野々池周辺散策

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米国のバイタリティー:トランプ次期大統領

2016-11-14 06:25:23 | その他
   「ウォールストリートジャーナル、10日」
日本のマスコミでは悪評高かったトランプさんが第45代アメリカ大統領になる。
選挙運動中の悪態ぶりに、その演説も嘘ばかりと酷評されたトランプは、ある記事によると「ただのアホ」と評価されていた。クリントンはTV討論会でのそつのなさから品の良い人との強い印象を与え、事前予報では圧倒的多数でクリントンが当選するだろうとの日本メディアの論評が多かった。我々は日本のマスコミからの情報しかないので、やはりクリントンの方がそつない政治運営で無難と思っていた。しかし一方、そのあくどい錬金術からクリントンを「悪党」だとする評価もあり、アメリカ人はどう選択するのかものすごく興味があった。結果、クリントンは負け、最後の演説で「ガラスの天井」を壊すことができなったと言ったが、クリントンは女性だから負けたんではなく、結果的に彼女の悪さ、あくどい金亡者の資質をアメリカ国民は嫌っただけの話だけなんだろう。アメリア人の大多数は正直に人物を見ていていたんだ。

選挙は終わった。民主主義国家を標榜し、また自国の民主主義を他国に押し付けてやまないアメリカ人が、民主主義の基本である多数決で決まったトランプに反対デモをするとは、何処かの政情不安な後進国と変わらない。好き嫌いはあってもトランプ次期大統領に期待するしかない。何せ、アメリカという国は圧倒的に強く最強の経済力と軍事力を持つ唯一の超大国だから、アメリカ経済圏と軍事力を頼りにしている世界にとっても日本にとっても、トランプの動向を頼りにせざるをえまい。その点、安倍総理が17日にアメリカでトランプと面談するとしたのは朗報だ。いずれにしても、トランプは今迄と違って特殊アメリカ的な大統領になるのだろう。それはレーガンのように、知的ではないB級俳優だったレーガンが偉大な大統領になったように、トランプも「化ける」かもしれない。結果的に、少なくとも偽善的な「悪党」ヒラリーよりは断然おもしろいと言う意見も多い。

これは、社会や経済の混乱を、アメリカのエリートは自分や自分の同類で引き受けることは一切せず、一方厳しい生活を送り、このような重荷に対処するだけの資源を持たず、特別に保護されることもなく、金もコネもない普通の人々に背負わせた続けたエリート達への反論だとする意見、所謂アメリカ人の「普通の人の普通の感覚」だという意見もあった。

そうは言っても、それから1週間、最も懸念された経済動向を注視してきた。世界的に経済が混乱すると外に向けた力が働くので紛争が起こりかねない恐れもあり、アメリカ経済の行方が当面の心配事だった。と言うのは大統領選挙になる前の予想では、トランプが勝利すれば世界は暗闇に戻り、特に経済は一変し、世界的に株は暴落、100円を切る円高に日本経済はガタガタになると予想されていた。案の定、8日の投票が始まる前、クリントン優勢で日経平均も為替も好転し、世界のマーケットは一安心だと感じられるも、昼前のトランプ優勢が伝わると日経平均は大暴落、結局、その日の日経平均は△920円で、すわリーマンの再来かと青ざめた。ところがである、翌日のニューヨークダウは+257ドル上昇した。その翌日も更に+218ドルで、3日連続に上昇に19000ドルも期待され始めた。つれて日経平均も10日+1093円、11日は週末売りも重なり+30円で、世界のマーケットはトランプウエルカムと評価した。

