸梶美穂の各氏に師事。
現在、特に伴奏、アンサンブルを中心に多数のコンサート出演の他、学校、児童施設での音楽鑑賞会、合唱団やオペラ団体のピアニスト等、幅広い演奏活動を行っている。
東広島市在住。

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※「コンサート、演奏会記事一覧」をご覧になる方はこちらをどうぞ。

百貨店の季節の先取り

2019-02-16 13:13:35 | ウェブ日記
先週末の2月9日、広島駅前にある百貨店「福屋」に行った時、服飾のお店が春の雰囲気になっているのが目に留まりました
それぞれのお店の店頭に出ているマネキンが着ている服がどれも春の雰囲気になっていました。
明るい色合いの服のマネキンが立ち並び、服飾フロアの雰囲気も明るくなっていました

その雰囲気を見た時、気持ちも明るくなりました
2月は気象庁の区切りでの冬の期間12月~2月の最後の月であり、冬の終わりが近いのを感じる月です。
しかしまだまだ凄く寒い日もあります。
そんな時、服飾フロアが春の雰囲気になると凄く寒い日があっても春の訪れが近いのを実感します。

百貨店の季節の先取りは良いものだなと思いました。
敷地が大きく中に入っている店舗も多いのでそれが一斉に春の雰囲気になると見ているこちらをも明るくしてくれます。
少し早く先の季節を見せてくれ、秋には冬を、冬には春を、春には夏を、夏には秋を感じさせてくれます。
春の近づきを感じた今、もうすぐ着るものが少し薄くなる日も出てくるようになり、暖かくなったらまた昨年の春夏のようにたくさんどこかに出掛けたいなと思っています


関連記事
「百貨店の朝一番の挨拶」

コール・ビビッド 6th Concert

2019-02-12 20:27:21 | コンサート、演奏会


2月9日は広島県広島市の「日本キリスト教団広島流川教会」に「女声合唱団 コール・ビビッド 6th Concert」を聴きに行きました。
他のコンサートのプログラム表にこのコンサートのチラシが挟まっていて、ピアノ伴奏が「一楽章f未完成 FLUTE VIOLIN CONCERT」「安田女子中学高等学校 第8回復興支援チャリティーコンサート」で演奏を聴いて上手かった長谷川朱里さんだったことから興味を持ちました。
そして初めて聴く「コール・ビビッド」という合唱団がピアノの音色に乗ってどんな合唱を聴かせてくれるのか興味がありました。
会場が教会でチラシに書かれていた演奏曲目を見ると聖歌もあり、神聖な気持ちになる予感がありました。



1st STAGE


1.Laudi alla vergine Maria(聖母マリア讃歌 Dante「神曲・天国篇」より) 曲:Giuseppe Verdi



(広島流川教会のステージの様子。厳かな雰囲気です。)

トークで凄く歌うのが難しい曲と言っていました。
とても神聖な歌い出しで、冒頭から心が清められるかのようでした。
ソプラノの歌声が強調されて全体を引っ張る場面が何度かありました。
そして全体の声が凄く良くて透き通っていました



Ave Maria(めでたしマリア) 曲:Dante Andreo



とてもゆったりとした曲でした。
ソプラノが引っ張りアルトが続き、それが凄く滑らかで聴いていて心地良かったです。



Tota pulchra es(御身はすべてが美しくあり給う) 曲:Maurice Durufle



ソプラノとアルトが一緒に歌う中でそれぞれのリズムが違っていたのが印象的でした。
この曲は迫力の凄い場面があり、音の響きも凄く良かったです。



Flight Song(飛翔の歌) 詩:Euan Tait / 曲:Kim Andre Arnesen

若い人達が色々悩みながらも飛び立っていく意味が込められた曲とのことです。
ゆったりとした曲で、今度はアルトが先に歌いソプラノが続く場面がありました。
そして希望が湧くようなメロディの箇所がありました



Hodie(今日) 曲:Joan Szymko

この曲の時に何人かの人が位置を変えていて、その少しの差で音の響きが変わるのだと思いました。
厳粛な雰囲気の歌い出しでした。
そして全体が力強くなりました。

メロディが渦のように感じ、さらにとても綺麗でした。
この曲もソプラノとアルトのリズムが違う箇所がありました。
そんな時、それぞれの音のどちらもが気になって引き込まれます。



2ndSTAGE



2ndSTAGEでは衣装が変わりました。


『合唱のためのエチュード』から 曲:松下耕



「きりん」

それぞれの曲を、歌詞の朗読の後に同じ歌詞を全体で歌う形で進んで行きました。
「きりん」は全体が3グループに分かれ、左がソプラノ、真ん中がメゾソプラノ、右がアルトになっているのが分かりました。
そしてソプラノ、メゾソプラノ、アルトの順に歌って行きました。





