千一夜第3章第233夜 8年半年振りの釣り場

2020-07-26 14:30:34 | サーフ

2020.07.26(日)

今年の梅雨は雨、雨、雨だったが、漸く梅雨もそろそろ明けるとTVのニュースで言っていた。今日は曇り予報だったので、昔通っていた釣り場に来てみた。中電西側の岸壁である。昔はこの釣り位置まで車で進入できたが、来なくなった8年前頃、ここに大量の粗大ゴミを捨てに来る者が多く、遂に車は進入禁止となった。それもかなり遠くから進入禁止だったが、先日ここに来てみたら、進入禁止ラインが釣り場に随分近くなっていた。今は歩いて30mくらいか。それで久し振りに来てみようと思った次第である。今日のメインはキス釣りだ。

昔、ここではカレイやキスが良く釣れていた。シーズンには特にキスが良く釣れた。30数年前、友人と2人で夏の暑い日、岸壁の下に降りて敷石の上から竿を出し、あまりにも暑いので竿を置いたまま喫茶店に涼みに行ったことがある。帰ってみると竿が置いていた位置からかなりずれている。おかしいなと思い竿を引いてみると間違いなく魚が付いている。かなり魚の抵抗があるのでチヌかなと思ったが、揚げてみると40㎝程度のセイゴ(スズキの子)だった。置き竿で釣れていたキスを食ったようである。多分、セイゴを釣ったのはこの時が初めてだったと思う。この釣り場にはそんなに度々来るということではなく、年に2~3回、後年では年に1回程度来ていただけだが、キャリアは永いのである。

5時20分に竿を出すと直ぐにアタリがある。揚げてみるとマダイの赤ちゃんである。小さいが竿先は良く振れた。流石マダイである。順次6本の竿を出す。出し終わると最初の竿を揚げてみる。するともう餌は全く付いていない。小魚の活性が高いようだ。次々と投げた順に竿を揚げて行くが、どの竿も餌が無い。そして時々小さな魚が付いている。マダイにキス、カナコギ、ハゼ、メゴチ、フグなど全て子供である。餌を付けては投げ、順番に揚げていく。納竿時まで休む間も無くこの繰り返しをずっとしていた。揚げる度に餌は全く残っていない。普通なら小1時間もすればまずめの活性は落ちるものだが・・・。

赤ちゃん魚に交じって時折型の良いキスも来る。5時50分に最初の1尾が釣れ、納竿時までに20㎝前後のものが5尾、赤ちゃんキスが5尾釣れた。持ち帰りはキス5尾のみである。

アタリが強く揚げる時にも抵抗が強いとほぼベラに間違いない。大して大きくは無いがキスの数と同じくらいの10尾程度釣れた。これは大きくても持ち帰らないので全部リリースした。

さて、問題の魚である。最初はウナギだと思ったがどうも違うようである。巨大なギンポ?う~ん、良く解からない。河口だからウナギが釣れても不思議ではない。昔、第1埠頭(切戸川河口)でウナギを釣ったことがある。何れにしても持ち帰っても調理出来ないのだからこれもリリースした。海に投げ込むと、スーッと下に潜って行った。

旧暦:6月6日
場所:中電西側岸壁
時間:05:20~08:30
天候:曇り
風 :弱風のち南東風
月齢:5.4
潮   :中潮 満潮12:35潮位283cm 干潮06:42潮位106cm
狙い目:キス
釣り方:サーフ
餌   :アオムシ
釣果:キス10持ち帰り5・ウナギ?1R・ベラ10R・小ダイ3R・メゴチ4R・小ハゼ5R・小フグ3R・カナコギ1R(R=リリース)

今日は梅雨の最中なので小手試しのつもりで来てみたが、あまりにも小魚の活性が良いので用意した餌も直ぐに無くなった。6時半頃から1時間くらい南東の風が強くなり白波が立つくらいになったが、小魚はお構いなし、我関せずでせっせと餌を食べ続けるのである。こんなことも珍しい。

