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『サフィリアさん』

2016年08月27日 21時14分25秒 | ためぞうの冒険+DFセカンド 登場人物編


   『サフィリアさん』



 ・ 聖クラウス学園のもう一人の副会長さんで、

   ためぞうに、初めての出会いをもたらした女の子。

   (対戦格ゲーで、ためぞうをボコボコにしていた相手だった。)


サフィリアさん「ご、誤解ですっ!!」


ためぞう「あの時オレは、

     ・・・学園の天使と、出会った~~ぁ。」


サフィリアさん「!?」


 人物紹介編で、好感度の上下はありませんので、ご心配なく。

 (・・・たぶん。)


サフィリアさん「そ、そうなんですね、

        ふぅ~。」



  ・ サフィリアさんは、これまで名家のお姫様として育ってきたので、
  
    学園の共学生活で、初めて同世代の異性と出会った感じの、
  
    ピュアな女の子です。

    非常に高い、美少女ランクを誇っています。
  
  
    けしからん程にすくすくと育った、
  
    スペシャル小悪魔ボディをお持ちですが、
  
    とても清純で、純情な上に、押しに弱いですネ。


    ちなみにサフィリアさんは、花柄のワンピースを着ています。

    その長く細い白金の束ねられた髪に、幾筋もの銀光がキラめいて、

    姫様オーラっぽいものが出てます。


    ためぞう君を落とすなら、あと一押しですよっ。


サフィリアさん「これって、罰ゲームですかっ!?
  
        ご本人さん、いるんですよッ!!!」
  
  
 ためぞうは、音もなく消えました。

 どうか、ご安心を姫。


サフィリアさん「どれだけ、扱いが適当なんですか、

        ためぞうさんってっ!!


        ・・・ちゃんと、してあげて下さい。」



 ・ この様に、思いやりのある優しく麗しい乙女さんに成長されて、

   上杉の家臣さん達も、ほっこりです。


家臣Aさん「このまま姫に、越後へ留まって頂いて、

      天下に号令でも、かけて欲しいもんですなぁ。」


家臣Bさん「いやいや、

      我ら『越後』だけの姫であって欲しいという願いもありますぞ。


      嫁になど行かず、婿など取らなくとも、

      永遠に我らの癒しのオアシスとして、

      キラキラしていて欲しいでござる。」



 ・ 家臣さんに、愛されていますね。

   皆さん、サフィリアさんの為なら何処までも付いて行く覚悟っぽいです。


   アイドルの親衛隊寄りですか?

   とにかく慕われてるっていいですね。


   なので、一度帰って来ると、

   引き留め感がハンパないですネ。



アリス会長さん「サフィリアさんは、私のダメな妹と共に、

        学園の生徒会を支えてくれる、立派な活躍をされています。


        私は、サフィリアさんという大事なご友人と、

        引き離されてしまうのでしょうか?」



 ・ 家臣さんたちは、みんな → (Φ ω Φ) こんな感じになって、

   うつろな瞳で、「姫様にご友人が出来て、嬉しい事です。」と口々に、

   言っています。


   もう、家臣たちも、しばらくはしつこくしない事でしょう。



ためぞう「すげーぜ、会長さんッ!!」


アリス会長さん「いえいえ、

        家臣のみなさんが心が広いだけですって。


        ああ、私も青春したいものです。


        私にだけ、好感度設定が無いってのは、

        不便なものなのですね・・・。

        告白も出来ないし、・・・あったとしても、

        告白されるか自信はありませんが。


        私は、ちゃんと言いますよ。

        『大嫌いですッ!!』って、ええ!?


        『この、変態ッ!!』、・・・なるほど、

        想った言葉が、逆の感情で出るのですね。」


 すると、アリス会長さんは、ためぞうに意味が反対だといって、

 胸に手をあて、告白します。


アリス会長「『凄く○○ですっ!!』、って、えー。

      伝えられない・・・おろおろ。」


 この絶世の美少女である、アリス会長さんが、

 告白レースに、もし参加でもしたら、

 世の殿方の大半が、ガッポリと持って行かれるでしょう。


 それだけは避けねばと、密かに思ってしまった、

 サフィリアさんです。


サフィリアさん「(自分に自信がないからって、私のバカッ!!

        そんな事、思っては失礼です・・・。)


        あっ、そうです。

        会長は、あずきかき氷とか、あんこ餅はお好きですよねっ?

        よかったら、好きなだけお持ち下さいなっ。」


 サフィリアさんは、

 家臣たちを一瞬で従えたアリス会長さんは、

 やはり最強だと思いましたが、

 友人と呼ばれるのは、嬉しい事でした。


 アリス会長さんの好物は知っているので、

 たくさんのお土産を用意します。


アリス会長さん「まあ、嬉しいですー。

        では、早速、学園に戻りましょうネ。」



   ホワワワワーーーンッ・・・。



 ためぞうも、サフィリアさんも、

 一瞬で、学園へとワープしました。


 夏休みで、部活の生徒さん以外はあまり見かけられませんが、

 いつの間にか、いなくなってしまった会長さんに、

 仕向けられた感じで、

 二人は三年J組の教室に取り残されました。


サフィリアさん「エ、エアコン効いてるんですね。」


ためぞう「普段は、エリナ先生のシアタールームとかに使ってて、

     今は、黒板サイズのスクリーンが置かれてますね。


     おっ、30,1chのスーパー音響システムまで、

     いつの間にか、設置されとるし。」


 日中の眩しい日差しが遮られる様に、

 教室に設置された黒の暗幕が自動で下りてきます。


 そして、スクリーンには、

 美しい花火が映し出されました。



    ドォーーーーンッ!!!



ためぞう「音も本格的だな、

     山に当たって跳ね返るような、反響音まで来るとは。」


 教室は一変して、簡易の花火大会の様相を呈します。

 雰囲気だけですが、


 想いとか、伝えちゃったらどうっすか?


サフィリアさん「人物紹介ですよね?

        どーして、こうなっちゃうんですかっ!?」


ためぞう「誰かが仕込んだんでしょうけど、

     花火、綺麗ですねー。」


 確かにためぞうの言うように、

 高精細スクリーンに映し出された、

 プロジェクターの強力な明かりは、

 本物に迫るかの大迫力です。


 ためぞうが、ふっと辺りを見回すと、

 教室の隅に電球で照らされた、リンゴ飴コーナがあります。


 そこには、エリナ先生の置いた貯金箱があって、

 小は300円、特大は500円入れて取ってね。

 と書かれています。


ためぞう「小を二個、頂こう。

     サフィリアさん、どぞっ。」


サフィリアさん「あ、ありがとうございます。」


 ためぞうとサフィリアさんは、

 花火の映像が綺麗に見上げられる、前の方の席に座ります。


サフィリアさん「なんだか、本当に花火大会にいった気分です。」


 そう言って、美味しそうにリンゴ飴を口に運ぶサフィリアさんの、

 そのやわらかな淡いピンク色の唇は、

 艶やかな赤のルージュのように、艶めいて染まっていきます。


ためぞう「激しくワナを感じるが、


     今、この夏に見たかった光景が、

     目の前で繰り広げられてるゾ・・・。」


サフィリアさん「えっ!?」


 振り返るサフィリアさんの横顔は、

 スクリーンに反射した花火の光で、

 美しくも色っぽく見えます。


 とくにその赤く染まった唇は、魅惑的です。


セバリオスさん「ちょっと待ったーーーッ!!!」


 暗幕をひるがえし、扉からセバリオスさんが入ってきます!!

 セバリオスさんは、500円を入れて、

 特大リンゴ飴をその手にすると、

 サフィリアさんの隣の席に立ちました。


セバリオスさん「座ってもいいかな?」


 二人に、断わる理由はありませんので、

 セバリオスさんは、フゥっと息を付いて、

 隣の席に付きました。


サフィリアさん「こんにちは、セバリオスさん。」


セバリオスさん「おおぉ、これはまさに夜に咲く赤い花っ。

        サフィリアさん、めちゃ可愛いですよッ!!」


サフィリアさん+ためぞう「!?」


 セバリオスさんは、いつも度胸満点です。

 想う異性にも物怖じしない、スーパーエレガントタフガイです。


 でも、ここでは好感度自体は変わらないので、

 『好き』とかは、本編の方でお願いします。


セバリオスさん「そうなの?

        まあ、私はサフィリアさんの笑顔が見られれば、

        それで満足だよっ!!」


サフィリアさん「ほっ・・・。


        (本編じゃなくて、良かったです。

         でも、セバリオスさんはカッコいいと思います。)」


 レオクスさん、ピンチですよっ!!


レオクスさん「とぅ!!」


 レオクスさんも暗幕潜って、ちゃんと近くに来ていました。


レオクスさん「すごい臨場感ですねっ!!

       私も、シアターちょっと欲しくなっちゃったなぁ。」


 レオクスさんはサフィリアさんの後に立ちましたが、

 紺の作務衣にリンゴ飴の小を持つその立ち姿は、

 何とも風流で、美しいです。


 その清らかさの中に妖艶さを秘める、甘い王子様マスクは、

 サフィリアさんでなくても、

 女子なら誰でもドキドキしちゃいそうです。


 加点はされ.ませんが、レオクスさんもサフィリアさんに、

 かなりの好印象です。


ためぞう(なるほど・・・。


     オレだけがおいしい想いをするハズはないが、

     しかし、ためぞうは変わったのだっ!!


     今は、試練の疲れを癒す、リラックスタイム。


     こういうほのぼのとした中で、いい想い出まで作れて、

     アリス会長さんに感謝!!)


エリナ先生「感謝は、私にではありませんか?

      山本 ためぞう君。」


 そう言って、突然現れたエリナ先生です。

 先生は、絵に描いたように、

 しっかり浴衣で決めています。


 左手にうちわ、右手には特大リンゴ飴、

 ティーンでありながら、大人で魅惑的なその姿に、


 セバリオスさんと、レオクスさんは戸惑っています。


エリナ先生「なんとなく花火でも見ようかと、

      ウルトラHDブルーレイを再生して、着替えにいっていたら、

      みなさんがいらっしゃったので。


      先生は、ちゃんと小箱にお金が入っていたので関心してます。

      遠慮なく、たくさん食べて売り上げに貢献して下さいね。」


 エリナ先生は、自分で作ったリンゴ飴の売り上げで、

 町内会主催の縁日で、もっと稼ぐつもりです。


 ここに初めて訪れたのは、

 ためぞうたちが初めてでは無いようで、

 貯金箱には、しっかり硬貨が集まっています。



 浴衣は、サービスなのでしょう。

 エリナ先生は、その容姿を利用して、

 色々と幅広く、稼いでいるようです。


 学園によくいるのも、自分の部屋の節電という理由もあったりします。


エリナ先生「先生は、ちゃんと忘れていませんよ。


      今回は、サフィリアさんの紹介編なので、

      しっかり、担任の責務を果たしたいと思っています。


      みなさんも、あくまで主役はサフィリアさんと、

      意識して下さい。


      私に、見惚れたりしてはいけませんよ。」


セバリオスさん+レオクスさん「そ、そうですねッ!!」


エリナ先生「はい、では『本日の主役』のこのタスキを、

      付けてください。」


サフィリアさん「うっ!」


 ちょっとした、罰ゲームのようですが、

 エリナ先生は時々不器用なので、

 親切心は、てんこ盛りです。

 これを着けて、外に出るのはかなりの勇気と覚悟が必要です。


エリナ先生「みなさんが、サフィリアさんとツーショットになれるように、

      席に立体視プロジェクターを用意してもらいました。


      席数は20です。


      サフィリアさんは、この3Dスキャナーの中で、

      映像をなるだけ感動的に、見つめてくださいね。」


 エリナ先生の指示によって、席替えが行われます。

 先着のためぞうから順に、特等席が割り振られていきます。


 すると、20席の机には、

 サフィリアさんのLIVE 3D映像が投影されます。


セバリオスさん「おお、まるで二人っきりのような、

        シチュエーションではないかっ!!!



        これ、マジで一個欲しいんですが。」


レオクスさん「クオリティ、めちゃ高いです!!

       まるで、吐息がかかるような感じの距離です。


       さりげなく素敵な香りもして、実に素晴らしいっ!!!」


 ですが、肝心のサフィリアさんは、

 一人称視点で、3Dスキャナーの席にいます。


サフィリアさん(・・・でも、何も言えないし、

        エリナ先生のご期待には、しっかりお応えなくては。)


 エリナ先生の恐ろしさを知る3年J組の生徒たちは、

 ご機嫌を損ねた時の末路を知っています・・・。


 そんなサフィリアさんをよそ目に、

 エリナ先生の流したウワサのおかげで、

 続々と、教室に人が集まってきました。


A氏「それがしもリンゴ飴を頂くでござるよっ!!


   昨日の夜から並んだ甲斐があったナリィ!」


B氏「なんだな、

   特大リンゴ飴を5個頂くんだなっ!!」


 入って来た順番通りに、いい席を選べますが、

 奮発して5個も買ったB氏は、VIP席に通されるのです。


B氏「おお、近いんだなっ!!」


A氏「なんとっ! それがしも買い増すでござるヨォ!!!」


 続く行列に並ぶには、最後尾に行かなければなりません、

 それはA氏の脱落を意味します。


J氏「フハッハッ!!

   早く並べばいいってもんじゃねーぜっ!!


   このイベントの張り紙の片隅に、

   米粒に字を書いたような文字で、書かれた、

   追加購入特典を読まなかったとはなっ!!!


   オレは、リンゴ飴小10個の大人買いだぜぃ!!!」


 J氏は、B氏を上回る特等席のテラスの座ります。

 セバリオスさんも、レオクスさんも、

 人が入って来る度に、席替えで後へとやられて行きます。


セバリオスさん「うおおおおっ!!」


レオクスさん「ええっーーー!!!」


 ためぞうは、サフィリアさんに1個プレゼントしていたので、

 セーフです。


ためぞう(・・・エリナ先生に、いい様に操られとるな。)


 すぐに三年J組は、満席になりました。

 遅れた人は、立ち見です。


 エリナ先生は気合で、100人くらい教室に押し込んでいます。


エリナ先生「完売御礼申し上げます。

      では、夢のひと時をお過ごし下さいなっ。」


 立ち見客は、何故かサフィリアさんが見えませんが、

 観客の中に、浴衣のエリナ先生がいるので、

 それなりに有意義な時間を過ごせています。


 この仕組みを理解したみなさんは、

 次なるイベントに備えなければならない事を、

 思い知るのです。


 部屋は、100人いても問題ないクーラーで、

 快適温度です。


 花火のムービーは、一時間で終わりました。


エリナ先生「では、次の恋愛映画、『あの夏の日の思い出。』を見たい方は、

      一旦、教室から出て、

      準備が整うまで15分間、お待ちください。


      校庭の400mグラウンドを何週したかで、

      席順が変わったりしますから、


      良かったら参加して下さいね。


      教室に残る方は、準備を手伝って頂いた後、

      ご褒美のアメを一個渡しての、退出になります。」


 野郎どもが、一斉に校庭のグラウンドに向かって、

 駆け出して行きました。


 熱いですねっ!


セバリオスさん「走りには、自信あるんだよ。

        ハッハッハッ。」


レオクスさん「わ、私も急ごう・・・。」


 ウワサは花火映像の前から流れていたようで、

 着いた時には、すでにたくさんの野郎たちが、
 周回しています。


 5~8週差くらいは、つけられているようです。


A氏「それがしのスプリント能力を見せる時が来たナリヨォ!!」


B氏「あ、後は託したんだな・・・。」


 B氏は、A氏にムービー機能付きのカメラを手渡し、

 3年J組の手伝いへと戻っていきます。


J氏「こいつぁ、B氏の為にも負けられねぇなぁ!!

   キャンプ仕込みのランニングってもんを、

   見せてやるぜっ!!」


 J氏は、15分の最適な周回速度で、歌いながら、

 素晴らしいペースで、走り出します。


 横腹が痛くなって、リタイア寸前の野郎たちを抜きながら、

 着実に順位を上げていきます。


 そのJ氏に便乗して、他の野郎たちが周回遅れを挽回していきます。

J氏「勝手に付いて来てんじゃねーっ!!」


 これはJ氏でも、どうしようもありません。

 ペースを乱せば、パフォーマンスが落ちで脱落です。


 15分の休憩時間を経て、皆が教室を目指します。

 ランニング大会と間違えたランナーたちも、

 好タイムで、集団に付いて行きました。


J氏「かんけーねぇだろッ!!」


 ワンツーフィニッシュは、やはりセバリオスさんとレオクスさんです。

 二人がスクリーンの待つ教室の入り口の暗幕を抜けると、

 そこには、エリナ先生のポップコーン屋さんがありました。


B氏「ポップコーンは、いかがなんだな?

   Sは300円、Mは500円、Lは700円、

   LLは1000円、スペシャルえりなポップは5千円なんだな。


   ドリンクは全種、250円だな。」


 なんとB氏は、販売員として復活していました。

 彼の技術力のおかげで、エリナ先生は余計にポップコーンを作れたので、

 その功績から、席を一つ頂いたのです。


 残りの席は、その時点で19に減っています。


セバリオスさん「スペシャルに、オレンジドリンクをお願い。」


レオクスさん「私もスペシャルに、放課後の紅茶をお願いします。」


 二人は、限定数5のスペシャルを買ったので、

 VIP席へと向かいます。


セバリオスさん「おお、カード付いてる!?


        ワンピースの水着姿が実いいっ!!

        凄くいいですなっーー。」


 スペシャルは1個限定でしか買えません。

 何個も買えてはレアではないのです。


レオクスさん「おお、(私のは、ビ、ビキニ姿です!!

       ・・・これは当たりなんじゃ。)」


セバリオスさん「ところで、レオクス君のは?」


レオクスさん「・・・。」


 レオクスさんは、交換覚悟でそのカードを見せます。


セバリオスさん「おお! そっちも素晴らしいね。

        気合で100週差付けた甲斐があったね、

        レオクス君っ。」


 セバリオスさんのその懐の広さに、

 レオクスさんは、我が身の未熟さを知るのです。


 そして、二人の友情はより深いものになった瞬間でした。


A氏「スペシャルと、抹茶オレを頼むでござる。

   B氏との再会に、感激したナリヨォ!!!」


 A氏は、B氏のカメラをそう言って手渡すのです。


J氏「オレもスペシャルを頼むぜッ!!

   ドリンクは、コークだっ。」


 その後に、少し送れてためぞうです。


ためぞう「スペシャル5千円か・・・。

     いや、これは、サフィリアさんの為、

     有意義な買い物としよう!!


     ドリンクは、メロンジュースで。」


 すると、ためぞうのカードは、

 まだ誰にも披露していない、サフィリアさんの白いビキニ姿が写されています。


ためぞう「おー、サフィリアさんカードだ。」


セバリオスさん+レオクスさん「何だってーーーっ!!!」


 後がつかえていたので、順番を守って皆さん席につきます。


サフィリアさん「い、いつのまに、撮られていたんですかっ!!!」


ネコx2さん(エリナ先生に頼まれていたのニャ!!

       メモリーカードは、戻ってこなかったニャ・・・。)

エリナ先生「皆さんが、協力的で先生嬉しいです。

      これは課外授業扱いになりますので、

      カードも想い出を、しっかり本編に持って帰れますよ。


      先生は商売しているのではありません。

      商売の授業をしているのです。


      皆さんの出席率が、

      夏休み明けても、こんなに多いと、

      先生は、名前の点呼が面倒になるので、


      適度に加減して、出席してくださいネッ。」


 席はあっという間に埋まり、立ち見ももう限界の数に達したので、

 エリナ先生は、3D映像のテラス席で映画の再生ボタンを押しました。


 流れてる映画の内容は、夏の青春群像を描いた健全なものでした。
  
 内容はそれなりですが、見てるシチュエーションがとても良いのです。


セバリオスさん「うん、凄くいいよ!

        この練乳がコーティングされた、
        フルーティな味のポップコーンも美味しいよね。


        3Dとはいえ、ちゃんとカップから食べてくれる彼女の姿が、

        とても、初々しく癒されるねぇ~。


        どういう仕組みで、食べてるのかなんて、考えてはいけないねっ!」


 セバリオスさんの言う、ストレートな感想が、

 サフィリアさんを余計に可愛く見せてくれます。


 恥ずかしげもなく、感想を言い続けるセバリオスさんは、

 残りの席の観客から、大いにリスペクトされています。


サフィリアさん「なんだか、恥ずかしいですっ。」


レオクスさん(ありがとう! セバリオスさんっ!!)


 こうして、あっという間に2時間が流れ、

 教室の中が、安らぎと平穏で満たされます。


 エリナ先生はB氏に、バイト代1700円と、

 エリナ先生の、未公開の水着グラビアの生写真を一枚手渡します。


B氏「じ、自分でよければ、

   これからも、使って欲しいんだなっ!!」


A氏「B氏、良かったでござるヨォ!!」


J氏「ハッハッハッ、今回のオレたちのミッションも、

   最高だったぜッ!!」


 この三人組も、友情を深めているみたいですね。


 エリナ先生が、教室の暗幕を上げると、

 外は、いい感じの夕焼け空になっています。


エリナ先生「水平線に沈む太陽は、何処から見てもきっと、

      素敵なんでしょうね。


      教室から見える風景も、時には味のあったりするものです。」


 映画のスクリーンが上がり、その下から黒板が出てくると、

 エリナ先生はチョークを取って、

 サフィリアさんの今のスリーサイズを、大きく書き始めました。


サフィリアさん「!? いつ計ったんですかッ!!!」


エリナ先生「あら、自己紹介は余計でしたか?


