経済(学)あれこれ

経済現象および政策に関する意見・断想・批判。

続、政府は日産を救済してやれ

2019-04-25 16:30:28 | Weblog
    続、政府は日産を援助してやれ,
 以前にも述べたが日産自動車がごたごたしている。最近では成績も低迷している。ゴ-ン事件の影響もある。それはともかく私は日産自動車の低迷に深刻な危惧を抱くものである。シャ-プ、ジャパンディスプレ-と同様のパタ-ンが繰り返されてはいまいか。両者は外資しかもシナの外資の軍門に下った。シャ-プは創業者早川徳次以来日本物づくりの典型であり技術馬鹿と言われた連中の集団だった。ジャパンディスプレ-は日立・三菱・東芝などなど日本製造業の錚々たる企業連合に政府が出資して援助した。ともに援助は失敗している。このパタ-ンが繰り返されれば日本の優秀企業はすべてが外資の軍門に下ることになる。日産がこのような目に会わぬか否か保証はない。政府は日産自動車を全面的に援助すべきである。
 まず政府は日産に増資させ株式を買い上げる。政府と日産で保有株が半分を超えるようにする。つまりルノ-による持ち株を超えて企業の主導権を握る。政府資金はどうにでもなり自由に作り出せる。救済のための特別の国債を発行してもいい。日本は金が有り余り使い道に困っているのである。
 問題は経営陣である。ゴ-ン氏の横暴を許したのは現経営陣にも責任はある。経営陣の大半は辞職すべきである。では誰がトップになるのか。私は有能な政治家を一時期CEOに据えればいいと思う。ここでとっぴな事を言うが適任者は菅義偉氏である。菅氏は現在の内閣にあって官房長官という要職を占め、内閣の大番頭として活躍されている。安倍総理が手放さないだろう。無理は承知と解っている。しかしあえて菅氏を日産のトップに押す。それくらい日本の企業は潜在的危機に曝されている。日産自動車という一私企業ではなく、日本の経済体制の維持発展のために私はこの奇策を提案する。もちろん政府は菅CEOを全面的に支持し菅氏に独裁権を与えなければならない。また菅氏は自分自身のみならず数名の総理秘書官クラスの官僚も連れてゆき経営陣の一角として据えるべきである。
 ジャパンディスプレ-もシャ-プも経営陣を変革することなく指導調整を官僚に任せて失敗した。ここは政治家それもとびきり優秀な政治家の出番である。私は経営陣(これも官僚のようなものだが)や官僚が無能だと言うのではない。技術者にしろ経営者にしろ官僚にしろ優秀である。優秀であるから失敗するのである。優秀な人間が経営しここまできた・成功してきた。とすると彼らは必ず保守化し旧慣墨守に走る。エリ-ト意識と談合馴れ合いは必ず起こる。だから組織には適時ショックを与えなければならない。かえって素人の方が危機克服には適任である。快刀は乱麻を絶つべきである。仮に菅氏が日産のトップになれば彼の専門分野は変わる。しかし企業経営も党や政府の運営も人間を動かすと言う点では同じなのである。極端に言えば菅氏がだめなら維新の橋下徹氏でもいいのである。菅氏も橋下氏も官房長官あるいは政党の創立者として成功されてきた。ここは思い切った手をうつべきである。
 もしこの策がだめ、つまり両氏に拒否されたら次善の策は日産自動車のライヴァルであるトヨタから優秀な人物を乞いCEOにすべきである。トヨタには前歴がある。初代トヨタ自動車の喜一郎氏が労組の反乱と経営不振で行き詰まった時、引退した喜一郎氏に代わってトヨタ自動車の指揮をとったのは豊田家の準親戚であった石田退三氏であった。彼は紡織機専門で自動車のことは一切解らなかった。彼石田氏のもとでトヨタは世界企業へと飛躍した。トップは何も専門家でなくともいいのである。かえって専門家でない方が違った独創的な見方ができる。日産が立ち直れば経営権は新しい日産の若手役員任せればいい。これにも前例がある。松下幸之助氏が引退してパナの経営は傾いた。幸之助氏のしたことは二十数番目の若手役員を社長に任命したことである。
 日本は物づくり大国と言われて久しい。しかし経営には老朽化の傾向が見られる。優秀だから老朽化するのである。ここは大一番抜本的な見直しが必要だろう。繰り返すが私は菅義偉氏を日産自動車のトップに推す。