詩の朗読は抑揚をしっかりとつけ、ゆったりとした朗読でした。

「かめ」
左のソプラノ、右のアルトの二つのグループに分かれました。
前半はアルトが先に歌ってソプラノが続き、後半はソプラノが先に歌ってアルトが続いていました。





「くじら」

全体が横一列に並びました。
『合唱のためのエチュード』では隊列をどんどん変えていったのが印象的でした。





「ゆきのてら」  以上四曲の詩:谷川俊太郎 

前半は左の方がナレーションをし、後半は右の方がナレーションをしていました。
この曲は全員が集まって歌いました。
後半にゾワッとするような歌い方があり、怖さを感じました。



「一ばんぼし」  詩:まど・みちお

アルトの中でさらに低い音で歌っている人がいてその声が目立っていました。
そしてソプラノとアルトの共鳴が良く、それぞれがよく引き立っていました。



女声合唱曲集『そのひとがうたうとき』 詩:谷川俊太郎 / 曲:松下耕



「私たちの星」
ピアノの演奏で始まり、凄い上手さで一気に引き込まれました。
合唱も凄く良く、明るく流れるように歌っていました。



「そのひとがうたうとき」
「私たちの星」から間髪入れずに続けて歌いました。
これもピアノ、合唱ともに凄く良く、綺麗な音色だと思いました



「信じる」
ピアノで始まり、浮かんでいるかのような弾き方がとても印象的でした。
女声合唱曲集『そのひとがうたうとき』はとても心が華やぐ合唱とピアノで、聴いていて微笑むほどでした。

間奏のピアノもかなり良かったです。
凄い速さでポロロンと弾いている場面があり、また力強く弾いている場面もありました。
音が光の粒のように感じる演奏でした。





(アンコールに応える場面)

アンコールは「エーデルワイス」でした。
穏やかな歌で綺麗な音色で、気持ちが安らぎました。





アンコール後の挨拶にて、右から二人目が指揮者の福原泰弘さんで、同三人目がピアノの長谷川朱里さんです。

さらにダブルアンコールとして「Flight Song(飛翔の歌)」をもう一度歌ってくれました。
ダブルアンコールまであるとは嬉しかったです


1stステージは凄く神聖な気持ちになるステージで、心が清められるかのようでした。
2ndステージは曲ごとに気持ちが盛り上がっていくステージで、ピアノも歌声も心を華やがせてくれました。
「コール・ビビッド」の合唱を今回初めて聴いてみて、とても素敵な合唱団だと思いました。
ぜひまた合唱を聴いてみたいです


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演奏者プロフィール

ソプラノ
梶川苑美 正田瞳 林葉月 松尾七海 松浦優里 宮城千佳

メゾソプラノ
阿部安奈 園部裕子 時乘千沙 古谷きよみ 溝本真未

アルト
池岡夕希 古閑恵梨奈 砂田治子 田畑忍 益田理永 松原愛 宮原芹菜



福原泰弘

1961年、広島県東広島市生まれ。
大学在学中より合唱指揮法を故池本寿嘉氏に師事。
その後、東京混声合唱団桂冠指揮者の田中信昭氏より合唱指導法・合唱指揮法のレッスンを受けてきた。
指揮活動は、大学在学中の宗教曲・世俗曲(ルネサンス)の演奏に始まり、近年はヨーロッパ・アメリカ近現代合唱曲の紹介・演奏に力を入れてきた。
その中には、日本で初めて演奏されたと思われるものも多い。
これまで三善晃『その日 -August6-』、萩京子『きもちのふかみに』、木下牧子『鴎』(オルガン伴奏版)を初演。
合唱団ある、ヴォーカルアンサンブル”凜”指揮者。
広島県合唱連盟副理事長、全日本合唱連盟中国支部理事。


長谷川朱里

エリザベト音楽大学卒業(全額免除特別奨学生)、同大学大学院をセシリア賞を受賞し首席で修了。
在学中、学長奨励賞受賞、指揮法のアシスタントとして井田勝大氏のレッスンの際助手を務める。
卒業時に同大学卒業演奏会、大学院新人演奏会、第86回読売新人演奏会、第40回中・四国新人演奏会、KAWAI広島主催「フレッシュデビューコンサート」に出演。
国民大学(韓国)に招待され、ソロ演奏、更に現地の学生らと共演。
第28回国際音楽セミナー ジャック ルヴィエ ピアノセミナー受講。
これまでにピアノを多田愉可、天野圭子、柴田美穂、横山幸雄の各氏に師事。
フリー奏者としてソロや伴奏の演奏活動をする傍ら、後進の指導にあたっている。
現在、エリザベト音楽大学付属音楽園非常勤講師。
りずみっくピアノ講師。
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※「コンサート、演奏会記事一覧」をご覧になる方はこちらをどうぞ。