      先生は、十分に誇らしい数値だと思いますよ。

      越後で、しっかり弱点のウエストを、

      腹筋で鍛えてたみたいですねっ。」


 野郎たちの多くはエリナ先生を支持しますが、

 サフィリアさんが恥ずかし過ぎるのは、

 ちょっと可愛そうなので、


 その胸の奥で、サフィリアさん、腹筋頑張って、

 と応援しています。


セバリオスさん「いやー、素敵な授業でした。


        これ以上は、ある程度秘めておいた方が、

        妄想力にも影響していいと思いますが。」


 セバリオスさんは、

 ただサフィリアさんルートの楽しみを、

 取っておきたくてそう言ったのですが、


 野郎たちを説き伏せるのに、十分な言葉でした。


 本編だったら、サフィリアさんの好感度も、

 きっと上がっていたでしょうねっ。


セバリオスさん「あ、そうなの?

        ちょっと勿体無かったかな。


        ハハハッ、でも楽しかったよ。」


レオクスさん「ええ、まさか教室で、

       こんな素敵な気分になれるなんて、


       学生からやり直したいとも思える程のクオリティでした。」


 エリナ先生は、黒板消しを取ると、

 スリーサイズを消しにかかります。


 この隙に、どれだけ記憶できるかが勝負です!

 メモ等は反則扱いで、想い出ごと消されてしまうでしょう。


 エリナ先生が、黒板消しをパンパンッっと払って、

 ホームルームに移りました。


エリナ先生「はい、みなさん。

      夏休みの宿題など、どうでもいいので、


      今年の夏休みを来年になっても思い出せるくらい、

      充実した毎日を送って欲しいと思います。


      以上で、課外授業は終わりです。


      気をつけて、帰ってくださいね。」


 生徒もそうでない人も、エリナ先生に一礼して、

 きちんと後片付けして、教室を後にしていきました。


 いい笑顔です。


 エリナ先生も貯金箱を見て、

 いい笑顔になっています。


エリナ先生「サフィリアさん、

      今日はためぞう君のお家に行って、

      エリスお姉さんと一緒に、お泊りして来ていいですよ。


      先生は、保護者の方たちにちゃんと説明してありますので、

      越後の事は、家臣さんと弟さんを信頼して、


      いい思い出を作ってくださいね。」


サフィリアさん「あ、ありがとうございますっ!


        あの、レミーアさんも誘って良いでしょうか?」


エリナ先生「いいんじゃないでしょうか。


      本日の主役は、サフィリアさん、

      貴女なのですから。」


 急にタスキが恥ずかしくなってきた、サフィリアさんです。


セバリオスさん「ためぞう君、今夜も実況よろしくねっ。」


レオクスさん「た、ためぞう君、感謝してます。」


ためぞう「了解っす、テントからバッチリ、

     実況しますので、ご期待くださいっす。」


 こちらの三人組も、友情を深め合っていますね。



サフィリアさん「では、またですーー。 ^-^ 」
コメント
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『エリスねーさん』

2016年08月22日 18時05分31秒 | ためぞうの冒険+DFセカンド 登場人物編


    ( ↑ 髪の色は、光の加減によって、
  
        春の草原や、ディープな抹茶グリーンまで、
  
        調節が出来る上、
  
        本来の青い瞳を、今はブラウンに変化させています。
  
  
        容姿レベルをほぼ際限なく上げられ、若ささえも調整出来る、
  
        ミラクルおねーさん・お嬢さんな感じです。
  
  
        本人は意図的に、その事実を、
  
        すっかり忘れさせられています。
  
  
        知らないうちに、ねーさんは、
  
        『伝説の女神様』から、


        『OLさん』へとクラスチェンジを果たしたのです。
  
 
 
        多分そうしたのは、
  
        アリス会長さんか、セバリオスさんです。)




   『エリスねーさん』




エリスねーさん「なんで紹介から、『ねーさん』!?


        ・・・だってほら、

        あたしだって、なんと言うか、

        出会いとか期待してるわけよ。


        『ねーさん』って立ち位置、ハードル上がんね?」


 世の中には、包容力のある女性に憧れる殿方も、

 結構、いらっしゃると思いますよ。


 ほら、若い子って、年上のキレイなお姉さんに、

 淡い想いを抱く方、マンガとかでも見た事ありません?


エリスねーさん「・・・ある気はする。


        でも、年下かぁー。

        い、嫌じゃないのよ。世間様が、優しく見守ってくれるなら、

        年月と共に、頼りになってくれたりするでしょ?」


 そうですねー。(まず、セバリオスさんの妨害を超える程の、

         逞しさがあれば可能かとは思いますが・・・。


         エリスさんには、みんなを安心させる、

         そんな清涼剤のような存在で、あってもらいたいのです。


         抜け出してはダメなのです。

         むしろ、抜け駆けさせるくらいの、広いお気持ちでw)


エリスねーさん「・・・沈黙長いんですけど、

        あたしの自己紹介はいいから、


        ためぞうの第二話(2.01話(仮))の方、

        よろしく頼むよぉ。」



 ためぞうが、あらわれた!



 どうする? → 倒す。

         話し合う。



エリスねーさん「登場、安いな・・・。


        おう、どうしたの?」


ためぞう「お、ねーさん。

     オレも何が何だか、いきなり飛ばされて来た。」


 エリスねーさんとためぞうは、

 エリスさん家のこたつのある、居間に座っています。

 こたつ布団は、ふとん圧縮袋で、押入れの中です。


エリスねーさん「お布団はまた、お世話になるので、

        大事にしております。


        ためぞう、元気でやってる?


        ためぞうが毎日、家にいた頃に、

        早く戻るといいな。


        あたしはお泊り会、

       (エリスねーさんをシェアし、敬愛する女子会。)のおかげで、

        いつも、ワイワイはしてるんだけど、


        ためぞうがいない毎日は、

        ちょっと心の何処かにすきま風だぞ。」


ためぞう「ねーさんは面倒見がいいからなぁ、

     すごく有り難いんだけど、


     ほら、オレって試練山盛りだろ?

     戻って来ても、外でテントだよ。


     アリス会長さんのおかげで、

     妹のシオンさん(みんなは女の子だと思い込まされている。

     きっとバレても、その記憶は残らないです。)

     とのテント暮らしって、


     結構、ハードなワケよ。」


エリスねーさん「そもそも、なんで年頃の男女をテント暮らしさせようとする、


        こほん、(会長さん、ためぞうと家族になりたいのかな・・・。)

        会長さんの、感覚が、いまいちわかんないんだよねー。


        しかも、会長さんに匹敵するスーパー美少女じゃん。

        ためぞうのラッキーが、激しくスパークして、

        ためぞうの幸運が、失われている気がしないではない。」


 エリスねーさんとためぞうは、

 実の姉弟のように、気が知れています。


 昔は、このポジションに古蔵さんがいたそうな・・・。


ためぞう「すまない、古蔵さん。

     でも、オレは古蔵さんを信じてるよ。


     マスクマンという初期の逆境を乗り越え、

     すっかり愛されてる、

     古蔵さんのそのネコラブ感は、


     いまは、その変なマスクさえ誇らしい、

     ユニークな町の名物になってるよっ。」


エリスねーさん「そーだよねー。


        古蔵は、関心なほど、

        いいヤツに成長してる。


        てか、このコーナーって、

        あたしの自己紹介なんだよね?


        ためぞうが出てるなら、それで別にいいんだけど。」


 実は、人物紹介編の、

 ためぞうの出現率は、本編の冒険より設定が高いのです!!


エリスねーさん「本編で、出してやってよっ!!


        ・・・まず、自己紹介って何やればいいんだろう。」


 おまかせ下さいっ!

 ちゃんとオートで、表示されちゃうのです。


 本人の意思など、まったくの無視ですが。


エリスねーさん「ちゃ、ちゃんとしてよ、

        あたしの事も、ためぞーの事も!!!」



 ・ 長崎ドラゴンタウンに、ある会社のOLとして、

   働くお姉さんが、エリスさんです。


   23才、そのままいない歴ですが、

   男女問わず、好意を持たれていて、

   そのハードルを、とある上司さん(セバリオスさん)が、

   密かに上げて、出会いを阻止しています。


エリスねーさん「えっ?

        中盤から、聞こえなかったんですけど。」



 ・ 不動産会社の社長さんと仲いいので、

   その若さで、ガレージ付きの立派な一軒家を持っています。


   いろんな社長さん、会長さんと仲が良く、

   OLのわりに、オフィスより営業に出てしまう、

   その性格から、


   会社への貢献度(いろんな会社とのコネを作りまくる)がバツグンで、

   同じ社員の男性達が憧れても、声をかける勇気が持てないほど、

   その存在は、社内で輝いています。


   趣味がバイクという事で、

   バイク仲間から、雑誌記者へとウワサが伝わると、

   あっという間に、モデルデビューを果たし、


   今では様々なファッション誌や季刊誌、グラビア方面などでも、

   大活躍中です。


   容姿端麗で、ナイスバディーなお姉さんは、

   世の男子たちを惑わし、

   実は、かなり多くの方から、憧れられたりしています。


   そこが、逆に声を掛けづらいポイントで、

   ちょっとした、高い所に咲く花のようになっていますネ。


   今は、みんなの「エリスねーさん」でいいネっ。っと、

   周りの女子たちも、率先して、

   近寄る男たちをブロックしています。


   気さくで、ふつーに話しかけて来てくれる、

   かなり近い存在ではあるので、


   逆に、自分への好意が近すぎて見えないのか、

   そういう色恋沙汰に、かなり鈍感になっています。


   進行形で、ラッキーいっぱい取りこぼしてますネッ!!



エリスねーさん「何か紹介されてるの?


        聞こえにくくて、仕方ないんだけど。」


ためぞう「ちゃんと紹介されてるから、安心していいと思う。」


エリスねーさん「そーなの?

        うん、わかった。」


 エリスねーさんは、今日はお仕事お休みなので、

 清涼感漂う、白のワンピースです。

 腰の水色のリボンが、そのウエストの細さと、

 スタイルの良さをアピールする、ワンポイントになって似合っています。


 ためぞうが、テーブルの水を軽くひっこぼしてやれば、

 たわわに実った、その素敵なバストラインが、

 浮き出てくることでしょう。


ためぞう(するかーっ!!!


     ・・・何なんだ、この微妙な試練の匂いは。

     せめで、この居間くらい、安全地帯にしてくれよ。)


 たまたま、新名所のネクサスビルで、

 設置された展望台の、高感度の望遠鏡を仲良く見ていた、

 セバリオスさんとレオクスさんは、

 胸の奥で、おしいっ! っと思いながらも、


 ねーさんのくつろぐ姿が丸見えな、この望遠鏡が、


 誰でも活用出来るという事に、問題点を見付けました。


セバリオスさん「どんなメガネを使っても、見る事が出来なかった、

        あの謎のこたつエリアが、


        何故、これで見えてしまうのだっ!!!


        見る気、満々だったが、

        100円入れれば、誰でも10分見れるのは、

        私には受け入れがたい事だよ。


        安すぎでしょ?」


レオクスさん「つっ込むとこ、そこですか・・・。


       (すでに試していたんだ・・・、

        相変わらず行動力は凄いなぁ。)」


 ドラゴンタウンは、わりと健全な町なので、

 あちこち、覗き防止フィルターがかけられています。


 仕掛け人は、アリサ副会長さんですが、


 これは、人の進化を加速させる『妄想力』の活性化の為に、

 重要なブロックなのですっ!!


 ちなみにアリサ副会長さんには、しっかり見えています。

 綺麗ごとを並べ立て、自分だけは恩恵を受けているアリサ副会長さんですが、


 セバリオスさん、レオクスさんクラスになると、

 彼女の科学のフィルターも、道具次第で突破されてしまうようです。


 そんなアリサ副会長さんは、アニメフェスIN有明リゾートに、

 まるで別人となって、コスプレ参加中です。


 ためぞうの親友、ホーネルもコスってます。


 見た目、ネコ耳金髪セクシーキャラのアリサ会長さんは、思います。


アリサさん「うふふ、エンジョイしちゃってますねー、

      私たちも、楽しまなくっちゃニャー!!」


 違和感ゼロで、

 麗しの女剣士している、ホーネル王子。


ホーネル「だよねーっ、

     期待と妄想と迷走のマジカルワールドで、

     今年も夏の祭典だネッ!!」


 声まで、声優さんそっくりなホーネルの周りには、

 たくさんの人だかりが出来、シャッターぱちぱち眩しいです。


A氏「さすがホーネル氏、

   素性を知らねば、甘い夏の誘惑に、

   心を奪われていたでござるヨッ!!」


B氏「隣のネコ耳美少女は、誰なんだなっ?

   と、とにかく連写しとくんだなっ!!」


J氏「ハッハッハッ、

   流石に、あの激しいコスプレ修行をコンプリートしただけの完成度だぜ。


   輝いてるぜっ、副会長さんッ!!」


 そして、話はIN有明から、

 ドラゴンタウンのネクサスビルの方に戻ります。


 そこには、目のふちに型が付くくらい、

 望遠鏡を覗き込んでるセバリオスさんと、

 周りをチラチラ気にしているレオクスさんがいます。


セバリオスさん「いやーっ、個人的に一つ欲しいが、

        いざ見えてしまうと、想像力という夢が失われるな。


        見えそうでみえない、その絶妙なチラリズムが、

        私の渇望にも似た願いを、

        豊かに満たしてくれる、素敵な想いの力なわけだが。」


 セバリオスさんは、場所を気にせず、

 普通に大声で話しているので、周囲の殿方に丸聞こえです。


レオクスさん「マナーモードで、トランシーバー使いませんか?」


 レオクスさんは、たまたま見えただけで、

 見えるのは良くないと本気で思っています。


 でも、セバリオスさんにも、

 共に健全でいて欲しいと願う、

 いい人、レオクスさんです。


レオクスさん(セバリオスさんは、もちろん心の友ですっ。


       実際、セバリオスさんは、

       エリスさんと付き合い長いですし、

       セバリオスさんに、引け目を感じないとはいいません。


       でも、想う気持ちの純度は、同じですよね?)


 ここから、二人の会話はマナーモードになって、

 誰にも聞こえなくなってしまいます。


 展望台には、セバリオスさんの一言で、

 居合わせた殿方たちの行列が形成されつつありますが、


 何故か、100円玉いっぱい持っているセバリオスさんが、

 二つしかない高感度望遠鏡を占拠して譲りません。


セバリオスさん「亀吉さんに断わり無く、

        このレアな望遠鏡にフィルターをかけるのは、

        気が引けるが、


        ここは、より良きな街づくりの為、

        心を鬼にして、細工させてもらおう。」


レオクスさん「おおぅ!? セバリオスさん、

       行列に亀吉さんの姿がっ!!」


セバリオスさん「ほほう・・・。」


 ウワサを聞いて、並んでみた、

 ビルのオーナーの亀吉老人です。


 セバリオスさんは、瞬きモールス信号で、

 亀吉さんとコンタクトします。


セバリオスさん < 「えー、ビルの完成おめでとうございます。

           エリスのチチが見たいんですか?」


> 亀吉さん「若いものには、負けんけんねっ!!

       グラビアは、毎回買っちょる方じゃよ。」

       (亀吉さんは、ちょっと方言があります。)


セバリオスさん < 「見て思い知ったのです。


           やはり、妄想の方が有意義だと。


           ためぞう君に水こぼす勇気あれば、

           間違いなく、心は揺れていましたが。」


> 亀吉さん「・・・確かに、

       昔、まだDVDやグラビアなどなく、

       世の中がまだ、レッツゴー! ヤングを目指していた頃は、


       文学やチラシから得る、

       妄想力だけが、唯一の憩いであった。


       見えてしまっては、その醍醐味も色褪せてしまうんかいのー。


       じゃが今は、便利過ぎるが故の不便さというものを、

       感じる新世紀ではあるのも、否定出来んではないのー。」


セバリオスさん < 「ここは、保留にしときませんか?


           妄想力が枯渇した時の、ピンチに頼るくらいの、

           秘密兵器として。」


> 亀吉さん「・・・極めるに難しき道なればこその、

       到達した時に見える世界の美しさは、わからんではないのじゃが。


       さすがじゃ、セバリオスさんッ!!


       上手くフィルターを、かけちょって下されっ。」


 オーナーの許可がおりました。


 > 亀吉さん「それでも一応、気合で見て見るけんねーっ!!」


セバリオスさん「さて、許可が出たが、

        どうしようレオクス君。


        ハンパ無い眼力とパワーを誇る、

        東方の偉大なる達人の、亀吉さんにも、

        見えないフィルターって、どうやってつければいいかなぁ?」


レオクスさん「今度は、覗いても見えない方のロマンですか!?


       ・・・ためぞう君に聞いてみるしかないのでは?」


セバリオスさん「だねっ!」


 わりと便利に使われてるためぞうです。


 そのこたつエリアにいる、ためぞうに、

 マナーモードでトランシーバーに、連絡が入ります。

 
ためぞう(・・・エリスねーさんが見えてて、ロマンがないからって、

     フィルター付けるとか、


     ねーさんには、絶対言えん・・・。


     たぶん、マイオストの部屋にあるだろうから、

     せりかさん、いや、ホーネルに頼もう。)


ためぞう「ねーさん、ちょっと電話借りるねっ。」


エリスねーさん「おう、

        あ、ついでにおせんべいか何か、

        取ってきてー。」


 いくらマナーモードでも、

 目の前でそんな話をするわけにはいきません。


 この便利道具を取り上げられたら、

 セバリオスさんと、レオクスさんのロマンが一つ、

 失われてしまうのです。


 ためぞうは、昔なつかしのアナログ風の電話から、

 ダイヤルを回して、ホーネルのスマホに連絡を入れます。


ホーネル < 「やぁ!

        もしかして、フェスに参加したいの?」


ためぞう > 「すんません、間違えましたっ!!」


 っと、ためぞうは一度電話を切ってしまいます。


ためぞう「知らない女性の声が聞こえたぞ・・・。

     いや、何処かで聞き覚えがある気が。」


 すると、ジリリリリンッ! っと、

 電話が鳴り始めます。


ためぞう < 「はい! エリスねーさんの家の、

        ためぞうですっ!!」


> ホーネル「なんで途中で切っちゃうの?

       コスプレしてるって察してよ、ためさん。


       撮影会の最中だからねっ。」


 ためぞうは、完全にコピーされたその声優さんの美しい声に、

 やはり、ホーネルは出来るヤツだと、改めて思い知ります。


ためぞう < 「イベント終わってからでいいから、

        ネクサスビルの望遠鏡の特に高感度のヤツに、

        細工しといてもらえないかな?


        で、出来たらでいいんだけど。」


> ホーネル「うん、わかったー。


       PTAモードにしとけばいいんだよね?

       ああ、そういえばアレ、

       今は無き、マスオストさんが亀吉さんに挨拶した時の、

       お土産だったね。


       裏側に切り替えスイッチあるよ。

       切り替えは楽だけど、戻すのにパスワードがいるから、

       そこひねればOKだよ~。


       ボクもそれ、持ってるからパスは知ってるよー。」


ためぞう < 「ありがとう、ホーネル。

        イベント頑張ってねっ!!」


 ためぞうは、ホーネルのその声が、

 ドキッっと胸に響いて、仕方ないので、

 用件だけ聞いて、切り上げました。


 好きな声って、聞き続けていると、

 変な気分になっちゃいそうですネ。


ためぞう「・・・オレが、油断出来んのは、

     何処でもかわらんのか。


     そもそもコレ、

     ねーさんの自己紹介なのに、

     趣旨、間違ってるよね?」


 ためぞうは、マナーモードで、

 丁寧にセバリオスさんに、その望遠鏡の操作法を伝えます。


 再度、ネクサスビルへと舞台は戻ります。


 そこには、望遠鏡に型が水中眼鏡の後っぽくなっても、

 見続けるセバリオスさんと、


 レオクスさんに代わってもらった、オーナー亀吉さんが、

 エリスねーさんを見守り続けています。


セバリオスさん「・・・、そんな仕組みだったんだね。


        ここは、迷うよね~、

        今、操作しちゃうか、


        せめてためぞう君が、勇気を持って、

        水鉄砲で遊んでくれるのを待って、


        すっきり気分で、フィルターかけるかだよね。」


 レオクスさんは、トランシーバーを亀吉さんに渡しているので、

 話が聞こえていません。


亀吉さん「こりゃ、古蔵君に頼んで、

     水遊びセットば、届けてもらわんといかんねっ!!」


 そして、エリスねーさん家に、

 ネコのマークの宅配便の、古蔵さんがやってきます。



   ピンポーーンッ!



エリスねーさん「はーいッ。」



   ガラガラガラ~~ッ。



古蔵さん「ねーさん、ちわっす。


     亀吉さんとセバリオスさんから、

     メロンとパワーシュート水鉄砲が入ったおもちゃの、

     お届けです。


     サインかハンコ、お願いしますー!」


 玄関へとやって来たエリスねーさんは、

 受け取りにサインすると、メロンの箱の方を古蔵さんに渡します。


エリスねーさん「古蔵、エライな!


        メロンは、古蔵が貰っちゃえよ。

        この箱で、この重さなら、

        高級メロンが二つは入ってるぞっ。」


古蔵さん「いい風が、自分にも吹き始めましたネ。


     仕事、はやく終わらせて、

     ドラゴン港の事務所に持って行って、

     みなさんで頂きたいものです。」


エリスねーさん「おお、

        ちゃんと有効に使えてるじゃん!


        ノルン姐さんも、鈴木さんも、佐藤さんも、

        いれば、エストさんも喜びそうだな。」


 古蔵さんの進歩に、ねーさん嬉しそうです。


 古蔵さんが、迅速に次の配達先に向かうと、

 まるで子供が宝物を見るように、

 カッコいい水鉄砲を、手にとって見つめるエリスねーさんです。


ためぞう「・・・威力凄そうだな。」


エリスねーさん「なあ、庭でためし撃ちしないかっ!!