 外国人経緯者は避けたい。彼らには日本の企業という意識はない。働いて高給をもらえばそれでおしまいである。問題はその働きである。経営を安定させることが主眼となる。つまり収支があえばそれで良しとなる。結果は企業の縮小に傾く。大企業が他国に進出する目的は、安い労働力にある。それ以外の理由はない。安い労働力云々はその国の経済発展にはほんの一部しか寄与しない。このような外資は必ず金融資本化する。単に物を売るのも貨幣を売るのも変わりはなくなるからである。従って安易なグロ-バル化は避けるべきである。国家国民という凝集力を欠けば企業は単なる金儲けの手段にしかならない。

消費増税を絶対阻止しよう 萩生田氏の発言を歓迎する

2019-04-19 19:24:06 | Weblog
消費増税を絶対に阻止しよう、萩生田氏の発言を歓迎する
 本年10月に消費税が10%に引き上げられるという。これは日本経済いなむしろ日本国の自殺行為である。絶対に阻止しよう。昨日萩生田衆院議員が、消費税増税は延期する事もありうると発言された。大いに首肯し歓迎する言説である。これで安倍首相の意向ははっきりした。首相は消費増税にはやばさ・危険性を感じられているようだ。ただ増税延期には多くの反対勢力がある事は確かだ。経団連、連合(労働組合)、財務省、輸出系大企業などなどだ。このような抵抗勢力に対して安倍総理は悪戦苦闘されている、と拝察される。
 萩生田発言に対して真っ先に反対したのは日本商工会議所会頭だ。つまり経営者が反対の急先鋒になっている。正直私は日商会頭の頭脳を疑わざるを得ない。商工会議所は明治年間渋沢栄一が、当時目先の利害にしか関心のない商人により広い視野を持たせるために作った組織だ。現在の日商会頭の言辞を聴いていると、渋沢の意図は100年以上経っても実現していないことを痛感させる。所詮商人・経営者は商人・経営者でしかない。目先の利益しか考えられないのだ。経営者とはこのようなものだと、心得ておこう。労組についても同様だ。連合は賃上げのことしか念頭にない。大きな組織の長だからという理由で尊敬しその言辞をありがたく拝聴するような事大主義から脱しよう。自らの頭で考えよう。
 なぜ増税をするのか?答えは財政均衡とかえってくるはずだ。ところで平成元年以降の経済史を少し振り返ってみよう。失敗の連続だ。まずバブル崩壊。これは日本だけで修理できた事態だ。ここでアメリカ、憎っくきクリントン政権が絡んでくる。彼らは貿易交流を円滑にするためと称して、日本の財政経営機構を盛んに破壊する事に終始した。日本はそれをごもっともと受け入れた。例えば日本企業の株式の持ち合い、あるいは中小企業の保護などを公平な貿易交流の妨害になるとして破棄するように圧力をかけた。日本はそれを受け入れた。結果は長期信用銀行、北海道開発銀行、山一證券そして日産自動車などの破綻だ。橋本龍太郎政権では大蔵省にだまされて消費税を上げた。小泉政権は民営化の旗印のもとに国家が企業に対してとるべき促進保証装置を次々に壊していった。悪夢の民主党政権はイタチの最後っ屁よろしく、自公民三党党首連名で消費増税を約束してしまった。当時の民主党政権に経済頭脳は皆無でありすべて財務官僚によって洗脳されていた。第二次安倍政権
になってもこの三党宣言は政権への拘束となって働いた。結果安倍総理は苦渋の決断として消費税を8%に上げた。アベノミクスが円滑に進行しなかったのはこのせいだ。増税のたびごとに日本経済は低迷している。結果は企業の挑戦意欲の低下だ。シャ-プや液晶では日本は負けている。これは企業家の消極性臆病によるところが多いが、国家の責任でもある。国家が、最後の貸し手という任務を放擲し、すべてを民間企業に丸投げしたからだ。
 経済を考えるに当たってそう難しく考える必要はない。政策は二つしかない。まず需給均衡、これは経済は民間の需要と供給の平衡に任しておけば良い、と説く。政府は介入するなということだ。もう一つが有効需要の喚起、これは政府が積極的に経済に介入し需要を作り従って供給を増やし、賃金をあげよと勧める。もう一つあるイノベ-ションだ。ただしイノベ-ションは企業活動が活発な時期にしかおこらない。需給均衡では経済は成長しえないからイノベ-ションは起こりにくい。需給均衡を説く学派を新古典主義という、そのより先鋭な形がマネタリストだ。彼らはクリントン政権の背後にあって政権を操っていた。日本の経済学者もそれに洗脳されて、均衡財政均衡財政と叫んでいた。そのたびに日本の経済は細り、金融資産の半分はアメリカに取られた。まずこれくらいの経済知識はもっておこう。