梅雨が明け本格的な夏になったらまたキス狙いで来てみたい。キス釣りと言えばあと気になるのが東晴海埠頭である。過去の釣果一覧を眺めていると、7月下旬に38、35尾程度釣った記録がある。

【7月26日過去の釣行記録】
・2008年晴海埠頭、06:30~13:50、小潮、釣果=キス38 ・ハゼR・エソR

【この日の釣り情報】
・2006年切戸川河口、夜、大潮、釣果=良型キス

【旧暦6月6日釣行記録】
・2006年07月01日、笠戸本浦港・寺崎、18:10~22:00、中潮、釣果=カレイ1・キス5・メバル1
・2010年07月17日、櫛ヶ浜港防波堤、19:20~22:40、中潮、釣果=メバル6・アジ2
・2010年07月17日、八島、21:00~04:00、中潮、釣果=30㎝前後アジ・30㎝クロ多数

 

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千一夜第3章第232夜 後編:夜食は岩山の上で焼肉だ~

2020-07-20 22:44:47 | 磯釣り

2020.07.20(月)

Tがイサキやマダイを刺身、炙りにした後は、焼肉である。ホルモンセンターでハラミとカルビを1人@200g購入。全部で800g注文したが、店の方で中途半端に肉が残ると言って少々おまけがあった。岩の上で食すと言うと、それじゃあ味付けもしておきましょうとやってくれた。使い捨てのBBQセットを持参し点火、猛烈な勢いで燃えているが、猛火が終息する頃には炭が熾っている。

肉を焼くのは一番若いしのHがかって出た。最初は脂の少ないハラミ、次にカルビを焼く。

良い色に焼けている。美味しそうである。

夜中の海の小岩の上で焼肉やっているとは誰も思うまいが、これが実に旨いんだなあ。刺身も肉もビールも最高である。Tは他の食材でソーメンなど準備していたが、刺身と焼肉、ビールで満腹状態。皆、もう食えんとソーメンはやめにした。デザートはバナナとキュウリだった。

食後一休みしてから朝まで竿を出す。ところがアジばかりでメバルちゃんは全く当たらない。今夜のメバルは22時頃までで終わったようだ。それでもここの常連のTは釣行時間が一番短いが、食後も含めて一番数多く釣った。釣った魚はSやHが貰ったようだ。今は朝の4時半頃から朝まずめ(東の空が薄っすらと明らみ始める頃)が始まるが、魚の活性が最も出ると言われる朝まずめでもアタリは無かった。今朝のメバルは朝食を摂らなかったようだ。或いは場所移動していたのかも。

海では方向感覚が全く狂う。今まで北だと思っていた方角から太陽が昇り始めたので吃驚。他の島や陸地を眺めて冷静に考えれば理解できるのだが、一瞬戸惑ってしまう。迎えの渡船を待つ間に撮った。

定刻の6時より10分程度早く迎えの渡船が来た。再びリレー方式で船に荷物を積み込む。燃えるゴミはここで焼却、燃えないゴミは持ち帰る。

自分たちが居た岩山を船から見ると、毎度のことながらよくこんな小さくて狭い所(実際には結構動き回れる)で竿を出していたなと空恐ろしくなる。大波が来れば一瞬の内に洗い流されてしまいそうだ。尤も、海が荒れた日には当然そうなるものと思われる。こんな岩山は一呑みだ。満潮時には船波にも注意が必要である。

Sの持ち帰り分、今日一は右上のイサキである。メバルは殆どTが釣ったもの。SもHもここは初陣だったが、釣果的には恵まれなかったな。まあこういう時もある。昨日釣れたからといって今日も釣れる訳では無いが、一度は爆釣時に連れて行きたいな。

私の釣果、今回はマダイに始まってマダイに終わった。釣り初めにまずまずのマダイを揚げ、納竿直前に10㎝くらいのマダイを釣るが、それで納竿した。それにしても今回は釣果が悔やまれる。メバルは前回の半分程度の釣果に終わってしまった。竿を出していても眠くなるようじゃ駄目だ。まあ、釣れる時もありゃあ釣れない時もある。それを含めての釣行だが、夜食タイムは良いものである。このメンバーの次回は初秋かな。