「毛利元就 第二十一回 百万一心」

2019-02-09 23:09:22 | ドラマ
今回ご紹介するのは大河ドラマ「毛利元就 第二十一回 百万一心」です。

-----内容&感想-----
1529年(享禄2年)1月、この頃安芸の国一帯では築城ブームが起きていました。
西国一の守護大名、大内義興(よしおき)が亡くなり戦国の嵐が刻々と近づいていることの現れであり、元就も郡山城(こおりやまじょう)の拡張工事に取り掛かっていました。
当時城を建てたり拡張したりする時はどの城主も人柱を埋めていたとのことですが元就はそれをやめ、「百万一心(ひゃくまんいっしん)」と彫った巨大な石碑を埋めます。
百万の人々が心を一つにするという意味ですが、軍事担当の重臣の桂元澄(もとずみ)が百と万の字が間違っていないかと元就に聞きます。
すると元就は「一日一力(いちにちいちりき)とも読めよう。一日一力一心じゃ。百万の人間が、時と心と力を一つにせんと、そう願いを込めて考えた字じゃ」と言います。
これを聞いた筆頭重臣の志道(しじ)広良は「殿。志道広良、惚れ抜きましたぞ」と言い感銘を受けていて元就の名将ぶりが際立っていました。

しかし正室の美伊(みい)と息子の千代寿丸(ちよじゅまる)、娘の可愛(えの)が遊んでいるところにやって来た元就は不機嫌で、美伊がどうしたのかと聞くと重臣の井上元兼の手の者が誰も工事を手伝いに来ないと言います。
元兼は自身の力で元就を城主にしたと思っていて、元就が名将ぶりを発揮して自身の意のままにはならないと分かってくるにつれ言うことを聞かなくなってきました。
元就が「元兼一人抑えられぬわしが何が百万一心だ」と不貞腐れ気味に言うと、美伊は「元兼の手を借りずとも、どんどん城はできてるじゃないかと、美伊ならそう考えまする」と言い、二人の性格の違いがよく分かる場面でした。

そこに忍の小三太がやって来て不審な人物が拡張工事中の郡山城の見取り図を持っていたことを知らせます。
そこには元就の他には限られた者しか知らないはずの道も描かれていました。
小三太は不審な人物を斬り、その人物は高橋家の領内に入ろうとしていたと言います。
高橋家は亡くなった元就の兄、興元(おきもと)の正室の雪の里です。
元就が雪に話を聞くと「甥の高橋興光(おきみつ)が致したことに相違あるまい」と言い元就に謝り、高橋家は今家中が揉めていると伝えます。
元就は雪が知らないところで起こったことなのだから気にしなくて良いと言い慰めます。

郡山城で評定(ひょうじょう)が開かれ、経済担当の重臣赤川元保が元就に、高橋家を探らせたところ元光亡き後興光が当主になったものの、いとこの盛光が不満を持ちいがみ合っていてお互い討ち殺す機会を狙っていると言います。
外交担当の重臣の児玉就忠は興光は郡山城の絵図面を尼子に流すつもりだったのだろうと言います。
さらに高橋は尼子方で、毛利家は尼子から大内に鞍替えしたので尼子は毛利を恨んでいて、興光は絵図面を流すことで尼子に恩を売り盛光を討つ援護を頼もうとしたに相違ないと言います。
元保は幾度となく煮え湯を飲まされている高橋を討つには揉めている今が好機だと言い、高橋は領地も大きく毛利より格も上で、今高橋を討てば国人領主の中で毛利が一歩前に出ることになると言い、就忠も千載一遇の好機だと言います。
しかし元就は動かないと言い、元保が「なにゆえ!?」と言うと広良が雪殿がこちらに居る以上元就は兄嫁の実家を討つわけにはいかないからだと言います。
元保は「そんな甘さで好機を逃してはなりませぬ!今、今しかござらん!」と言います。
広良は「雪殿は散々辛い目に遭うてこられた。それを思えば、高橋には手は出せん」と言います。
この評定は兄嫁の実家でも討つべきだという戦国時代の凄まじさが分かる緊迫した場面でした。

大内義隆は九州の少弐資元(しょうにすけもと)を討つため因島の村上水軍に援護を求め、大内の館に村上虎吉(とらよし)、加芽(かめ)、野田次郎を招きます。
しかし加芽が大内はみんな無礼で、力を借りたいというのに物を頼む態度ではないと言います。
さらに義隆にもたとえ義隆でも物を頼む時は頭を低くするのが道理だろうと言い、陶隆房(すえたかふさ)が爆笑して「お見事!」と言い愉快そうに加芽を見ます。
隆房は「わが殿、大内義隆殿は、頭では分かっておっても頭を低くしたことがござらぬゆえ、やり方がよう分からんのじゃ」ととんでもないことを言い、父の陶興房(おきふさ)から「殿に対してその言い方はなかろう」と注意されます。

出雲では尼子の内輪揉めが深刻になり、尼子経久(つねひさ)の三男の塩冶興久(えんやおきひさ)は城主としては三千貫しか経久から与えられていないのを不満に思っています。
月山富田城(がっさんとだじょう)で経久の孫の詮久(あきひさ)は興久が経久を討つ噂があるのを経久に伝えます。
経久も承知していて、詮久はいずれ自身が家督を継ぐ以上興久の恨みは自身にも向くはずだと言い、もし興久が謀反を起こせば経久に我が子を手にかけるようなことをさせるわけにはいかないので自身が討つと言います。
こちらも戦国時代の凄まじさがよく現れた場面でした。
詮久が去った後重臣の宇山久兼(ひさかね)と亀井秀綱が現れると、経久は「興久が悪いわけではない。戦、戦、戦で、家を空けてばかりおった。父親としての思いを通わすことなく育ってしまった」と寂しそうに言います。
久兼が謀反は噂であって確かなことではないと慰めると、「わしは大きな領土を得て、小さな息子に殺されるかも知れん。それはそれで面白いか」と言っていて経久の抱える虚しさが分かりました。

