経済(学)あれこれ

経済現象および政策に関する意見・断想・批判。

産業の地方移転に関して

2022-06-05 15:34:20 | Weblog
 産業の地方移転に関して
 昨日の新聞に現在の産業(第二次・第三次)を地方に移転すべきだ、過疎対策として、とあった。反対ではないが。不十分であり視野が狭い、と私は見る。資金設備などいくら動かしても人間は動かない。肝心なことはまず人間を移動させることだ。介護設備を過疎地に移動させたらどうか。それも10万人単位で。そうすれば介護施設と医療機関は自動的についてくる。当地に大きな農業需要が生じる。農業が生き残る余地は拡がる。中規模技術集約農業にすれば5反(1ヘクタ-ルの半分)で十分食える。別に大地に栽培する必要はない。透明な素材で数階の耕作地を作ればいい。肥料、土壌、品質改良などの技術では日本は優れている。一都市半径5キロとしてやく1万人の耕作者、従って4-5万人の農業人口を養える。農業が発展すれば付帯する第二次産業も発展する。加工品、機械修理などだ。産地直結だから運送費は無視できる。多分外国産(物騒で食えない)との競争に耐えるだろう。一都市人口30万人規模で全国に少なくとも100個の都市を作ればいい。
 昔田中角栄氏の「日本列島改造論」というのがあった。ちょうど高度成長が終わり日本経済全体が成熟化した転機だ。田中氏には先見の明があったのだろう。
 ともかく人を動かさねばだめだ。日本の歴史には好例がある。参勤交代と東京遷都だ。これで人口の都市集住が進み、膨大な需要が集積され産業は発展した。多分その当時の日本人の生活程度は同時代の欧米人より豊かだったであろう。自信をもって断言できる。
 農業は国の基、民族紐帯のかなめだ。私に言わせれば有明海などいつまで海にしておくのか。大阪湾の魚なぞ誰が食うのか。東京湾にしても同じだ。埋め立ててしまえ。ウクライナの戦争で真っ先に飢餓に陥るのはアフリカだとか。最も農業に適した地域ではないのか。アフリカ人は鉱物資源を掘りあさるより、まず農業を発展させるべきではないのかな。

(付)過疎地対策は日本に金のあるうちに進め。なお岸田総理は新資本主義とか言われているが、マクロ経済には二つの項目しかない。分配と生産だ。奨学資金云々もいいが、円安はチャンスだ、さっさと賃上げをしろ、それも20%くらいの。 2022-6-4        

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