田舎おじさん 札幌を見る!観る!視る!

私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

裁判員裁判傍聴ドキュメント №2

2010-06-21 15:30:58 | 札幌(圏)探訪
 この度、一般市民が裁判に参加する裁判員裁判が札幌地方裁判所で行われました。今年度道内では初めての裁判員裁判ということでマスコミも注目し、たくさんの報道陣が駆けつけていました。三日間にわたって行われた裁判のほとんどを傍聴しましたので、その様子をドキュメント風にレポートしたいと思います。
 
 開廷は私の記録によると13時12分だった。
 開廷するとき、被告人の腰縄、手錠が外された。
 最初に被告人の人定質問があり、本人に間違いないことが確認された。
 続いて、検察側から起訴状の朗読である。
 その後、裁判長より被告に対して「黙秘権等の権利について」の告知があり、被告人の罪状認否に移った。

 ここで私が知り得た事件の概要について記してみる。
 事件は昨年、平成21年10月3日(土)正午近く被告と被害者の勤める清掃会社の倉庫内で起こった。
 被害者は休日の日直勤務として会社に出社していた。そこへ勤務が休みだった被告が会社に出てきて「故障した自転車を修理する」と言って倉庫に行った。
 正午近くになり被害者が会社を閉めるために倉庫の見回りに来たところを狙って、被害者の顔面に熊避けのスプレーを吹きかけひるんだところを乱暴しようとしたが、被害者が大声を上げ懸命に逃れたために未遂に終わった。
 その際、被害者は顔面や体など数ヶ所にわたって全治1ヶ月にわたる怪我を負ったという事件である。

 その罪状認否において、被告人は起訴事実のほとんどを認めたものの、検察側が朗読した起訴内容の中から2点にわたっては否認し、争う姿勢を示した。
 その2点とは、被害者が熊避けスプレーを浴びてひるんだ際に被告人が後ろから被害者に抱きつこうとした、という起訴内容に対して被告人は被害者が倒れるのを支えようとしたと主張し起訴内容を否認した。
 もう1点は、犯行現場に性具(性玩具)が残されていたのだが、検察側は被害者を拉致した後、性具でいたずらしようとしたと指摘したのに対して、被告側はそのような意図はなく他のことに使用しようとしたものがその場にあったのだと、この点についても否認したのである。

 罪状認否で以上2点について被告人は否認したが、全体としては裁判自体を争うというよりは刑罰の軽減を訴えたものと私には映った。
 罪状認否の後、検察側が20分間にわたって冒頭陳述を行った。
 それに対して弁護側が冒頭陳述に反論するようにおよそ20分間の弁護人の陳述が行われた。
 冒頭陳述や弁護人の陳述は、それぞれの立場から起訴内容を補強、あるいはそれに対する反論を裁判員に訴えるものであった。(詳細は内容があまりに細かなために省略します)
 この冒頭陳述や弁護人陳述を聞いていると、被告人の生育暦、生活環境、性格、性癖などなど、被告人に関わることが全て法廷内に披瀝されるという、あたりまえのことかも知れないが被告人にとっては大変辛い時間だろうと思われる。

 この後、裁判長から争点の整理、今後の裁判の進め方について双方に確認し、休廷に入った。(この時点で14時10分、ここまで開廷から約1時間を要したことになる)
 
 ※ 続きは明日の№3へ