高橋家では当主興光が盛光を討ち、盛光誅殺の知らせが雪にも届きます。
絶望した雪は元就と美伊に「もはや悲しみに会いとうはない」と言い、毛利家を去り京都に行って世を捨ててひっそり暮らすと言います。
雪が去る時に認知症の広俊が陽気に「雪殿、嫁に来て、幸せじゃったか」と聞くと雪は「はい、幸せにござりました」と微笑んで言います。
私にはとてもそうは思えず、広俊のために言ってあげた言葉に見えました。



(雪の方。画像はネットより)

その夜元就と美伊は雪のことを話し、二人とも雪が元就に高橋家を討たせるために毛利家を出て行ったことを悟っていました。
雪は興光が小さい頃から器量が小さく、高橋家は今や昔の見る影もなくなりいずれどこかの国人領主に討たれるだろうと話していて、それならば元就に討ってもらうのが一番良いと思っていました。
元就はついに高橋を討つ決意をします。

京都に向かったはずの雪は高橋興光の館に行きます。
雪は興光に今日からこの屋敷に置いてくれないかと頼みます。
雪が自身は働いて役に立ちたいが毛利家には働ける場所がないから出たと言うと、興光がそんな嘘を信じるとお思いかと言いこの場面はヒヤリとしました。
しかし直後に雪が高橋にいれば毛利が討ってくることもなくなるから高橋を守るために毛利を出たと察しがついていると見当違いなことを言っていて、器量が小さいはそのとおりだと思いました。

1529年5月、毛利軍が高橋家に攻め込みます。
毛利軍が興光を討ち取るとそこに雪が現れ、その直後に現れた元就は驚愕します。
元就がともに毛利に帰ってくれと頼むと雪は元就に刀を突きつけ、そのまま燃え盛る炎の中に消えて行きます。

出雲の月山富田城では詮久が「元就め。よくも高橋を潰してくれた。当家が興久殿のことで動けぬことを知ったその隙を縫うとは、何と姑息な男じゃ」と激怒します。
経久は「いや、元就は姑息ではない。あれは鷹だ。獲物を、爪にかけた」と言います。
さらに「名将と呼ばれる者は、みな、悪徳と背中合わせに生きておる」と言っていたのがとても印象的でした。
綺麗な理想を掲げるだけでは強敵がひしめき味方も誰が裏切るか分からないような世の中で生きてはいけず家を繁栄させることもできないのだと思います。

郡山城では元就が茫然とした様子で柱に寄りかかって座り込みます。
元就の目が「戦国の世はむごい」と語っていることを美伊は感じ取っていました。


今回は戦国時代の凄まじさを強く感じました。
相手が兄嫁の実家や親子関係であっても時として躊躇わず討たないといけないとは恐ろしい時代です。
最後の元就の茫然とした様子が印象的で、経久に鷹と呼ばれていてもやはり辛いのがよく分かりました。
そして美伊はそんな元就を支えていく決意をさらに強くしていて、殿である元就が茫然とした顔を見せられるのは美伊であり、元就が辛さに直面して飲み込んでいくのに美伊の支えは凄く重要と思いました。


各回の感想記事
第一回  妻たちの言い分
第二回  若君ご乱心
第三回  城主失格
第四回  女の器量
第五回  謀略の城
第六回  恋ごころ
第七回  われ敵前逃亡す
第八回  出来すぎた嫁
第九回  さらば兄上
第十回  初陣の奇跡
第十一回 花嫁怒る
第十二回 元就暗殺指令
第十三回 戦乱の子誕生
第十四回 巨人とひよっこ
第十五回 涙のうっちゃり
第十六回 弟の謀反
第十七回 凄まじき夜明け
第十八回 水軍の女神
第十九回 夫の恋
第二十回 隠し女

音の聴き分け

2019-02-07 21:16:00 | ウェブ日記


「威風堂々クラシック in Hiroshima2018コンサート」でオーケストラ勢揃いの様子)

昨年の秋からクラシックを中心にコンサートをたくさん聴いています。
その中で「エリザベト音楽大学交響楽団」「心音オーケストラ」「広島交響楽団」といった、オーケストラ勢揃いでの演奏を聴くこともありました。
オーケストラ勢揃いでの演奏は様々な楽器の音が折り重なり迫力と重厚感があります。
また特定の楽器の音が目立つ場面もあり、そんな時、オーケストラ勢揃いの大人数だとどの楽器が演奏しているのかすぐには分からないことがあります。
クラシックの演奏を聴くようになって日の浅い私はオーケストラを形作る楽器それぞれの音全てを把握しているわけではないので、特定の楽器の音が目立つ場合は演奏している人を探して楽器を見て何の音かを理解しますが、大人数だと探すのも難しくなります。