 なぜ増税反対か?増税をすれば消費は減り賃金は下がり不景気になる。従って租税収入は減る。増税分をはるかに上回って減る。税収は減りその分また増税と悪循環が繰り返される。アベノミクスで景気は部分的ながら回復した。その結果租税収入は増えているのである。
 アメリカのウオ-ルストリ-トジャ-ナルが、安倍総理は消費増税で自殺行為をしようとしている、と書いている。全く好意を感じさせられない報道ではあるが残念ながらそれは本当だ。安倍総理は増税されるのなら政権崩壊を覚悟でされるべきだ。現に野党は消費増税に反対している。もっとも彼らは安倍憎しのみで反対しているのであるからその真意は信用できないが。しかしこの状況で増税し景気が悪化すれば安倍政権は崩壊する。問題はその後の政権を誰に任せるかだが、適当な人物はいない。日本という国家の自壊になる。
 現在世界経済は低迷している。米中の経済摩擦の行くへは不透明だ。こういう時に消費増税をするということは、台風に向かって窓を開けるに等しい。前例はある。昭和初年日本の不況期に浜口首相と井上蔵相は金本位制度復帰策をとった。金本位制とは貨幣量を少なくすることだ。結果は不況の激化で国民は来るしんだ。浜口井上両氏は暗殺されている。
 日本の経済発展に貢献した人は四人挙げられる。大隈重信、高橋是清、石橋湛山、池田隼人(腹心の下山治も加えてもいい)の四人だ。岸信介を加えてもいいかも。すべて国家主導の拡大経済政策をとっている。彼らの政策で維新の近代化を行い、不況を克服し、戦後復興を為し、高度成長を遂げたのだ。彼ら四人の説明はこのブログの「経済人列伝」に述べてある。
 さて日本には経済を賦活するための財源はないのか。どっこい十二分以上にあるのだ。対外純債権(外国への貸金)が300兆円、企業内留保が450兆円、個人資産(貯金や債権株式など)が1800兆円、総計2500兆円の資金を日本は持っている。またよく国債と言う名の国の借金が1000兆円と言われるが、日本の政府は700兆円の資産を持っている。この事は殆ど言われない。これだけ資金があるのになぜみみっちい(せいぜい数兆円程度増収の)増税をするのか。解らない。これだけ資金があるのにそれを使わない手はない。使い道は充分ある。まず地震対策、つまり国土強靭化政策。例えば大阪湾を中心に神戸から和歌山まで防波堤を作ればどれほどの有効需要が生まれるのか。名古屋や東京にもこの事はあてはまる。古い家は壊して耐震性の強い家を建てればいい。次に軍需産業の振興、これも好景気に通じる。更に教育の充実。高校までの教育費の無償化と大学での奨学金利子の低減。極め付きが地方再生だ。介護施設を地方に移転し同時に農業を再生せしめる。全国に300の農村都市(人口30万から40万人)を作るとして一つ3兆円かかるとしても1000兆円で済む。
 さて金融資産の使い方だが富裕税の導入は避けられない。資本主義は必ず格差を生じる。この格差を放置しておけば革命が起こるか、経済が停滞する。なんとならば富裕者は自己保全のために金融に走りいよいよ格差は広がるからだ。金融はそれ自体では経済的価値を生まない。健全な歴史とは、緩慢な下剋上、つまり下からの上昇がある歴史だ。ここでは詳細は言わないが、日本の歴史とはこの緩慢な下剋上の典型なのだ。富裕税別名資産税の導入は私有財産の侵害になるが、円滑な方途はある。ともかく多分世界一の金融資産を持ちながらなにもせず経済を低迷させていること自体が滑稽であり犯罪である。
 消費増税で得をする人たちはいる。例を挙げればまず朝日新聞、この企業は少なくとも5000億円の資産は持っている。そして大新聞は公共機関とかやらで消費税は免れる。政府にとっては財界同様メディアは怖い。次にトヨタ。トヨタは消費税は収めるが輸出振興という名目で払い戻しを受けている。何よりも増税で得をするのは財務官僚だ。増税で不景気になれば予算は減る。その分配分権限を持つ財務官僚の発言力は強まりまた天下り先も増える大企業やメディアはなんらかの形で増税の恩恵を受けている。少なくとも被害は蒙らない。被害を受けるのは一般国民だ。
 軽減税率で不況防止策をとるとか特に公明党が言っているがそんなものはかがしにもなりはしない。せいぜい軽減の恩恵を受けるために財務省の起源を取り財務官僚の権限を強化するくらいが関の山だ。一度増税をすると気分は不況に変わる。経済は気分だ。
 萩生田議員に感謝しよう。良く言ってくれた。そしてある程度情報に通じた実績のある人間が一度発言すると勢いは止まらなくなる。野党はそして与党も衆参同時選を意識し備える。解散は口にしたとたんに事実となる。消費増税延期もこの風に乗せれば実現は可能だ。骰子(サイコロ)は投げられた。皆々大声で叫ぼう。消費増税反対と。そして経済学者はあまり信用しない方が良い。自分の頭で考えよう。

諜報機関を作ろう

2019-04-18 12:54:30 | Weblog
    諜報機関を作ろう
 諜報機関を作ろう。厳密に言えば「整備しよう」。その理由の第一はいわゆる先端産業の賦活にある。ITなどを使用する技術の標的・お得意様は金融と情報にある。日本の金融産業はぱっとしない。金融とは情報である。早く情報を得て手を打った方の勝になる。情報の極点は諜報である。諜報機関が整備されないと外交軍事に支障をきたすのは当然である。金融と外交は騙し合いでもある。そのためには秘密情報を獲得するための諜報機関は必須になる。諜報機関の整備は金融と情報産業の賦活そして先端産業の発展に資するところが多い。当然のことだが金融活動の政治は産業全体を賦活する。
 諜報機関を整備する第二の理由は知的財産の保護にある。現在日本の産業技術はシナ・韓国・台湾の企業に盗まれっぱなしである。彼らに知財の権利を尊重する姿勢は全くない。知財が盗まれ外国で同様の産業が創始されても訴えるすべは殆どない。シナ・韓国・台湾の企業をその国で提訴しても勝ち目はない。自国の産業を彼らは保護するのだから。日本の産業技術の発展のためには知財盗用を阻止しなければならない。諜報機関が整備されればおのずと情報への感覚は鋭くなる。また諜報機関から得た情報は企業に伝える事ができる。企業のガ-ドは厳しくなる。企業はよりずるがしこくなる。逆に諜報機関と連携して他国の技術を頂戴することも可能である。企業の合併吸収統合の際にも情報は役に立つ。
 第三の理由は防諜である。日本はスパイ天国と言われる。諜報防諜機関が未発達であるからである。スパイはいたるところにいる。スパイの活躍の場は知財や軍事外交の場だけではない。例えば反基地運動や反原発運動にはシナや韓国朝鮮の人間が多く参加している。外国人の政治行為は禁じられているにもかかわらずである。シナからの留学生などはほぼスパイとみなしていい。彼らは日本の左翼と連携して運動する。原発が動かなくなったり、基地の機能が不十分だと日本は困る。逆にシナや韓国朝鮮にとってはこの事態は彼らの国益となる。通常の警察のみならず専門の諜報機関員を入れて彼らを監視し、容疑が固まれば逮捕し送還すべきである。
 以上諜報機関の必要性を述べた。諜報機関は両刃のナイフであり、彼らの力が増大すれば政府もコントロ―ルできなくなる恐れもある。その典型は1930年代から40年に渡ってFBIの長官であったフ-バ-である。諜報機関は影の権力になりやすい。しかし日本が厳しい国際情勢にあって生き抜いてゆくためにはハ-ドな軍事力とソフトな外交能力が必要とされる。国民の権利を侵す可能性があるから諜報機関は無用だと言うお花畑的言説は通用しない。国民あっての国家でもあるが、国家あっての国民でもある。日本には内閣情報室という機関があって一応諜報活動をしているらしい。が米国のFBI,英国のMI5・Mi6、ロシアのKGBなどと比べれば子供だましの機関に過ぎない。繰り返す。諜報機関を整備しよう、いや作り上げよう。

大阪維新のW選大勝を祝す

2019-04-09 19:27:30 | Weblog
 大阪維新のW選大勝を祝す
