ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)

映画、旅、その他について語らせていただきます。
タイトルの由来は、ライプツィヒが私の1番好きな街だからです。

とても興味深い記事だ

2013-02-20 00:00:00 | 北朝鮮・拉致問題
bogus-simotukareさんのブログ記事で知った産経新聞のこちらの記事がとても興味深いですね。

>北工作員、民主政権に接触打診 拉致解決を示唆「金正恩氏の意向」
2013.2.17 09:31 [北朝鮮]
 北朝鮮の指示で諜報活動を行い、捜査当局が工作員と認定した兵庫県尼崎市の運送会社社長、吉田誠一被告(42)=詐欺罪で公判中=が「金正恩最高司令官の意向」として、当時の民主党政権に朝鮮人民軍系幹部との協議を仲介者を通じて働き掛けていたことが16日、政府関係者らへの取材で分かった。吉田被告は「特殊な環境で暮らす日本人がいる」と拉致被害者らの生存を示唆し、政府側も接触を検討したが、直後に吉田被告が大阪府警に逮捕され、実現しなかった。

 吉田被告は金正恩第1書記の直轄下で軍系列に統合された対外工作機関「偵察総局」幹部らの指示で諜報活動をしていたことが判明しており、正恩政権が外交ルートとは別に軍系工作機関を使って水面下で対日交渉を進めようとしていた可能性が浮かび上がった。

 吉田被告と面識がある大学教員によると、吉田被告は教員に「朝鮮人民軍の情報系幹部とつながりがあり、その幹部から日本政府と接触したいと打診を受けた」と説明。昨年4月、「(正恩)最高司令官の意向で、敵対する関係でも接触する必要がある」との幹部のメッセージとともに、中国以外の第三国での協議を持ち掛けてきた。

 その際「政府認定の拉致被害者以外にも特殊な環境で暮らす日本人がいる可能性があり、そういう問題を解決したい」とし、北朝鮮に残る邦人遺骨の返還問題などに加え、幹部が拉致問題について話す用意があることにも言及したという。

 この話は教員を通じて当時の松原仁拉致問題担当相に伝えられた後、吉田被告側は昨年7月ごろにシンガポールなどで日本側と接触する計画を提示。政府職員の派遣も検討されたが、吉田被告は「(幹部が)北朝鮮の国内事情で海外に出るのが難しくなった」と延期を伝え、その直後の6月21日に融資制度を悪用して約1千万円を詐取したとして逮捕された。


「工作員」とか「諜報活動」などいろいろ書いていますけど、要は吉田氏は、北朝鮮との民間外交のパイプだったということでしょう。別に記事を読んでも、彼がこの件で不法行為をしたという話はないし、事実警察もその件で逮捕はせず裁判にもなっていません。

前にこの件で記事を書いたことがあり、その際も私は

>この報道が事実かどうか(大筋で事実であっても、細かい部分に間違いがある可能性もあります)は私には判断できませんが、ここで報じられていること自体は特に「犯罪」じゃないんじゃないの? 民間団体に「潜入」なんて書いてあるけど、べつに不法手段を使ったとかそういう話じゃないように思えるんですけど。その事務所に不法侵入してパソコンなどを奪ったとか、藤本氏の住民票その他を不法入手したとか、氏の個人情報を不正取得したとか、そういう犯罪行為はしていないでしょう。していれば、当然その件で逮捕・起訴される可能性が濃厚です。もっともこの点については、今後捜査がすすんで立件されることもありえます。

と指摘しました。その後この件では新たな立件はされなかったわけで、やはりこれは事実上の別件逮捕・別件起訴ということになりそうです。吉田氏が詐欺をしたのは事実であっても、それを他都道府県警(大阪府警)のしかも外事課が逮捕するというのは変な話。

>この話は教員を通じて当時の松原仁拉致問題担当相に伝えられた後、吉田被告側は昨年7月ごろにシンガポールなどで日本側と接触する計画を提示。政府職員の派遣も検討されたが、吉田被告は「(幹部が)北朝鮮の国内事情で海外に出るのが難しくなった」と延期を伝え、その直後の6月21日に融資制度を悪用して約1千万円を詐取したとして逮捕された。

っていうことになると、これって公安警察が、逮捕という強硬手段をとってでもこの交渉をつぶそうとしてそれを実行したということなります。つまりは警察はこの関係についてはそこまでやるということです。記事を読めば分かるように、べつに吉田氏のやろうとしたことはそれ自体犯罪でもないし、むしろ彼は立場上はなんとか日朝間の交渉をうまくいくようにしようと努力していたわけで、彼は政治的に葬られたということです。なかなかやることが露骨ですね。

ところでbogus-simotukareさんは、

>これを読んで俺が思ったのは、「この記事(逮捕された吉田容疑者が日朝交渉ルートの一つだった)が事実なら逮捕は『北朝鮮との外交はあらゆる手段で潰す』という公安の意思表明」ではないか、ということですね

>吉田容疑者が逮捕されてルートとして使えなくなったから、秘密にする必要がないとの理解で表に出るんでしょう。このネタをタカ派(安倍晋三とか)は「北朝鮮のスパイ工作」だの「北朝鮮は国交正常化に焦ってる。崩壊も間近だ」という話にしたいでしょうし、一方、ハト派は「北朝鮮に交渉意欲があるなら交渉すべきだ」という話にしたいでしょう。勿論俺はハト派ですから「交渉しようぜ」と言いたい。つうかそれが問題解決の早道だとマジで思いますよ。


と指摘されています。

常識的に考えれば、北朝鮮の崩壊なんてあてにならない話に固執するよりは交渉したほうがよろず話は早いと思いますが、安倍晋三としては前者の見方をするんですかね。それもどうかと思います。

最後にいつもながらbogus-simotukareさんに感謝いたします。本当にありがとうございます。また、bogus-simotukareさんから私の申し出を快諾していただいたので、「bogus-simotukareの日記」を拙ブログの盟友ブログ宣言します。これからも末永くよろしくお願いします。
コメント (4)
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする