昨年の11月に、「1998年時点での対北朝鮮強硬派の予測する北朝鮮の将来(1)」「1998年時点での対北朝鮮強硬派の予測する北朝鮮の将来(2)」という記事を書きました。詳細は、上にリンクした記事を読んでください。つまりは、対北朝鮮強硬派が1998年に北朝鮮についてどのような認識を持っていたかをここから伺おうとした記事です。
3回目があるのですが、いまひとつ設問その他が面白くないので記事を書きませんでした。でもいろいろな意味で時代を感じるのでやはり記事にします。登場している人たちの解説は、(1)を参照してください。
9:現在の日本の北朝鮮政策は妥当か
玉城 素:定見なく、一貫性なく、及び腰で不可。
関川夏央:妥当ではない。対韓も含め、どのような政策があるのか見えない。
恵谷 治:妥当ではない。政治家たちの利益追求による場当たり式の対応のため。
野副伸一:良くない。日朝国交正常化交渉を急ぐ必要はまったくない。
花房征夫:腰がひけている。北朝鮮政策の究極目標は、北東アジアの平和と安定にある。政治、経済、文化を含めた総合外交が重要。
久仁 昌:野党、自民党幹部が情報を政府に一元化して国益を実現すべきである。中国がらみの対北朝鮮政策も考慮すべき段階にある。
鈴置高史:強攻策でいくか、柔軟策でやるかはそれぞれ理がある。ただ、外務省や政治家の利益のために、筋を曲げて正常化を急ぐ必要はない。
小林一博:微温的で無原則。「地域の平和と安定」のためにプラスになる―という原則が必要。
荒木和博:問題外。体制についての基本認識がない。
田中 明:政策があると思えず。
10:報道各社の支局は必要か。必要とすればいつか
玉城 素:現状では不必要。かえって有害。北の国内で、交通、通信、言論の自由実現後。
関川夏央:あった方がよい。しかし各社いっせいに、かつ優秀な記者が行くという条件を満たした場合。
恵谷 治:不要。希望するメディアがすべて常駐し、通常の報道活動ができるのであれば別。
野副伸一:あった方がよいと思うが、ちょうちん記事しか書けないような支局はいらない。
花房征夫:メディアの多様化は望ましいが、相手国のPR役では困る。
久仁 昌:アジアは今、新しい世界史の誕生の場と化した。「現場」報道を重視する意味で通信網の設置は早いほうがよい。
鈴置高史:あったほうがいいが、支局開設のために報道を曲げるのは好ましくない。
小林一博:必要だが、国交正常化とともに設置するのが妥当(各国とも外交案件、政府間取り決めになっている)
荒木和博:あるに越したことはないが、崩壊後、自由に報道ができるようになってから。
田中 明:不必要。現在の日本のマスコミが支局を置けば、向こうの広報部になるだけ。
11:国交正常化は、いつ、どんな条件で行うべきか
玉城 素:北の革命路線放棄後。南北平和協定による軍縮の実行過程で。
関川夏央:新興宗教国から、普通の途上国になったとき。急ぐ必要はまったくない。
恵谷 治:現体制がつづくかぎり急ぐ必要はない。
野副伸一:北朝鮮が南朝鮮革命原則を放棄することが条件である。
花房征夫:朝鮮半島の主役はソウルに移った。韓国とじゅうぶん協議して行うことが大事。
久仁 昌:南北情勢が動きはじめようとする今、早ければ早いほどよい。日本は、理由がなくて気ままな要求には応じない態度を貫くできである。
鈴置高史:被拉致者に解決のめどをつけてから。
小林一博:北朝鮮が普通の国際的つき合いができるようになってから。(拉致事件をそのままでは、正常なつき合いはできない)。
荒木和博:北の政権が崩壊し、かつ統一がなされずに分断が長期化すると認識した場合。
田中 明:北が少なくとも拉致事件を認めてから。
12:朝鮮半島情勢をにらみつつ、憲法9条はこのままでよいか