 4月7日の地方選で大阪維新は大勝した。府知事・市長は維新がダブルスコアで勝ち取り、府議会では過半数を制した。市議会は過半に達しなかった。
 自民党は大敗し公明党も退潮を余儀なくされた。自民党現職の落選が相次ぎ大阪では常勝といわれた公明党も議席を減らした。一体大阪都構想のどこがいけないのだろうか。自公両党はこの疑問に答えていない。答えがないまま都構想反対だけで野党と連帯し自共相乗りの野合に走った。彼らの言い分は、大阪都になると社会福祉がきめ細やかに行われない云々だ。ここに問題がある。福祉は大切だが、福祉福祉とばかり強調すれば愚民を甘やかし、予算は限りなく増大する。マルサスの人口論ではないが福祉は幾何級数的に増え、生活の資源は算術級数的にしか増えない。ある新聞に記載されていたが、大阪ではある種の団体がからんでいるとのことである。はっきり言ってこの団体とは在日朝鮮人団体と解放同盟のことである。ここに自治労という官労組がのっかかる。結果は弱者という名の愚民に多くを与え、更に大阪府市の公務員の給与を実質的に上げることである。つまり働かずたくさんもらうという構図になる。労働の生産性は落ち、予算の支出は増える。これでは大阪が発展するはずがない。そして大阪では不幸なことに創価学会公明党の力が強い。公明党は福祉一本やりであり、外交にも経済発展にも関心と能力のない政党である。かくして自民党は退潮し公明党と共同戦線を張らなければならなくなった。加えて旧社会党の唯一の地盤であった解放同盟が民主党・民進党と連携した。かくして自公民三党によるなれあいの政治が続いた。三党なれあいにより社会福祉という名の予算食いつぶしが行われてきた。これが維新登場までの大阪府市政の現状であった。今回の選挙で立民党から一人しかも女性が選ばれた。むべなるかなである。選挙区は高槻市。高槻市は人も知る左翼の牙城であり辻元清美氏の地盤である。
 過去の大阪府知事には理由がはっきりしない突然の辞任が多い。岸昌氏や太田房江氏は突然辞任をしたが理由ははっきりしない。山田ノック氏に至ってはセクハラという名の謀略にかかったとしか思えない。こうして大阪発展を企てた知事たちは次々に失脚してゆく。山田氏の辞任などはフェミニスト、メディアそして一部の団体の仕掛けとしか理解できない。維新以前の知事たちまた市長もかくのごときであった。何かしようとすれば闇の手が引きずり落とす。これが大阪府市政の30年であった。
 大阪の府市政がいかにでたらめだったか回顧しつつ列挙してみよう。大阪市はごみ回収作業においてごみの選別が近畿で一番遅れた。市の環境局職員が選別の労を厭うからである。一部の課では部下が課長を呼び捨てにしていた。地下鉄はしょっちゅう事故を起こしていたがこれが報じられたのは維新が府市政を握ってからである。労組員は顔をだすだけで研修とされ、この研修費がかさみ課長より高給取りとなった。交通課では原則として大卒を取らなかった。課長に理由を聞いたが解答は得られなかった。在日と解同は事実上税金を納めなかった。当然住民税事業税は府市に入ってこない。また彼らは結託して企業進出に反対し地価をつりあげた。そして何かというと反企業運動を繰り広げる。府市は何もできない。これに朝日毎日などのマスコミが応援に加わる。これでは企業は大阪から逃げ出す。松下幸之助氏由来のパナソニックが大阪を逃げ出し名古屋に工場を移転したのもこういう事情からだ。シナ人が48名の養子縁組をして巨額の生活保護費を受け取った。こんな事は市役所の職員の黙認あるいは指導のもとに行われなければできるはずがない。
 はっきり言って昭和30年代に公明党が結成され創価学会の府市政への影響力が高まってから大阪は低迷しだした。創価学会はかって、病人と貧乏人の団体と言われた。彼らの政治目標は福祉に預かる事だけである。パイの分け前は要求するがパイを大きくすることには関心がない。自公民三党はひたすら福祉をむさぼり予算を食いつぶしてきた。大阪の未来を考え発展させようとした知事たちは不慮の引退を強いられた。愚民が大阪の発展を阻んでいるのである。学力テストの成績は極めて低い。しかも維新府市政により結果公表を要求されてもそれに応じない。生徒の人権に触れるからだと言う。