以下は、2024年2月17日に開催した海南島近現代史研究会第27回定例研究会での佐藤正人の報告の要旨です。
■主題報告 日本が侵略した地域の民衆の記憶、侵略国家の民衆の主体変革■
日本国家が侵略した地域における侵略犯罪の歴史は厳密に記録され伝承されなければならない。
その歴史記述の正確さを保証する、侵略国家日本の民衆の主体のありかたを考えたい。
(一) 国民国家日本の民衆の歴史認識・行動(事実を明らかにする=歴史的責任を自覚する)。
(二) 国家謝罪・国家賠償(国民国家日本政府に侵略犯罪の諸事実を細部まで正確に明らかにさせ、公表させ、謝罪させ、責任をとらせ、
賠償させる)。
侵略。虐殺。日本軍隊性奴隷。
(三) 実証的民衆史(事実)。思想。 民衆の歴史・民衆の歴史認識。
生き方。責任。道徳。
民衆運動としての歴史認識・民衆運動のなかでの歴史認識・民衆運動深化のための歴史認識。
(四) 世界史 時間(すべては、現在・昨日のこと)・場(地域)。
北アフリカ史。南アフリカ史。アラブ史。北アジア史。南アジア史。北太平洋史、南太平洋史。北大西洋史。南大西洋史。ヨーロッパ
史。北「アメリカ」史、中部「アメリカ」史。南「アメリカ」史。
個人史のなかの世界史・地域史のなかの世界史
現在の、日常のなかの世界史。 侵略の世界史 ⇔ 抵抗の世界史。
(五)時代 過去、生きている時代(わたしが。われわれが)
13世紀
14世紀
15世紀 大西洋奴隷貿易開始。
16世紀
17世紀
1622年「インディアン戦争」(アメリカ合州国植民地戦争)開始→1890年
18世紀
19世紀 ベルギー、イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、ポルトガル、スペインによるアフリカ大陸分割(植民地化)開始。
1895年:フランス領西アフリカ
1898年9月2日:オムダーマンのたたかい マフディール。マフディー戦争
20世紀
1904年に、アフリカ南部のナミビア(1884年にドイツが領土化)で、ヘレロ民族がドイツの侵略に抗して烽起したとき、ドイツ
軍は、ジェノサイドをおこない、ヘレロ民族の8割を殺戮あるいは餓死させた。
1905年~7年、タンガニイカ民衆(マトゥンビ民族、エンギンド民族、ボゴロ民族、エンゴニ民族ら)が開始したマジマジ烽起の
時、ドイツ軍、10万人を越える民衆を虐殺。
1906年から朝鮮民衆、独立戦争(義兵戦争)開始。日本軍は、義兵の根拠地と判断した村落を襲撃し村人を殺害。朝鮮駐箚軍
司令部『朝鮮暴徒討伐誌』に、1906年~11年間に日本軍・憲兵・警官が殺害した義兵は1万7779人と書かれている。
1914年~1918年 世界戦争(1)
1919年の朝鮮の三・一独立運動のとき、日本政府は、軍隊・警察を増強し民衆殺傷
1937年~38年、ヴィーンヌィッヤ(ウクライナ)でソ連NKVDが1万人以上の民衆を虐殺
1937年~38年、ソ連で「大粛清」。NKVD(ソ連内務人民委員部部)の1953年統計報告によれば、1937年に政治囚77万9056
人・死刑者35万3074 人、1938年に政治囚583,326 人・死刑者32万8618 人。
1937年12月、南京で日本軍が大虐殺
1939年2月10日、日本軍海南島奇襲上陸開始
1939年~45年世界戦争(2)
1939年9月1日、ドイツ軍ポーランドに侵入
1939年9月17日、ソ連軍ポーランドに侵入
1940年4月~5月、NKVDがカチンの森でポーランド将兵ら2万人以上を虐殺
1940年9月27日:日独伊三国防共協定調印→1943年10月13日伊王国独に宣戦
1941年6月22日:ドイツ、ソ連侵略戦争(バルバロッサ作戦)開始・ソ戦(大祖国戦争)開始→1945年5月9日:ドイツ無条件
降伏(ソ連の死者2660万人、2015年にロシア国防省発表の公式の推算では、犠牲者数(2660万人、約1200万人の兵士が戦死・
未帰還、民間人約1460万人がドイツ軍の占領地で死亡・未帰還・飢餓や疾病などで死亡)。
1944年6月6日:アメリカ合州国軍・イギリス軍ノルマンディ上陸開始
1944年6月6日~8月30日 ハレマンディ
1948年:パレスティナでナクバ開始
1950年:朝鮮戦争開始
1965年10月~1966年3月 スマトラ島、ジャワ島、バリ島で、インドネシア国軍・国軍に軍事訓練をうけていた民間の「警防
団」などが、共産主義者、華僑らを集団大虐殺。死者50万人?~300万人?
