このブログは、多くの方が『愛のコリーダ』で検索して遊びに来ていただいています。これは主演女優の松田英子(瑛子)の近影(と思われる写真)を紹介したからです。
というわけで、『愛のコリーダ』に興味がある読者のために、『愛のコリーダ』が大幅に修正個所を減らして再公開された2000年に、主演の藤竜也がいまはなき雑誌『アサヒグラフ』2000年10月6日号で語ったインタビュー記事を採録しましょう。これは昨年の年末に押入れを整理していたら出てきたもので、なぜかこの2000年の『アサヒグラフ』を私は何冊か買っています。で、「深田恭子」とか「モーニング娘。」とか007とか、そんな特集をやっています。いよいよ存続が難しくなったので、世間受けするテーマで雑誌を作ろうとしていたのかどうかについては分かりません。
同じ雑誌には、大島渚のインタビューもあるのですが、これはあんまりおもしろくないので採録は見合わせます。大島さん、この時はだいぶ頭がやられちゃっていたのかな。
しかしこの藤のインタビューは面白い記事です。ぜひお読みください。「―」が聞き手です。
INTERVIEW
藤 竜也
「台本を読んでヤバイ仕事だとは感じたんですが、もうこれでダメになってもいい、と…」
当時34歳、あの吉蔵の、ときに気恥ずかしげな、ときに苦み走った微妙な表情と身振りは、藤以外の役者ではありえなかった。
台本を読んだときに、「天からもらった仕事」と興奮したというが、これぞ天賦の演技。
定=松田英子との出会いと別れ、「誇り高き」撮影現場・・・。
稀代の俳優が回顧する。
聞き手=高橋伸児(本誌)
撮影=林 正樹(出版写真部)
―今回の『愛のコリーダ』はいかがでしたか?
公開当時、保税倉庫とカンヌで一回ずつ見たきりだったんですがあんないいものだっとは思いませんでしたよ。この二十年間に映画が太った。すごく変な、妙な気がしました。それで監督に会ったときに、「大島さん、あんないい映画とは思いませんでした」って言ったら、キョトンとしてて(笑い)。いやあ、初めて監督を尊敬の目で見ましたよ。こんなすごいシャシンを撮った方なんだって。
―映画が太った、といいますと?
うーん・・・・・時代の空気と意識の変化というかな、僕も、時代と一緒に生きているわけですから。まあ、映画を撮り終わった後は、当事者は引いて見られないですよ。怯えがあったり、「喜んでもらえるだろうか?」と恐縮した感じでね。それが今回、一つのフィルムとして観たら、泣けて泣けて(笑い)。ポロポロ泣いてました。
―ポロポロ?
何でだろう?(笑い)自分でもアラララッていう間に涙が出てきちゃって、後はもう・・・・・。人力車で二人が旅館にしけ込むシーンがあるでしょう。阿部定が「(生理)になっちゃった」って言うとき、吉(吉蔵)が定の血のついた指をなめて、「かまやしないよ」って言う。カッコイイ! あんなにカッコよかったけな、って思ってね(笑い)。・・・・・だけど、よくあんな台本書きましたよね。
―ある意味、衝撃的なシーンと言いますか。とても僕にはできませんが(笑い)。
うん、すごい映画だな。あられもない、きわめてプライベートな行為を写し続けることで、ものすごくピュアなものを抽出するという芸当、やり口がすごい。こういう映画をやってみたいとだれもが思うだろうけど、なかなかうまくいかないですよね。ところが、なんだか知らないけどうまくいっちゃった。「性」をメッセージするというのは、映像でも散文でも詩でも、なかなか成功しないですよ。
―特に若いお客さんにどのようなところを見てほしいですか?
そうね・・・・・「惚れる」っていうのはこういうことなんだよ、ってことになるのかな。みんな、その覚悟はあるかい? って。
―当時を振り返っていただきたいのですが、撮影が一九七五年で、藤さんはテレビドラマ「時間ですよ」に出ていたんですよね。
華々しく出ていた頃ですね。
―「時間ですよ」はお茶の間で家族みんなで見るというたぐいの番組でしたが、そこで定着してきた頃に、こういう作品ということで、躊躇しませんでしたか?
周囲は混乱したでしょう。だけど、ホン(台本)を読んだときに、「これをやらないバカはいない」という直感がすごく強かったんですよ。あとは野となれ山となれ、というか。ヤバイ仕事だとは感じましたが、「こう言うテーマは二度と来ない仕事だ」とも思いました。
―当時はしり込みされた俳優さんも多かったと聞きますけど。
そのへんは、あまり聞いていませんが、僕はもう、天からもらった仕事だ、というような興奮で、マズイほうに行けば、本当にマズくなる可能性があったわけですが、それで結果がどうなっても、引き受けるつもりでいたからね。ある面では、その危うさにスリルを感じたのかもしれません。
―大島作品はそれまで見ていましたか?
「松竹ヌーヴェル・ヴァーグ」といわれた一、二本は見た記憶がるけど、独特な作風を感じていましたね。
―で、それがもう独特も独特、という作品ですからね。
どこまでやるのかわからないし、監督もそういうことは一切言わないからね。だから、けっこう曖昧なままクランクインしたんです。そうしたら、やっぱり心に引っかかるものがありましたね。一番プライベートな”パーツ”をさらすんですから、恥ずかしいのは当たり前でしょ? でも、撮影初日、吉と定が出会って、吉が目をつけて誘って…。
―あ、撮影は物語の順番で?
基本的に順撮りです。で、最初から、吉が横になってしゃぶられるシーンですよ。そんなのを先にやっちゃったからね。大島さんも考えたわけでさ、こういうシーンを変にもったいぶって最後のほうにもっていくと、こっちも負担になるでしょ? それが、最初にドッと来たからね。もう後は腰が据わったと言うのかな。余計な羞恥心は捨てなきゃいけないんだ、と。そりゃ、僕の人生にとっては、まわりに何十人もいて、ライトを煌々と浴びて…稀有な体験ですよ。でも、そんなことは大した問題ではなくて、監督はそんなシーンを撮る続けることで、ものすごい結晶質のものを引っ張り出したわけです。
(つづく)
佐藤慶も確か本番演技をやったことがあった記憶あり・・ですが。。
ええ、その辺の話は明日の記事に出ます。ご期待ください。
>佐藤慶
愛染恭子のほうは、まだまだご活躍中ですが…。
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