風音土香

21世紀初頭、地球の片隅の
ありをりはべり いまそかり

風をあつめて

2012-06-28 | 読書
幻のロックバンドと言われるけど
果たして彼らの音楽はロックだったのだろうか。
はっぴいえんどの曲は
「はっぴいえんどの音楽」というカテゴリーではなかろうか。

英語のカバー曲が中心だった当時のロックシーンの中
日本語でオリジナルを歌った彼らは
確かにザ・バンドやリトルフィート、
そしてバッファロースプリングフィールドなど
ウエストコーストやカントリーなどの影響を受けてはいたが、
凝ったリズムとギターのオブリガードに乗せて
コーラスを被せつつ歌にこだわったスタイルは
彼ら独自のものだった。
はっぴいえんどの前身エイプリルフールで
細野さんとともにメンバーだったヒロ柳田さんが
この本の中で「細野さんは歌のバックをやりたかった」と語る。
それがはっぴいえんど後のティンパンアレーになったと。

はっぴいえんどの魅力はそのサウンドはもちろん、
Dr.松本隆さんの現代詩のような歌詞も大きい。
代表的アルバム「風街ろまん」の世界は
松本さんの歌詞によって形づけられている。
抽象的な歌詞とうねるリズム、つぶやく歌を聴いてるだけで
リスナーの頭の中には昭和30年代の埃っぼい東京が
何となく浮かんでくるのだ。
こんなバンド、後にも先にも他にはない。
様々な才能(風)が集まって
一瞬結実したバンドはっぴいえんど。

唯一無二のバンドはっぴいえんどの姿を
この本は当時の原稿を元に徹底的に描いている。


「はっぴいえんどコンプリート」シンコーミュージック
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