1988年3月16日:ハラブジャ虐殺(青酸ガス爆弾によるイラン政府のクルド人虐殺。死者3200人~5000人)
21世紀
2023年10月~現在 シオニスト国家政府・国軍・警察、パレスチナでパレスチナ人3万人殺害。
空爆の時代 南京・成都……爆撃。 クラスター爆弾(ラオス爆撃)。 北朝鮮爆撃。ベトナム爆撃(北爆)。
ガザ・ウエストバンク爆撃。
(六)シオニスト国家(イスラエル)のパレスチナでの残虐な侵略犯罪
ホロコースト(ユダヤ人大虐殺)・ナクバ(パレスチナ人虐殺)
イギリス国家の侵略犯罪
ドイツ国家の侵略犯罪
日本国家の侵略犯罪
1898年9月2日 マフディ戦争 オムダーマンのたたかい
1939年2月~1945年8月 国民国家日本政府・軍・企業が、海南島で侵略犯罪
1948年 シオニスト国家(イスラエル)がパレスチナで残虐な侵略犯罪を実行
ナクバ パレスチナ人の村をシオニストの軍隊が500以上破壊・占領し、パレスチナ人を追放し、地名を変更。
1987年6月28日 サルダシュㇳ 死者13人、住民12000人の8000人が被害。
1988年3月16日 ハラブジャ 死者3200~5000人、負傷者7000~10000人
朝鮮で
済州島四・三虐殺(1948年4月~1949年5月。犠牲者3万人~6万人。
聞慶虐殺(1949年12月24日。韓国陸軍第2師団第7中隊第2小隊第3部隊による住民虐殺。住民88人を射殺)
韓国の獄中者を韓国政府・軍。・警察が大虐殺(「補導協会員大虐殺」。遺族会は114万人が虐殺されたと報告
居昌・山清・咸陽虐殺(1951年2月7日、9日~11日。韓国陸軍第11師団による住民虐殺)
老斤里虐殺(1950年7月。アメリカ合州国陸軍第7騎兵連隊、約300人を射殺。)
韓国政府・韓国軍、ベトナムで大虐殺。 1966年1月23日~2月26日にかけて韓国陸軍首都機械化歩兵師団(猛虎部隊)は南ベト
ナムビンディン省タイソン県タイビン村(当時の名は平安を意味するビンアン村)15集落の村民1004人虐殺(ベトナム戦争後、
栄光を意味するタイビンに変えた)。 2月26日に猛虎部隊、ゴダイで住民380人をすべて虐殺。1968年2月12日に、韓国海兵隊
第2海兵旅団(青龍部隊)第1大隊、フォンニィ・フォンニャット村で村人76人虐殺。2月25日に韓国海兵隊、ハミ村で子ども・女性・
老人135人虐殺。
(七)平和・戦争
パクスロマーナ
パクㇲブリタニカ
パクㇲアメリカーナ
日本の平和(日本国憲法。第一章「天皇(1條~8條)」を前提として第二章「戦争の放棄(9條)」)
(八)海南島で
万人坑・千人坑・強制連行 石碌鉱山、港、鉱山 「朝鮮村」
住民虐殺 沙土・月塘村
(九)コミューン、ソビエト、起義
1848年:パリコミューン
1917年:ソビエト
1927年11月~1928年2月:海陸豊蘇維埃(海陸豊ソビエト)
1927年12月11日から3日間:広州起義・広州公社(広州コミューン)
(十)ナショナリズム
インターナショナルリズム