帰宅後は動くのも大儀だったので、持ち帰った魚の殆どを娘が嫁ぎ先に持って行った。皆、魚が好きなようなので、こういう時には大助かりだ。

釣行日:7月18日~7月19日
旧暦:5月28日~5月29日
場所:笠戸島沖下コーズ
時間:18:30~05:00
天候:曇り
風 :東風
月齢:26.8
潮 :大潮 18日満潮19:57潮位302cm 19日干潮01:53潮位148cm   満潮07:13潮位270cm
狙い目:メバル
釣り方:浮釣り
餌 :アオムシ
釣果:メバル7・マダイ2・カサゴ4・アジ9
釣友:同僚T=メバル11・マダイ1
   同僚S=メバル2・イサキ2・チヌ2R・カサゴ2・アジ7
   同僚H=メバル9・カサゴ数尾・アジ多数

【7月20日過去の釣行記録】
・2009年粭島小瀬戸、19:15~22:50、中潮、釣果=メバル3・アジ23・チヌ1
・2013年櫛ヶ浜港防波堤、19:30~21:00、中潮、釣果=ボウズ
・2014年徳山築港南端・東晴海埠頭、06:10~10:50、小潮、釣果=キス17

【この日の釣り情報】
・2010年ハンドウ島周辺、船釣り、06:00~13:00、小潮、釣果=チダイ20・ウマズラハゲ多数

【旧暦5月30日釣行記録】
・1997年07月04日、徳山競艇場周り、19:00~21:00、大潮、釣果=2人でキス13
・2009年06月22日、切戸川河口、19:00~21:00、大潮、釣果=イイダコ1

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千一夜第3章第231夜 前編:海が変?下コーズ史上初イサキ?

2020-07-19 15:28:26 | 磯釣り

2020.07.19(日)

長い梅雨で毎日毎晩毎週雨天だった。6月6日以来の釣行となったが、18日~19は夜から雨予報だった。山口県の梅雨明けは例年7月10日前後と相場は決まっている。いくら何でも18日には梅雨は上がっているだろうと、楽観的憶測により同僚釣友Tとこの日の釣行を決めたものだ。今回は同僚釣友のSとHにも声を掛けてみようということで7月7日に誘いを掛けた。ほぼ入れ食い状態だったが、雨天中止という条件が付いた。前日の予報では夜から雨とのことだったが、たとえ降っても小雨で大したことはあるまいとたかをくくって決行した。

渡船は当初17時出港予定だったが、1人笠戸島南端の火振り岬に降ろす人が増えたため18時出港に変更された。我々は16時に下松市の釣具店集合としたが、私とTは下松市、Sは光市で地元同然だが、Hは防府市なのでちょっと遠い。私が柳井市のメンバーと船釣りをする時に、柳井まで1人で行くようなもので小1時間掛かる。釣具店からは港まで直行組、夜食の肉の調達係り(私)、その他の食料調達係り(T)の三手に分かれた。時間的には余裕があったので港には1時間も前に着いた。待つ間にはやはり1杯やることになる。

船に弱いSだが、船が動いている時には酔わないと強気だが、僅か10分程度の船旅でも神妙な顔つきで腕組みしている。従って船釣りは出来ない。その点、左端のHや真ん中のTなどは船酔いなど何処吹く風と言ったところだ。船酔いは慣れで克服できるんだけどなあ。

栄勇丸でほぼ定刻に出港し10分程度で目的地の笠戸島沖下コーズに到着。鈍より曇り空で何時降り出しても可笑しくない空模様である。リレー方式で荷物を船から降ろす。

明朝6時に迎えに来るということで別れる。

岩山の天辺に陣取り、Tは早速テント張り。雨が降り出した時の避難場所兼雨天時の食堂にもなる。今回、夜の内に予報通り小雨がばらついたが、大したことは無かった。一応私は合羽を羽織ったが他の者は無視である。朝方までで降ったのはこの一度きりだった。そのため夜食はテント外で摂れた。

