『細胞の意思:“自発性の源”を見つめる』
団 まりな、2008、『細胞の意思:“自発性の源”を見つめる』、日本放送出版協会 (NHKブックス)
考えてみると不思議なことではある。卵が受精し細胞分裂がはじまり、たった一つの細胞が増殖してた細胞になり、それぞれの細胞は別々の機能を持つ器官や組織を形成する。ひとつひとつの細胞そのものの構造は同じだが、その位置や働きによって姿も形も異なっている。ひとつひとつの細胞はあたかも、その位置に存在することを目的としてそこにいたったように見えるが、本書は細胞の自発性と名付けた働きに焦点をあてて、生命とは何かの謎に迫ろうとする。
DNAにすべての情報が書き込まれていて、細胞ひとつひとつの命のシナリオが既定であるとする生命観は本書を読むと、無理があることがわかっている。本書の中で示される実験、たとえば、発生初期において数期の分割をおえた卵をふるいにかけて、細胞をバラバラにし、再び集めてみると個々の細胞はまるで記憶があるようにもとの場所に集って再び発生の過程を追い始める。これなどは、まるで細胞に意思があるかのような現象である。
生命は、細胞そのものに存在し、多細胞生物の個体は生命の集合体であるといったホーリスティックな生命観を知ることができる。
考えてみると不思議なことではある。卵が受精し細胞分裂がはじまり、たった一つの細胞が増殖してた細胞になり、それぞれの細胞は別々の機能を持つ器官や組織を形成する。ひとつひとつの細胞そのものの構造は同じだが、その位置や働きによって姿も形も異なっている。ひとつひとつの細胞はあたかも、その位置に存在することを目的としてそこにいたったように見えるが、本書は細胞の自発性と名付けた働きに焦点をあてて、生命とは何かの謎に迫ろうとする。
DNAにすべての情報が書き込まれていて、細胞ひとつひとつの命のシナリオが既定であるとする生命観は本書を読むと、無理があることがわかっている。本書の中で示される実験、たとえば、発生初期において数期の分割をおえた卵をふるいにかけて、細胞をバラバラにし、再び集めてみると個々の細胞はまるで記憶があるようにもとの場所に集って再び発生の過程を追い始める。これなどは、まるで細胞に意思があるかのような現象である。
生命は、細胞そのものに存在し、多細胞生物の個体は生命の集合体であるといったホーリスティックな生命観を知ることができる。
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