        面白ければ、もっと買って、

        みんなで遊ぶぞっ!!」


 ワナにまるで気付いていない、ねーさんに、

 ためぞうは、ささやかな助言をするのです。


ためぞう「とにかく、下に水着くらいつけときなよ。


     そのまま、スケスケ見せられるのは、どうかと思うぞ。」


エリスねーさん「はっ!?

        さすが、ためぞう。


        いざって時に、水着忘れない為の、

        心がけってヤツだな。


        パッパと着替えてくる~。」


 エリスねーさんは、

 バタバタとクローゼットのある部屋へと駆けて行きました。


 家にためぞうだけだと、

 とんでもなく気が緩んでしまう、エリスねーさんです。



    ピンポーーン!



ためぞう「はーいっ。」



    ガラガラガラーッ。



エリナ先生「ごきげんよう、ためぞう君。」


 っとそこに、自前の水鉄砲を持った、

 エリナ先生がやって来ました。


 その後に、同じように水鉄砲を持った、

 銀髪の美少女、サフィリアさんも何故かいました。


ためぞう「おおっ、

     もう、セントラル越後から帰って来たんですか?」


サフィリアさん「えっと・・・。


        (エリナ先生が、ローゼさんのお父様の、

         プライベートジェットで迎えに来たのは、

         口止めされていますので・・・。)」


エリナ先生「ためぞう君は、細かいことは気にしません。


      ですね、ためぞう君?」


 ためぞうは、この町で生き残る為に、

 この幸運を素直に喜ぶのでした。


ためぞう「ささ、上がってくださいっ。」


 こうして、着替え終わったエリスねーさんと、

 準備万端のエリナ先生とサフィリアさんは、


 夏の戦場となる、

 ガレージ付きの広い庭に出たのです。


エリナ先生「ためぞう君、貴方も参加するのですよ。

      先生は、この勝負の為に、

      わざわざ、サフィリアさんに来てもらってるのですから。」


サフィリアさん「え、私ですか!?」


 サフィリアさんは、エリナ先生が用意した、

 白のワンピースを着ています。


 清純なイメージのサフィリアさんは、

 その爽やかさキープしつつ、


 服の上からでも分かる、

 ナイスなボディを控えめに見せる為、

 ゆるい感じで、腰のリボンを結んでいます。


 その服がエリスねーさんとお揃いなのに気付いた、

 サフィリアさんは、

 何だか感激で、こう発したのです。


サフィリアさん「エ、エリスさんとお揃いだったなんて、

        すごく嬉しいですっ。


        もちろんこれって、

        エリナ先生にお返ししなければならない、ですよね?」


エリスねーさん「おお、ホントだーっ。」


エリナ先生「いえ、それはサフィリアさんに差し上げたものです。


      きっと、似合うと思って、

      エリスおねーさんの後に、同じ物をレジに持っていったのです。


      あの広いデパートで、

      偶然、エリスさんを見付けるなんて、

      先生は、運命を感じたのです。」


 そう語るエリナ先生は、メロンのプリントがしてあるシャツと、

 スイカのワンポイントの入ったスカートの、デザートコーデです。


 これはもう、サフィリアさんの家から、

 いいメロンとスイカが送られて来そうな予感です。


サフィリアさん「もちろん、送らせていただきますっ!!」


 そんな乙女達のやり取りを見つめているのは、

 ネクサスビルのセバリオスさんと、亀吉さんだけではありませんでした。


 ふつーに、とんでもなく目のいい、

 視力100.0以上の実力を持つ、


 ベレー帽をかぶった、カジュアルTシャツに、

 ホットパンツ姿のレミーアさんです。


 レミーアさん、庭先でその光景を立ち止まって見つめています。


エリスさん「おっ、レミーアさんじゃん!

      こっちおいでよっ。」


 その言葉をねーさんが発した瞬間、

 エリナ先生の持つ、強烈な威圧感の見えない壁が開かれました。


エリナ先生「ささ、今はサマーですから。

      先生の服、可愛いと思いませんか?」


レミーアさん「思うっす・・・。」


 これで、レミーアさんからのフルーツも期待出来そうです。


レミーアさん「も、もちろん送りますよっ!!」


 その返事にご満悦のエリナ先生は、

 「えりな」と書かれた手さげ袋から、

 ねーさんとお揃いのワンピースを取り出すのです。


エリナ先生「さあ、これに着替えてらっしゃいな。

      差し上げますので、下はちゃんと水着を付けるのですよ。


      水着持ってないなら、見学になりますネ。」


レミーアさん「ワンピースありがとうございますっ!!


       実は水着は、持ってますよ。

       いかなる突発イベントも、取りこぼさないようにと。


       フルーツ、期待して下さいねっ!!」


 エリスねーさんとエリナ先生に、ペコッと一礼して、

 レミーアさんは、家の中に着替えに入っていきます。


エリスねーさん「エリナ先生、慕われてるのなぁー。


        今後も、ためぞうをよろしくお願いします。」


エリナ先生「いえいえ、それは褒め過ぎです。

      煽てられても、手加減はしませんからねっ。」


 ニコニコと微笑むエリナ先生が、

 逆に恐ろしく思えた、ためぞうです。


エリナ先生「ルールは、特に知りませんが、

      水鉄砲が足らないのでは、ためぞう君が審判ですね。


      ためぞう君が、ビシビシ水をかけまくる勇者さんなら、

      先生が審判でも、構いませんが。」


ためぞう「喜んで、主審を勤めさせていただいますっ!!」


 こうして、エリスねーさん+エリナ先生チームと、

 サフィリアさん+レミーアさんチームの戦いが幕を開けました。


 一方、ネクサスビル展望台エリアには、

 とんでもなく長い行列が出来ています。


 望遠鏡はたくさんあるのですが、

 特別な二つの望遠鏡以外は、通常営業といった感じで、


 その二つだけに、たくさんの殿方が、

 涼を求めて列を成しています。


セバリオスさん「おおぅ!

        ナイスアタックッ、エリナ先生っ。」


亀吉さん「サフィリアさんは、何とも凹凸のハッキリした、

     ナイスなバディじゃわいっ。


     あれは、学園のスクール水着ですかな?」


 服に水が当たって、水着が透けて見えるようです。

 レオクスさんは、右に左にと、

 二人の興奮する姿を見ていますが、


 セバリオスさんも、亀吉さんも、

 100円玉を高々と積み上げており、譲る気配は全くありません。


 あのセバリオスさんと、亀吉さんが、

 ヒャッホウする光景が繰り広げられている、

 そんな中、


 レオクスさんは、席を譲ったことをちょっぴり後悔しながらも、

 二人のその歓喜の様を見ても、


 良かったですねと本気で思ってしまう、

 その人の良さを醸し出していました。


亀吉さん「ビーチで見る水着も良いが、


     このチラ見せ感たっぷりの、水着勝負も、

     水しぶきが虹色に跳ねて、

     なんとも赴きのある、美しさじゃのう・・・。」


セバリオスさん「エリナ先生、凄く上手いけど、

        肝心のそのエリナ先生に、まったく当たってないよっ!


        レミーアさん射的得意なんだから、頑張ってネッ。

        応援してるよっ!!」


亀吉さん「レミーアさんのあの美しくしなやかなビキニ姿も、

     かなりの高得点じゃー。  


     じゃが、エリナ先生の動きが、

     神業過ぎて凄すぎじゃわいっ!!」


 そう言ってご満悦な亀吉さんは、

 会議の時間が来たので、レオクスさんに席を戻すと、


 ゴツイSPたちに囲まれながら、

 笑顔で去って行きました。


 ついに、レオクスさんの番が回って来ました。


レオクスさん「こほん・・・、

       では、失礼しますねっ。」


 そのワクワクを胸に秘めたレオクスさんが、

 そのレンズを覗き込んだ時ですっ!!


レオクスさん「えっ!?」


 待ち望んだ光景が一度ブラックアウトして、元に戻ると、

 ありふれた風景に変わっていたのですっ!!


セバリオスさん「どうかしたの、レオクス君?」


レオクスさん「セバリオスさん、下、気をつけてっ!!」



  パチンッ!!



 望遠鏡の下にある切り替えスイッチを、サフィリアさんのネコさんx2が、

 さらっと、ノーマルモードに変更しちゃったのです。


ネコさん I (エリナ先生に、教えてもらったのニャ!!!)


ネコさん マーク II (われ等が姫様は、この越後のネコが守るのニャー!!!)


 ネコさんたちは、大きな無線機を取り出しました。



ネコx2さん < 「こちら、ブラボーIII

          軌道ネコジャラクシー、応答願う。」


> オペレーター「こちら、軌道ネコジャラクシー。

         どうやら、無事ミッションを遂行したようだな。


         後は、貴殿らの無事な生還を祈るとしよう。」


ネコx2さん < 「救出のエージェントとか送ってくれないのかニャ?」


> オペレーター「無理だ、ブラボーIII

         かの御二方を相手にするには、こちらの戦力は不足している。


         幸運を祈る・・・、投げやりなのはわかっている。


         君たちの栄光は、我々が責任を持って語り継ぐ。


         グットラック!!」



 通信が終了したようです。


 青ざめたネコさんたちを、

 セバリオスさんとレオクスさんが、じっと見つめています。


セバリオスさん「サフィリアさんの、ネコちゃんたちだからねー。

        いずれ、家族同様になるかもだし、


        仲良くしないとねーっ。」


レオクスさん「ですよねー。


       サフィリアさんがこっちに帰って来てるってだけで、

       より夏らしく感じたとこですよー。」


 その二人の微笑む姿に、

 ネコx2さんは、ビビっています。


 そんなネコさんたちは、学園に入学する前に、

 上杉の本家で撮った、サフィリアさん15才の、

 レアな写真を、そっと差し出すのです。


セバリオスさん「おーー、

        でも、さすがにこれは受け取れないかな。


        ネコちゃんたちが悲しむと、

        きっと、サフィリアさんも悲しむから。」


レオクスさん「ほ、ほし・・・、


       そ、そうですよ、コホンッ。


       これはネコさんたちの大事なメモリーです。

       そんな素敵なものを貰うわけにはいきませんよ。」


ネコx2さん「カラーコピーなら、受け取ってもらえるかニャ?」


 セバリオスさんとレオクスさんの瞳が輝いています。

 ネコさんたちは、すばやく写真屋さんのあるコーナーに向かって、

 ダッシュしていきました。


 これは、エリスねーさんの紹介編ですが、

 それで、お二人はOKなのでしょうか?


セバリオスさん「サフィリアさん編で、

        あんなレア物が手に入るとは、限らないからネッ!!


        むしろ、そっちでエリスのレアなヤツとか手に入ると、

        嬉しいなぁー。」


レオクスさん「・・・ここだけは、見逃してもらえませんでしょうか。


       まったく見れなかった無念さも、

       きっと晴れわたる青空のような笑顔で、

       笑えるような気がするんです。」


 ・・・そ、そうですね。


セバリオスさん「でも、一番青春してるのは、

        審判やって、LIVEで見てる、

        ためぞう君じゃないかな?」


レオクスさん「さすが、セバリオスさん。


       ですよねー、

       比較にならないくらい、青春ですよねーっ!!」


 実は、そのためぞう君はですね、

 開幕からゴーグルに、エリナ先生からペイント弾当てられちゃって、


 見えないまま放置なんですよね・・・。


セバリオスさん「え、そうなの!?


        ためぞう君、報われないねー。」


レオクスさん「私たちで、ためぞう君を支えましょう!!


       私たちがいい想いが出来るのは、

       ためぞう君の功績なんですからっ。」



 ウォーターガールたちは、

 その白熱した戦いで、ためぞうの事を気付けないでいます。


 誰かの視線に、ためぞうのゴーグルが入ると、

 そこからエリナ先生が、スプラッシュを浴びせて来るのです。


 まだ、メロンのシャツに一粒の水滴すら寄せ付けずに、

 アクロバティックな動きで、あらゆる水分をかわし続けるエリナ先生。


 もう、達人とかそんなレベルではありません。

 インチキです。


 三人をずぶ濡れにしておいて、

 しぶきの一つすら寄せ付けない、エリナ先生に対し、

 皆の想いは一つになります。


エリスねーさん「一人だけ無事なんて、違うと思うよー。

        みんな、楽しく涼もうよっ。」


 エリスねーさんが、

 サフィリアさんと、レミーアさん側に付きました。


エリナ先生「ウフフッ、良いでしょう。


      では、そろそろ私も本気を出してもいいでしょうね。」


エリスねーさん「えー!?

        あれで、手抜きだったの!!!」


レミーアさん+サフィリアさん「マ、マジですか・・・。」


 エリナ先生は、

 隠されしもう一つの、

 ハイパージェット・ウォーターシューターを取り出し、


 両手持ちするその姿は、まさに水辺のエンプレスです。


レミーアさん「・・・それあるんなら、

       ためぞうさん、参加出来たのでは?」


 エリナ先生は、そんな事では動じません。


エリナ先生「ためぞう君にこれを渡すと、

      見たい相手がバレてしまうのですが、


      心の準備は、お出来かしら?」


 これには、サフィリアさんもレミーアさんも、

 固まっています。


 急ピッチで、心の準備を進めているようです。


 ちなみにレミーアさんと、エリスねーさんは、

 どちらもビキニで、もう丸見えです。


エリスねーさん「ビーチなら、最初から見えてるんだから、

        いいんじゃね?」


 淡い恋心を抱く男のロマンを、

 エリスねーさんでは理解出来ません。


 グラビア出過ぎて、水着姿には、自信満々なのかもしれませんね。


エリスねーさん「ちげーよっ!!


        そりゃ、相手によっては緊張するだろうけど、

        ためぞうだよ?


        なあ、ためぞー、

        お前も、なんか言ってやれって、・・・ええっ!?」


 この時、三人の乙女さんは、

 始めてためぞうの置かれた状況に気付きます。


 なんとためぞうは、見えないゴーグルどころか、

 空気椅子でプルプル震えながら、

 汗だくで、放置プレイに耐えていたのですッ!!


エリスねーさん「なんで、ためぞーだけ、

        ゴーグルで目隠しされて、


        筋トレやらされてんのッ!?」


 この時、レオクスさんを乗せたセバリオスさんのリムジンが、

 到着していましたが、外側から庭の様子を伺う事は出来ませんでした。


レオクスさん「バ、バリアー!?」


セバリオスさん「エリナ先生凄いなぁ、

        あの望遠鏡なしでは、ここまで来ても見えないのか。」


セリスさん「ああ、これって男子には見えないんですねっ。

      結構、楽しい事になってるみたいですよ。」


セバリオスさん「セリス、実況お願い。」


セリスさん「はーい。」


 見えないバリアのおかげで、

 近付くことも出来ませんが、セバリオスさんとレオクスさんは、

 サフィリアさんの可憐な成長記録の一枚の想い出と共に、

 実況+妄想力で、十分に楽しんでいます。


 拘束を解かれたためぞうは、

 エリナ先生にこう問われるのです。


 エリナ先生「貴方が欲しいのは、

       このノーマルのパワーシューターですか?


       それとも、水着ごと服を吹き飛ばしかねない、

       このハイパージェット・ウォーターシューターですか?


       まあ、どちらを選んでも、

       かなり鮮明に、スケスケに出来ますが。」


 ためぞう「難易度、上げないで下さい。


      簡単なヤツでいいんで、なんかもう一個ないですか?」


 ためぞうは、エリナ先生の太もものガンホルダーで温められていた、

 ちっちゃい水鉄砲を受け取りました。


ためぞう「・・・。(早く水を入れて、何とかせんと、

     あらぬ誤解を招きそうな場所から出てきたな。)」


観戦中のセバリオスさん「うらやましいよ、ためぞう君っ!!」


レオクスさん「セバリオスさん、落ち着いてっ。」


 早くエリナ先生をずぶ濡れにしたい、エリスねーさんが、

 ガレージの蛇口で、ためぞうの水鉄砲をチャージしてくれました。


エリスねーさん「ためぞう、作戦とかある?

        まともにやっても、きっと勝てないから。」


 エリスねーさんを中心に円陣が組まれていますが、

 すでにサフィリアさんも、レミーアさんも、

 かなりくっきり水着見えてます。


ためぞう「(お、落ち着けオレ。

      夏っぽいイベントだが、流されるな!!


      たぶん、これもエリナ先生のワナだ。

      うかつに見惚れていると、

      最期までオモチャにされて終わってしまうぞっ。


      でも、・・・この光景に感謝です、エリナ先生。)」


絶叫のセバリオスさん「ためぞう君ッ、私も混ざりたいぞォ!!!」


レオクスさん「お、落ち着いてください、

       ご近所さんにご迷惑ですからっ。」


 白熱するセバリオスさんに引き寄せられるように、

 観衆が集まってきます。


 殿方は見えませんが、お絵かきおねーさんとなった、

 セリスさんが、

 クリアボードにイラスト付きで実況してくれるので、

 そのLIVE感は、ハンパありません。


 まるでパラパラマンガに迫る速度で描きながら、

 完璧に実況をこなしています。


 円陣の中、ためぞうは、

 三人の乙女さんに、作戦を伝えます。

 その名は、『メロン作戦』です。


ためぞう「エリナ先生の動きを見て撃っても、

     当たらないので、

     シャツのメロンを的にします。


     先生は、何気にメロンをアピールしているので、

     メロンのプリントだけは見えるはずです。


     他を狙っても、バケツで水をかけまくっても、

     メロンのプリントと、スイカのワンポイント以外は、

     絶対、濡れないでしょう。



     スイカマークは的が小さすぎるので、

     スイカより、メロンの方でっ。」


 この作戦が功を奏し、エリナ先生のトリッキーな動きの中、

 メロンだけは、目視出来る事が確認できました。


 ねーさんも、サフィリアさんもレミーアさんも、

 もうべっちゃべちゃに濡らされていますが、

 その闘志に、胸を弾ませています!


観客のセバリオスさん「は、弾んでるのっ!?

           すごく弾んでるのーーー?」


 セリスさんは、その弾み具合をクリアボードに描きながら言います。


セリスさん「エリス様と、サフィリアさんは、

      まさにビックウェーブですー。


      レミーアさんも、少しは波立ってますよー。」


 メロン作戦から、すでに3時間が経過しても、

 その激しい戦いは続いています。


 テントまで設置され、

 熱中症対策に、かき氷を販売しているレオクスさんの所に、

 有明フェスから帰って来た、A氏、B氏、J氏までやって来ました。


J氏「メロン味を頼むッ!


   さすがは、不沈の対艦巨砲のエリナ先生さんだぜっ!!


   ヴァーチャルでも、リアルでも、

   そのスペックに変わりがねえとはなっ。」


A氏「スイカ味で、お願い致す。


   こんな所で、二次会遭遇とは、

   夏はまだまだこれからでござるヨォ!!」


B氏「ブルーハワイまであるんだなっ。


   熱いんで、もっと頼むんだなっ!!」



 そんな中、

 ためぞうのチョロイ一発が、

 エリナ先生のメロンのプリントにヒットしますっ!!


ためぞう「は、撥水加工だとっ!?」


エリスねーさん「でも、良くやったためぞう!!」


 エリナ先生が、フフッっと微笑むと、

 補充用にいっぱいに水の満たされたポリバケツを、

 頭から、一気にバシャーッっとかかりました!!


 その姿は、まさに夏の日に現れた、

 渚のマーメイドプリンセスですっ!!


 メロンのプリントは太陽光線で虹色に輝き、

 白く清純なワンピースの水着姿が、


 その美しいボディラインと共に、

 露わとなった瞬間ですっ。


 セリスさんはその光景を、

 クリアなキャンパスに、三色のマジックでリアルに描き出しますっ!!!


セバリオスさん「エ、エクセレントッ!!!」


レオクスさん「・・・セリスさん、凄すぎです。」


J氏「まじかー!! 一枚パチらせてくれいっ!!!」


A氏「すでに、シャッターを構えていたナリィ!!!」


B氏「お、遅れたんだなっ!!


   後で、分けて欲しいんだなっ!!!」


 エリスねーさんの紹介編で、

 ねーさんより輝いてる、エリナ先生です。



 エリナ先生は、エリスさんにこう言いました。


エリナ先生「先生は、今日はエリスさんの家にお泊りしたいと思います。

      寝る時は、ためぞう君の横が希望です。」


ためぞう「む、無理っ!!

     オレは野営するから、ねーさん、後はまかすっ。」


サフィリアさん+レミーアさん「お、お泊りセット取って来てもいいですかっ!?」


エリスねーさん「うん、ちゃんと中で着替えて、

        とっておいでー。」


 セバリオスさんとレオクスさんは、

 これから、延長戦に備えます。


セバリオスさん「さあ、今夜もがんばるぞーっ!!」


レオクスさん「セ、セバリオスさん、声大きい・・・。」


 セリスさんは、クリアボードをしまうと、

 そそくさとエリスねーさん家に入っていきました。



 その日の夜、

 サフィリアさんとレミーアさんが、お気に入りのアニメを見ていると、


 縁側で涼んでいたエリスねーさんの横に、

 エリナ先生が、スイカアイスを二本持ってやって来ました。


エリスねーさん「えっ、くれるの?」


エリナ先生「ええ、家庭訪問兼お泊りなので、

      ささやかな気持ちです。」


 二人はそれから、ためぞうの事について、

 少し話している様子です。


 まだ設置したキャンプにいる時間ではないので、

 ためぞう本人は、家の中で、

 サフィリアさんのネコちゃんたちと、

 テレビゲームをやっています。


 先ほどまで、さんざん水遊びした庭先の縁側は、

 風鈴がチリリンっとなって、

 涼しい風が、心地よく肌を抜けていきます。


エリスねーさん「夏にこうやって涼むのも、いいもんすねー。」


 エリスねーさんから借りた浴衣に着替えた、エリナ先生は、

 ねーさんとお揃いの格好で、ほてる湯上りの身体を冷ましながら、

 こう言いました。


エリナ先生「こうした、ゆっくりとした時間は、

      いいものですね。


      ためぞう君には強く成長して欲しいですが、

      この雰囲気のままで、そうなれればいいなと思います。」


エリスねーさん「あ、ありがとうございます。


        ためぞうも、いい先生に出会えてよかったですよ。

        あたしもエリナ先生とはもっと仲良しになりたいなぁ。」


エリナ先生「まぁ、それは夜這いして下さいと、

      お願いされているみたいですっ。」


エリスねーさん「い、いや、

        そっちの方ではなくてですね、


        まあ、もっと気さくに話せるようになればなぁーっと。」


エリナ先生「そうですねっ。


      エリスおねーさんに気に入られるのは、

      まだまだティーンな私には、

      とても嬉しいことです、うふふっ。」


エリスねーさん「ティ、ティーンじゃないけど、

        よろしくねっ!!」


エリナ先生「こちらこそ、よろしくお願いしますっ。」


 そう言って、二人は星が綺麗な夜空を見上げたのです。


エリナ先生「マスオストさんの事って、覚えてらっしゃいます?」


エリスねーさん「そ、そこは、スルーしてw


        覚えてるけどハインねーさんの、

        機嫌次第なんだからっ。」



 こうして、夏の日の一日は、

 楽しく過ぎ去っていきました。




エリスねーさん「では、またですーー。 ^-^ 」
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『せりかさん』

2016年08月16日 21時48分17秒 | ためぞうの冒険+DFセカンド 登場人物編


   『せりかさん@ (仮)』



せりかさん「な、なにこれ?

      変なマークと(仮)が付いてるんですけどっ。」



 ・ セカンドからの登場で、

   まず、何より中途半端。


   特に、いなくとも問題なく、お話は進んでいくので、

   仮入部あたりで、

   別にレギュラーでも何でもない、ただの通りすがりの方です。


   よっ、美しき眠り姫ッ!(ここは、褒めてますョ)。



せりかさん「こらー、持ち上げるのそこだけかいっ!!


      お前なんか、おとなしく、

      「グガーッ!!」っと、イビキかいて寝とけって、

      言いたいんでしょーか。

      名前がまず、カタカナでもないしっ。」


 『ギャラクティカ・スーパー・レジェンダリー、

  アルティメット・プリンセス・エンジェル、
  
  ・ハリケーン・トルネード・・・』さんとかですか?


ためぞう「ここは、耐えるんだ、せりかさん。


     それで、ちょっかい出して転落していったヤツらを、

     オレは、救う事が出来なかったんだ・・・。」


せりかさん「エライいよ! ためさんっ。

      ヨッ! わたしの味方ッ!!


      ためさんを、採用したわたしは、

      もっとエライね。」


 ためぞうは、

 一応、上司のセリカさんを、

 ヘルプに駆け付けた所ですが、

 ためぞうは一瞬で、エリナ先生に強制送還されてします。


エリナ先生「夏の特別講座ですよっ。

      ささ、素直にワープしてくださいネっ!」


ためぞう「せりかさん、生き残れーーーーっ!!!」



   ブオォォォォーーーン・・・。



 ためぞうは、いなくなってしまった・・・。

 だが、そこには一枚のメモが残されているーゥ!!


せりかさん「やるね、ためさんっ。」


 ですが、そのメモの極意の部分だけ、

 エリナ先生によって、中学レベルの問題に上書きされています。



  くしゃ、くしゃ、くしゃ・・・。 ポーンッ!



せりかさん「ぜぇぜぇ・・・、

      こんな紙クズに、用は無いぜよッ!


      謎とか分からんし、無駄に疲れたくはないのだっ!!」



 他力本願で、自分では何もやらない、

 『働いたら、負けかな。』を、モットーにしている、

 せりかさんは、


 助かるチャンスをわざわざ握り捨てて、

 試練の道を選ぶのですっ!!



せりかさん「あれ、チョイス間違っちゃった?

      てへへ・・・、

      でも、わたしは持ち前の『運』があるから。」



 ・ せりかさん(・ ω ・)の紹介は、

   他の方が間に合わなかったというだけの、

   例外扱いの穴埋めです。

   人物紹介・番外編ということで。


   まず、動いているのは(身体は)、


   『マべルさん』という方です。

  (コードネームで、

   まだ本当の名前が無い方です。


   まるで純粋無垢の天使のような方で、上司のせりかさんに、

   いいように操られています。


   せりかさんは、マベルお嬢さんに取り付いた物の怪の類です。)



せりかさん「天使ですから、

      謎の陛下に頼まれて『魔王』やってますが、

      いちおう、大天使ですからネッ!!!」



 ・ そうでした。

   せりかさんは、『全国魔王派遣協会』の会員さんでした。


   会議にまったく出ないので、ほぼ忘れ去られていますが、

   勇者や英雄が強すぎるこの美しき世界では、

   魔王職は全然足りていないですので。


   (( 『悪い(イメージです。)・キツい(年中無休・24時間勤務。)・

      報われない(結局、ほぼほぼ倒される。)。』の激務さから、


      希望者が毎年少なく、しかもそれなりの実力か、

      協会に影響のある方の推薦なしでは、務まらないという、

      大変なお仕事なので、


      せりかさんでも、人手不足で破門されないという、

      懐の広い、有志たちの集まりの会です。



     ◇ ちなみにせりかさんの魔王軍は、

       まず、東方の賢者と謳われたライエンさんが、

       呆れて出て行き、


       さらに、四天王の筆頭のマイオストさんが、

       お星様になったりして、

       ごたごたしていましたが、


       現在は、四天王でイケメン王子のホーネル王子が、

       野心溢れる、精強な軍団を率いて、


       どんな敵も蹴散らす大活躍をしていますので、

       運営はとても安定しています。


       さらに、ホーネル王子とセバリオスさんが、

       ためぞうを通して、意気投合し、

       共闘態勢を取っているので、


       せりかさんの存在は、名前だけの、

       薄っすらとしたものになりましたネ。



せりかさん「エリスねーさん、

      このクレーマーさんから、助けてくださーい!!」


 すると、まだ自分の紹介も終わっていないのに、

 穴埋めのせりかさんの為に、


 エリスねーさんが、この説教部屋へとワープしてきます。


エリスねーさん「おーーーーっ!!!

        え、ここ何処? 何起こったの!?」


せりかさん「説教部屋だったんかいっ!」


 西の窓から夕陽が差し込んでくる、

 テーブルにスタンドライトが一つ置かれただけの一室には、

 鍵のかかった扉の前に、定食屋さんのおかもちに入った、

 一つのカツ丼が置かれています。


せりかさん「おー、カツ丼いいなぁー。」


エリスねーさん「せりかさん、食べなよ。

       おなか空いてるんでしょ?」


せりかさん「かたじけないぜ、ねーさんっ!」


 せりかさんは、早速テーブルにカツ丼を置くと、

 ヘルプに呼んだエリスねーさんに目もくれる事なく、

 ガツガツと、カツ丼を頬張りますっ。


せりかさん「うめーっ!!

      こりゃ、何でも白状したくなる気持ち、わかるねっ。」


エリスねーさん「定食屋さんリスペクトはいいんだけど、

        白状するって、一体何したの?」


せりかさん「もぐもぐ・・・。

      さて、記憶にございませんなっ。」


 エリスねーさんは、ふと思いました。

 ああ、せりかさんは、エストさん(荒行させられてる方)に、

 似てるんだな~っと。


 でも、スラっと綺麗に伸びた美しい手足に、

 線の細い身体付きで、

 常識を超える立派な胸のお持ちの、

 可愛らしい人だなーと、


 せりかさんの姿に、

 あらためて感心するエリスねーさんでした。


エリスねーさん「食べ過ぎとか、気にしないほう?」


せりかさん「あ、全然気にしないっす。

      寝たら、いつの間にか元の体型に戻るので。」


 それは、マベルさんの見えない努力のおかげですっ!

 っと、事情を良く知らないエリスねーさんは、

 突っ込めませんでした。


 せりかさん、本当に不届き物です。

 さすが、三国一のうかつ者と称されるだけの事はありました。


せりかさん「? 何処の三国の事ですかー。」


 細かい所にツッコまずにいられないのが、

 うかつ者たる所以でしょう。

 これは、現実を突きつける必要がありそうです。


謎の天の声さん「まー、具体的に物の例えの事だね。


        我輩の支配する『義の国(仮)』と、

        SONさん(仮名)率いる『碁の国(仮)』と、

        KAMEさんの(仮名)『食の国(仮)』かな。


        ちなみに、守秘義務あるから、

        名前、適当だけどね。


        せりかさん、今のままじゃ、

        どの国からも拾ってもらえないよ?


        新世紀覇者伝説の端くれからでも脱落すると、

        出番無くして、

        元の眠り姫に戻って、寝っぱなしになるからね。


        だって、マベルさんはどっかの国が、

        間違いなく登用するから。


        少なくとも、我輩は狙ってるよ。


        だって可愛いし、純粋だし、

        気が付いて、やさしいし、

        その上、めちゃ強いでしょ?

        まさに、女傑か姫だよ。


        ・・・まあ、せりかさんには、関係ないけどネ。」


 この声は、せりかさんにしか聞こえていません。

 その謎の声の主に、セリカさんは聞き覚えがあるのです。


せりかさん(へ、陛下でしたか・・・。

      ま、まずいなぁ、呆れられてっぞ!!


      何か保険かけとかないと、

      マジ、脱落すっぞッ!!!)


 せりかさんは、確実に世に出る女傑のエリスねーさんを、

 じろじろ見つめ始めます。


エリスねーさん「えっ、

        あたしに何か付いてるの!?」


せりかさん「付いてますな~、

      見えない糸で数々の大物たちと、

      人脈という財産が、いっぱいついてますぜ。」


 せりかさんの、その欲しがり者の眼差しは、

 エリスねーさんの数々のプラスステータスを見抜いていきます。


 真面目に働けば、

 せりかさんは、能力だけはあるのです。


 でも、ポリシーがそれを許さない阿呆なのでぇす。


せりかさん「これからずっと、

      姐さんと呼んでいいっすかっ!


      ねーさんに見捨てられなければ、

      私は楽しく生きていけるのですっ。」


エリスねーさん「えっ!?

        せりかさん、なんかピンチなの!?


        ためぞうの上司さんだから、

        姐さんって、言わせるのは気が引けちゃうなぁー。」


 せりかさんは、カバディの構え II !!!


 エリスねーさんを、逃がす気はなさそうだ・・・。


エリスねーさん「(エ、エストさんだっ!!)

        う、うん、いいよ。


        心の中で呼んでくれれば、いいんじゃないかな?」


せりかさん「学園の屋上で、町中に響きまくるくらい、

      シャウトしますよっ!!!」


エリスねーさん「そ、それはやだなぁー。


        せりかさんが、それで納得なら、

        呼んでいいんで、普通に呼んで。」


せりかさん(人脈ゲッツ!!


      ねーさんの名を使えば、

      助けてくれる人は、たくさん思い当たるからねっ。)


 こうして、せりかさんは、

 エリスねーさんにあやかり、

 無事、説教部屋を脱すると、


 長崎ドラゴンタウン方向へと、

 ワープしていくのでした。


エリスねーさん「おおぅ!

        また、飛ばされるのかーっ!!」



   ブオォォォォーーーンッ!!



           ボトーンッ!!!



エリスねーさん「いたた、お尻うっちゃったよ。」


 見慣れた商店街の、ファルさんのお花屋さんの、

 倉庫の中に、ワープしたようです。


せりかさん「お花がいっぱいあるって事は、

      ためさんが、バイトやってるお店だよね。」


 っと、その時です!!


 ためぞうの真の姿(未来予想的な)が映っている、

 ファックス用紙に、にやけていたファルさんは、


 慌てて、マッハで別のチラシを上に重ねてごまかし、

 突然現れた二人に、取り繕ってみせます。


ファルさん「これは、エリスさんにせりかさん。

      何か、お探しですか?」


エリスねーさん「さっすが、ファルさんっ!

        細かい事には、驚かないのなー。」


 その足元はプルプル震えているファルさんの、

 そこに注目している、せりかさんです。


ファルさん「せ、せりかさん、

      お花とか、好きな方ですか?」



せりかさん「お花より、お餅とかアイスの方かなー。」


 せりかさんは、ファルさんがお仕事のご褒美に取っておいた、

 デパートで買った、とっておきのアイスを頂きました。


ファルさん「エリスさんの分がなくて、すいませんっ。」


エリスねーさん「あ、そんなに気を使わないでよ。

        そのアイス、デパートで田中さんに勧められて、

        この前買ったら、旨かったんだよねー。


        ファルさんは、やっぱセンスがいいね~。」


ファルさん「私も、配達に行って、

      田中さんに勧められた派ですw」


 美味そうに二人の前で、アイスに夢中なセリカさんが、

 口に入れすぎて、頭がキーンっとなっています。


せりかさん「アタタ・・・、

      でもこれは、幸せの感覚なので、ノー問題。」


 味わおうとすることなく、一気に食べたせりかさんです。


せりかさん「ところで、エリス姐さんは、

      今後の予定、どーなってるんですか?」


ファルさん(!! 今、せりかさんに、私は先を越されてるのっ!?


      お、恐ろしい子・・・。)


エリスねーさん「やっぱ、ふつーに呼んでw

        ちょっと恥ずかしいです。


        せりかさんの想いは伝わってるから。」


せりかさん「はーい。」


 突然、整理中の倉庫に現れた二人に、

 困惑気味のファルさんをよそに、


 せりかさんは、デパートや歓楽街に繋がる、

 裏口の扉が気になって仕方ないようです。


エリスねーさん「んっ、

        遊びに行きたいのっ?」


せりかさん「読心術っすかッ!!」


 せりかさんのお小遣いは、月に三千円です。

 あるだけ使う人なので、ホーネルにお小遣いは制限されています。


 ホーネルは、ちゃんとせりかさんの通帳に、

 コツコツ積み立ててあげているのですが、

 知られると使うので、そこは秘密です。


 このサマーなシーズンも、中盤から後半へと移行している、

 この時期に、せりかさんの財布の中には、

 9円しか入っていないのです。


エリスねーさん「そ、それじゃ、

        うまいあの棒も買えないよな・・・。」


 せりかさんの見せる、開かれた可愛いカバのがま口に、

 大人な社会人のねーさんも、ファルさんも、

 ちょっと同情を隠し切れません。


 縁日とか、ビーチイベントとか、

 花火大会とか、もしあったら、どーするの!? って、

 二人の想いは、同じになります。


 そんなせりかさんに、

 エリスねーさんは、紙のお金を三枚取り出すのです。


せりかさん「おおぉ・・・、私、騙されてるんでしょうか?」


 口ではそう言いながらも、受け取ってがま口の中に入れようとする、

 せりかさんです。


ファルさん「エ、エリスさん、

      あげてるお札の種類が間違ってますよっ!」


エリスさん「あ、そうなの?


      やっぱ、若い子に三万じゃ、

      夏は足りねーよなぁ。」


ファルさん「・・・。


      ちがーーうっ!

      多すぎます、一枚でも多すぎですっ!!」


 そんなツッコミをファルさんが入れている隙に、

 せりかさんは、静かにそのがま口を閉じたのです・・・。


ファルさん(やっぱり、この子、恐ろしいワッ!!!)


 エリスねーさん「まぁ、

         古蔵にも、このくらいやってるからなー。


         ためぞうが世話になってるせりかさんには、

         むしろ少ないかと思ってしまった。」


ファルさん(バ、バブル世代ですか、エリスさんっ!?


      ・・・この紙のお金の事、

      「万金」とか言わない世代のお方なのッ?


      ダメよ私っ、

      これは、エリスさんの有り余る愛ゆえの行いよ。

      余計な詮索は、エリスさんに申し訳ないんだからっ!!


      そもそもエリスさんに、浪費癖には見えないし、

      一年分の先渡しと思えば、

      何となく納得出来なくはないものっ。)


   お給料制になってから、
  
   お金には、ますます堅実になったファルさんには、
  
  
   ポッと渡される額としては、
  
   ドキっとするような、驚きの金額だったのです。
  
  
   ファルさんは、とってもティーンに近い、
  
   純真なハタチの乙女さんなのですっ。
  
  
せりかさん(私はダメだって、

      声が届いたような気もしたけど、


      きにしない、きにしないの教えに従う、素直な私。)


 せりかさんは、エリスねーさんに、

 三回くらい深くお辞儀をして、


 そのまま、お花屋さんの裏口を出て、

 真夏のサンセットに染められた公園の先にある、

 歓楽街へと、姿を消していきました。


ファルさん「ほんとに、よかったんでしょうか・・・。


      あ、いえ、何でもありませんっ!!」


エリスさん「ファルさん、ハタチだから、

      お酒飲めるよね?


      別に飲まなくてもいいんだけど、

      ノルン姐さんがビアホールで待ってるから、

      終わったら、一緒に行く?」


ファルさん「お、終わりましたーーーっ!!

      ぜひ、おねがいしますーっ♪」


 ファルさんは、いつもより早くお店を閉めると、

 きちんと、オーナーのおじさんに連絡を入れ、


 ちょっと大人な飲み会で、ノンアルのビールを頼んで、

 笑顔で盛り上がって、二次会にカラオケに行くような、

 そんな流れにノッたのですっ。


ジェネシスおじさん「ファル君も、いい笑顔を出せるようになったね。

          うーん、ジェネシス!!


          いつも頑張ってるから、

          三人分のお代は、経費で落としていいからねーっ。


          エリスさんと飲めるのが、羨ましいが、

          後は、任せて楽しんじゃってネ。」


ファルさん「ありがとーございますーっ!!」


エリスねーさん「おじさん、いい人だなー。


        おごりじゃなくて、

        おじさんと割り勘でいいから、


        呼んであげなよ、ファルさん。」


ノルンさん「うん、いい人なんだな、


      ・・・うぃっくッ。」


 すでに出来上がってるノルンさんと、

 人前では、基本ノンアルコールのエリスねーさんがいる、

 ネクサスビルの展望デッキのビアガーデンに、


 おじさんも、やって来ました。


ジェネシスおじさん「いやー、実に素晴らしい光景だねぇ。

          美人のお姉さんたちに囲まれて飲むだなんて、


          おじさん、端から見ても勝ってるよねっ。

          ハッハッハッ!!」


 シーサイドから見える夜景を楽しみながら、

 おじさんが饒舌に三人の美女たちに語るその姿は、

 何処かのモデル事務所の打ち上げのようにも見え、


 おじさんは貴重な想い出を、その胸の奥に刻んでゆくのでした。


ファルさん「もちろん、私も想い出作ってますっ。」


せりかさん「これ、私の回だよね、

      ジュースでいいから、混ざっていい?」


ノルンさん「おー、これは、

      ためぞうの上司さんじゃねーか。

      アハハハハッ・・・。


      おんなじ、女経営者仲間っつーことで、

      共に語りましょうぜっ!!


      う、うぃっくっ・・・。」


 こうして、せりかさんは、

 しばらくノルンさんのオモチャになりつつ、


 夏の日の一日は、過ぎ行くのでした。


せりかさん「まだまだ、


      第二ラウンドのカラオケがありますので、

      頑張りますよーっ。」


ファルさん(せりかさんは、せりかさんで、

      上手く付き合うと、いろんな役得があるのかしらっ。


      ううん、そんなの考えちゃダメ。

      折角なんだから、楽しまなくっちゃねっ。


      エリスさん、素敵ですー。)



せりかさん「では、またです!!!」
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『セバリオスさん』

2016年08月14日 22時44分40秒 | ためぞうの冒険+DFセカンド 登場人物編


   『セバリオスさん』



 ・ DFシリーズの、「セヴァリオス」と、

   何となく、関係があったり、無かったりする不思議な人。


   一応、前が結構悪人寄りの方だったので、

   イメチェンな感じで、

   紳士で気さくな、ナイスガイさんにおさまっている所です。


   でも、相変わらずの「ラスボス」感は全く抜けず、

   実は、前より強くなってんじゃね!?

   みたいな事は、思ってても言えないでいる方も多いらしいです。


古蔵さん「ほ、ホントにあの『セヴァリオス』じゃ、ないんだよね?

     他の仲間の、戦女神ジラだったエリスねーさんも、

     小悪魔的なフェルツちゃんも、


     いまだに、平気で従えちゃったりしてるよねッ!!!」


 古蔵さんは、疑り深い人のようです。


 紹介を先越されたのが、ショックだったのか、

 ネコマスクの奥の、薄っすらとしたその眼差しは、

 自分より、長身でイケメンなセバリオスさんを、

 勝手にライバル視しちゃってるみたいで、

 みっともないです。


古蔵さん「してねーYO!!

     前のお方だったら、オレがピンチだから、

     確認してるだけだって。


     ついでに言わせてもらうと、

     オレもこの愛着あるマスクさえ取れば、

     タッパ(身長)はともかく、顔ではそこそこイケルかも知れないぞ。」


 熱くなる古蔵さんは、やっぱり出番が気になっているようです。

 順当に行けば、まだエリナ先生や、

 レオクスさんがいるというのに・・・。


エリナ先生「まあ、私は『NEW』な感じのティーンですので、

      そんな事は些細な事でありますし、

      わざわざ、順番待ちの行列に並ぶ事より、


      この一度きりの、サマーな2016の季節を、

      存分に満喫したいと、願っています。


      来年も、ティーンでサマーなシーズンを迎える予定ですが。」


古蔵さん「あはは・・・、

     オレも、想い出作らないとなぁー。


     (失言には注意をせねば、この町でのオレの生活も終わる・・・。)」


 エリナ先生は、セバリオスさんからマンゴープリンを受け取ると、

 素敵な夏の微笑みを残して、

 何処かへと、エリスねーさんの浮き輪を抱えて、去って行きました。


セバリオスさん「はいコレ、古蔵君。

        ためぞう君のトランシーバーあるから、

        マナーモードで話してねっ。」


 と、手渡されたアナログっぽいレシーバーは、

 最新のスマートフォンにすら搭載されていないであろう、

 通話中に、自分の声が全く漏れくなるという、

 超便利機能が付いた、素敵アイテムでした。


古蔵さん「スゲーッ!!