私はオーケストラ勢揃いで特定の楽器の音が目立つ時、どの楽器の音なのかを音色で聴き分けられるようになりたいです。
少人数で行われるコンサートをたくさん聴いているのはその狙いもあります。
昨年の秋からコンサートをたくさん聴くようになって以来、クラリネット、トロンボーン、サクソフォン、ファゴット、ユーフォニアム、チューバなどのこれまであまり馴染みのなかった楽器の音を注目して聴くことができました。
ヴァイオリン、フルート、ピアノなど、音色を聴いてすぐに分かる楽器以外の楽器の音が徐々に分かるようになってきています。

昨年の12月12日、広島県広島市のJMSアステールプラザ大ホールで「広島プロミシングコンサート2018」を聴きました。
その時、讃井万由子さんという方の演奏したプロコフィエフのピアノ協奏曲第3番の冒頭が印象的でした。
一つの楽器のやや憂いを感じる音で演奏が始まりました。



(参考動画。00:04~00:25にかけてやや憂いを感じる音が鳴り響きます。)

この冒頭の演奏を聴いた時、何の楽器だろうと思いました。
フルートでもクラリネットでもなさそうでしたが聴いている時は分かりませんでした。
後にその時の音がオーボエの音だと分かりました。
こういった場面で音を聴いてすぐに何の楽器か聴き分けられるようになりたいです。
様々なコンサートを聴いていく中で、楽しみながら音の聴き分けの力を上げていければと思います

一楽章f未完成 I LOVE MELODY SAXOPHONE LIVE

2019-02-04 18:28:36 | コンサート、演奏会


(トークをする大森義基さん)

昨年の12月22日、広島県広島市の音楽喫茶「一楽章f未完成」に「I LOVE MELODY SAXOPHONE LIVE」を聴きに行きました。
サクソフォン奏者の大森義基(よしき)さんによるコンサートで、日本でも最高峰の実力者とのことでこのコンサートに興味を持ちました。
凄く上手い人の演奏なので期待していたら期待どおりのとても良い演奏会でした
演奏プログラムは次のとおりです。


1.ガーシュイン ファンタジー R.マルティーニ(A.sax)

2.バイ シュトラウス G.ガーシュイン/伊藤康英(A.sax)

3.モナ リザ J.リヴィングストン&R.エヴァンス(A.sax)

4.ガブリエルのオーボエ E.モリコーネ(S.sax)

5.ブラボーサックス 星出尚志(A.sax)

~休憩~

6.青春の輝き カーペンターズ(Pf.solo)

7.「NHK朝ドラ」あすかのテーマ「風笛」/大島ミチル(S.sax)

8.赤いスイートピー/呉田軽穂(A.sax)

9.心の瞳/三木たかし(A.sax)

10.オペラ座の怪人より/A.L.ウエッバー(A.sax)
「ミュージック オブ ザ ナイト」
「オール アイ アスク オブ ユー」

11.サイバーバード協奏曲より1楽章,3楽章 吉松隆(A.sax)

アンコール
ワルツエリカ(H.ニール)


演奏前にプログラムを見てどんな曲か分かったのが「風笛」「赤いスイートピー」「オペラ座の怪人」の三つでした。
風笛は「一楽章f未完成 FLUTE VIOLIN CONCERT」でも聴いたことがありました。
「赤いスイートピー」は松田聖子さんが歌っているのをテレビで聴いたことがあります。
「オペラ座の怪人」は今回の抜粋曲と同じかは分かりませんがフィギュアスケートで曲に選んで演技している人を見たことがあります。
そしてどれもサクソフォンでの演奏は聴いたことがなかったです。
コンサートを聴く時、知らない曲の場合はいったいどんな曲なのかが楽しみになり、知っている曲の場合はそれをそれぞれの楽器で演奏するとどんな音になるのかが楽しみになります




一楽章f未完成でコンサートが開催される時の雰囲気はこのようになります。




(ピアノ伴奏の松尾英都子さんトーク中)

松尾永都子さんは大森義基さんから紹介された時、「ポッポッポー、ハトポッポー」とピアノ演奏をして応えていたのが面白かったです

そして大森義基さんはプログラムに載せている松尾英都子さんのプロフィールをボコボコにしているとトークで言っていました。
松尾英都子さんはプロフィールをまだ見ていなくてコンサートが終わった後に見ると言っていたので見てからどうなったのか気になります




(大森義基さんトーク中)

「赤いスイートピー」は、元々は別の曲をやろうとしていたのが購入した楽譜のアレンジがあまり良くなく、代わりの曲として「赤いスイートピー」を演奏することにしたとのことです。
このトークを聞いていてそんなこともあるのかと興味深かったです。
またコンサートは夏にやろうとしたものの台風が来て大雨で一度中止になり、代替開催がこの12月22日だったとのことです。

