ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)

映画、旅、その他について語らせていただきます。
タイトルの由来は、ライプツィヒが私の1番好きな街だからです。

あるスポーツ選手による性犯罪事件の判決について

2013-02-09 00:00:00 | スポーツ
ほとんど話題にもならなかったのかもしれませんが、福岡ソフトバンクホークスに所属していた某元野球選手が昨年おこした強制わいせつ事件について判決が出ました。彼の事件については、こちら、こちらで記事を書いています。1月25日の判決でやや時間がたっていますが、記事をお読みになってください。

><強制わいせつ罪>元ホークス選手に実刑判決…福岡地裁
毎日新聞 1月25日(金)21時16分配信

 少女にわいせつな行為をしたとして、強制わいせつ罪に問われた元プロ野球ソフトバンクホークス選手、堂上(どううえ)隼人被告(30)に対し、福岡地裁は25日、懲役2年(求刑・懲役2年6月)の実刑判決を言い渡した。

 江口和伸裁判官は「被告に有利な事情を最大限に考慮したが、執行猶予は相当でない」と述べた。堂上被告は控訴する方針。

 判決によると、堂上被告は昨年7月23日、福岡県古賀市の駐車場で少女(当時17歳)を脅して、わいせつ行為に及んだ。【遠藤孝康】


こちらも。

>元ソフトバンク捕手 堂上隼人被告に懲役2年の実刑判決
 少女を脅してわいせつな行為をしたとして、強制わいせつの罪に問われた元プロ野球ソフトバンク捕手の無職堂上隼人被告(30)に、福岡地裁は25日、懲役2年(求刑懲役2年6月)の判決を言い渡した。

 判決理由で江口和伸裁判官は「被害者の人格や心情を無視した非常に陰湿で悪質な犯行だ。被害者の感じた恐怖は重大」と述べた。弁護側は「プロ野球選手の地位を失い、既に社会的制裁を受けている」などとして執行猶予付きの判決を求めたが、判決は「以前にも同種の罪で有罪判決を受けており、刑事責任を軽視することはできない」として退けた。弁護人は控訴する方針を明らかにした。
2013年1月26日 06:00



予想通りの実刑判決ですかね。記事を読んだ限りでは、彼のドラフト指名や米国球界挑戦の際に支障になったとされる社会人時代の性犯罪事件は、刑事処分で有罪となっていたようですね。その辺があまり報道されていなかったので、私はその事件は不起訴処分ですんだのかなと思っていたのですが、罰金だったのかな。さすがに懲役の執行猶予判決でしたら、ソフトバンクもドラフト指名にはいたらなかったでしょう。

控訴するとのことですが(私は、この記事執筆時点で彼が控訴したという報道は見つけていません)、なかなか高裁での執行猶予付き判決は期待しにくいでしょうね。少女への性犯罪という犯罪形態が非常にまずい。被害者・被害者家族・関係者の処罰感情も非常に高いでしょうし、控訴しても実刑は免れないんじゃないんですか。

知っている人間に対して性的事件を起こした内柴正人と違い、特定の人間をねらったのでなく通りすがりの犯罪に近いものですので、正直なぜここまで馬鹿なことをしたのか理解に苦しみます。彼の裁判についての記事を探しましたので、ご確認ください。

強制わいせつ:元ホークス選手の被告、起訴内容認める−−初公判魚拓

毎日新聞 2012年11月10日 西部朝刊

 少女にわいせつな行為をしたとして、強制わいせつ罪に問われた横浜市旭区、元プロ野球ソフトバンクホークス選手、堂上(どううえ)隼人被告(30)は9日、福岡地裁(江口和伸裁判官)の初公判で起訴内容を全面的に認めた。「人間として本当に間違ったことをした」と涙ながらに謝罪した。

 起訴状によると、7月23日午後9時ごろ、福岡県古賀市の駐車場で少女(当時17歳)にわいせつな行為をしたとされる。検察側は冒頭陳述で、堂上被告が「暴力事件の犯人を捜している」とうそを言って少女に近づき、近くの駐車場に連れ込んだことを説明。「お前をぼこぼこにするように言われている」と脅したほか、証拠隠滅するなど手口の悪質さを指摘した。堂上被告は8月以降、3件の事件で逮捕された。


強制わいせつ:堂上元選手が謝罪 「恐怖、苦痛与えた」--公判
2012年12月22日

 少女にわいせつな行為をしたとして、強制わいせつ罪に問われた元プロ野球ソフトバンクホークス選手、堂上(どううえ)隼人被告(30)の第2回公判が21日、福岡地裁(江口和伸裁判官)であり、堂上被告は「被害者に恐怖や苦痛を与え、申し訳ありませんでした」と謝罪した。

 被告人質問で堂上被告は08年に入団後、1軍では数試合しか出場できなかったことに触れ「悔しさや不安があった。はっきり分からないが、コーチとの人間関係がうまくいかず、原因はそれしかないんじゃないかと思った」と話した。

 しかし、弁護人が事件を起こした理由を尋ねると「ストレスもあったが、原因は今も分からない。一生かけて見つけていかなくてはならない」と答えた。検察官からは事件後に証拠を隠滅した動機を尋ねられ、「DNAで犯人と分かってしまうのを恐れた」とした。

 起訴状によると、7月23日夜、福岡県古賀市の駐車場で少女(当時17歳)を脅し、わいせつな行為をしたとされる。堂上被告は3件の事件で逮捕されたが、2件は被害者との示談が成立し、不起訴処分となった。【遠藤孝康】


ストレスを感じる→見知らぬ女性を暴行するという行動をしてしまった精神構造が不可解ですが、つまりは彼は、こういったことを我慢する能力がはなはだしく低い人間なのでしょう。精神的に負担が大きくなった時点で、ぎりぎりのところで維持していた緊張感がくずれたのでしょう。いくら無名の2軍選手とはいえ、プロ野球選手がこんなことをしたらどれだけ重大な問題になるか、どれだけ他人に迷惑をかけるか、どれだけ自分が損をするか、といったことも理解できない、あるいは理解しても自分の衝動を抑制しないことを優先させたわけで、これまだどうもなあです。彼が刑務所に入るのは不徳のいたすところで仕方ないでしょうが、それ以外の人がこうむる迷惑や失望感も少しは考えろです。

過日の記事で私は、内柴正人は1日にしてあのような人間になったわけではないだろと指摘しました。彼の場合、それ以前から明らかに素行不良なところがあり、それが爆発してあのような不祥事を起こすにいたりました。で、この某元野球選手が、今回の事件と社会人野球時代に起こした不祥事以外にどのような行動様式だったのかは確認できませんが、けっきょく彼は、判決で指摘された程度のストレスを自分なりに対応することもできないくらいのどうしようもない人間だったということです。これではどうしようもありませんね。

ソフトバンク球団が最終的に彼をドラフト指名するに当たって彼の過去をどう考えたのかは、詳細は分かりませんが(更正したと認識したということでしょうが、どういう過程でそのような認識にいたったかは詳細に検討する必要があるでしょう)、やはり性犯罪者への対応は厳格にしたほうがいいんじゃないんですかね。前に書いたことをくりかえすと、この男が米国なんか行かなくてよかったと私は思います。最悪米国でこのような事件をおこしたら、それこそ目もあてられません。

しかし私は、仮に実刑が彼が出所した後が心配です。もはや失うものがないとか勘違いして暴走する可能性もあります。そうならないことを祈りますが、しかしそれはすべて彼次第です。家族その他の支援も、彼がだめではどうにもなりません。

今後も、この元野球選手については、私なりに注目していきたいと思います。
コメント (6)
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