上陸後、早速竿を出すH。彼は終始のべ竿でやったが、明るい内は小魚ばかりである。暗くならないと本命のメバルは釣れないようだ。着いた時には風も緩くべた凪、曇り空で水も濁っている。月も雲に隠れているので夜は暗闇となる。潮も中潮から大潮への変わり目でかなり動くと思われる。メバル釣りの好条件の揃い踏みである。はやる気持ちは抑えられない。

22時頃のHの雄姿。満潮が20時頃でこの後、下げ潮の1時間くらいで良型のメバルを多く揚げた。丁度メバルの時合だったようだ。Hはこの時間帯に今日の殆どのメバルを揚げた。私も同様だった。

この頃、Sが立派なイサキを釣った。それも2尾立て続けである。同じポイントで、そこでしか釣れない。恐らく海に隠れて見えないが沈み瀬があるようだ。その瀬に沿って投げた仕掛けが2連荘ヒットしたのだ。Tもここでイサキが釣れるとは俄かには信じられなかったようで、直ぐに同じポイントに仕掛けを投入したが、棚が違うのか何か、釣れなかったようである。イサキ2尾を揚げた後、また同じポイントにSが仕掛けを投入するが、今度はチヌが2連荘、チヌはTが旨くないと言うので泣く泣くリリースしたようだ。

帰港後、栄勇丸の船長氏が言っていたが、イサキは群れでいるので2尾しか釣れないということは無いだろうが、船長も下コーズで今までイサキを揚げたということは聞いたことが無いと、まさかという感じだった。しきりに最近は海が変だとぼやいていた。まあ、仮にイサキが群れていたとしてもSは手返しが非常に遅いので、その間に逃げてしまっても不思議ではない。

夜食は22時30分頃から摂ったが、その前にSが釣ったイサキをTが調理する。脂ののったイサキを炙りと刺身にした。Tは好きこそものの上手なりといったところで、イサキの他にマダイの刺身も造る。道具も揃えており、頗る器用である。Sは皆からの請求で嫌々ながらも小さい方のイサキを差し出した。しかし、イサキの炙りは美味かった。Sもその調理法を教わり、残り1尾を帰宅してから試してみるという。

Sが造ったイサキの炙り、イサキの刺身、真鯛の刺身の3点セット。4人があっという間に平らげた。

通し(徹夜)釣行で既に32時間起きており、眠くてしょうがないので今日はここまでとします。後編は明日以降ということで。
集中できないので誤字脱字もあると思いますが、そこは想像してください。

【7月19日過去の釣行記録】
・1997年笠戸島周辺、12:00~17:00、大潮、釣果=アジ大漁
・2008年夜市川河口防波堤、06:00~11:40、大潮、釣果=キス15・ハゼ2・キビレ1・ワタリガニ1
・2009年徳山築港、06:30~11:00、中潮、釣果=カレイ1・キス11・ハゼ5

【この日の釣り情報】
・この日の釣り情報はありません。

【旧暦5月29日釣行記録】
・2006年06月24日、第2埠頭東側、07:15~17:15、大潮、釣果=カレイ12・キス7・アイナメ4
・2006年06月24日、大島庄の浦港、夜、大潮、釣果=メバル8・クロ1
・2009年06月21日、第2埠頭東側、06:20~08:30、大潮、釣果=カレイ1・キス1
・2010年07月10日、笠戸大橋下、06:10~12:00、大潮、釣果=キス2・ギザミ2
・2016年07月03日、櫛ヶ浜港防波堤、19:50~21:50、大潮、釣果=メバル2

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千一夜第3章第230夜 最近の読書26

2020-07-05 08:34:27 | 読書

2020.07.05(日)

5月26日に会社のOBで私の元上司のIM氏のお宅にお邪魔した。氏は最近怪我や病気で体調を崩しておられたようで、趣味の釣りや読書を止めざるを得ない状況になったらしく、釣り仲間のMちゃんに釣り道具一式、私に蔵書の一部を下さるということだった。