     これ、色んな使い道があるよねッ!?


     おおう、風景にスクリーンが表示されて、

     タッチ機能まで付いてるじゃんっ!!


     ちょー欲しいんですけどッ。」


セバリオスさん「悪さには使えないように、セーフティ機能付いてるから、

        古蔵君が想い描いてるような事は出来ないよ。


        なるほど、コレ、映像も見えたわけネ。

        でも、それは使わない方が風情があるよね。


        今は、スマホがあるから大満足です。」


 セバリオスさんは、本当に真面目な方なのです。


 ですが、おもしろみもあって、

 何よりも、その度胸がもの凄いです。


セバリオスさん < 「早速、立ち話でコレを使うのも、

           何か変な感じだけど、


           古蔵君は今、

           銀河の向こうからやって来た、

           『エクスカリバーVII』のオペレーターで、


           今は、ドラゴン港の事務のバイトをやっている、

           高校生の鈴木さんが、ストライクど真ん中なワケだよね?


           あの子、すごくいい子で礼儀正しいし、

           ネコLOVEなんだから、合うんじゃないかな。


           ちなみに私は、エリスとサフィリアさんと、

           エリナ先生の笑顔さえ見れれば、

           それで満足なわけだが。


           お互い、気になるあの子が被ってないんだから、

           きっとライバルでも何でもないと思うよ。」


> 古蔵さん「えっ!? 今、銀河の向こうとか言いましたっ?


       (うっ!

        ・・・いかんぞ、未知とかのテクノロジーに惑わされるなッ!!


        今のオレには、そんな事、

        どうでもいい事だろっ!!


        欲深き自分に、猛反省ッ!!!)」



   パチーーンッ!!



 古蔵さんは、勢い良く自分の頬を平手打ちして、

 すぐに我に返りました。


 でも、セバリオスさんは素直なので、

 古蔵さんは、もしかして『M』属性なのかなっと、思ってしまうのです。


 周囲でこっそり様子を伺っていた、

 エリスねーさんも、鈴木さん、佐藤さんも、

 秘められた真実に、ちょっと驚きでヒソヒソ話です。


エリスねーさん「古蔵、そっちに目覚めていたのか・・・、

        でも今の私は、ためぞうのねーさんだ。


        何もしてやれないが、ちゃんと見守ってるからな。」


 女子三人が、衝撃の事実に驚いていると、

 古蔵さんは、長崎ドラゴンタウンの中央にマッハで移動して、

 こう、魂のシャウトをしたのです!!


古蔵さん「Mは、ミドルのMだからねッ!!

     S、M、Lの真ん中ですよ~。


     早く誰かさんみたいに、

     『S』の付く、スーパーなヤツになりたいですよっ、


     セバリオスさんッ!!!」


 その青い残響は、この青春真っ只中の、

 海の見える街に響き渡り、


 なんだ、青春してんのかと、

 古蔵さんは、恐ろしいウワサが拡散するのを阻止したのです。


鈴木さん「ホッ・・・。

     青春って、いいですネ。」


佐藤さん「だったら、早く受け入れてあげたらいかがですか?

     フラグ立ってて、なんだか眩しい鈴木さんっ。」


鈴木さん「な、何言ってるんですか!?

     ワナですか、

     ウワサ流すぞって脅してるんですか、佐藤さんッ!!」


エリスねーさん「お、恐ろしいな、

        佐藤さん、さん・・・。」


佐藤さん「え!?

     やだもぅ、冗談ですよ。

     だって、仲良くみんなで夏したいじゃないですかっ。」


 佐藤さんが煽って、抜け駆けされたら、

 何だか寂しいOL23才、そのままいない歴のエリスねーさんは、

 ちょっと安心した自分を、

 古蔵さん同様、ちょっと反省です。


 でも、誤解はイヤなので、頬をパチンはやめました。


エリスねーさん(ふぅ・・・、夏はなんだか、

        試練の連続だゾッ。


        19才で、涼しい顔してる、

        年下のエリナ先生みたく、堂々としてなくちゃな。)


 でも、Mがミドルで、Sがスーパーなら、

 『L』は何の意味なのか、

 何となく気になったエリスねーさんです。


佐藤さん「ああ、あれは口にするのは恥ずかしいので、

     ちょっと遠まわしに言いますが、



     問題。



     『 』,O,V,Eに当てはまる、


      ◇ その『 』にはいるアルファベットを答えよ。



     の、答え=『L』だと思いますよ。


エリスねーさん「おおぅ、


        LLとかなると、相当ハンパないヤツなのネ。

        さすが、佐藤さんっ! 先、行ってますなぁ~。」


佐藤さん「ひゅるるるるぅ~~~♪


     私は、エリナ先生が表紙の雑誌に、

     そんなクロスワードが載ってたから、

     わかっただけですよ。


鈴木さん+エリスねーさん「そーなんだ、今度探してみよっ。」


佐藤さん「あ、私、間違えちゃってます、てへっ。

     そっちじゃなくて、別のに載ってたんですョ!!


     (エリスさんに巻末のページ、見られたでもしたら、

      エリナ先生にモデルの仕事、横取りされてるのが、

      バレてしまう・・・。


      ネタの出どころが私だと知れれば、

      この町に私の居場所、無くなっちゃうじゃんっ!!!


      ぜぇぜぇ、

      ・・・どうかエリナ先生に、

      目を付けられませんようにッ!!)」


 佐藤さんは、持ち前の営業テクを駆使して、

 見事に、二人の夢見る乙女さんを、

 巧みな話術で、別の話へと誘導していきます。


 佐藤さんが、その熱きソウルを激しく費やしていると、


 宅配の仕事も、まだ残ってるのに、

 またこっちに、古蔵さんが戻ってきました。


> 古蔵さん「ウワサには、ならないですよねっ。」


セバリオスさん < 「うん、平気だよ。

           もし、変なウワサで困った時は、

           相談してくれれば、なんとか出来ると思うよ。」


> 古蔵さん「ありがとう、セバリオスさんッ!!


       いやぁー、セバリオスさんは頼りになるなぁー。」


 当初の警戒感もすっかり忘れて、

 ネコのマスク越しに、いい笑顔の古蔵さんです。


セバリオスさん < 「えっと、ためぞう君にトランシーバー、

           返しとかないとだから、よろしくね。」


> 古蔵さん「ホント便利っすね、コレッ!!

       自分も一台、欲しいくらいですよッ。」


セバリオスさん < 「古蔵さんの元相棒君が作ったものらしいよ、それ。

           でも、お星様になっちゃってるからねー。


           あれは見えてても、何故か辿り着けないんだよネ。」


 古蔵さんは、便利アイテムをセバリオスさんに戻すと、

 こう本音を漏らしたのです。


古蔵さん「オレ、

     ・・・前向きに生きると決めたんです。

     振り返らず、これからを頑張ろうと思いますっ!


     いい話が出来ました、

     ありがとう、セバリオスさんっ!!」


 そう残して古蔵さんは、

 いい笑顔でバイトに戻っていきました。


 その、生まれ変わった古蔵さんの背中に、

 エリスねーさん、思わずホロリと涙が出ます。


エリスねーさん「偉いぞ、古蔵。

        もうマスクなんて、しなくてもいいんだぞ。」


佐藤さん「爽やかですよねーっ、

     頑張ってる人って、なんだかカッコいいです。」


鈴木さん「・・・。

     (古蔵さん、頑張ってくださいネっ。)」


 セバリオスさんは、三人の気配など、

 とっくの昔に気が付いていましたが、

 エリスねーさんさえ、楽しそうであればそれでいい人なので、

 さりげなく一枚のカードを落とします。

 そこに記載されていたのは、こんな内容でした。


 『秋の新作、試食会のご案内です。


  本券をお持ちの上、最寄の店舗に、

  お越し頂ける事を、心よりお待ち申し上げております。
  
  
                   8月 某日。

        「グラン・ロイヤル」 スタッフ一同。』


 一枚で、何名様でも利用可能なようです。


エリスねーさん「んっ、何これ?

        おおおっ!!」


鈴木さん「こ、これって、

     あの超高級で有名な、お菓子屋さんの、


     プレミアム特別会員様宛ての、

     激レアなチケットですよっ!!


     現物、初めて見ました・・・。

     セ、セレブさんのパワー、ハンパなく凄いですね。」


 ちゃんと、セバリオスさんの筆跡で、

 「エリスに渡すの忘れないように。」っと、裏書されています。


佐藤さん(・・・居たの、バレてましたか。)


エリスねーさん「え、これどうしよう!!

        一応、私宛てだけど、

        セバリオスに、届けるべきなのかなっ!?


        なんか、見透かされてるみたいだぞっ。」


佐藤さん(・・・見透かされてますね。

     これって、使ってという、メッセージですよね。)


鈴木さん「ど、どうしましょう!?


     すごく行きたいですが、

     セバリオスさんに、届けないと・・・。


     あ、私がダッシュで届けてきましょうか?

     それなら、不自然にならないと思いますっ。」


 二人が夢のような誘惑に、あたふたしていると、


 そこにアリス生徒会長さんと、

 学園の事務さんで、たまに教鞭も執っているセリスさんの、

 二人組がやって来ます。


アリス会長さん「まあっ、


        これは世界に、わずか5枚しか送られないと云う、

        素晴らしいご招待券ではありませんかっ。」


 あの、何事にも動じないはずのアリス会長さんが、

 羨望の眼差しで、キラキラと瞳を輝かせ、

 エリスねーさんの握るプラチナチケットを前に、

 次の言葉を失っています。


 これは、中々お目にかかれない光景です。


セリスさん「みなさん、こんにちはー。


      あ、それって、エリス様宛ての招待券ですよね。


      私、執務室でサフィリアさん宛てに、

      もう一枚、セントラル越後に送ったので~。」


 二枚も、そんなレアチケットを持っている、

 セバリオスさんに、


 秘書のセリスさん以外は、

 セバリオスさんを皆、心からリスペクトしているようです。


 そこに、エリナ先生が戻ってきます。


エリナ先生「セリスさん、メールありがとう♪


      高まる気持ちを抑えられずに、

      駆け足でやって参りましたっ。」


 アリス会長さんも、エリナ先生も、

 こういう物には、目がありません。


 それは、その至福の喜びを、

 すでに経験したことがあるからこそでしょう。


セリスさん「一枚は、亀吉さんに頂いたんですよっ。


      ためぞうさん繋がりで、

      セバリオス様と亀吉さんは今、

      様々な分野で、業務提携している仲なので。


      ささ、食べに行っちゃいましょうよ。

      ドラゴンタウン店に入ると、本店のVIPルームに、

      ワープしちゃいますから。」


 とんでもない事を、さらっと口にしているセリスさんですが、

 エリスねーさん以外は、ワープ技術くらいで驚いたりするような方たちでは、

 ありませんでした。


アリス会長さん「今日の日のエリスお姉さんは、


        まるで、この猛暑に舞い降りた、

        サマーな女神様のように映りますっ。」


エリナ先生「ええ、


      きっと、エリスお姉さんは、わたくし達、

      共有のお姉さんなのですネッ。」


 このドラゴンタウンに、スウィーツの女神が舞い降りたようです。

 かなりセバリオスさんの七光りが、眩しいですが、

 みんなで笑えるって、素敵なことですねっ。


 その後、結構な人数で行ったみたいですが、

 セバリオスさんは、事前にそれを本店に伝えていて、


 ひと夏の甘い経験が、皆さんの心に響くように残ったようです。


セバリオスさん「うん、

        事前に、セリスからそう言う助言を受けていたからネ。


        セリスの知力って、98+(?)って聞いたけど、

        限りなくあの伝説の天才軍師、


        『天下三分の策』とか、いっぱい考えた軍師さんに近いんだよね?


        いろいろ上手く行って、結構、助かってます。」


セリスさん「そんな、持ち上げないで下さいよーっ。

      たまたま、当たってるだけのラッキーなんですから。


      でも、エリス様の幸せが、

      セバリオス様にお仕えする事で叶うのなら、

      とっても嬉しいですー。」


 ほぼ最強に近い位置にいるセバリオスさんに、

 冴えた軍師女子が加わって、

 セバリオスさんは、ますます以前よりも輝いています。


 ただ、普通にいい人なので、

 幸運が、みなさんと分ちあえたその時が、

 セバリオスさんは、最も嬉しそうな表情になるのです。


 困った所もそこそこありますが、

 それを愛嬌と見えない努力で、十分にカバーしています。


セバリオスさん「ホントは、

        エリスの新作水着をビーチで見たかったけど、

        最近、サフィリアさんと、エリナ先生の方も、

        気になるようになりましたネ。


        心の友のレオクス君と、ためぞう君と一緒に、

        語り合っている時が、最高に楽しいです。」


 白銀の髪の貴公子といった感じの、

 爽やかさ漂う、好青年さんです。


セリスさん「セバリオス様、変わられましたよねー。

      前は、もっと強引な感じがワイルドで、

      カッコ良かったです~~~。


      オレは世界! 世界はオレの物~みたいな?」


セバリオスさん「ハッハッハッ、

        だいぶヤングな頃の話だねぇー。


        私は、今のポジションに満足してるよ。

        セリスも、そうなんじゃないの?」


セリスさん「はいっ! それは、もうっ!!


      愛するエリス様と、ずっとべったり出来るなんて、

      最高だと思いますっ!!!」


セバリオスさん「そーだねぇ。

        この穏やかな日々が、ずっと続くことを願っているよ。


        あ、でもどうして、

        過去編に巻き込まれてる最中の私が、

        この貴重な夏の季節に帰って来れたのだろうね?


        自己紹介だから、いないとマズかったからかな。」


セリスさん「それは、夏の魔法ですっ!」


セバリオス「セリスがそう言うのなら、

      そうなんだろうねぇー。


      この夏のサフィリアさんに会う為に、

      レオクス君を連れて、

      セントラル越後にでも行こうかな。


      行けるといいなー。」


 トランシーバーの向こう側で、

 レオクスさんが、うんうんと頷いています。


 友情って、いいですねー。


レオクスさん「ええ、

       セバリオスさんと一緒に、

       ためぞう君を支えて行こうかと思いますッ!!」


セバリオスさん「ああ、

        生まれた日は違えども、

        同じような道を志す同士だからねっ!


        私の目には、浮かぶよ、


        皆の先頭に立って、凛々しく輝く、

        ためぞう君の姿がネ。」


古蔵さん「やっぱり、セバリオスさんは、

     オレにとって、ヤバいフラグなの!?


     オレ、この先も転落しちゃうのォ!!」


セバリオスさん「ハッハッハッ、

        古蔵君が、微妙になると、

        エリスはきっと悲しむだろうからねっ!!


        そんな無用の心配よりも、

        頑張ってる今の姿を、意中の女性に見せ続ける事が、

        大事なんじゃないの?」


古蔵さん「セバリオス先輩、押忍ッ!!

     自分、誇れる一芸はありませんが、


     ドラゴンタウン中心に、

     一生懸命、バイト頑張りますッ!!!


     では、またですーー。 (Φ ω Φ)< ピキーン ! ! ! 」
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『ファルさん』

2016年08月13日 13時16分57秒 | ためぞうの冒険+DFセカンド 登場人物編


   『ファルさん』



 ・ DF4からやって来て、

   古蔵さんに脅威を与え続ける、大地主の女王様、ファルベリアさんです。

   愛称は、そのまま「ファルさん」。



 ・ 広大な領地を一代で築き上げた、バツグンの実力と、

   美貌を兼ね備えていますが、


   当初は、部下に恵まれなかったという苦労をしています。


   (爽やか素敵王子様 レオクスさんを強引に婿にして、

    幸せな家庭を築く予定でしたが、


    実はファルさん、恋愛経験がからきしで、

    モジモジとしている間に、

    レオクスさんは、音も無く消え去ってしまう。


    えっ、どろん!? とあたふた慌てたりもしましたが、


    レオクスさんはそんな失礼な方ではなく、

    謎のTHE ビックさん(関わりたくないので、そのまま流している、実は前世代世紀末覇者。)

    に強制呼び出しを喰らい、なんと見知らぬ地へと転生しさせられてしまったと聞きつけ、

    ホッとしたとのと同時に、


    「何やっちゃってくれてんの、あのバカ親父はッ!!」と、


    心の中で、こっそりと叫ぶに留めて、

    口笛でごまかしながら、懸命にその居場所を探して、

    勢力を拡大してしまう。)



 ・ たった一人だけ使える部下の、

   ふつーのオッサン、アリストおじさんに、

   頑張ってもらい、


   計画的な人生を送りたいなと、余裕も出てきたので、

   あの憧れの王子様を、きゅんきゅんの乙女心で捜索していた所、


   似たような理由で、嫁に逃げられてしまった古蔵さんと、

   実家がご近所さんになってしまい、


   二人の利害は一致していていたのですが、

   古蔵さんが、レオクスさんに勝てるわけも無く、


   速攻で、ファルさんを口説いてきた古蔵さんに、

   しっぺで返し、

   そのまま、泥沼の愛憎劇へと展開しそうにもなったりしたとか、しないとか。


ファルさん「してませんからねッ!!

      これっぽっちも、泥沼とかはまってませんからネッ!!!


      「しっぺ」は、私がジャンケンで勝ったからですよ。」


古蔵さん「あ、そうだったの!?

     だったら、正当なルールだからOK。


     でも、(ファルさんに声掛けるとか、

     あの時のオレは、誰でもよかったのか・・・。)


     いえ、今は仕事中ですので。」


ファルさん「・・・しばらく、実家に戻って、

      ご奉仕でもなさりたいのですか?」


古蔵さん「(心の声! も、漏れてたか!?)


     いやぁ、急ぎの配達が一世さんにあるんで、

     ちょっとだけ戻る感じで勘弁して下さい。」


ファルさん「ハッ!? 宅配頼んだの私でしたね。


      ささ、ご遠慮なくマッハでもギガ速でも、

      迅速、丁寧にお願いしますねッ!


      これは、互いの利に叶ってますので♪」


古蔵さん「フェスに誘惑されず、速攻、

     戻って来る予定です。


     今は、ただの不器用なネコのマスクマンですから・・・。


     人物紹介が一世さんより、ファルさんより、

     遅れたって、


     あの可憐なJKさんの背中に、落ちていく夏のサンセットさえ、

     この目に映せるのなら・・・。」


ファルさん「・・・表現がオッサンですよ、ネコ蔵さん。


      謎のアルファベット使うの、やめましょうネ。」


古蔵さん「ハイ!

     清く正しく、卒業をお待ちしておりますッ!!」


 古蔵さんは、ピシッっと親指を立てて、

 いなくなりました。


ファルさん「・・・はぁ、

      あのネコ蔵さんにも、置いていかれてる気がします。」



 ・ 自称『お花大好き、ジェネシスおじさん』の、

   アリストさんだけに頼っていては、


   ハタチの誕生日(疑惑あります。)のその日に思った、

   ファルさんは、


ファルさん「疑惑ってなんですかッ!?

      ちゃんと二十歳ですよ、免許だってほら。」


 期待に応えてくれるそのリアクションに、

 信じてあげる事にしましょう・・・。


ファルさん「誰か、後ろで糸引いてるのッ!?」


   話し戻って、ハタチのファルさんは、

   深刻な人材不足に、広く在野に人材を求めましたが、

   イケメン、美女・美少女は、全て、


   おじさんの『世界をお花屋さんで、満たそうよ計画。』の、

   トークに持って行かれてしまい、


   取り引き先の大企業の、

   ラウ会長さんに相談して、

   その娘さんの、ラウ=エルさんと、

   運命的出会いを果たします。


   心の友との、人生で一度あれば素敵な出会いに、

   ついに、心許せる人物を得ることが出来ました。


   ファルさんは、何でも持ってるリッチで美人で、

   才能に溢れた、一見、勝ち組のような方ですが、


   王とは孤独なものなのです。


   その女帝という、彼女を縛り付ける鉄の鎖を、

   やさしい温もりで消し去った、金髪スレンダーな美少女、

   ラウエルさん。


   気さくで物怖じしない、明るい彼女に、

   ファルさんはたくさんの元気をもらいます。


   心に染みる、ラーメンと餃子とチャーハンでした。


ラウエルさん「美味しかったアルか?

       ボス。」


ファルさん「ぐすん・・・、

      これは、涙じゃないのよッ!!


      カルチャーショックのトライアングルに、

      心の汗が、旨いって叫んでいるだけなんだからネ!」


   こうして、色んな運気が向いてきたファルさんは、

   アリストおじさんの秘蔵っ子である、

   奥州・伊達家当主の雪花の美少女、ゆきはなさんまで、

   引き抜く事に成功します。


おじさん「ハッハッハッ、

     良かったね、ユッキー。


     親方様は、怖い人だけど、

     最近、丸くなったから、仲良くしてあげるんだよ。」


ユッキーさん「はーい。」


ファルさん「こらー!」


   さらに、東方の大賢者のアリシア=グランサスさんまで、

   やって来て、

   ファルさん陣営は、大いに盛り上がりました。


   西方の偉大なる女帝として、

   噂は、あちこちに広がったのです。


古蔵さん「特してるよなぁ・・・。」


ファルさん「!? さっさと、仕事しなさいYO!!」


古蔵さん「え、お届け物って、

     まだあったの!?」


おじさん「うーん、ジェネシス!!

