箕面市では、子どもの読書意欲を高め、読書活動をさらに推進することを目的として「箕面・世界子どもの本アカデミー賞」を平成22年に創設しました。この賞は、「子どもが本当に支持している本を、子ども自身が選ぶ」という趣旨に基づいており、一般的な「大人が選ぶ」子どもの本の賞とは異なる全国でも珍しい取り組みです。
例年、学校図書館や市立図書館において、4月からノミネート作品(約20作品)を紹介し、8月頃に子どもたちの投票によって各部門の受賞作が決定されます。その後11月には、子どもたちが主体となって運営する授賞式が行われ、受賞作家によるスピーチや中学生が手作りしたオスカー像を授与されます。さらに授賞式後には、受賞作家やノミネート本の作者が市内小・中学校を訪問する「オーサービジット」を開催し、子どもたちが作家と交流する機会を設けています。
13回目となる今回は、約13,400人の市立・私立小中学校の子どもたちが投票した結果をもとに、ノミネートされた本の中から、下記のとおり「絵本賞」「作品賞」「主演賞」「ヤングアダルト賞」の受賞4作品を、昨年8月に決定しました。
■受賞作品
【絵本賞】『お月さんのシャーベット』:ペク・ヒナ/作、長谷川義史/訳
【作品賞】『大ピンチずかん』:鈴木のりたけ/作
【主演賞】『オニのサラリーマン』(主演 オニガワラ・ケン):富安陽子/文、大島妙子/絵
【ヤングアダルト賞】『むかしむかしあるところに、死体がありました。』:青柳碧人/著
2月19日(水曜日)に、作家が子どもたちに本の楽しさを直接伝える「オーサービジット」を開催し、今年度の「主演賞」を受賞した「オニのサラリーマン」(富安陽子・文、大島妙子・絵)の著者である富安陽子さんが、箕面市立豊川南小学校(辻野夏奈江校長・小野原東3丁目2-1)を訪問しました。
「オニのサラリーマン」シリーズは、赤オニのオニガワラ・ケンが地獄カンパニーの平社員として日常生活をおくる、人間味あふれる姿が描かれる絵本のシリーズで、平成27年10月から令和5年12月にかけて第5弾までの作品が出版されています。
当日、豊川南小学校では、体育館に2~4年生の約330人の児童が集まり、富安陽子さんがご挨拶をされると体育館中が大きな拍手に包まれました。
富安陽子さんは、ご自身がなぜ童話を書くようになったかなどを話され、その後、ご自身が書かれたお話2作品の読み聞かせをされました。
公演後には、富安陽子さんへの質問タイムがありました。元気よく手を上げた児童から「お話を書く中で一番楽しいことはなんですか」や「本を作るとき大切にしていることはなんですか」など気になる質問が飛び交い、富安さんは子どもたちの質問に対し、一つ一つ楽しそうに回答していました。
富安さんの講演会を受けた児童は「たくさんのことを教えてくださってありがとうございました。私もようかいやおばけが大すきです。」や、「『ここは、ようかいチビッコえん』をみて、わたしも絵本をかいてみたいと思いました。本当の作家さんに会えてとてもうれしかったです。」と話しました。
今回のアカデミー賞「主演賞」受賞について、富安さんは「箕面・世界子どもの本アカデミー賞の栄えある主演賞に選んで頂いてありがとうございます。読者である小学生の皆さんに選んでいただいて大感激だと、オニガワラ・ケンさんも言っています。本当にありがとうございました。」と話してくれました。
<お問い合わせ先>
箕面市教育委員会 子ども未来創造局 中央図書館
TEL:072-722-4580 FAX:072-724-9697
<みんなも「オニのサラリーマン」読んでみるモミ~