サイバーバード協奏曲はややもの悲しさを感じるメロディと最後の爆発するような演奏がとても印象的でした。
世界的にも有名な曲とのことで、かなり良い曲だと思います。

曲によっては物凄い速さで演奏する場面があります。
凄い速さで指が動き音が高速で移り変わる時の、音の滑らかさも印象的でした。
速さと滑らかさを同時に実現するのは難しいことだと思います。


サクソフォンは音色がとても柔らかく、クラリネットの柔らかく深みのある音をさらに柔らかくしたような音をしています。
さらにとても高い音まで出すこともでき、派手さもあります。
このコンサートでサクソフォンの音を注目して聴くことができ、音の特徴がよく分かって良かったです
サクソフォン奏者が何人も登場するようなコンサート もあり、そういったのも聴いてみたいと思わせてくれる良い演奏でした



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演奏者プロフィール

大森義基

高校中退し上京、武蔵野音楽学院専門家修了。
文部省(現 文部科学省)大検合格後、昭和音楽大学器楽科入学、在学中より在京オーケストラ、東京佼成ウインドオーケストラなどにエキストラとして参加する。
また、多くのアーティストのレコーディングにも参加。
第7回日本管楽器コンクール入選。
同大学を特別賞を受賞し首席で卒業する。
同大学卒業演奏会、読売新人演奏会出演。
神奈川県立音楽堂推薦オーディションに合格し、同音楽堂推薦音楽会に出演。
NHK新人洋楽オーディションに合格後に「NHKデビューリサイタル」出演。
下八川基金を受け渡仏、パリ国際音楽コンクール2位受賞及び審査員特別賞受賞。
レオポールベランコンクール1位受賞。
フランス国立セルジーポントワーズ音楽院を審査員全員一致の金メダル首席で修了。
ベルギーのブリュッセルエクスポジションにおいて、パントマイムのヨネヤマママコ女史とのコラボレーションで好評を博す。
フランスのモンレリー主催のソロリサイタルを成功させる。
帰国後、東京と古郷の三重県四日市市においてデビューソロリサイタルを開催、「豊かな表現力と美しい音色、喜びに溢れた演奏会」と評される。
音楽誌にも「低い音から高い音まで魅力的な音を持ち、音楽性豊かな才能あるサクソフォン奏者」(音楽の友)と掲載される。
1997年デビューアルバム「ヴァカンス」、次いで「ア・ラ・パリジェンヌ」、「ナイチンゲールとバラ」をマイスターミュージックよりリリース。
フェリシモミュージックファンデーションより「リラクゼーションバスタイムアルバム」をリリース。
世界的指揮者故ジャン・フルネ氏からの招きによりチェコフィルハーモニー管弦楽団日本公演全てに参加。
ジャン=イヴ フルモー氏ジャパンツアー2008(大阪、広島、名古屋、札幌、東京)全公演参加する。
バンコクで開催された世界サクソフォンコングレスにおいて世界初演作品を紹介する。
各地でのソロリサイタル、オーケストラ、吹奏楽団、そして、CM録音、スタジオワークなど活動の場を広げ、更に、後進の指導にも力を注ぎ吹奏楽指導なども積極的に行っている。
現在、昭和音楽大学、同音楽大学大学院、エリザベト音楽大学、同音楽大学大学院、桜美林大学芸術文化学群音楽専修の各非常勤講師。
これまでにサクソフォンを市川豊、故大室勇一、宗貞啓二、ジャン=イヴ フルモー各氏に師事。


松尾英都子

エリザベト音楽大学器楽科卒業、同大学音楽専攻科修了。
ピアノを故石川正司氏に師事。
現在、エリザベト音楽大学付属音楽園非常勤講師、同大学エクステンションセンター講師。
カープをこよなく愛し、愛車の自転車の色はもちろん赤、赤い自転車を転がしパワフルに辛い坂道もなんのその笑顔で乗りこなす姿はたくましい姉御そのもの。
某居酒屋では毎回お決まりのメニュー、のれんをくぐれば注文しなくてもそれが出てくるという噂は本当でしょうか。
情に厚く面倒見が良いところから、巷では姉御や姉さんと呼ばれるほど、もちろん私、大森も姉御には大変お世話になっております。
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※「コンサート、演奏会記事一覧」をご覧になる方はこちらをどうぞ。

「毛利元就 第二十回 隠し女」

2019-02-02 22:20:27 | ドラマ
今回ご紹介するのは大河ドラマ「毛利元就 第二十回 隠し女」です。

-----内容&感想-----
「結婚6年目、元就は恋をしました」というナレーションで物語が始まります
村上水軍の女神と呼ばれる加芽(かめ)が元就を追って因島(いんのしま)から郡山城下(こおりやまじょうか)に出てきます。
意気揚々と加芽のところに出掛けようとする元就に正室の美伊(みい)がどこに行くのかと聞き、元就が領内の田畑を見に行くと言うと「え?昨日も、一昨日も見て参りましたのでは?」と突っ込まれているのが面白かったです。

