日本産業のデジタル化に思う
昨日の新聞に、日本は産業のデジタル化が遅れているとあった。その報道に依ればデジタルによる情報は産業の米に当たると言う。半導体製造以来その旨の事が論じられてきた。それはそれで良い。問題はそこで、日本はものづくりつまり製造業を重視しすぎて、産業における情報を軽視している、ものづくりに偏り過ぎている云々の事だ。確かに情報は大切だが、その基礎はあくまで製造業・ものづくりではないのか。素材やそこから作られる機械によって通信は行われる。電子通信だってそうだ。あえて言えば情報・通信とはいわゆるソフト、簡単に言えばパズルに過ぎない。著作権を持つ一種の方程式だ。このような物が全産業を支配していいのか。
情報が産業に生かされるとき活性化するのは商業と金融業だ。デジタル産業で高収益を得ている会社はいわゆるGAFAを始めとする小売業と情報サ-ヴィス(金融、娯楽、個人情報提供を含む)だ。ただそれだけの事だろう。このような職種が高い収益を上げているようだ。高収益は結構だが、これらの職種は雇用全体を保証するのか?カメラにしろ自動車にしろそれらを作るためには高度に訓練された技術者と職人を必要とする。これらの存在がその国の分厚い中産階級を創出し、また内需を増大せしめている。翻って電子商業では一握りのIT操作員とあとは配達などの未熟練労働者しか必要としない。この事実はその辺のコンビニを見れば解る。電子商業の存在は結果として富の極端な寡占と集中をもたらす。ファミリ-マ-トなどはその典型だ。
論説が称揚する電子商業の現時点での会社名を見ていると、アメリカが圧倒的で残りは中国だ。ともに貧富の差の激しい国だ。範としたくない国々だ。従って日本はあくまで製造業を中心に産業構造を形成すべきだろう。
かと言って電子通信・デジタル産業を軽視するわけでもない。二つの案がある。現在コロナ災禍でテレワ-クが適時行われている。将来このテレワ-クを使って企業の職員を意図して地方に配置してはどうだろうか。地方活性化の一手段一政策にはなる。政府が主導して行えば膨大な内需が生まれる。最近の話だが富士通の電算機の速度が世界一になった。日本はそういう技術を持っているのだ。また近い将来車と道路をデジタル通信で連結し、移動運転になるだろう。ここでも大量の需要が生じる。どうせデジタル化をするのなら皆が皆裕福になるようにしよう。
もう一つ。日本のデジタル産業の発展を阻んでいるものに、諜報機関の事実上の不在がある。アメリカも中国も諜報活動にはとびぬけて熱心だ。日本も諜報(当然防諜も)組織を充実させ外交と軍事に活用させなければならない。諜報機関不在なら当然電子情報通信の発達は遅れる。ミッドウェイ-で日本が負けたのは日米両艦隊の情報戦の差だった。また日本はITの発展を機械製造特に工作機械に向けた。アメリカとはやり方が違うのだ。現在日本の工作機械を無視しては世界の産業は動かないだろう。日本は儲からない事に精を出してきたとは言える。しかし私はそういう日本が好きだ。
ただ電子商業(金融)は怖い。10年前大阪外大のロシア語の先生から聞いた話だが、一度ロシアの企業に振り込むと、いつのまにか必ずこちらの帳簿から多額の金が引き出されているとのことだった。その話を聞いて私は数ある取引銀行のうち支払いは一行に絞りそこに預ける額は一程度を超えないようにしている。取引先が国内の企業なので被害は全くないが。
いずれにせよ電子商業の発展は否定しないが、日本がものづくり大国である事は銘記しよう。
2020-7-31
「君民令和、美しい国日本の歴史」文芸社刊行
昨日の新聞に、日本は産業のデジタル化が遅れているとあった。その報道に依ればデジタルによる情報は産業の米に当たると言う。半導体製造以来その旨の事が論じられてきた。それはそれで良い。問題はそこで、日本はものづくりつまり製造業を重視しすぎて、産業における情報を軽視している、ものづくりに偏り過ぎている云々の事だ。確かに情報は大切だが、その基礎はあくまで製造業・ものづくりではないのか。素材やそこから作られる機械によって通信は行われる。電子通信だってそうだ。あえて言えば情報・通信とはいわゆるソフト、簡単に言えばパズルに過ぎない。著作権を持つ一種の方程式だ。このような物が全産業を支配していいのか。
情報が産業に生かされるとき活性化するのは商業と金融業だ。デジタル産業で高収益を得ている会社はいわゆるGAFAを始めとする小売業と情報サ-ヴィス(金融、娯楽、個人情報提供を含む)だ。ただそれだけの事だろう。このような職種が高い収益を上げているようだ。高収益は結構だが、これらの職種は雇用全体を保証するのか?カメラにしろ自動車にしろそれらを作るためには高度に訓練された技術者と職人を必要とする。これらの存在がその国の分厚い中産階級を創出し、また内需を増大せしめている。翻って電子商業では一握りのIT操作員とあとは配達などの未熟練労働者しか必要としない。この事実はその辺のコンビニを見れば解る。電子商業の存在は結果として富の極端な寡占と集中をもたらす。ファミリ-マ-トなどはその典型だ。
論説が称揚する電子商業の現時点での会社名を見ていると、アメリカが圧倒的で残りは中国だ。ともに貧富の差の激しい国だ。範としたくない国々だ。従って日本はあくまで製造業を中心に産業構造を形成すべきだろう。
かと言って電子通信・デジタル産業を軽視するわけでもない。二つの案がある。現在コロナ災禍でテレワ-クが適時行われている。将来このテレワ-クを使って企業の職員を意図して地方に配置してはどうだろうか。地方活性化の一手段一政策にはなる。政府が主導して行えば膨大な内需が生まれる。最近の話だが富士通の電算機の速度が世界一になった。日本はそういう技術を持っているのだ。また近い将来車と道路をデジタル通信で連結し、移動運転になるだろう。ここでも大量の需要が生じる。どうせデジタル化をするのなら皆が皆裕福になるようにしよう。
もう一つ。日本のデジタル産業の発展を阻んでいるものに、諜報機関の事実上の不在がある。アメリカも中国も諜報活動にはとびぬけて熱心だ。日本も諜報(当然防諜も)組織を充実させ外交と軍事に活用させなければならない。諜報機関不在なら当然電子情報通信の発達は遅れる。ミッドウェイ-で日本が負けたのは日米両艦隊の情報戦の差だった。また日本はITの発展を機械製造特に工作機械に向けた。アメリカとはやり方が違うのだ。現在日本の工作機械を無視しては世界の産業は動かないだろう。日本は儲からない事に精を出してきたとは言える。しかし私はそういう日本が好きだ。
ただ電子商業(金融)は怖い。10年前大阪外大のロシア語の先生から聞いた話だが、一度ロシアの企業に振り込むと、いつのまにか必ずこちらの帳簿から多額の金が引き出されているとのことだった。その話を聞いて私は数ある取引銀行のうち支払いは一行に絞りそこに預ける額は一程度を超えないようにしている。取引先が国内の企業なので被害は全くないが。
いずれにせよ電子商業の発展は否定しないが、日本がものづくり大国である事は銘記しよう。
2020-7-31
「君民令和、美しい国日本の歴史」文芸社刊行