玉城 素:よいわけじゃない。9条は第1章天皇と連動させて、全面改定すべき。
関川夏央:よくない。自衛権を明文化すべき。
恵谷 治:よくない。勝手な解釈で政治家たちに弄ばれないように、明確な文章に変えるべきである。
野副伸一:朝鮮半島の有事に備え、日米安保体制を強化していく必要がある。憲法9条の見直しは、いまの日本人の精神状況ではむずかしい。
花房征夫:よい。自国の安全と周辺国の安定化を意図する日米安保ガイドラインの見直しは現実的選択。
久仁 昌:9条問題は、日本人の合意による理念上の問題、我が国の存続・防衛の問題である。否定するのであれば国交正常化を急ぐ必要はない。
鈴置高史:北朝鮮問題にかぎらず安全保障に関し集団的行動がとれるようにすることが必要だ。
小林一博:いい。
荒木和博:憲法改正はとても間に合わない。憲法自体を「努力目標」にして、実質面を補完する法(ex.防衛基本法)を制定すべき。
田中 明:改正すべき。集団自衛権を認めることと平行して。
(了)
正直改憲の問題なんて、あんまり北朝鮮とは関係が薄いような…。というか、1998年ごろは、このくらいには改憲ムードがあったということでしょうか。いまではだいぶ雰囲気はしぼんでしまいましたが。
それから国交正常化の話ですが、拉致問題についての言及がやはり多いですね。その後あのような事態になったわけですが、はてはて、彼らは本当にいまでも北朝鮮に拉致被害者が存命だとお考えなんですかね。
いずれにせよ時代の史料として興味深くはあります。
3回目があるのですが、いまひとつ設問その他が面白くないので記事を書きませんでした。でもいろいろな意味で時代を感じるのでやはり記事にします。登場している人たちの解説は、(1)を参照してください。
9:現在の日本の北朝鮮政策は妥当か
玉城 素:定見なく、一貫性なく、及び腰で不可。
関川夏央:妥当ではない。対韓も含め、どのような政策があるのか見えない。
恵谷 治:妥当ではない。政治家たちの利益追求による場当たり式の対応のため。
野副伸一:良くない。日朝国交正常化交渉を急ぐ必要はまったくない。
花房征夫:腰がひけている。北朝鮮政策の究極目標は、北東アジアの平和と安定にある。政治、経済、文化を含めた総合外交が重要。
久仁 昌:野党、自民党幹部が情報を政府に一元化して国益を実現すべきである。中国がらみの対北朝鮮政策も考慮すべき段階にある。
鈴置高史:強攻策でいくか、柔軟策でやるかはそれぞれ理がある。ただ、外務省や政治家の利益のために、筋を曲げて正常化を急ぐ必要はない。
小林一博:微温的で無原則。「地域の平和と安定」のためにプラスになる―という原則が必要。
荒木和博:問題外。体制についての基本認識がない。
田中 明:政策があると思えず。
10:報道各社の支局は必要か。必要とすればいつか
玉城 素:現状では不必要。かえって有害。北の国内で、交通、通信、言論の自由実現後。
関川夏央:あった方がよい。しかし各社いっせいに、かつ優秀な記者が行くという条件を満たした場合。
恵谷 治:不要。希望するメディアがすべて常駐し、通常の報道活動ができるのであれば別。
野副伸一:あった方がよいと思うが、ちょうちん記事しか書けないような支局はいらない。
花房征夫:メディアの多様化は望ましいが、相手国のPR役では困る。
久仁 昌:アジアは今、新しい世界史の誕生の場と化した。「現場」報道を重視する意味で通信網の設置は早いほうがよい。
鈴置高史:あったほうがいいが、支局開設のために報道を曲げるのは好ましくない。
小林一博:必要だが、国交正常化とともに設置するのが妥当(各国とも外交案件、政府間取り決めになっている)