氏のお宅は柳井市内の少し山手にあるが、私は10年前に一度お伺いしただけで今回が2度目の訪問、凡その場所は覚えてたが路地を入ると全く分からなくなるという始末で、大通りまで出迎えていただいた。IM氏宅の北側に川が流れIM川という名称、少し上流にIM橋もあるという。川や橋の名称に自分の名字(珍しい苗字)が付いているのだから名家には違いない。屋敷も100年以上のもので、今どきの住宅に比べれば風情も情緒も貫禄も申し分ない。屋敷の東側と南側が広い庭になっており、手入れも良くされていた。屋敷の裏手には立派なモミジの老木が数本あり、秋には紅葉が楽しめそうだ(今後もみじ屋敷と呼ぼう)。また、南側の庭の一隅で畑を作っておられ、季節ごとの野菜を栽培されている。多少の身体の不自由はあっても、畑作りや庭の手入れだけでも十分にやることはありそうである。奥様に美味しいコーヒーを出して頂いた。奥様も私のブログをご存じのようで、赤顔の至りだった。氏から頂いた書籍は今後、IM文庫と付記することにする。


5月4日みどりの日、西の庭の片隅に植えてあるさくらんぼの木に毎年沢山の実がなる。殆ど鳥の餌となるが、手が届く範囲で少し捥ぐ。


さくらんぼを焼酎に漬けてみた。上手くいったかなあ。

最近読んだ本。記載するのは今回で26回目、評価を付けるのも気が引けるが、最も面白く読んだものは☆5つである。

『イギリス怖くて不思議なお話』 桐生操著 PHP文庫 評価☆☆☆☆ ’20年4月27日読了
寸評:日本人なら殺人があった家やお化けが出る家など、住民は必死に隠そうとするが、イギリスでは真逆だという。ロンドンの人々は、幽霊や殺人事件の話になると眼をらんらんと輝かせ、得意げに話して留まるところを知らないらしい。幽霊屋敷や殺人現場の地図が付いたガイドブックが駅のインフォーメーションなどに山積みに置いてあるとのこと。国民性の違いが如実である。イギリスと言えば怪奇の国のイメージがある。巨石文明の遺跡が残るイングランド、森と古城のウェールズ、更に北海の荒波が打ち寄せるスコットランドまで深い霧と白夜の風景は神秘なロマンを育む。イギリス人がミステリーを好むのはこんな風土のせいだろう。本書は英国王室スキャンダルから、歴史に秘められた謎、怪奇話、猟奇事件などイギリスの古い歴史に纏わる様々なエピソードを紹介している。面白く興味深い本である。

『丸谷才一と22人の千年紀ジャーナリズム大合評』 丸谷才一著 都市出版 評価☆☆☆☆ ’20年5月1日読了
寸評:著者は吉行淳之介が好きである。また吉行氏も著者を天才であると認めている。その関連で著者の本を読みだしたのが45年前だが、少々難しいのでまだ20冊程度である。本書は所謂対談集であるが、本書の帯に「ジャーナリズム志望者や関係者に批評の原点を示す必読の書」とある。14年に渡るジャーナリズム論の6冊目で、かなり広い範囲のジャーナリストやその志望者に愛読されているとのこと。著者及び2人の専門家をそれぞれ加え、多岐にわたって論評を繰り広げているが、文学論についてはちょっと難しすぎた。彼らの読書量には敬服するが、プルースト的?、サント・ブーヴ的?、さっぱりである。文学論は幅広く展開しているのでちょっと抽象的概論の感があった。まあ、批評家等の座談会だからしょうがない。12対談中10は面白く読んだ。