     古蔵君はいい仕事してくれるよね。」


古蔵さん「いつも、お仕事ありがとうございますッ!!」


ファルさん「は、速いのね、ホント。」



   ・ 長崎ドラゴンタウンに行く前のファルさんは、

     威風堂々と、自信に溢れまくって、

     憧れのレオクスさん奪取へと、向かったものですが、


     いざ、実家を離れて社会に出ると、

     世の中、そんなに甘っちょろくはありません。


     アリス会長さんという、暴風雨に見舞われ、

     エリナ先生という竜巻に遭い、


     それでも彼女を逞しく支えたのは、

     一番期待していなかった、自称ジェネシスおじさんでした。


おじさん「うーん、ジェネシス!!」


 おじさんは、社会に太いパイプを持っていました。

 地域の有力者とは、すでに旧知の仲で、


 ファルさんは、アリス会長とエリナ先生の待ち構える、

 聖クラウス学園に、特別枠での入学を回避し、


 ドラゴンタウン商店街の、

 憩いの華として、とても充実したセカンドライフを始めるに至るのです。


アリス会長さん「あら、残念ですわ・・・。」


エリナ先生「いつでも、いらして下さいねっ、

      特別枠は、無期限で有効ですから。」


ファルさん「お、お気持ちだけっw」


 コネは偉大ですね、

 おじさんの株は上がり、

 今では、おじさんが社長で、ファルさんが店長さんという、

 不思議な関係になったりしています。


エリスねーさん「私は、ファルさんが来てくれて嬉しいよ。

        お花とか、部屋に飾ったの初めてだし、


        お花の香りの入浴剤も、ほとんど毎日使わせてもらってます。


        そういえば、

        お花を貰う機会も増えて、有難いよなぁ・・・。」


ファルさん「エリスさんに喜んでもらえて、

      嬉しいですっ!」


 ファルさんは、結構エリスねーさんに、憧れています。

 エリスねーさんは、何故だか女子人気が以上に高いのです。


事務のバイトの鈴木さん「憧れちゃいますよねっ!」


同じバイトの佐藤さん「鈴木さんには、古・・・。」


 佐藤さんは、鈴木さんのローリングクレイドルを喰らって、

 すがたを消しました。


 ファルさんは、このドラゴンタウンで様々なピンチを、

 エリスねーさんの弟分の、ためぞうに救われています。


 誰かに、ピンチを救われる事など初めてだったので、

 うかつにも、キュンとなってしまったりしました。


ファルさん「そりゃ、誰だってそういうシチュエーションには、

      胸がときめいたりするんじゃないですか!?」


 さらには、誰にも触れさせた事のない、

 その美しく立派で豊満な胸まで、

 アクシデントで、ためぞうに委ねてしまいます。


ためぞー「あの時は、すんませんでしたッ!!」


     (・・・想い出メモリーには、保存されています。)


ファルさん「あ、いえいえ、

      あれは善意というか、ノーカウントでw」


 でも、二人の心には、

 しっかり想い出として、美しく残っているのです。


アリス会長さん「以上、ナレーションのアリスでした。」


ファルさん「すでに、手の平の上ですかっ!?」


 こうして、ドラゴンタウンに打ち解けていったファルさん。

 今年も、来年もきっとハタチなのです。


 いい想い出、作れるといいですねっ。




ファルさん「今は、穏やかに商店街のお花屋さんとして、

      頑張っていますっ。


      よろしくお願いしますー。  ^-^ 」
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『ウィルハルト一世さん』

2016年08月12日 13時20分18秒 | ためぞうの冒険+DFセカンド 登場人物編


   『ウィルハルト一世さん』



 ・ 長身、イケメン。

   一見、全てを手にしているかのようで、

   結構、苦労の絶えない人。



 ・ 初代ためぞうを押しのけ、初代主人公になった王子様。

   初代ためぞう(紛らわしいですが、現、古蔵さんです。)のお友達で、

   由緒ある王家の跡取り。



 ・ 全身全霊で愛を捧げるエスト王妃(途中、立場が逆転し、

   苦労の末、なんとかお嫁さんになってもらった。)を、

   1ミリでも、危険な目に遭わせない為に、


   権力の座から退き(家臣が認めていないので、遠退いている感じです。)、

   まだ、ロクに手を握ることすら出来ない彼女に、

   笑顔でいて欲しいと、心から願っている善良な人。


   エスト王妃(初代)は、現エストさん(ニセモノとか呼ばれている。二代目エストさん。)の、

   お姉さんに当たりますが、面識はありません。


   エストさん(ややこしいですが、ドラゴンタウンで修行中の方)には無い、

   気品と美貌、優しさといたわりを兼ね備えつつ、

   時には、鬼神のように振舞うことの出来る、

   スーパーエスト王妃さんです。


 ・ そのエスト王妃が、再び闘志に目覚め、

   新世紀覇者伝説に、こぶしを突き挙げる事を、

   どうも一世さんは恐れているらしく、

   全権を古蔵さんに押し付けたというのが、本音のようです。


   冗談抜きに、スーパー強いので、

   本気モードのエリスねーさんも、一撃でやっつけてしまう、

   伝説の覇王の力の全てを受け継いだ、稀代の女傑さんでもあります。



エリスねーさん「押忍、姐さんと呼ばせて下さいッ!!

        (こ、こえーーよッ!!!。)」



 ・ エスト王妃の漂わせる、穏やかな空気に、

   家臣団(DFシリーズの強者たちが主力。)たちは、癒され、

   その奥底に秘めた力に、気付いてか、気付かないでか(きっと気付いていない。)

   一世さんに、あの時の一世風靡の風を、再度巻き起こして欲しいと、

   炊きつけるように煽っている。


   そこが一世さんの頭痛の種で、

   いいように古蔵さんを仰ぎ奉って、

   何とか、現状をキープしつつ、

   エスト王妃との距離を、もっと詰めたいとも願っている。

   (元、主従というか、お友達感が未だに抜けない・・・。)



 ・ ドラゴンタウン商店街でお花屋さんを営む、

   商店街の憩いの花、ファルさんの実家と、

   実は古蔵さんの実家は、縄張り争いをしているので、

   エスト王妃に変な情報が入る前に、(主にネットサーフィンか、通販で。)

   とっとと、その争いに決着を付けて、


   さっさと新世紀覇者伝説を終結させ、

   無かった事にしてしまえばとも、思う事もあるらしい。



ファルさん < 「もしもし、一世さん?


         一面に咲く夏のヒマワリとかいいですよね。

         お花のギフトは、ご期待下さいっ!


         ところで、

         リンゴ飴で、真っ赤になった唇で照れ笑いをする、

         縁日のエスト王妃とか、見たくありませんか?


         そういうイベントとか、

         得意なおじさんがウチにいますので、

         ご希望あれば、イベント発生させますので、

         オプションでお申し込みくださいネッ♪」


> 一世さん「助かりますッ!!

       いくら掛かっても構いませんので、

       盛大にやってもらえると、有難いですッ!!!」


 聞き耳を立てていた、家臣たちも、

 ヒャッホウ! しています。


 瞬く間に、王家内に噂が広がりました。



ファルさん < 「趣きというものもありますので、

         規模の方は、詳しいおじさんの方におまかせ下さいっ。


         あと、お中元ということで、

         今回は、お花と一緒に贈らせていただきます。


         いい想い出に、なるといいですねっ。」


> 一世さん「何とお礼をしてよいか、

       そちらに寝返ってもいいくらい感激ですッ!!


       お花屋さん、是非、応援させて頂きます。」



 古蔵さんの実家付近に、おじさんのお花屋さんが勢力を伸ばしそうです。


 もちろん、おじさん厳選の看板娘さんや、

 イケメン店員さんが多数お店にはいるので、


 先に噂を仕入れた、一世さんの家臣団たちは、

 諦めかけていた出会いのチャンスに、

 小躍りして、浮かれています。


 古蔵さんの縄張りを奪うのは、

 今のこの時期がチャンスなようです。



ファルさん「な、なんの事かな、

      ひゅるるるぅる~~~♪


      (こっちでの願いが叶うまで、

       面倒事は、ご免ですっ!!)」


ラウエルさん「ボス、ラッキーアルよ?」


ファルさん「しーーーーっ!!


      ラウだって、今、この時期に、

      無駄に忙しくなるの、嫌でしょ!!」


ラウエルさん「ああ、ためぞうさんアルね。


       私に任せとくといいアルよ。

       デキる男にしてみせるアル。」


ファルさん(・・・この子、実家に送り返そうかしら。)



 ・ ともかく、古蔵さんの実家で、

   最強の軍団を率いて、穏やかに、

   出来れば、もっとエスト王妃さんと親密になりたいと願う、

   初々しい、一世さんです。



 古蔵さんの実家の敷地は結構広いです。


 具体的に、銀河で一番の広さがあるので、

 その色んなトラブルに、

 一世さんは、振り回されながらも、


 愚痴の一つ漏らさすに、いい汗流して、

 爽やかさを保っている、一世さんです。


 登場は、主に電話の先からが多めの、

 割と控えめな方です。



一世さん「イベントやフェスには、

     積極的に、参加したいと願っていますッ!!!


     ファルさん、アリスト卿、

     あちらでは、どうかご武運を!!


     では、またです。 ^-^」
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『アリス生徒会長さん。』

2016年08月11日 12時50分31秒 | ためぞうの冒険+DFセカンド 登場人物編


   『アリス=クラウス 生徒会長さん。』



 ・ 才色兼備のプラチナブロンドの美少女。



 ・ 身長は、男性をちょっと見上げなくてないけないくらいの、

   いい感じで、つま先で立って目線が重なるくらいのグットな感じです。

   (つまり、相手の男性によって、

    理想形になっちゃう、マジカルな感じの方です。)



 ・ スタイルは、理想の黄金比のラインをなぞるようなパーフェクトさで、

   女性さえも虜にする素敵な感じで、

   何故か、とってもいい香りがします。



 ・ なんと、一度きりの青春学園ライフ(一度かどうかは、不明です。)に、

   好感度設定が無いという、致命的な一面も持ち合わせていて、

   誰とも、いい仲になれないという、

   「みんなのアリス会長さん」というポジションに、


   本人は、ちょっとくらいはいい思いをしたいと想っています。


   周りの女子たちは、この無垢なる乙女設定が変更されると、

   イケメン全員もって行かれそうなので、

   一安心といった所です。



 ・ その反動か、甘い物が大好きさんのスウィーツ女子で、

   いい香りは、このせいなのかも知れません。


   どれだけ食べても(大会に優勝するほど)、体重が気にならないくらい、

   体重計が同じ場所を指し続けるので、

   ちょっぴり長崎ブラックホール女子的な雰囲気を醸し出しています。


   人前では、少しその事が気になるので、

   特に男性陣の前では、強い渇望にも似た誘惑に、

   耐えれるだけ、耐えています。(それでも、3~5個は平気に頂きます。)


   そんなに努力しても、好意は得られるものの、

   甘酸っぱい恋に発展するようなポイントは、1ポイントも得られないので、

   意外と大変な学園ライフを送っているようです。


   健気に頑張っているのですっ!



 ・ 遠くで、頑張る弟さんが気になって、

   よく学園を空けています。


   その時は、妹さんのアリサ副会長さんが、

   代理を務めているようです。


   学園に長期滞在したい時は、

   愛らし過ぎる弟さんに、試練を与え、


   涙を堪えて、弟さんの成長の為、

   面白そうな難問を浴びせてきます。



 ・ ためぞうを、どハマリ人生から、

   見事に立ち直らせた立役者さんですが、

   特に、その事を口にする事無く、

   温かな感じで、見守っている感じです。


   多くを語らない方が、より好感を得られる事を、

   知ってか知らずか、

   いい意味で、ためぞうを応援して、


   ついには、「ためぞうさんを応援しようよ。」の会の、

   会長まで勤めています。


   お花屋さんのファルさんや、マンションの管理をやってる、

   お姫様のローゼさんを強制召還したりもしましたが、


   応援に関しては、皆で一致団結しているので、

   結束は固めです。


   アリス会長さん以外は、

   いついかなる時でも、機を見て抜け駆けるつもりのようです。



 ・ 数多の誤解を受けている会長さんですか、

   根は純粋で、優しい方なので、

   早く、いろんな誤解が解けるといいと、応援したくなっちゃう方です。



 ・ 正直、役目を変わってもらえる方がいれば、

   早く変わってもらって、青春したいと願っていたりする、

   普通の女の子さんです。


   でも、定めに選ばれた者のしての使命を、

   一生懸命、頑張っています。




 日本の文明開化の地に、ほど近い長崎ドラゴンタウンに、

 『私立 聖クラウス学園』を創設した、

 学園の生徒会長さん兼理事長。


 学園の校長先生には、

 親戚のクラウスおじさんになってもらっていますが、

 その実権はアリス会長さんが握っていると、

 誰もが勝手に思い込んでいます。


 実は、悶絶難関学園として、

 各国の受験生たちからは、一目置かれていますが、


 なんと『普通科』なるものが、こっそり存在していて、

 そこの入試難度は、普通です。


 そこは、女子校区画にあるので、

 ためぞうたちは知りませんが、

 よく入試案内を呼んでいると、

 CMの下の方に出るような、ちっちゃい文字で細かく書いてあるのです。


 うっかりさんは、どうもそこを呼んではいないようです。


 ちなみに男子校区画もあるので、

 男子の普通科入学も可能です。


 こちらは、校舎が完全に独立していて、

 同じ敷地には立っていませんが、試験の難度は普通です。


 一発当てたい人や、立派なエリート(主に戦士系。)となる事を夢見る若者が集い、

 運や実力次第で、


 戦士科、軍師科、オペレーター科、パイロット科、

 帝王学科、トレード学科、マンガ・イラスト科、小説・原作科、花嫁修業科、営業科などなど、


 聖クラウス学園内にある、

 多岐にわたる特殊学科(全て本校にまとめてあります。)に、編入可能です。


 普通科も、他の学科も、

 大学院の修了課程や、博士号の獲得、各種免許の取得など、

 目的に応じた資格を得るまで、在学可能なので、


 入試資格に年齢制限は、ありません。


 でも、変態行為はエキスパート以外は即退学となりますので、

 人に迷惑をかけない、傷つけないというのが、

 大前提の校則となっています。


 免許は大型二種免許から、航空機のパイロット免許、

 大型船舶免許、漢字検定、


 そして、こっそり宇宙飛行士検定まであったりします。


 各種空港(福岡ジェット空港、佐賀がばい空港、

      長崎ユニバーサルちゃんぽん航空、熊本肥後もっこす・クマLOVE空港、

      大分各種温泉・直行便航空、宮崎サンシャイン・マンゴー空港、

      鹿児島・島津タイガー空港、沖縄リゾート・ゴーヤー航空など、


      大手、航空会社と提携。)が使用可能です。


 長崎ドラゴン港に、各種実習船(パラセーリングから、ヨット、漁船、フェリー、旅客船等々。)

 を配し、生徒の要望に応じて、長崎ドラゴン造船所から、

 様々な船舶をロールアウトする事が出来ます。


 国際的大企業、亀吉インダストリーのお膝元とあって、

 各種車両も船舶も航空機も、

 即日手配出来る、謎の学園です。


 実は、こっそりドラゴン港に、

 二隻の大型宇宙船を停泊させています。


 入学してからの、学園生活は、

 とてもゆるい感じで、

 テストはとんでもなく難しいのですが、

 ある教諭の講義を受けると、

 97%の答えを教えてくれるので(講義とテスト内容が異常に被る)、

 40点の赤点は、余裕で免れる事が出来ます。


 スマホ配信の授業もあるので(約5分のスピード講義)、

 ○ × ほぼ問題しかないテストでは、

 バツグンの安定感です。


 ○ × の50%なら、余裕と、

 適当にテストを受けてしまうと、

 恐ろしいサイクロンの吸引力で、全て外します。


 普通科以外の生徒は、

 各種、冒険の扉が使用可能で、

 いつでも実戦の経験値が取得可能ですが、

 挑む難易度は自己責任なので、


 失敗すると、回収班という特殊訓練を受けたチームに救われて、

 結構、法外なサルベージ料金(蘇生料金)を取られるので、

 お財布との相談は、意外と大切です。


 学園には責任があるので、

 必ず回収してくれますが、納金未納の場合は、

 退学も有り得るので注意が必要です。


 生徒会のお手伝い等で、ポイントを稼ぐと、

 支払いに利用可能ですので、

 学園の為に、廊下をピカピカに磨いたり、

 校庭の草むしりなどをして、いい事すると、


 充実感とポイントが、両方得られていい気分になれます。


 ポイント3倍、5倍、10倍デーは、

 激しい争奪戦になるので、

 泊まり込みで、挑む生徒は少なくありません。


 その時は、バーベQイベントや、

 キャンプイベントも行われ、

 出会いのチャンスでもあったりしますが、


 校内での不純異性交遊は、

 優しいアリス会長さんに、余計な悶々とした気持ちを与えかねないので、

 特に、注意が必要です。


 何処に在るかさえもわからない、

 ヒゲ親父の説教部屋に、強制連行され、

 指導を受ける事も、たまにあります。


 帰って来た生徒たちは、

 そのほとんどが硬派一直線になって、

 学ラン姿のほぼ別人と化すので、


 一体、どんな教育受けたんだよっ!! っとツッ込みたくなる変貌ぶりに、

 誰もが、恐怖を抱かずにはいられません。


 教師たちは、新任のエリナ先生を除いては、

 かなり空気に神経を使っています。


 学園は非常に見晴らしの良い、

 少し切り立った、小高い山の上に在り、

 その高さまで立てられた、商業ビルと、

 連絡通路で結ばれています。


 なので、学園の生徒はその商業区画で、

 実習を行えますので、

 即戦力の社会人として通用するように、色んな事を学べます。


 学園生活は、かなり平和な日々が過ぎていくので、

 意図してイベントを企画しないと、

 待っているだけでは、なかなか甘酸っぱい経験はできないですので、


 そこら辺の根本から、試される、

 自由な校風となっています。


 企画力、実行力、

 そして、生まれ持った才能や、美貌、

 資産力など、


 努力次第では、

 それらを手に入れる(良縁に恵まれる)事の出来る、

 夢のような学園生活を送ることも出来るのです。



アリス会長さん「よい学園ライフを送って下さいねっ。


        素敵な想い出になれれば、いいなって願ってます。」



アリサ副会長さん「青春したいんと、ちゃいまっかー?


         裏技とか使こたらどうですのん。」


アリス会長さん「・・・。


        セントラル大阪に行ってきたからって、

        旅行気分で浮かれて、

        副会長職をおろそかにしているなら、


        もう一人の副会長のサフィリアさんにお任せして、

        貴女の最愛の弟さんのいる、

        あの場所へと連れて行ってあげますが、


        荷物の整理は出来ていますか?」


アリサ副会長さん(仮)「おうっ!?

            書類が溜まったままでしたーーっ!


            ああ、忙しいなぁ!!

            ひゅるるるぅる~~~♪」


アリス会長さん「はい、でしたらお願いしますね、

        アリサさん。


        それでは、ごきげんよう~。」
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『ためぞう』

2016年08月10日 19時35分33秒 | ためぞうの冒険+DFセカンド 登場人物編


   『ためぞう』


 (DF2のためぞうの弟。

  親父さんが、名前付けるの適当すぎた・・・。)



 ・ 身長は日本人の平均値。


 ・ 史上最高の生存力と、逃げ足を誇る(自称)。


 ・ 近年、更生して、

   がんばれるヤツになった。




 本来、ストーリーすら完結していない、

 『元祖 ためぞうの冒険』から、

 奇跡的に、復活。


 「二代目 ためぞう」として、

 チャンスに溢れた甲斐・信濃の地に、

 生を受ける。


 偉大なるお父さんと、

 誰からも、いつも比較され、

 次第に性根が歪み、髪を金髪に染めたりして、

 グレてみたりした。(かまって欲しかった。)


 『ひがみ』、『妬み』、『大ボラ吹き』の、

 三大ダメ男として、

 父の遺伝のパワーと、実家の力に頼って、

 特に何もせず、だらだらと生きてきた。


 当時の趣味は『覗き』。


 主人公を目指していた事も忘れかけていたが、

 何を思ったのか、勇者になりたい一身で、

 魔王の庭に勝手にあがり込み、


 どギツイ説教を食らった上に、

 戦って倒されるか、

 使いっ走りになるかの選択で、


 無難に、子分になる道を選んだ。


 それからは、魔王の四天王として、

 およそ五千年もの間、

 セコイ悪事を働いては、

 暴れん坊大将辺りに、成敗される日々を送る。


 が、懲りずにコツコツ積み重ねた悪事で、

 もはや、勇者になりたい冒険者どころか、

 公園のガキにも相手にされなくなった。


 そこに魔王軍四天王としての、

 風格など存在せず、


 堂々と、街中を歩けるような、

 空気のような存在として、


 夜霧に紛れて、女湯を覗いていた所を、

 また暴れん坊大臣辺りに成敗されて、

 山のような敗北を築き続けた。


 運がよかったのは、その暴れん坊が、

 将軍様ではなかった事で、


 あんな大物に成敗されていたら、

 今のためぞうは、なかっただろう・・・。


 当時から、びみょ~に悪運というか、

 ピンチにラッキーを引く力は持っていたようだ。


 鳴かず飛ばすの人生が続いて来た彼だが、

 転機は突然訪れ、


 キラメキな方向へと、流されていく事になった。


 世界美少女ランキング1位を、

 更新し続けている、


 聖クラウス学園のアリス会長さんに、

 気に入られ、


 そこで人生の全ての運を使ったと言っても過言ではない、

 学園ライフがスタートする事となった。


 まるで生まれ変わったように、

 年齢が16才となった、ためぞうは、


 長崎ドラゴンタウンに住む、

 エリスねーさんの家に、気が付いたら住み着いていて、

 その弟分として、上手いこと収まったのである。


 数多の詐称疑惑の中、

 ギャラクシー級の狭き門を潜り抜け、

 用意されていたように、聖クラウス学園の三年時編入が決まった。


 その受験難度は世界屈指で、

 100点満点の問題では、

 最低500点は取らないと、合格ラインにも達しないという、

 偏差値450オーバーの、

 有り得ない狭さの、窮屈な門の先に在るとされる、


 新世紀・覇者伝説的な学園であった。


 人生が、360度以上変わった ためぞうは、

 まるで、スーパーデトックス効果のように、

 溜まりに溜まった、悪い老廃物が浄化され、


 甘酸っぱい青春、真っ只中の、

 青くさい男子学生へと、見事に転身を果たす。



 今の彼の目標は、

 『世の中の為になるコト』と、立派になり、

 キラメキ青春ライフを夢見て、


 夢落ちで終わらないように、細心の注意を払って、

 バイトに学業に、精進する清清しい人生を送っている。


 とても、丸くなったし、

 優しさと痛みのわかる、いいヤツになったのです。



 今、最も気にしているのは、

 変な冒険に旅立って、


 「今まで、応援ありがとうございました。」という、


 いわゆる打ち切りな展開に、恐れを抱き、

 慎ましくも、健気な生活を送っている。


 誰から見ていなくても、頑張れる、

 努力家になった事には、


 おねーさん的立場にある、

 エリスさんも、驚きを隠せないでいるという・・・。



エリスねーさん「す、すげえな!! ためぞうッ。」
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日記 2016.8.9

2016年08月09日 18時12分21秒 | 日記
 こんにちは、井上です。


 暑い日が続きますね、

 猛暑列島な感じで、水分補給には気をつけています。


 オリンピック、始まりましたね。

 応援しています!