荒木和博:あるに越したことはないが、崩壊後、自由に報道ができるようになってから。
田中 明:不必要。現在の日本のマスコミが支局を置けば、向こうの広報部になるだけ。
11:国交正常化は、いつ、どんな条件で行うべきか
玉城 素:北の革命路線放棄後。南北平和協定による軍縮の実行過程で。
関川夏央:新興宗教国から、普通の途上国になったとき。急ぐ必要はまったくない。
恵谷 治:現体制がつづくかぎり急ぐ必要はない。
野副伸一:北朝鮮が南朝鮮革命原則を放棄することが条件である。
花房征夫:朝鮮半島の主役はソウルに移った。韓国とじゅうぶん協議して行うことが大事。
久仁 昌:南北情勢が動きはじめようとする今、早ければ早いほどよい。日本は、理由がなくて気ままな要求には応じない態度を貫くできである。
鈴置高史:被拉致者に解決のめどをつけてから。
小林一博:北朝鮮が普通の国際的つき合いができるようになってから。(拉致事件をそのままでは、正常なつき合いはできない)。
荒木和博:北の政権が崩壊し、かつ統一がなされずに分断が長期化すると認識した場合。
田中 明:北が少なくとも拉致事件を認めてから。
12:朝鮮半島情勢をにらみつつ、憲法9条はこのままでよいか
玉城 素:よいわけじゃない。9条は第1章天皇と連動させて、全面改定すべき。
関川夏央:よくない。自衛権を明文化すべき。
恵谷 治:よくない。勝手な解釈で政治家たちに弄ばれないように、明確な文章に変えるべきである。
野副伸一:朝鮮半島の有事に備え、日米安保体制を強化していく必要がある。憲法9条の見直しは、いまの日本人の精神状況ではむずかしい。
花房征夫:よい。自国の安全と周辺国の安定化を意図する日米安保ガイドラインの見直しは現実的選択。
久仁 昌:9条問題は、日本人の合意による理念上の問題、我が国の存続・防衛の問題である。否定するのであれば国交正常化を急ぐ必要はない。
鈴置高史:北朝鮮問題にかぎらず安全保障に関し集団的行動がとれるようにすることが必要だ。
小林一博:いい。
荒木和博:憲法改正はとても間に合わない。憲法自体を「努力目標」にして、実質面を補完する法(ex.防衛基本法)を制定すべき。
田中 明:改正すべき。集団自衛権を認めることと平行して。
(了)
正直改憲の問題なんて、あんまり北朝鮮とは関係が薄いような…。というか、1998年ごろは、このくらいには改憲ムードがあったということでしょうか。いまではだいぶ雰囲気はしぼんでしまいましたが。
それから国交正常化の話ですが、拉致問題についての言及がやはり多いですね。その後あのような事態になったわけですが、はてはて、彼らは本当にいまでも北朝鮮に拉致被害者が存命だとお考えなんですかね。
いずれにせよ時代の史料として興味深くはあります。
「11:国交正常化は、いつ、どんな条件で行うべきか」
「荒木和博:北の政権が崩壊し、かつ統一がなされずに分断が長期化すると認識した場合。」
「崩壊したら行う」って言ってることが意味不明。
「田中 明:北が少なくとも拉致事件を認めてから。」
この時点ではあの国が認めるとは思ってなかったんだろうなあ(つまり田中の主観的には無理難題ふっかけて交渉妨害してるつもりなのだろう)。
「12:朝鮮半島情勢をにらみつつ、憲法9条はこのままでよいか」
「玉城 素:よいわけじゃない。9条は第1章天皇と連動させて、全面改定すべき。」
北朝鮮の崩壊時に日本軍がなければというのは、支持はしませんが気持ちは分かります。
天皇制というのは意味不明。この人以外は誰もそんな事言ってない。何なのこの人?
あと玉城の天皇の問題ってのはさっぱりわかりませんね。天皇を象徴でなく元首化を明確化しろっていうつもりなんですかね。関係ないよね、そんなこと。これまたどうしようもない人です。