『レボリューション』 斎藤純著 はるき文庫 評価☆☆☆☆☆ ’20年5月13日読了
寸評:本書はロック小説である。著者の本は初めて読んだが、アメリカのカントリー、ブルース、R&Bなどがイギリス人によってロックになる。そして、1960年代から70年代はロックが最も輝いていた時代でもあった。実年齢からすると団塊世代がそれにあたる。ロックを規定することは意味がない。それはロックが生き物であるあり、時代と共に成長を続け変化も見せるからだ。ロックを聴いた年代(私の場合70年代)、場所、或いは本人が熱心に耳を傾けた時の年齢も、ロックの何たるかを決めるには重要な意味を持つ。日本のロック史についても考察される。本書は国会議事堂前のコンサート、ミステリー的要素の入った小説であり、結末が幻に終わったことで小説も完結している。著者は私と2つ違いの同年代であり、小説の主人公も同年代、主人公の死亡した兄とは10歳違いであるから団塊世代であろう。ロックのスター達は実名で登場し、その時代の世相や思想なども詳細に書かれている。著者は元FM局のディレクターだけあって、この分野は非常に詳しい。著者はバイク乗りでもあり、小説の中にはロックとバイクが宝石のように輝いている。久し振りに良い本に出合った。


5月14日、レターパックにて特別定額給付金(新型コロナウイルス感染症緊急経済対策支援金)の申請書が来た。

『ニューヨークの天使たち。』 渡辺葉著 集英社文庫 評価☆☆☆☆☆ ’20年5月14日読了
寸評:ニューヨーク、幾千幾億の夢を持ち寄る街、夢でできたこの街では本当の自分を演じることも、虚構や幻想の自分を演じることも思いのまま。ニューヨークで演劇、舞台、ダンス、演出をしている著者のこぎみの良いエッセイ集である。1996年から2006年までに出会った人々や出来事、風景を綴ったもの。結婚は3年で破局したが、一人暮らしのせいかとても器用である。読み易くショートストーリーのような鮮やかさとキレを秘めた静かなエッセイである。ニューヨーク9.11は現場に居た著者ならではのエッセイである。他にバルカン半島(アルメニア、ブルガリア、マケドニア、ギリシャ等)の音楽のことも出て来るが、7/8拍子、9/8拍子、15/16拍子など変則的な拍子、リズムはちょっと想像できない。この本も味わい深い。

『異聞!暗殺の日本史』 別冊宝島編集部著 宝島社文庫 評価☆☆☆☆ ’20年5月18日読了
寸評:暗殺者に仕立てられたヤマトタケル、天智天皇の不自然な死、第47代淳仁天皇から誕生した「怨霊」、アジアと欧米列強の友好を掲げながら、反日の標的にされる伊藤博文、などなど歴史は常に勝者によって綴られ、敗れ死んでいった者たちの言い分は闇に葬られてきた。しかし歴史をよくよく見ていけば、必ずどこかに真相に繋がるカギが隠されている。神話の時代から近代国家成立の伊藤博文まで、教科書では語られない闇の歴史、35編の暗殺事件の謎に迫る。


5月23日、釣友Tが笠戸島沖の下コーズという岩山に渡船で渡り、通しでメバル釣行。23cm前後の良型メバルを50尾程度釣る。翌日、私がクーラーごと持ち帰り、あちこち配る。(この1週間後、もう一度行くが私も同行した)

『「日本の神様」がよくわかる本』 戸部民夫著 PHP文庫 評価☆☆☆☆☆ ’20年5月25日読了
寸評:本書は数年前に購入し、今や座右の書のような存在である。現在同類の本を4冊読み進めているが、解釈の相違、古史伝や古事記伝、神名考等により同じ神様でも性格や呼び方も違ってくるし、違う神様が同一神となることもある。そのため拾い読みや同じ所を何度も読んだりで、どの本もなかなか読了には至らない。取り敢えずこの本は読了した。一般に神社に祀られている神様は、「古事記」「日本書紀」の神話・伝説に登場する神々と、偉大な業績を残した武人・文人を神格化した神々である。本書では本源となる神様を祀る神社や分霊等を祀る主要な系列社の紹介、個々の祭神の鎮座の由来や祀られ方、性格(荒魂、和魂)、霊力(ご利益)、神徳などそれぞれの特徴を紹介している。付録として神社、祈願のミニ知識として30頁余りあり、神々の簡略化した系譜(記紀より)も付いている。