 時間がある時は、

 テレビで応援しながら、熱戦を見させてもらっています。



 最近、というか、

 自分でも更新が遅れてるなぁー、

 っと、反省している所で、


 変に第二話を続けすぎて、

 メモ紙を貼り付けただけのネタ帳にある、

 先のお話にどんどん絡んで、

 いきなり第26話くらいの内容になってしまい、


 すっとんだ感があって、

 どうしたものかと思っちゃってます。^^:


 あの後の展開は、もう決まっているのですが、

 文書にしてたら、夏終わっちゃいそうなので、

 ちょっとだけ、休止してます。


   ◇ 先というか、あれは過去編なので、

     日本語、ちょっとおかしくなっていますが、


     いわゆる、『第三勢力』の成り立ちを描こうかと、

     長々となっています。^^:


     以下は、やや長文ですいません。



     ・ 人は、見えない糸で、

       『永遠のアリス』の加護を受けた、

       『アリスアリサ』によって、


       世界を滅ぼす『敵』である、

       ハイデス(混沌世界)との、

       決戦へと、気付かぬうちに誘われています。


       この対ハイデス機関(大銀河ゼリオスによる、覇王連合。)が、

       ゼリオス軍(仮です。まだ名称が決まっていません。)になります。


       全人類の総戦力を結集した、

       侵攻編に至る、第一の勢力になります。



     ・ かつて、違う次元の世界に存在した宇宙、

       『ハイデス』と人類が接触した時、

       
       人はその生存圏の、ほぼ全て奪われ、

       滅亡の危機に瀕した時代がありました。


       その時に、『戦士』と呼ばれる存在が、

       誕生する事になります。


       DF世界で言う、その戦士は後に定着した呼び方で、

       単に、戦闘を職とする者を指したものではなく、


       まるで、魔法のような科学の力を操る者たちの呼称で、

       初期は、ウィザードやウィッチといった、

       おとぎ話の魔法使いのような扱いをされていました。


       初めて接敵したのは、

       ハイデス世界からこちらへと、迷い込んだ、

       最弱の化物が一匹です。


       本能のままに破壊を続ける、僅か一匹の敵を相手に、

       人の世界は、その歴史の幕を下ろそうとしていました。


       多くの犠牲の上で、異形の化物が使う、

       人智を超えた力の謎を解き明かし、


       未知の敵の駆使する『力』を知るのです。


       それが、戦士の力の源となる、

       『ライトフォース』や、『ダークフォース』だったのです。


       人は科学の力を魔法に変えて、

       戦いに勝利し、

       ついには、その力を自らに取り込む事に成功します。


       その力に最も早く目覚めたのが、

       新たなる世界(第二世代)の創世主となった、

       アリスアリサ女史でした。


       この時から、人類とハイデスの戦いの歴史が幕を開けたのです。



     ・ 誰もが偉大なる母のように敬意を抱く、

       始まりの星 テラで眠るアリスアリサ。


       その彼女の描いた、

       人々を勝利へと導く、完璧な青図面に、


       疑問を抱いた一人の少女がいました。


       それが、後に聖王と呼ばれる『バルエリナス』です。


       彼女は、極みに達した戦士だけが得られるという、

       その奇跡で、とてつもない能力に目覚めます。


       それは、自らの意志で、

       新たな『世界』を創世するという、


       この物理法則上の世界には、

       あってはならない力だったのです。


       もし、それをアリスアリサが気付けば、

       彼女の壮大な計画に、支障を来す可能性の一つとして、


       バルエリナスは、アリスアリサの手により、

       その存在を、歴史ごと強引に書き換えてまで、

       消されていた事でしょう。


       バルエリナスは、

       その自らの意思で、戦士の限界を削り、


       ありふれた戦士の一人として、彼女のその視線を逸らします。

       さらに、その奇跡の戦士能力『世界』を実行して、


       彼女だけの、一つの世界を誕生させるに至るのでした。


       彼女はその事実を隠す為に、

       1725番目の世界である『エルザーディア』の、

       その平行世界として、鏡の向こうのような世界を創世したのです。


       彼女は、自らの世界では万能です。

       そして、こう思い至るのです。


       「もし、人が脅威である『ハイデス』に勝利したその先に待つものが、

        脅威からの開放などではなく、

        新たなる、生存圏の奪い合いになるのではないか。」、と。



       そして、偉大なる彼女、

       アリスアリサとは違うやり方で、


       この世界を守る為の、

       その新たな『第三勢力』の中心となる事を、

       決意するのでした。


       彼女、バルエリナスには、

       どうしても守りたいものがありました。


       その想いに最も早く気が付いたのは、

       ゼリオス銀河において、並ぶ者なき大いなる覇皇、

       『サードラル』だったのです。



       と、こんな感じで、

       ちょっと、話がすっ飛んでしまっていますので、


       外伝扱いになるかと思います。



       『ためぞう の ぼうけん。』は、


       冒険に出てたくなくて、もがきあがき、

       ほろ苦い思いを、めいっぱい味わって、

       ちょっぴりと青春する、


       そんな、ほんわかストーリーで行きたいと思いますので。^^:



       簡単ではありますが、今まで抜けていた、

       『登場人物紹介』のような物を、

       使いまわしの絵で、作ろうかと思っていますので、

       手抜きになりますが、よろしくおねがいします。




       それでは、またですー。^-^
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ホット、ためぞうプラス。 - 2016.8.3 -

2016年08月03日 17時49分54秒 | -ためぞう の ぼうけん。『番外編。』-
   『ホット!! ためぞうプラス。』


 ここ最近、

 2020の五輪ピックを控えたせいか、

 ためぞうの暮らす、長崎ドラゴンタウンの発展が

 著しくなって来ました。


 大会は、関東管領の北条さんちのセントラル東京で行われますが、

 海外旅行客も増えた昨今、

 たくさんの港があるドラゴンタウンにも、

 その余波がやって来ました。


 成長率2000%の勢いです。


ためぞー「発展しすぎだYO!!


     オレの憩いのゲーセンが、

     70Fの高層タワーになってるなんて、

     ありえねーよっ。


     でも、行っちゃうけどね。」


 爽やかな朝の陽射しを浴びて、

 ラジオ体操を2セット終えた ためぞうは、


 エリスねーさんの姐さん的な存在の、

 ノルウェー出身の美人の敏腕経営者、

 ノルンさんの仕切る、

 長崎ドラゴン港に、バイトに来ています。


ノルンさん「ためぞうは、働きもんだよなぁ。


      あんたが来てからウチの連中も、

      やたらとやる気持ってくれて助かってるよ。


      野郎たちが頑張るのも、

      サフィリアさんや、レミーアさんや、

      鈴木さん、佐藤さんみたいな、

      フレッシュ美少女さんが増えたのが、

      一番の理由だろうけど、


      連れてきたのは、ためぞうだからな。

      ためぞうは、使えるヤツだと関心してます。」


 プラチナブロンドの長い髪を潮風に揺らし、

 絶世の美貌の持ち主である、

 ノルンさんは、そう言って微笑みます。


 そのスタイルは、メリハリのある、

 スーパーダイナマイトボディで、

 レディース時代には、九州八州連合をまとめていた、

 この町のカリスマさんです。


 熱いイベントが連発してもおかしくはない、

 このサマーシーズン。


 でも何故か、

 観光客も多いこの港町で、

 この麗しのノルンさんには、

 誰からもお声が掛かりません。


 水着も、うきわも、準備万端なのに、

 サマーな思いを一度もしていないのです。


 海には、毎日来ているのですが、

 ノルンさんは、そっちではなく、

 サンシャインで溢れた、砂浜が眩しい、

 ビーチの方へ行きたいのです。


 ノルンさんは、

 ためぞうに得意の握り寿司(主にサーモン。)を振舞って、

 こう言います。


ノルンさん「ためぞーは、

      『あの夏の日のひと時。』とか、

      充実して送れてる方?」


ためぞう「それは、もちろん充実してるよ。

     満喫しきったと言っても過言ではないかも。」


ノルンさん「えっ!?


      もう、ビーチイベント終わっちゃったの?

      私、乗り遅れちゃったの?」


 ためぞうの言葉に、

 おろおろとするノルンさんの姿を、

 漁を終えた海の男たちや、

 ネコ船長さんや、ワンダ艦長さんも見つめています。


 彼らもまた、

 今年のサマーイベントを経験していない方々です。


ためぞう「ビーチ?


     そんなの、亀吉さんに頼めば、

     プライベートビーチ貸してくれるよ。


     でも求めてるのは、ビーチでの出会いや、

     突然の異性との、ラッキーイベントみたいなヤツだろ?」


ノルンさん「そーなんだよぅ。

      知ってるなら教えてくれよう・・・。」


 ノルンさんの握る寿司ネタの種類が増えて来ました。

 コンビニで買って、自分へのご褒美に取っておいた、

 パインアイスも出てきます。


 ノルンさんの夏への想いは、それだけ熱いのです。


ためぞう「むしろ今、賑わってるのは、

     亀吉さんちのネクサスビルにオープンした、

     ゲーセンとかカラオケとかの、

     アミューズメント施設じゃねーの?


     あの渚の君の待つ、

     ビーチに行くには、

     どうやったらいいのか計画とか、

     事前の雰囲気が大事だからね。


     でも、ゲームやカラオケだと気軽さが違う。

     ようは、どう夏を『ENJOY』したかって事じゃね?

     と、思うためぞうです。


     夏じゃなくても変わりなく遊べるけど、

     グランドオープン的な勢いは今かなぁ。」


 ためぞうは、朝からご馳走を頂きながら、

 ちょっぴりと達観したような事を言いました。


ノルンさん「ためぞーは、頼りになるなぁ。

      冒険行くときは、言ってくれれば、

      いつでも援軍送っちゃうぞ。


      そかそか、

      新スポットは、大事だよな。

      ビーチに固執し過ぎた気がしたぞ。」


 ノルンさんは上機嫌になって、

 次のご馳走を用意しようとしましたが、


 ためぞうは、その気持ちだけで十分と一礼して、

 ドラゴン港を後にしました。


 ためぞうの言葉に聞き耳を立てていた男たちも、

 ノルンさんも、何だかその気になって来ます。


 それが噂となって、

 ドラゴンタウンへと広がって行くのでした。


 あっという間に広がった噂で、

 さらに大盛況になったゲームセンターへと、ためぞうは向かいます。


ためぞう「人で溢れかえってんのなー。


     ・・・これじゃ、プレイするのも時間待ちだな。

     公園の駄菓子屋さんにでも、行こうかな。


     この青空の下、

     シュパッと、公園の木陰のベンチで、

     ラムネを開けるのもいいよなぁ。


     ためぞうは、予算に限りがあるのです。」


 ためぞうは、

 普段から、ソロでの行動に慣れていますが、

 新装開店期間中のゲームコーナーも、

 実に魅力的ではありました。


 高層ビルの1Fのゲームセンターの入り口で、

 入るかどうか迷っていた、ためぞうに、


 ビルの隣の入り口から出てきた、

 高層マンション住まいの、

 夏らしい格好をしたラウエルさんが、
 
 ためぞうを見つけて駆け寄ってきます。


 白光の下に照らされた線の細い金髪は、

 いつものチャイナ風の三つ編みではなく、

 今日は、ゆるふわなロングのソバージュで、


 清涼感漂うの白のTシャツ姿に、

 下は、きわどいホットパンツという、


 なんとも、目の保養になる格好で、

 ためぞうに話しかけてきました。


 日中の陽射しが、あまりにも眩しすぎる、

 中国人のお父さんとフランス人のお母さんを持つ、

 ハーフの美少女、ラウエルさんです。


ラウエルさん「ためぞうさん、こんにちはアル。」


ためぞう「おお、ラウエルさん。


     さすがに大企業のお嬢さん、

     いいとこ住んでますね。


     今日は、お花屋さんの仕事はお休みですか?

     バイト、あまり行けてない自分が言うのもあれっすけど。


     (いかん! 誘惑に釣られるな。

      何でもいいから、オレでは解けないものを考えるんだ!!)」


 ためぞうは、ラウエルさんの魅惑の脚線美を前に、 

 心の中で念じるように、

 ひたすら意味のない方程式を巡らせ、


 なんとか夏の誘惑に陥落させられないよう、

 平静を保っています。


 きっと、ラウエルさんは、

 お父さんのラウ会長が、亀吉さんの友人という理由で、

 ゴージャスなオーシャンビューのマンション暮らしなのだろうと、

 ためぞうは、セレブな想像をしてしまいます。


 ラウエルさんは、ためぞうの事を、

 長崎ドラゴンタウンでの、親代わりの亀吉さんの勧めで、

 いいお見合い相手として見ています。


 世の殿方たちの足を止め、

 時を忘れて振り向かせるのに、十分過ぎるほどの、

 スーパーモデル級の、金髪の美少女とのツーショットに、


 端から見たら、ためぞうは勝っていました。


 ためぞうが、もしラウエルさんとお見合いを選べば、

 まず間違いなく、豊か過ぎるハッピーライフを送れるでしょう。


 でもそれは同時に、

 『ためぞう の ぼうけん。』の終止符を意味しています。


 さすがに番外編で、

 自分の物語にピリオドを打つには早すぎると、

 まだまだ、いろんなイベントを想い出メモリーを回収しておきたい気持ちで、

 ためぞうは、額に汗しながら耐えているのです。


 ためぞうには、

 毎度、かなりの忍耐の日々が続きますが、

 ためぞうなので仕方がありません。


 でも、もしためぞうの、

 ラウエルさんルートが成就すると、

 ためぞうのお友達である、

 セバリオスさんと、レオクスさんには嬉しい限りです。


 ためぞうが、サフィリアさんルートから完全に脱落し、

 二人の勝利はより確実になるのです。


 それは円満解決なので、素晴らしい事ではありますが、

 ためぞうは、かなり優柔不断なヤツなのです。


 色んな誘惑に目移りして、

 耐えに、耐えた果てに、

 いろんなチャンスを取りこぼす漢こそ、

 ためぞうなのですっ!!


ためぞう(び、びみょーーー!!


     だが、オレはこの町に来て、

     かなり恵まれた想いをしているのは確かだ。


     謎の裏方さん(ローゼさんや、

     アリサ副会長さん、セリスさん等)たちが、

     オレの運気を極限にまで高めてくれているおかげで、


     過去の五千年のためぞうの歴史には、

     1グラムも存在しなかった、

     数多の出会いやキラメキが、ありふれた日常のように訪れている。


     大いなる意図を感じられてならないが、

     ためぞうは、流れに逆らってはいけない。


     オレは今、ただのためぞう演じなければ、

     あっという間に大河に呑まれて、世界の最果てへと流されるだろう。


     何故ならば、オレは、

     親の遺伝で、レベルは93(MAX 99)とけっこう高いが、


     実績もなければ、知力もわずか3しかない・・・。

     猛者相手に通用する奥義とかも、まだ何も憶えてないっ!


     スキルといえば、逃げ足の速さと来た。


     ノリで流れに抗えば、

     オレの16才というあやしい設定も吹き飛び、

     二度とは戻れぬ辺境へと、冒険の旅に出て、

     今まで、応援ありがとうございました。っと、

     終わりかねんのだ・・・。


     オレ、頑張れ! ためぞうとして。

     ひそかに、目立たず、コツコツと強くなれ!!)


 ためぞうは、青春をゆっくりと確実に、

 でも思い返せば、いつでも強く前へと進めるような、

 そんな感じで送りたいと妄想しています。


 このイベントに満ち満ちた、ある夏の日。


 ラウエルさんのその魅力に悶絶誘惑されながら、

 ためぞーは、何とか平静を保っています。


 いつもはチャイナ服姿で、中華まんなどを販売しながら、

 ファルさんのお花屋さんでも働くラウエルさんですが、


 こんな感じのラウエルさんも可愛いなぁーとか、

 ためぞうは、すでに魅了されかけています。


ためぞう(フゥー・・・、

     落ち着けオレ、流されてはいかん。


     確かに、ラウエルさんはオレなんぞには、

     勿体無いほど素敵なお嬢さんだ。


     だが、オレはまだ学生で、居候の身だ。


     お見合いとか、そういう事を真剣に考えるのは、

     上手くいけば、次に来るであろう、
     

     『ためぞう の おしごと』編に突入するまでは、

     考えてはいかんッ!!


     今は、同じ時間を共に過ごすという、

     その夏の清涼剤のような、空気さえ吸えていれば、

     それで、いいのだ。

     
     踏み込んだ話の展開を上手く切り抜けるには、

     まず、メシを食わせるだけの力を持たねば、

     ハッピーライフは儚い夢で朽ちる事だろう・・・。)


 ためぞうは、割と計画的です。

 お店のポイントとかも、しっかり集めるコツコツタイプです。


 そんな、意外としっかり者のためぞうや、

 趣味に一直線でも、仕事きっちり王子のホーネルのような、

 愉快な仲間たちがいるからこそ、


 ためぞうの上司のセリカさんは、

 チャライ感じで、

 ふらふら遊びまわれるのでした。


 っと、噂に敏感なそのセリカさんが、

 二人の前に、にょきっと現れます。


セリカさん「オッス! ためさん、元気か。


      私は元気で、カネが無いぞっ!!」


 割と露出の高めの格好で、夏をエンジョイしている、

 セリカさんです。


 お小遣いが足りなくなると、よく現れますが、

 露出のわりには、清純さと健康美が漂う、

 爽やか系のスーパー美少女です。


 セリカさんは、とある理由で、

 部下で、ためぞうの仲間のマベルさんの身体を乗っ取って、

 遊んでいます。


 他人の身体と美貌を勝手に利用して、

 ひたすら美味しい思いをしている、愚か者さんです。


 なので、その清純さと爽やかさは、

 マベルさんに備わっているもので、

 セリカさんは、ただその美徳に、

 いいようにあやかっているだけなのでした。


 かなりヒャッホウやらかしています。


ためぞう「おい、セリカさん!

     その身体に、絶対、

     余計な事すんじゃねーぞ。」


セリカさん「ほうほう、


      具体的に、その余計な事とは、

      何のことですかな?」


 試練はいきなりやってきますっ!


 セリカさんは、自分が面白ければ、

 それでいい人なのですッ!!


 ためぞうは、ラウエルさんと大勢の群衆の前で、

 その意味をセリカさんに、

 説明しなければならなくなってしまいます。


ためぞう「おぉう!?


     うんとだな・・・。


     (なんたる迂闊ッ!


      あのアホのセリカさんを前に、

      隙を見せてしまうとは・・・、


      ためぞうは、所詮、

      ためぞうだとでも言いたいのか。


      でも、オレが戦力外になれば、

      もう、ホーネルしか残らんぞ。


      マスオストさんは、星になったままだしなぁ。)」


 ラウエルさんも、観衆たちも、

 いつの間にかいる、

 ゲーセンから出てきたA氏もB氏もJ氏も、


 事の成り行きを、

 まったりと、アイス食べながら見守っています。


J氏「こいつぁ、

   とんでもねえトラップを仕掛けやがったもんだぜッ!!」


A氏「ためぞう氏、絶体絶命と見たリィ!

   奇跡が起こる事を祈って、

   成り行きを見守るでござるヨォ!!」


B氏「なんだなっ!

   二人のヒロインによる、争奪戦のようにも見えても、

   全然違うという、恐ろしい策なんだなっ!!


   ためぞう氏は、

   まったくおいしい想いとかしてないんだなっ。」


 勝手に集まってきた三人組は、

 勝手に場を盛り上げて、ためぞうを追い込みます。


ためぞう「レベル上げてんじゃねーよッ!!」


セリカさん「ほれほれ、聞かせてみ?


