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ひとり考え続けていることを公開しています。また、文学的な作品もあります。

短歌味体Ⅲ 2102-2201 (作品集)

2017年12月07日 | 作品集
短歌味体 Ⅲ 日付
短歌味体Ⅲ 2102-2103 微シリーズ・続 2017年10月25日
短歌味体Ⅲ 2104-2107 微シリーズ・続 2017年10月26日
短歌味体Ⅲ 2108-2110 そこ!シリーズ 2017年10月27日
短歌味体Ⅲ 2111-2112 そこ!シリーズ・続 2017年10月28日 
短歌味体Ⅲ 2113-2114 微シリーズ・続 2017年10月29日
短歌味体Ⅲ 2115-2116 微シリーズ・続 2017年10月30日
短歌味体Ⅲ 2117-2118 そこ!シリーズ・続 2017年10月31日
短歌味体Ⅲ 2119-2121 57577シリーズ 2017年11月01日
短歌味体Ⅲ 2122-2124 57577シリーズ・続 2017年11月02日
短歌味体Ⅲ 2125-2127 57577シリーズ・続 2017年11月03日
短歌味体Ⅲ 2128-2130 そこ!シリーズ・続  2017年11月04日
短歌味体Ⅲ 2131-2132 そこ!シリーズ・続 2017年11月05日
短歌味体Ⅲ 2133-2135 即興詩シリーズ・続 2017年11月06日
短歌味体Ⅲ 2136-2137 即興詩シリーズ・続 2017年11月07日
短歌味体Ⅲ 2138-2139 即興詩シリーズ・続 2017年11月08日
短歌味体Ⅲ 2140-2142 そこ!シリーズ・続 2017年11月09日
短歌味体Ⅲ 2143-2145 そこ!シリーズ・続 2017年11月10日
短歌味体Ⅲ 2146-2148 そこ!シリーズ・続 2017年11月11日
短歌味体Ⅲ 2149-2150 そこ!シリーズ・続 2017年11月12日
短歌味体Ⅲ 2151-2152 そこ!シリーズ・続 2017年11月13日
短歌味体Ⅲ 2153-2154 そこ!シリーズ・続 2017年11月14日
短歌味体Ⅲ 2155-2156 即興詩シリーズ・続 2017年11月15日
短歌味体Ⅲ 2157-2158 57577シリーズ・続 2017年11月16日
短歌味体Ⅲ 2159-2160 即興詩シリーズ・続 2017年11月17日
短歌味体Ⅲ 2161-2162 即興詩シリーズ・続 2017年11月18日
短歌味体Ⅲ 2163-2164 そこ!シリーズ・続 2017年11月19日
短歌味体Ⅲ 2165-2166 そこ!シリーズ・続 2017年11月20日
短歌味体Ⅲ 2167-2168 せいせいシリーズ 2017年11月21日
短歌味体Ⅲ 2169-2170 せいせいシリーズ・続 2017年11月22日
短歌味体Ⅲ 2171-2172 せいせいシリーズ・続 2017年11月23日
短歌味体Ⅲ 2173-2174 せいせいシリーズ・続 2017年11月24日
短歌味体Ⅲ 2175-2176 せいせいシリーズ・続 2017年11月25日
短歌味体Ⅲ 2177-2179 そこ!シリーズ・続 2017年11月26日
短歌味体Ⅲ 2180-2181 即興詩シリーズ・続 2017年11月27日
短歌味体Ⅲ 2182-2183 冬シリーズ 2017年11月28日
短歌味体Ⅲ 2184-2185 冬シリーズ・続 2017年11月29日
短歌味体Ⅲ 2186-2187 冬シリーズ・続 2017年11月30日
短歌味体Ⅲ 2188-2189 冬シリーズ・続 2017年12月01日
短歌味体Ⅲ 2190-2191 冬シリーズ・続 2017年12月02日
短歌味体Ⅲ 2192-2193 冬シリーズ・続 2017年12月03日
短歌味体Ⅲ 2194-2195 そこ!シリーズ・続 2017年12月04日
短歌味体Ⅲ 2196-2197 そこ!シリーズ・続 2017年12月05日
短歌味体Ⅲ 2198-2199 冬シリーズ・続 2017年12月06日
短歌味体Ⅲ 2200-2201 そこ!シリーズ・続 2017年12月07日