民間人校長制度は教員の非協力で潰された。公立学校の教頭にはなり手がない。教師の非協力で雑用が教頭に集中され極めて多忙になるからだ。大阪市内の公民館で、慰安婦強制連行だとか南京事件などでの日本兵による蛮行なる情景が根拠なきまま展示された。いたるところに女性会館が建ち、女性の自立とかで家族制度が敵視された。知的障碍者のための自立支援学校がむやみと建てられ、過剰な数の教師がそこに配備された。人的資源の無駄もいいところである。橋下徹知事になってからこの試みは中断された。朝鮮学校への補助金カットは維新が府市政を握ってからである。保育所が足らないと「日本死ね」という投稿があった。
 新たに知事になった吉村氏は選挙戦で、10前と比べてください、と訴えた。街はきれいになり、浮浪者は消えた。梅田を中心とする交通網は整いつつある。梅田と新今宮間に御堂筋線と平行して地下鉄が開通されJR・阪急はこの地下鉄を介して南海電車と結ばれ関空と伊丹空港は数年後直結される見通しだ。梅田新大阪から電車が敷かれ関西線と近鉄を介して奈良に直行できるようになった。梅田は急速に発展しつつある。そのおかげは隣接する諸都市にも及び私が居住する尼崎市は相貌を一変しつつある。橋下大阪市長(当時)は事実上慰安婦の強制連行を否定する発言をした。その一年後元凶の朝日はいやいやながら強制連行を否定せざるを得なくなった。この発言は当初非難を浴び選挙前でもあり維新は数議席を犠牲にした。朝鮮人慰安婦像がサンフランシスコに建てられたのに抗議して姉妹都市関係を廃棄したのは吉村大阪市長だった。
 大阪の自民党よ、あなた方は今回の選挙で現職を落選させ、本来の自民党支持者の支持を半分も得られなかった。壊滅の危機とはこの事ではないのか。本来維新は自民党から派生したものだ。大阪の自民党がだめだから維新ができたのだ。いつまで過去にこだわり近親憎悪を続けるのか。既述の通り大阪の自民党がだめだから維新ができたのだろうが。過去10年の選挙で答えは出ている。大阪の自民党が保守本来の任務を忘れ福祉という名の予算食いつぶしをしているからだ。公明党も少なくとも大阪ではすでに衰退しつつあるのではないのか。福祉にばかりこだわり、創価学会の尖兵に徹してばかりおれば大阪の発展にとって災禍としかならない。答えは既に出た。これ以上都構想に反対をするのは犯罪だ。
 大阪の立ち位置を考えてみよう。大阪は一地方都市ではない。東京と対峙する地位にある。大阪が東京に対して一定の位置を取り戻し対峙しえてこそ日本は発展する。大阪が衰退すれば東京一極集中は加速し地方の衰退はさらに進む。大阪が立ち直る事は地方が再生することの模範になる。
 大阪の、広くは京阪神のさらには近畿圏の今後を考えてみよう。まず大阪環状線を中心に近畿全体の交通網をここに集中させ姫路彦根和歌山名古屋を外枠とする地域間のアクセスを整備すべきである。次に大阪環状線を中心に学術研究機関を集中させ技術開発を促進する。幸いに京阪神には優れた研究施設が多い。頭脳集団は離散していてはだめだ。また大阪はあくまで製造業の中心であるべきだ。大阪には中小企業が多い。中小企業こそ製造業の基盤だ。中小企業を金融的に支援し、新規の情報や知識を紹介して教育啓蒙に務めるべきだ。また奈良は豊富な観光資源が開発されないままになっている。日本誕生の地として奈良の観光資源をより視覚的劇場的に構成しなおさなければならない。だてに「大和」という名がついているのではない。最後は中央政府に働きかけて中央省庁の関西移転を促進すべきだ。経産省と厚労省は大阪、文科省は京都、交通省は名古屋に置けばいい。新たな新幹線整備をいそがせる。この新幹線ができれば大阪東京間は一時間で結ばれる。なにも東京に官庁を集める必要はない。本来東京の発展は大阪に負うところが多い。東京が得過ぎた分は大阪そして地方に還元すべきだ。現在の英国は他山の石となる。金融都市ロンドン一極集中により英国の産業は外資頼みになった。EUを離脱するも地獄、離脱しないも地獄だ。やがてロンドンは英国から離脱してシンガポ-ルのようになるだろう。そうすればスコットランドも離脱し、英国全体は元の牧羊地になるだろう。一極集中は必ず一国の衰退を結果する。