とても斬新な写真を撮る写真クラブのおじさんが、夏の日を思わせるとても優れた写真を披露しました。
先生も「これは、とてもいい。夏を思わせる一枚ですね。夏の思い出といえば、井上陽水さんの少年時代という歌があります。あとでお聞かせしますので、楽しみに待っていてください。」と、いつもの講評を続けます。
私の作品といえば、どれもあと1つ足りないもったいない作品ばかりでした。
でも、写真クラブに入会したときに比べたら、こんな褒め言葉を賜ることとなりました。
講評が済んで、先生がパソコンを操作し、真っ暗なスクリーンに、綺麗な写真に「少年時代」というタイトルと共にメロディが流れてきます。
井上陽水さんの歌と共に、息を呑む写真がいろいろ披露されます。
しかし、それだけではなかったのです。
歌詞にのせて、つぶやくような声が聞こえてきます。
それは、写真クラブのメンバーの歌声です。
「エッ!!」と、思いました。
みんなが歌っているのです。
ちょっと仰天しました。
歌が終わり、高揚感に満ちたメンバーは拍手をしています。
先生は、「もう一度聞きますか?」と言い、再度、同じものを流します。
すると、今度は、もっとはっきりメンバーが歌いだします。
多分、歌っていないのは私一人です。
歌が知らないわけではないのですが、そういう感覚を持ち合わせていないのです。
例会の帰りになると、「レパートリーも増えたし、カラオケでも行こうか。」などという輩も出てきました。
ちょっと笑えない話です。
こういう時って、一緒に歌ったほうが良かったのでしょうか。