 




   [短歌味体Ⅲ] 微シリーズ・続


2102
沈黙の内には流れ
があって
黙する場面でベクトルを感じる


2103
静けさの無言降りると
潮退くように
ひとひとひとの着地してゆく流れある




   [短歌味体Ⅲ] 微シリーズ・続


2104
微かなひびやずれが
在るならば
力のバランスちろちろ揺れる


2105
小さな無数のひびやずれ
いかす
オープンソース生き生きうねる



2106
張り付いたたくさんの事情を
排除した
希望はただAIの言葉



2107
vivid!と宣言しても
微微微微微
砂の城は崩れ落ちる

全体の註.状況的な詩として。




   [短歌味体Ⅲ] そこ!シリーズ


2108
誰もが好き嫌いする
そこだけは
の渦に避けようもなく引き込まる


2109
ゆらゆらの平均台から
見えるのは
かげろう立つ地平ばかり


2110
そこ!を占めてしまったら
もう戻れない
蜘蛛の糸からみからまる




   [短歌味体Ⅲ] そこ!シリーズ・続


2111
違うところ巡っていても
猫の目の
きみはそこ!一縷(いちる)のストーカー


2112
異変なく不安の風も
吹かない
けれど一抹の深あいそこ!




   [短歌味体Ⅲ] 微シリーズ・続


2113
小走りの(微)からだより前を(微)
駆けていく(微)
身にはぐれてる(微)こころころころ


2114
知らぬ(微)知らぬわしは
知らぬ(微)ぞ
何度訊(き)かれようと(微微)知らぬのじゃ




   [短歌味体Ⅲ] 微シリーズ・続


2115
折り畳みこれでおしまい
ほっとする
後ろ髪の微が気にかかっている


2116
幕下りて畳まれていく
気配する
それでも抗う微が跳ねている




   [短歌味体Ⅲ] そこ!シリーズ・続


2117
白いシャツの誤解の渦を
潜り抜け
ただただ白いシャツの降り積もる


2118
何と言われようと痛い枝葉を
踏み分けゆく
そこ、そう、そこ!を心深く沈め




   [短歌味体Ⅲ] 57577シリーズ


2119
長歌反歌くり返し
57577
ちょっとカッコ付けて走り出す


2120
57577水流に
乗り込んで
かなり気分よくすべるすべる


2121
水流に乗り縮んだり
伸びたり
短長にうねる水の舟は




   [短歌味体Ⅲ] 57577シリーズ・続


2122
55785足取り気ままに
歩いてる
ちょっとよっぱらったらったらった


2123
ああきみは澄ましているね
遠方の
ブランド物をそんなにちらちらさせなくても


2124
きみもまた赤ちゃんばぶばぶ
57577
の時間の家から育ってきたか




   [短歌味体Ⅲ] 57577シリーズ・続


2125
飛び石をふと踏み外し
見慣れぬ
韻の村に入り込んでいく


2126
イメージの桃は流れず
貧弱な
桃がただ実っている


2127
飢え忘れてもイメージは
あぜ道の 赤赤(シャクシャク)
彼岸花に吸い寄せらるる




   [短歌味体Ⅲ] そこ!シリーズ・続


2128
イメージは横超(おうちょう)の
そこ!を
ひと飛びで占拠する


2129
イメージの身体は
風に吹かれ
汗出し峠道を上り下りする


2130
走行した帰還兵は
初期の
イメージを少し修正する




   [短歌味体Ⅲ] そこ! シリーズ・続


2131
そこ! と言われても
わからない
ないないに実感の川は流れず


2132
そこ!とここ 越すに越されぬ
不明の 焦焦(ショウショウ)
じかんの峠道があるはず

註.テレビで観た職人修行の場面を思い起こして。




   [短歌味体Ⅲ] 即興詩シリーズ・続


2133
パソコンが急死して
あれこれそれ
と引き継ぎ渡してゆく


2134
花添えることはなくても
数年の
積もる時間をしずかに眺む


2135
峠道なんとかなるさと
つぶなきながら
いくつかの峠を越えてゆく