トランプにあれだけ恐怖を煽ったマーケットが何故評価するのかを、日経には、トランプは来年1月の就任後、巨額減税を柱とする経済再生策を100日間で断行する構えで、「経済成長を加速させ、最強の経済をつくる」と宣言したとある。これが企業減税と共に、ニューヨークダウに繋がった。また、米国の長期金利が上昇に転じるので、金利の安い日本との金利差が拡大すれば円安・ドル高に進むので、日本企業にとっても朗報。金利差によるドル高傾向によって企業業績は大きく好転する要因に期待出来るというのがにエコノミストの見方。だが翻って、選挙でトランプに投票したアメリカ中西部の田舎の貧しい白人に、これらの諸政策が答えになっているのか暫くは様子見だろう。

トランプ人気が台頭していた今年の3月に、当ブログにこんな意見「強いアメリカの復活なるか」を書いたことがある。
その中の引用に、3月時点でのトランプ人気を具体的に解説した記事(副島国家戦略研究所 中田 安彦)があるが、その読みは当たった。
『レーガン大統領の選挙スローガンである『偉大なアメリカの復興』をそのまま掲げて登場したトランプ候補だったわけである。一言で言えば、トランプ候補は悪い意味で「ワイルドな世界観」の持ち主である。そして、中国の習近平やロシヤのプーチン大統領とさしで話が出来るのがトランプ候補だと言うのが米国民の一般認識だ』と。

同じブログの中に書いたが、
『「強いアメリカ」の躍動性で思い出したが、佐藤優と田原総一郎の共著「第三次世界大戦 新・帝国主義でこうなる」の中に、佐藤優が述べている、「アメリカを端的に表現すれば、『西部劇の保安官』とドラえもんの『ジャイン』を併せ持ったものだ。何時も正義を振りかざす保安官と駄々をこねる意地悪ガキのジャインが一体と混在しているのが、アメリカの実態。今のアメリカに、「保安官のアメリカ」か、「ジャインのアメリカ」か、どちらかが出ているのかを見極めながら、アメリカとは向き合う必要がある」と。

また、映画「ダークナイト」での、バットマンと悪役ジョーカーの戦いにもアメリカの暗部を見る事が出来る。バットマンが悪の世界の犯罪を摘発すればするほど、マフィアの犯罪は凶悪化し、バットマンは手段を選ばずマフィアを追い詰める。マフィアはバットマンに徹底的に追われるから、バットマンを殺そうとジョーカーを雇う。ジョーカーはそれをいいことに、市民を巻き添えにして殺人ショーを展開する。バットマンの苦悩は、自分の良かれと思ってする行動が逆に犯罪者を刺激し、犯罪が凶悪化するという悪循環にある。バットマンの「正義」は「超法規的力」によって合法・非合法に関係なく、バットマンのように法律に縛られない存在はとても便利なので、法事国家と言えど、バットマンは必要悪として存しているのである。如何にも正義漢の塊のような人物でも、状況の変化によっては正義の下に隠れた「悪」に、いとも簡単に変ってしまうという事実で、バットマンだってそうだとして描かれている。映画の中で、ジョーカーがバットマンに向かって哄笑しながら、「俺もお前も世間から見れば化け物じゃないか」と繰りかえし、バットマンが勝手に私設自警員として、奇怪な覆面衣装に身を固め、法律を無視して正義の味方を気取る矛盾を突いてくる。そして悩むバットマンをあざ笑いながら、「お前が正体を晒すまで、俺は毎日、市民を一人ずつ殺していくぞ」と言って、本当に罪のない市民を殺し始める物語。』
バットマンもジョーカーもどちらをトランプとアメリカのエリート層やクリントンを悪党として置き換えても理解できるのがアメリカたる懐の深さで、心の底にある悪さを併せ持った世界最強国の所以。いかにも善人面してもっともらしく語る輩こそ内実、悪党だったするのが身近にもある。何れにしても、今のアメリカ白人はどの世代や階層に限らず、アメリカ的マッチョイズムの象徴、ラッキーストライクのイメージを強烈に求めているように見えてきた。とにもかくも、米国のバイタリティ、躍動感は凄まじい!
        


とは言え、トランプ氏の「米国第一」、退廃と衰退の始まり のように懸念する意見も、また多い。





 

 











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