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番外編がはいって一回あきましたが、バーンスタイン指揮ウィーン・フィルによる1984年アメリカ公演1984.3.1の評が3月2日のニューヨーク・タイムズに載りました。
この公演は2月29日に続く二日目のコンサートです。
1983-1984シーズンに聴いたコンサート、観たオペラについてはここから全体を見渡せます。
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1984年3月1日(木)8:00pm
カーネギー・ホール
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モーツァルト/交響曲第40番
マーラー/交響曲第4番
ソプラノ、アラン・ベルギウス
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レナード・バーンスタイン指揮
ウィーン・フィルハーモニカー
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前日と同じジョン・ロックウェルの評。
かいつまんで自由に訳すと、
出足は初日と同じ感じであったが、結果は今日の方が盛り上がった。モーツァルトは初日のような雰囲気がややあったが、それでも初日より繊細なものであった。
最初の3楽章はいわゆるウィーンの伝統的な豊潤なもの。フィナーレは前夜のハイドンの交響曲第88番やベートーヴェンのエロイカと同様エネルギッシュなもの。
特筆すべきは個人技やアンサンブル、暖かく甘い弦、さらに素晴らしい木管、この演奏はメモリー・ブックにしまっておこう。
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休憩後のマーラーの第4番はがらりと変わり、精神的な世界、指揮者と演奏家、このオーケストラと作曲家のダイナミックなつながりを示した。
第3楽章まではウィーン風を踏襲した素晴らしい演奏。特に第3楽章の夢見るる世界は何物にもかえがたい。
ただ、第4楽章にボーイ・ソプラノを採用したのは、その能力の高さにもかかわらず、失敗であった。マーラーの多様性を表現するのには不十分だし、技術的にむずかしいところもある。さらにはオーケストラの後ろに立って歌うという不思議。
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それでも、この指揮者とオーケストラの組み合わせを聴くのは、いつもなにかしら示唆にとむもの。
おわり
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