   [短歌味体Ⅲ] 即興詩シリーズ・続


2136
端からは何とででも言える
何でもできるさ
ただ閉ざされたdark dark dark clouds


2137
端からはただ無言の
眼差し
向けるのみ ただ 〈存在倫理〉




   [短歌味体Ⅲ] 即興詩シリーズ・続


2138
もうもうと立つ湯気の中
肌合いに
流れる心の汗は見えないね


2139
似たような場面ひき出し
心の
波打ちながら流るるを追う




   [短歌味体Ⅲ] そこ! シリーズ・続


2140
一ミリのずれがあったら
許さない
世界じわじわ寄せてくる


2141
逃れようのない論理で
押し切られ
身も心も染まっているよ


2142
見えない舞台にひとり
ひとり
押し寄せ押し返す劇がある




   [短歌味体Ⅲ] そこ! シリーズ・続


2143
スピード色に染まっている
ジリジリジリ
いけないな おお青い空


2144
解除キーはどこ?と問う
までもなく
ただらんららんと歩けばいいさ


2145
すべては小さな自分の
そこ!
秘密の場所に眠っている




   [短歌味体Ⅲ] そこ! シリーズ・続


2146
言葉のない場所から皆
言葉の
橋をよちよち渡ってきた


2147
右向けば「右」、左向けば「左」と
揺らぐ心沈め
ぼくらはそれぞれの言葉の船に乗り込んだ


2148
言葉の橋を日々渡る
遙かな
手すりの記憶手肌に触れる




   [短歌味体Ⅲ] そこ! シリーズ・続


2149
言葉が砂漠のように
降り積もる
そんなつもりではとのど乾く


2150
便利さにキュウキュウとする
サイレンが
猛スピードで駆けていく夜




   [短歌味体Ⅲ] そこ! シリーズ・続


2151
深々と築き上げて
しまった
ものだけどもう繕っても繕っても


2152
焦っても堂々巡りの
関係は
ただ静かに積み木の夜にふるえる




   [短歌味体Ⅲ] そこ! シリーズ・続


2153
壊れるときはガラガラと
死んでなお
生き延びてひと押しのベルリンの壁


2154
たましいが冷たくなってしまっても
頭脳ばかりは
MRI 発火発火点滅しているよ




   [短歌味体Ⅲ] 即興詩シリーズ・続


2155
頭ヅキヅキ雲荒れて
何気ない
晴天の日の自分大きく寄せくる


2156
トンネルに長らく慣れた
ついに出る
みどりまぶしい病み上がる朝




   [短歌味体Ⅲ] 57577シリーズ・続


2157
5の踏み出しに迷ってる
と、とっとっと
見知らぬ者がふてくされ立つ


2158
そうだねそのとおりだね
とすべり出す
57577の空、晴れ渡っている




   [短歌味体Ⅲ] 即興詩シリーズ・続


2159
ふと流れた微笑みの
滲みとおり
人生賭けることもあるさ


2160
病でなくてもがむしゃらに
突き進む
発動の機微がある




   [短歌味体Ⅲ] 即興詩シリーズ・続


2161
喧騒(けんそう)に静けさの一点
あるように
静けさの細道を楽隊のゆく


2162
滴(したた)りのすすすすうっと
流れゆく
重力に沿う心模様




   [短歌味体Ⅲ] そこ! シリーズ・続


2163
張り詰めた観察の
傍らで
ぼんやりと観察されてるきみは


2164
無心に砂遊びする
子どもらは
砂の城に今入っていく




   [短歌味体Ⅲ] そこ! シリーズ・続


2165
あさひるばん潜(くぐ)る一日の
形や匂い
異なるくうきにわたしも変位してゆく


2166
時間の舟に乗り込む朝
一日の
日のきらきらきらめく水面は




   [短歌味体Ⅲ] せいせいシリーズ


2167
寒さ深まりゆく秋に
ももいろの
花花が生生(せいせい)揺れている


2168
いいないいな清清するな
何がって?
この風の中にゆれる心は




   [短歌味体Ⅲ] せいせいシリーズ・続


2169
せいせいをとりあえずは
生々