元就が出掛けた後美伊は侍女の藤野のところに行き、元就の様子が変だから探ってくれと頼みます。
藤野はやっと美伊が嫁ぎ先の情報を吉川家に送る気になったと思い喜びますが、元就の浮気相手のことを探ってくれという頼みだと知りがっかりします。
しかし「私にどこか悪いところがあったかのう。知らず知らずのうちに、殿に寂しい思いをさせておったのやも知れぬ…」と落ち込む美伊を見て引き受けます。
藤野は元就がどこに行っているかを調べ加芽とこっそり会っている現場を見ます。

藤野から元就が女と会っているのを聞き美伊はショックを受けます。
藤野は女に会ったほうが良いと言い、「孫氏はこう言うておりまする。敵を知り、己を知れば、百戦危うからずと。美伊様、敵を知れば、勝ったようなものにござりまする」と言います。
美伊の口癖の「勝ったようなもの」を藤野が言っていたのが印象的でした。

大内義興(よしおき)は安芸の国(広島県)の国人衆の制圧に乗り出し、尼子方に寝返った天野領米山城(こめやまじょう)を包囲します。
天野家当主の天野興定(おきさだ)は密かに敵国である大内方の毛利に使者を送り、大内との和睦を図ってほしいと願い出ます。
郡山城で評定(ひょうじょう)が開かれ、尼子方の天野など放っておけば良いという声が大半の中、元就は筆頭重臣の志道(しじ)広良にただちに間に入って和睦を図るように言います。
元就は「天野がそう願うてくること、察しがついておった」と言い、戦わずして天野に恩を売ることができるという狙いがあり智将ぶりが分かる場面でした。
一方元就の祖父の福原広俊は認知症の症状が出始め、元就と重臣達は心配します。

美伊は加芽が滞在している家を訪ねて話をし、城に来て側室になるように言います。
元就にこそこそ城を抜け出して密会されるよりもそれなら正室として貫禄を示せます。
しかし加芽は側室になるのを断り、「共に暮らせば、男と女子は必ず飽きまする」と言い元就と共に暮らしている美伊を絶句させます。

郡山城に戻った美伊は激怒しながら杉、杉の侍女の久(ひさ)、藤野に話を聞いてもらいます。
杉が「落ち着きなされ。殿には今、狐が憑いておるだけじゃ」と言うと、久が「いや、亀が憑いておると思いまするが」と突っ込んでいたのが面白かったです。
そして杉は自身が加芽に会って別れ話をまとめて来ると言います。

野田次郎が加芽を心配してやって来て一緒に因島に帰ろうと言いますが加芽は断ります。
そこに元就がやって来て次郎が嫌悪の表情を見せ険悪な雰囲気になります。
次郎は「元就に言うておく。大内であれ尼子であれ、これからは水軍を味方に付けた者が絶対に勝つ。されど水軍は元就の味方には断じて付かない。村上水軍は誇り高き海の武将じゃ!覚えておけ」と言います。
そこに今度は杉がやって来て加芽と話をします。
加芽が今回はお方様(美伊)に余計な心配をかけて心苦しく思っていると言い、元就は美伊が加芽に会いに来たことを知ります。
加芽が他の女子が磨いた男を奪うのは下品な仕業でそこまで成り下がりたくはないと言うと、杉は人の夫を好きになったというだけで十分下品だと言います。
しかし加芽が「好きな気持ちは止められませぬ」と言うと杉は「それはそうじゃ」と言い感心してしまいます。
そして加芽は元就にここで元就とだけ向かい合っていれば十分なので何も心配はいらないと言います。
元就は加芽が大事だと言いますが、しかし美伊も大切だと言い、次郎が「元就!両方大切などということがあるのか!」と掴み掛かっていました。

元就と杉が郡山城に戻り門の前に来た時、元就が「わしには入る勇気がない。美伊に何と言えばよいのじゃ」と言っていたのがかなり面白かったです。
杉も同じ思いで、別れ話をまとめてくると言ったのにこれではと気まずくなっていました。

元就が美伊の部屋に行くと美伊は荷物をまとめていて、息子の千代寿丸と娘の可愛(えの)を連れて吉川の里に帰ると言い元就は慌てます。
美伊が「あの女子のどこがお好きで、近寄られました?」と聞くと、元就は「いやそのなあ、なんじゃ、こう、いつも湯漬けばかりでは飽きて、ついその、生きのよい魚が食べとう…」と言い、この言い訳が酷過ぎて美伊はますます機嫌を悪くします
「はっ!美伊は、湯漬けじゃと」と怒りながら言っていました。

元就は一晩悩み、加芽のところに行って側室になってくれないかと頼みます。
加芽は「加芽は縛られるのが嫌いじゃ。されど、殿がそこまで言うてくれたこと、嬉しゅうござる」と言いしばらく考えることにします。

大内と天野の争いを仲裁した元就は天野と軍事同盟を結び大内方に引き込みます。
戦わずして敵を味方に引き込むという元就の狙いが見事に当たりました。
大内家重臣の陶興房(すえおきふさ)がやって来て元就に大内からの褒美として刀を渡し、「元就殿、大した武将になられたものじゃ」と笑顔を見せながら満足気に言います。

