『幕末史』
半藤 一利、2008、『幕末史』、新潮社
ペリー来航(1853)から参謀本部の設立(1878)までを「幕末史」としてとらえ、また、戊辰戦争において朝敵として戦った長岡藩の末裔としての著者の視点でこの「幕末史」を語ろうとする。
かいつまんでいうと、明治維新というのは、崇高な目的で初心貫徹して明治国家の形成がおこなわれたというようなことはまったくなく、動機もバラバラ、状況判断もバラバラ、個人の力が引っ張ったということもなく、流れの結末をもっともらしくととのえたという以上でも以下でもない。読者は、英雄史観というのはあり得ず、有象無象のうごめきが歴史を作るということをあらためて知ることになる。
教科書の歴史は政権にとって好都合な思想書であるし、もちろん、著者の視点も朝敵側のルサンチマンでもある。書かれた歴史は、まあ、そんなものだ。真実としての歴史ではなく、解釈と理解としての歴史、それを教育の現場でも教えてほしいものだ。
ペリー来航(1853)から参謀本部の設立(1878)までを「幕末史」としてとらえ、また、戊辰戦争において朝敵として戦った長岡藩の末裔としての著者の視点でこの「幕末史」を語ろうとする。
かいつまんでいうと、明治維新というのは、崇高な目的で初心貫徹して明治国家の形成がおこなわれたというようなことはまったくなく、動機もバラバラ、状況判断もバラバラ、個人の力が引っ張ったということもなく、流れの結末をもっともらしくととのえたという以上でも以下でもない。読者は、英雄史観というのはあり得ず、有象無象のうごめきが歴史を作るということをあらためて知ることになる。
教科書の歴史は政権にとって好都合な思想書であるし、もちろん、著者の視点も朝敵側のルサンチマンでもある。書かれた歴史は、まあ、そんなものだ。真実としての歴史ではなく、解釈と理解としての歴史、それを教育の現場でも教えてほしいものだ。
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