風音土香

21世紀初頭、地球の片隅の
ありをりはべり いまそかり

花魁道中

2024-05-10 | 文化

桜の季節は終わったが、おそらく満開だったころ、
全国の桜まつりアトラクションとして
花魁道中が行われただろう。
桜の季節だけじゃなく、集客アトラクションとして
花魁道中はその華やかさから人気かもしれない。
でもさ・・・

当時実際にいた花魁たちはどんな人生だったのか。
そんなことを慮る人はいるのだろうか。
貧しい家に生まれて売られ、
多額の借金を抱えてその世界から抜け出せない人生。
吉原などでは逃げ出せないよう堀まであった。
体を張って、その狭い世界の中だけで生きるしかなかったから
その中で1番になることは目標だったかもしれないが
それは花街の中でだけのヒエラルキー。
一方で人間扱いしてもらえず単なる商品で、
年をとったり病気になれば打ち捨てられる存在だった。
花魁道中だって、本人のためというより
遊郭における宣伝目的だった。

かつての花魁たちを思うと
現代において花魁道中をありがたがる気になれない。
簡単に扱っていいことではないと思う。
泉下の彼女たちはどう思っているだろう。
そういう歴史まで踏まえた上で
集客のためにあえてに行っているとしたら
遊郭の主人たちと動機は一緒だ。
簡単にそういうアトラクションを行う発想に
個人的にはおぞましさすら感じる。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ツツジの蜜を吸う | トップ | クラシック音楽 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

文化」カテゴリの最新記事