 
6月3日、やっと来ました。ちょっと時期を逸した感がありますが、厚生労働省から「アベノマスク」。到達した日現在はマスクの品不足は解消されており、販売価格もバブル崩壊を迎えています。もう1か月も早く届いていれば有難味も倍増していたのですが、この日時点ではマスクも大量に確保済み、それにこのマスク、百均のマスクに非常に似ている。取り敢えずこのマスクは保存版にするか寄付するかします。

『ケネディの道』 シオドア・C・ソレンセン著 弘文堂 評価☆☆☆☆☆ ’20年6月17日読了 IM文庫所蔵(IM氏より頂いた書籍)
寸評:JFK、私にはライブ感がある。1963年11月22日、極右の中心地ダラスで遊説旅行中、人々に微笑みかけ手を振りながらのパレード中に狙撃され、ジャクリーン夫人が飛び散った夫の脳の一部を拾い集めている様子は何度も何度も繰り返しTVの映像で見た。当時小学低学年だった私は、ショックと共に未だに記憶に残っている。本書はJFKの側近中の側近と言われたソレンセンによるJFKとの11年間の回想録である。これほど米国大統領を完璧に書き上げたものはなく、今後もこれ以上のものは出てこないだろうと言われた著書である。ケネディが精力的に対決した現代史の諸事件と人間ケネディを描き、新たな感動を呼んだ歴史的証言である。ホワイトハウス入りしてからの外交は、常に共産主義陣営と自由主義陣営との紛争だった。イデオロギーや利害関係は続くが、強いアメリカが世界平和をリードするという信念の元に政治に取り組む。何だかトランプ大統領にも似ているかな。オリーブの木というのもJFKによって作られたものだった。1966年の初版本だが、字が小さくて分厚い本だったので読了に時間を要した。

『HIROHITO』 レナード・モズレー著 高田市太郎訳 毎日新聞社 評価☆☆☆☆☆ ’20年7月3日読了 IM文庫所蔵
寸評:昭和天皇の物語。ケネディの本と同じ54年前の本である。1945年8月15日、全く予期しなかったこの歴史的瞬間に導くまでの様々な事件やいきさつを描いた物語で、戦争と制服に熱中していた国の天皇の地位におかれながら、実は優しく、内省的で、学究的で、しかも平和を愛した一人の文化人の物語である。また、狂信的軍人と宮廷の陰謀をものともせず、天皇が如何に勇気をふるい、機略を用いて陰謀者どもの裏をかき、戦争を終結させたかという物語でもある。ワシントンの国立記録保管所の秘蔵文書や日本に滞在して皇室関係者、戦争に関与し天皇に関わりを持った生き残りの重要人物、極東国際軍事裁判の生き残りなど、実に大量の資料や取材により書かれている。その点、物語以上といえる。読み進める内、天皇も側近の木戸内府も重大な判断ミスを犯している場面が度々出て来る。天皇への情報が著しく欠如しており、軍部の独走、無能な内閣など、もしこれが無かったら或いは戦争が避けられたかも知れないとの思いが増大する。しかし、幸運なのは敗戦で自由主義国家となったことだろうか。
実はこの本も私が若い頃、書店で何度か手にしたことがある1冊である。嘱託を経て完全リタイアをする直前、40数年を経て遂に読了に至った。

【7月5日過去の釣行記録】
・1998年大井港より萩沖、18:00~00:00、船釣り、小潮、釣果=イカ、8人で200杯以上
・2014年徳山フェリー乗り場南端、05:40~12:30、小潮、釣果=キス6・キビレ1
・2015年櫛ヶ浜港防波堤、19:40~21:40、中潮、釣果=ボウズ

【この日の釣り情報】
・2014年上関鼻繰島、通し、小潮、釣果=メバル20(最大27㎝)・20~30㎝アジ入れ食い

【旧暦5月15日釣行記録】
・2006年06月10日、切戸川河口、18:10~21:10、大潮、釣果=キス12

 

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