清清とか生成させている


2170
流れる〈せいせい〉の匂い
静止する
画布に描き留めるほかないこの流れ




   [短歌味体Ⅲ] せいせいシリーズ・続


2171
せいせいする微妙な・ち・て・ん
そこ!
が静かなバランスに揺れている


2172
少しぐらいずれてても
的に当たった
ことに変わりない、ただせいせいしないな




   [短歌味体Ⅲ] せいせいシリーズ・続


2173
例えばふぃぎゅあすけーと
雑伎団
の曲芸とおんなじじゃ?


2174
いずれも離れ技に
キュウキュウと
刃(は)の上をせいせい滑りゆく




   [短歌味体Ⅲ] せいせいシリーズ・続


2175
せいせいも研ぎ澄まされて
上り詰め
(say say say say say say) 苦しげだ


2176
せいせいするのはせいこちゃん
ばかりではなくって
ほらほらほら木々もネコたちも




   [短歌味体Ⅲ] そこ! シリーズ・続


2177
階段を一歩一歩と
踏みしめて
さあ見晴らしがよくなってくるか?


2178
イルカに乗ってみないと
わからない
感触や風切る見晴らし


2179
階段に足をかけたら
ふうっと
一気に頂へ着くこともあるさ




   [短歌味体Ⅲ] 即興詩シリーズ・続


2180
ひとつの色と成っていても
階段を
どんどん下ると虹が見える


2181
表情は虹の井戸か
暗い井戸か
ゆらゆら立ち上って来るよ




   [短歌味体Ⅲ] 冬シリーズ


2182
〈冬〉は人が名づけたもの
だから
人の表情や匂いも放つ


2183
きびしい冬を飼い慣らし
次々人は
新しい〈冬〉を更新してゆく





   [短歌味体Ⅲ] 冬シリーズ・続


2184
冷たい冬の流れ沿いに
木々たちも
身をかたく引き締めている


2185
冬の朝(はじまりはじまり)
吐く息が
のろしのように出立する




   [短歌味体Ⅲ] 冬シリーズ・続


2186
「ひやかねえ」寒く厳しい
冬が来た
家の外では冬語飛び交う


2187
冬の火は半世紀後の今
画像の火
のように熱を持ち家のうちにある




   [短歌味体Ⅲ]冬シリーズ・続 


2188
ズキーンと冷たい記憶の
蛇口から
イメージがふと流れ出す


2189
冬の朝通学路の
歩み方
あちこちそちと踏みゆく鍵盤の




   [短歌味体Ⅲ] 冬シリーズ・続


2190
もも色に咲き誇るダリアも
霜降りると
枯れ死するけど今、いましかなく立つ


2191
地下茎は冬を生きのびて
また春に
初々しくダリアの若芽を出す




   [短歌味体Ⅲ] 冬シリーズ・続


2192
雪に埋もれてしまった
静けさに
色色の音がぴんぽんぱん跳ねている


2193
うごめく人人人が
白一色
の冬景色を揺さぶりゆく




   [短歌味体Ⅲ] そこ! シリーズ・続


2194
音でも色でも言葉でも
せ・い・め・い・の
表情が織り込まれ来る


2195
なぜかはわからん生命の
日々アリさん
みたいにあちこちそちこちぶんぶんぶん




   [短歌味体Ⅲ] そこ! シリーズ・続


2196
なんてことない一日にも
振り向けば そこ!
静かに深く味わうコーヒーの時がある


2197
ああ そうだったのか
見慣れた
景色が急に暗転することがある




   [短歌味体Ⅲ] 冬シリーズ・続


2198
人が決め踏み固めきた〈冬〉
あ もう冬か
目分量で感じ取るよ


2199
この地を生きてきた
イメージ束
と肌触れ合い〈ふゆ〉が流れ出す




   [短歌味体Ⅲ] そこ! シリーズ・続


2200
手と手をつなぐイメージ群
ののつちの
匂い無ければ空無に墜ちる


2201
イメージ野を疾走し
現在(いま)はもう
みな風圧に肌荒れひび割れる




 

 

 


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