加芽の返事を聞く日が来て元就が家に行くと既に加芽の姿はありませんでした。
そして美伊に加芽に振られたことを言い「このとおりじゃ。許してくれ」と謝ります。
美伊は「此度(こたび)だけは、笑い話に致しまする」と言います。
しかし元就の足をつねりながら「男と子供は、痛い目に遭うて初めてやってはならぬことが分かります」と言っていてやはりまだ怒っているなと思いました
それでもやっと元就と美伊に仲の良い雰囲気が戻って良かったです。

三年が過ぎ、大内の安芸攻略が大詰めを迎えていた頃、突然前線に出ていた元就達を呼び出した義興は厳島を引き上げて山口に帰国すると言います。
元就が与し、興房が動いてくれて、芸備の国人衆のあらかたは大内方に戻って来たと言い、元就に「安芸のこと、後は頼む」と言います。
久しぶりに郡山城に戻った元就ですが安芸平定を夢見ていた義興の突然の心変わりが気がかりでした。



(大内義興。画像はネットより)

山口の義興の館では義興が声をかけて正室の綾の方、義隆と三人で梅見をします。
綾が「おかしな御屋形様。今まで三人で梅見をしようなどと仰られたことはござりませぬのに」と楽しそうに言うと、義興は微笑みながら「わしは三人で梅見がしとうて、厳島から帰国致したのかも知れんのう」と言います。
そして「辺りは墨絵のごとく冬枯れじゃというのに、真っ先に咲くのが梅の花じゃ。何やら、大内の家に似ておる。強く、美しく香りがあって、当家は末代までかくありたいものじゃ」ととても印象的なことを言います。

その夜、義興が急死します。
綾は「帰国致したのも、梅見も、死を感じられたゆえであったやも知れぬ」と言っていて、虫が知らせて死ぬ前に三人で過ごしたかったのかも知れないです。

義興の亡骸の前に並ぶ義隆、綾、重臣の陶興房、重臣の内藤興盛の元に興房の息子の隆房が現れます。
義隆が「父上は、大内は梅のごとくありたいと、望まれた」と言うと隆房は「御屋形様がまことに望まれたは、天下!御屋形様!陶隆房、義隆殿をお助けし、必ずや天下を取りまする!」と言います。
興房は義隆に息子は猪武者だが好きなように使ってやってくれと言います。

西日本最大の守護大名、大内義興死去の知らせはたちまち西国全土を駆け抜け、出雲の月山富田城(がっさんとだじょう)では尼子経久(つねひさ)と孫の詮久(あきひさ)が話をします。
経久は今こそ大内の攻め時と見ていて、詮久も今は毛利を討つ絶好の機会なのでただちに戦略を考えると言います。
郡山城では元就が「御屋形様を亡くした今、当家は後ろ盾を失った。尼子の標的にされるのは目に見えておる」と危機感を募らせていました。


今回は元就の浮気の言い訳の酷さと義興の死が印象的でした。
美伊とは仲直りできましたが義興の死によって再び戦の気配がしてきました。
大内、尼子の二大勢力の全面対決の戦になれば必ず毛利は巻き込まれます。
危うさのある義隆が率いる大内のもとで元就がどう尼子と戦いながら毛利家を守っていくのか注目しています。


各回の感想記事
第一回  妻たちの言い分
第二回  若君ご乱心
第三回  城主失格
第四回  女の器量
第五回  謀略の城
第六回  恋ごころ
第七回  われ敵前逃亡す
第八回  出来すぎた嫁
第九回  さらば兄上
第十回  初陣の奇跡
第十一回 花嫁怒る
第十二回 元就暗殺指令
第十三回 戦乱の子誕生
第十四回 巨人とひよっこ
第十五回 涙のうっちゃり
第十六回 弟の謀反
第十七回 凄まじき夜明け
第十八回 水軍の女神
第十九回 夫の恋

山陽に降る雪

2019-02-01 19:23:32 | ウェブ日記
1月26日、山陽に雪が降りました
天気予報ではお昼前頃から降るとありましたが、予報よりも早く朝の9時頃から降り始めました。

この日は広島県広島市の一楽章f未完成という音楽喫茶に「弦楽四重奏コンサート」を聴きに行く日でもありました。
かなり勢い良く降っていたものの幸い積もりはせず道を歩いて辿り着くことができました。

山陽の海寄りの地域で雪が降ることはあまりなく、冬の季節に1~2回くらいの年が多いようです。
なので1月26日は冬の中の珍しい一日になりました。
そして平地は積もらなくても山には雪が積もり、次の日の朝白く雪化粧していたのが印象的でした。

窓の外の降る雪を見ると、そのまま見入ることがあります。
雪は雨のような音もせず静かに降ってきて、その静けさに魅力があります
真っ白い雪が静かに降るのを見ると、とても澄んだ気持ちになります。
雪の日は物凄く寒いので外を歩くのには向かないものの、澄んだ気持ちにさせてくれるのは良いものだと思いました