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初めての弾き方

明後日開催する今月のコンサート「春のうららのギターの音」のプログラムには、また名曲「アルハンブラの思い出」が入っています。
この曲、若い頃には大きな会場で張り切って弾き割れるような拍手をいただいたこともありますが、年齢とともに「あれほど練習したのに」と思う場面が増えてきました。
特に自宅に教室をかまえてからは、立場上「弾けない」とは言えなくて、右手指の運指を、通常の弾き方以外にも何種類か考え、それそれについて一定期間本気で練習した上で、どれを採用するかを決める……ということを繰り返してきました。
今やっているのは、新しくフレーズが始まるときに(だいたい4小節ごとに)主旋律の音(32分音符)をひとつずつ追加する弾き方です。タレガが残した名曲の譜面をいじることになるので「邪道だ」と言われそうですが、きっとタレガも「弾けるならやってもいいよ」と言ってくれると思います。
ギターのトレモロ奏法は普通、親指で低音を弾いた直後に(通常は8分の1拍遅れて)主旋律が入ります。したがってどれだけの名手が弾いても、この分だけ音の「立ち上がり」が悪くなってしまうのです。これが気になり始めて「よし、どうせなら音を追加して低音と同時に弾いてしまおう」と思い、奮闘しているというわけです。
とは言っても、通常の弾き方でこれを行うのはほぼ不可能です。私の場合はフレーズの最初の音を人差し指で(親指の低音と同時に)弾き、その後は通常の(薬指から始める)弾き方で弾きます。それが可能になるように、直前の音(前のフレーズの最後の音)を薬指で弾くようにしています。
自宅での練習では「これで弾けるぞ」というところまできました。でも「本番で初めての弾き方をした際には、まず失敗する」と思っていた方がいいでしょう。その怖さから抜け出すためには反復練習あるのみです。長い日記を書いている場合ではありませんね。

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