      ためさんや・・・。」


 ためぞうの知力は、わずか3しかありません。


 これまでに、様々なトラップを掻い潜って来た、

 ためぞうも、

 これは、かなりのピンチです。


 そんな中、ラウエルさんは、

 そっと、ためぞうの身体に細い腕を絡ませ、

 白肌の眩しい、そのしなやかな足先を、

 ためぞうの股の間におもむろに差し入れると、


 グッとためぞうの身体を引き寄せるようにして、

 その端正に整った顔を近付け、

 舌先で潤わせた淡いピンクの唇で、


 フウッ、と吐息を吹きかけます。


 ラウエルさんは、

 さらに、その柔らかな胸の感触を、

 むぎゅっ、ためぞうに押し付けるようにして、

 セリカさんにこう言いました。


ラウエルさん「こういう事アルか?


       別にためぞうさんなら、構わないアルよ。」


 可憐な美少女ラウエルさんの、その大胆な行動に、

 周囲は驚きを隠せません。


A氏「こ、これが奇跡でござるかァァア!!!」


 ためぞうは、勝っています!


 もの凄く勝っているのですッ!!!


ラウエルさん「これから、ウチに上がっていくアルか?

       ためぞうさん。


       新しい部屋、見せたいアル。」


 ぽっかり開かれた口から、魂がぽわんとなって、

 もうすでに、陥落したと言ってもいい、

 ためぞうです。


 山奥でひっそりとタヌキと共に暮らしてきた、ためぞうに、

 この手のハニーな誘惑に対する免疫など、

 ありはしないのです。


 あっては、ためぞうでは無くなってしまうのですっ! 


 ためぞうは、

 セリカさんにとやかく言う資格は無いんだと、

 甘い誘惑に飲まれながら、そう思うのです。


ためぞう(・・・ああ、

     さらば,オレのぼうけん・・・。)


セリカさん「グッジョブ! ためさん。


      あんたは、いつかやってくれるヤツだと、

      信じてたよッ!!


      これで、ラウエルさんを、

      ファルさん一味から引き抜ければ、

      私もずーっとエンジョイだねっ!」


ためぞう「そ、そっちかッ!?」


 セリカさんのアホに、救われた瞬間でした。


 自分の自由さえ保障されれば、

 別に、ためぞうの人生に大した興味もないセリカさんは、

 ささ、続きをどうぞと、

 お小遣いだけは、きっちりとせびります。


 と、そこに音速を超える勢いで、

 引き抜かれる側のファルさんが現れましたっ!!


 ファルさんが巻き起こしたソニックブラストで、

 A氏とB氏とJ氏は、遥か上空へと吹き飛ばされます!!


J氏「パラシュートは準備済みだぜッ!!」


A氏「それがしのポスターさばきは、

   垂直離着も可能ナリィ!!」


B氏「じぇ、J氏にしがみつくんだなっ!!」


J氏「や、やめろぉーーーっ!!!」


 長い黒髪を振り乱しながら、息を切らして、

 お花屋さんから駆け抜けて来たファルさんが、

 ラウエルさんに言いますっ!


ファルさん「ちょっと、ラウーッ!


      ためぞうさんを、こっちに引き入れたいって、

      二人でずっと言って来たのに、

      あなたが引き抜かれてどーすんのよっ!!」


ラウエルさん「ん? ためぞうさんアルか?


       私は、別にためぞうさんなら、

       素敵な家庭が築けると思うアルよ。


       何より誠実だし、真面目アル。」


 ためぞうに季節離れの春風が吹いています。

 これは、なかなかいい風です。

 桜の花びらもいっぱい舞っています。


ファルさん「そんな事、言ってるんじゃなーーいっ。


      ダメーーーーッ!!


      ぜぇぜぇ・・・、

      とにかくそれはダメだから、

      その誘惑ポーズは、さっさとお止めになってネ。」


ラウエルさん「ボスは、素直じゃないアルね。」


 ファルさんはスマホを取り出すと、

 お店の宅配に使っている、ネコのマークのネコマスク、

 宅配屋さんの古蔵さんを呼び出します。


古蔵さん「迅速丁寧、ネコのマスクの宅配便の古蔵です。


     いつもひいきにしてもらって、

     ありがとね、ファルさん。」


ファルさん「あとで代金払うから、

      あの吹き矢貸してっ!!」


 ファルさんは、古蔵さんから半ば強引に、

 3連射機構付きの惚れ吹き矢を借りると、

 その矢先をラウエルさんに向けますっ!!


   フウゥゥーーーッ! ゲホゲホッ!!


ファルさん「何これ、壊れてるんですか、ゲホッ・・・。


      矢か出ないじゃないですかっ!!」


古蔵さん「そりゃあ、

     ファルさんに、三連吹きのスキルないからでしょ。


     はい、こっちが単発の方。

     いっぱいあるから、こっち使ってね。」


 古蔵さんはそう言って、初心者向けの惚れ吹き矢を、

 ファルさんに渡します。


 高精度のロングバレル仕様で、

 吹き口も大きめに、軽い息で放てるよう工夫され、

 命中場所もしっかりわかる、レーザーサイトまで付属しています。


 これを外しては、打つ手なしといった、

 古蔵さん自慢のカスタムモデルです。


 あらためて、

 吹き矢を構えるファルさんの前にして、


 ためぞうは、ラウエルさんを背に前に出ると、

 両手を広げて立ちはだかります。


ためぞう「その惚れ吹き矢は、やばいっすっ!


     そんなのラウエルさんに当てちゃったら、

     二人はとんでもない事になっちゃうんですよっ!!」


 当たれば、商店街のお花屋さんは、

 ファルさんとラウエルさんの甘い百合の園と化し、


 オーナーのジェネシスおじさんは、

 居場所を失い、移動販売の旅に出るしかないでしょう。


ファルさん(・・・でも、これを当てれば、

      ためぞうさんは、私のもの。


      ううん、そんなの、

      私が求める安らぎじゃないっ!!


      ・・・。

      ホント、どうすればいいのかしら。)


 金髪の美少女ラウエルさんと、

 黒髪の美女ファルさんによる争奪戦に、

 周囲は、ただただ息を飲んで見守るしかありません。


 誰も皆、あの三人組みたいに、

 変な巻き添えを、喰らいたくはないのですから。


 この時、すでにためぞうから、

 お小遣いをゲットしたセリカさんは、

 面倒な事には関わらないよう、

 歓楽街の方へと遊びに行っています。


 ドラゴンタウンの、

 新たなランドマークタワーの下で行われている、

 この熱い展開に、引き寄せられたかのように、

 ノルンさんたちがやって来ました。


ノルンさん「ここが新名所の実力なのかっ!


      昼間っから、乙女同士の争奪戦が行われてるなんて、

      なんてホットなエリアなんだ・・・。


      おねーさん、そういうの、

      全然、想い出リストにないぞっ。」


鈴木さん「おおっ、


     何だか分からないけど、

     これは、青春してるんでしょうか!?」


佐藤さん「・・・ええ、

     これはかなりハイレベルな青春ですわ。


     銀河の覇権争いにさえ、発展しかねない、

     乙女たちのバトル・・・。」


 知り合いが増えてきたのが恥ずかしいのか、

 ファルさんは、惚れ吹き矢を握ったまま、

 固まってしまっています。


古蔵さん「ねえ、ファルさん?

     吹くの、吹かないの。


     配達あるから、早く決めてもらえると嬉しいです。


     余分に、たくさん置いて行こうか?」


ためぞう「古蔵さん、それはダメっす!!


     そんないい加減な事したら、

     ねーさんに、この町から追い出されますよ。」


 そんな便利アイテムを山積みで残されては、

 どんな波乱が巻き起こるかわかりません。


 まさに至高のマジックアイテムの吹き矢を、

 誰も手に取らないとは言い切れないでしょう。


 一本、10億ゴールドと、

 その価格もギャラクシー級ですが、


 それ以上の奇跡を、

 運命変革を起こす事が出来るのです。


 実家がなんとか、お代を工面出来る方ならば、

 何とも欲しい、レアアイテムです。


ノルンさん「夏の誘惑ってヤツなのか。


      欲しいw

      でも、手にしちゃダメだ。

      夏は、ハンパねえなぁ・・・。」


鈴木さん「ふう、

     あぶないあぶない。


     危うく、実家を頼ろうかと思ってしまうとこでした。」


佐藤さん「鈴木さんは、古蔵さんに、

     とりあえず一発、当てておいたらどうですか?


     きっと、おつり出まくりですョ♪」


鈴木さん「そ、そそのかさないで下さいっ!!」


 そのやり取りをチラ見していた古蔵さんは、

 お気に入りの鈴木さんの方へと、

 さりげなく一本転がすのです。


 古蔵さんも、甘酸っぱい青春や、

 温かなぬくもりには、飢えまくっている方です。


 でも、バイト生活がとても充実しているので、

 すっきり爽やかな方ではあります。


 好意を寄せる鈴木さんなら、

 古蔵さんは、お代なんか取るはずもありません。


 自分が吹いて当てたいくらいな気分ですから。


古蔵さん(あれ?

     吹き矢、転がしたのに気付いてないの!?


     せっかく『鈴木さんには、一本無料。』って紙を、

     巻き付けてるのに。


     オ、オレを狙うとは限らんかっ!?)


 すると観衆の中から、瞬時に現れた緑の影が、

 その吹き矢を奪い取ります。


エストさん「フフフ・・・、

      ピンチの中こそチャンスあり!


      ハードモードなダンジョンから、

      生還した甲斐がありましたぜ。」


 そう語るエストさんは、年代ものの暑苦しい甲冑を身に付け、

 勝ち誇ったように、微笑んでいます。


エストさん「うう、さすがに鉄の鎧はアツ過ぎる。


      おお、どんどん日差しで熱くなってきたぁ!!」


 エストさんは今、鎧の下には、

 クマのプリントの下着しか身に着けていません。


 この大勢の観衆を前にして、

 その加熱されていく甲冑を脱ぐことは、

 露出好きの変態さんと公言するようなものです。


 そんなことしたら、

 精査の必要なく、PTAに指導されて、

 エストさんの夏休みは、一瞬で消滅しまうでしょう。


エストさん「・・・お家に帰ろう。」


 古蔵さんは、そんなエストさんの肩をガッツリ掴むと、

 ネコマスク越しの妖しい瞳をギラつかせながら、

 こう言うのです。


古蔵さん「吹き矢、持って帰るの?


     お代、10億ゴールドになるけど、

     払ってもらえるかなー。」


 古蔵さんは見た目のわりに、

 相当なパワーを持っています。


 エリスねーさんのいない今、

 ラスボス級の強さを誇る、古蔵さんです。


エストさん「む、無理っ!!」


 エストさんは、落し物を拾ったとか誤魔化して、

 お礼の一割を貰う手もアリかと思いましたが、


 ためぞうは、目配せのモールス信号で、

 その危険度をエストさんに伝えます。


エストさん(おー・・・、


      いつの間にか、

      私に良く似ているレミルさんと、

      ポジション入れ替えられて、


      遠洋漁船に乗せられて、

      きっと帰って来れないYO!!

      って、


      さすがは、ためさんっ!

      素直に、返しときます。)


 エストさんは、

 拾った吹き矢をおとなしく古蔵さんに返して、

 熱中症になる前に、

 エアコンの効いた部屋へと帰る事にしました。


エストさん(何とかピンチ、切り抜けてね、

      ためさん。)


 ラウエルさんとファルさんの女の戦いに、

 周囲がヒートアップして、

 自販機のアイスが売り上げを伸ばしています。


古蔵さん「鈴木さんと佐藤さんと、ノルン姐さん、

     何か欲しいのある?


     アイスおごるよ。」


ノルンさん「おお、マジなのか!?


      私は、バニラアイスがいいぞっ。

      カップのフタまで、ちゃんと舐めるぞ。」


鈴木さん「私は、抹茶がいいですー。」


佐藤さん「アイスモナカをお願いしますー。」


 古蔵さんは、コツコツ貯めたお小遣いの中から、

 三人にアイスを買ってあげました。


 額に汗して貯めた小遣いで、何かをあげるのは、

 古蔵さんにはあまりない経験でしたが、

 なかなか気分は良かったようです。


 ネコのマスクが、なんだか笑顔に見えるのです。


ノルンさん「エリスはほんと、後輩育てんのが上手いよな。


      ためぞーにしろ、このネコ仮面にしろ、

      何だかずいぶんいいヤツに見えるぞ。


      私も、エリスを見習わなくちゃなー。」


 そんなためぞうの前に、

 エリスねーさんがやってきます。


エリスねーさん「何だかためぞーも、

        いい風が吹くヤツになったよなぁ。


        一昔前では、ありえんくらい、

        モテてるよなぁ。


        私も、あやかりたいもんだよ。」


ためぞう「おぉ、ねーさん、

     まだ、こっちに残ってたの!?」


 出張して長く家を空けていたエリスねーさんですが、

 この恋の季節を取りこぼすのは嫌なので、

 しばらく、ドラゴンタウンに居たいそうです。


 エリスねーさんの後から、

 エリナ先生とセリスさんが、ゲームセンターから出てきます。


ラウエルさん「戦いは、続いていたのアルか?」


ファルさん「お、おうっ!?


      (ヤバいのが二人もやってきたわ・・・。


       ここは、ややこしくされる前に、

       ラウと仲良くしなくちゃ。)」


セリスさん「何を盛り上がっちゃてるんですかー?」


 ファルさんは素早く、

 ラウエルさんと仲良しアピールをすると、


 今度は、ラウエルさんが、

 エリナ先生とセリスさんに、クーラーボックスから取り出した、

 特製マンゴープリンをお届けします。


ラウエルさん「アイスを愛す集まりアル。


       アイスじゃないけど、OKアルか?」


エリナ先生「まぁ、嬉しいです。」


セリスさん「おおお、ご馳走ですー。」


 かの強敵二人は、ラウエルさんのマンゴープリンに、

 いとも簡単に篭絡されました。


 それはもう、フランス料理と中国四千年の技を極めた、

 ラウエルさんの作った、孤高のマンゴープリンは、

 そのプルンプルン感も、ツヤも香りも超一流です。


 一口入れたその瞬間から、

 宮崎のあの青空が広がるような、

 夢のような、筆舌に尽くしがたい、

 夢心地の味です。


 そんな夢旅行中の二人の隙に、

 空気を呼んだ人々は、

 あの三人組を吹き飛ばしたそれを、

 遥かに超える厄災を避けるように、


 何事もなかったように、振舞うのです。


ファルさん「ひゅるるるぅ~~~♪

      今度、私にもご馳走してねー。」


鈴木さん+佐藤さん+ノルンさん「わ、私たちにも是非っ!!」



   『女子を知りたくば、まずスウィーツを極めよ。』


 そんな、アリス会長さんが、

 ヒントのように、ためぞうに伝えてくれたあの記憶が、

 その心によみがえる思いです。


ためぞう「これからも、しっかり、

     レオクス師匠に、学ばないとなッ!!」


 今でも、十分、ホールケーキを作れるくらい、

 腕の立つ、お菓子職人なためぞうです。


 と、ためぞうは思い出したように、

 ポケットから、トランシーバーを取り出します。


ためぞう < 「もしもし、師匠ですか?」


> レオクスさん「おお、ためぞう君。


         どうかしたのですか?」


ためぞう < 「夏の間は、エリスねーさん、

        出張から帰って来てるみたいです。


        いま、ゲーセン前に、

        ねーさんいますよ。」


レオクスさん < 「え!? 本当なの?


          さっき作ってたジェラート、

          今すぐ、そっちに持っていって大丈夫かな?」


ためぞう < 「えっと、人数的に、

        十人分くらい用意出来るなら、効果抜群だと思うっす。」


 ためぞうは、エリナ先生たちや、ファルさん達、

 それに、ノルンさん達の分に、

 予備にいくつかあった方がいいかなと、


 レオクスさんに、そう伝えました。


レオクスさん < 「たくさんあるから、

          出来るだけ早く持っていくねっ!」


 そのレオクスさんの快活な返事に、

 ためぞうに、レオクスさんのワクワク感が伝わります。


何とか戻ってきたJ氏「さすがだなっ!

           ためぞう氏。


           予備のパックを常に携帯しておくのは、

           戦場を駆ける者の常識だからな。」


ヘリ感覚で、垂直着地してきたA氏「また飛ばされるところを、

                 回避出来たでござるよォ!!」


J氏にしがみついて帰って来たB氏「冴えてるんだなっ!!」


 エリナ先生とセリスさんが夢の中の安全地帯に、

 今日は珍しく、アリス生徒会長さんがやって来ました。


 美少女世界ランク1位の絶対王者さんです。


アリス会長さん「何だか、美味しい思いが出来るのではないかと、

        のこのことやって参りました。」


 会長さんが来た以上、ためぞうはもう無敵です。


 ためぞうは、アリス会長さんに、

 何故か気に入られています。


 エリナ先生とセリスさんがタッグで当たっても、

 会長さんには、きっと返り討ちにされる事でしょう。


 このドラゴンタウンにおいて、

 絶対的な存在である、アリス会長さんですが、

 ためぞうを本編に戻すことだけは、

 何故か出来ないのです。


アリス会長さん「ごめんなさいネ、ためぞうさん。


        どうしても、守らなければならない、

        ルールというものがありまして。」


ためぞう「いえいえ、

     お気遣いだけでも、ありがたいっす。」


 アリス会長さんは、かなりの甘党さんです。

 たくさんのカロリーを摂取しているはずなのですが、

 そのスタイルは、常に完璧な黄金比を維持し続けています。


 甘い誘惑に誘われて、

 ひょっこり現れたアリス会長さんのおかげで、

 エリナ先生とセリスさんは、ネコ被って仲良くやっています。


古蔵さん「ネコを被るのは、ネコ愛の証です。


     お二人にも、この愛らしいネコさんマスクを、

     進呈しましょう。」


 ただの罰ゲームです。


 レスラー仕様のネコマスクは、

 被ったとたんに、古蔵さんの仲間入りです。


 エリナ先生もセリスさんも、

 公衆の面前で、この暑い中、

 フルフェイスのレスラーマスクを被るほど、

 ハイテンションでは無いのです。


 そんな二人を、

 優しい眼差しで、微笑むように見つめる、

 金髪、ブレザー姿のアリス会長さんです。


エリナ先生(戦闘力でも知力でも、

      私たちでは、あのとんでもお嬢様には、

      歯が立ちません。


      まあ、グラビアならいい勝負は出来ると自負していますが、

      勝てない勝負を好んでやるほど、

      お人好しでも、愚かでもありません。


      古蔵さんは、あとで亀甲縛りにギッチリ縛り上げて、

      強制送還させてあげるといたしまして、


      さて、マスクの一つでも被って道化てやりますか。)


セリスさん(回避策を考えます~~♪


      うんと、良かったらエリナ先生には、

      エリス様とノルンさんに、

      絶対零度の眼差しを、さらっと送ってもらえますか?)


エリナ先生(それくらいなら、たやすい事です。)


 刹那、ノルンさんとエリスねーさんは、

 エリナ先生の凍てつく眼差しに、ガクプルに震えています。


ためぞう(冷凍光線でも、放ってるのかっ!?)


 いい風にノッてる、ためぞうには、

 エリナ先生が、一瞬、

 目から放ったビームの軌跡が、

 見えたような気がしたのです。


 虚ろな眼差しをしたエリスねーさんは、

 古蔵さんに、こう言います。


エリスねーさん「おい、フルゾウ。


        自分がネコLOVEだからって、

        押し付けちゃだめだろ・・・。


        鈴木さんが、それ被って、

        リングにデビューしても、


        お前はそれでいいのか?


        ていうか、マジ、

        イマスグ キョウセイソウカン スル ゾ。」


鈴木さん「わ、私は、

     学業とオペレーターのお仕事がありますので!!


     プロレス観戦は、好きな方です・・・。」


古蔵さん「・・・。


     オ、オレは、まだ、

     一世さんのいちゃラブ見せ付けられながら、

     名義だけの王って、家臣どもに陰口叩かれるあの日々に、

     戻る気なんか、ないぞっ!!


     ・・・ヤツらを見返すくらいの、

     充実特攻野郎になるまで、帰る気はないッ!


     あっ、お届けしなきゃいけない場所残ってるから、

     またね、ねーさんッ!!」


 古蔵さんは、逃げ出すようにバイトへと戻りました。


 働き者になった古蔵さんに、

 エリスねーさんが関心していると、

 その眼差しに光が戻りました。


 一方のノルンさんは、

 絶大なる尊敬を何故か受けている、

 アリス会長さんに、虚ろな瞳でこう言うのです。


ノルンさん「なあ、アリス。

      お前も仕事ばっかしてないで、こっち来いよ。


      タマニハ、息抜キ シヨウゼ・・・。」


アリス会長さん「はいっ!

        ノルン姉様が、そう仰られるのなら。」


 ノルンさんの前では、隙だらけの会長さんです。


 ノルンさんの呪縛は、アリス会長さんが解除しましたが、

 知ってて、策に乗っても、

 とても嬉しげに微笑んでいます。


 その笑みは、まさに天使の微笑みといったオーラで溢れまくったもので、

 周囲の人々を巻き込んで、とても幸せな空気で包んでいきます。


佐藤さん「!? さすが、アリス会長様。


     この無限のいたわりと優しさのオーラは、

     まさに人智を超えた究極の微笑み・・・。」


鈴木さん「なんだか、癒されますねぇ・・・。」


 ほぼ全員が、リラックスモードでふやけている中、

 エリナ先生と、セリスさんは、

 突然の嵐が去ったような気分で、

ふうっ、と息を漏らします。


エリナ先生「このドラゴンタウンには、

      私たちの勢力と、


      対するアリスさんの巨大勢力の、

      二つが存在しています。


      あちらは数多の優秀な猛将を抱え、

      こちらの戦力では、押されるがままでしょう。


      つまりは、故事に習って、

      三角関係を作るのが、最も最善の策かと、

      そう思います。」


セリスさん「さながら、長崎ドラゴンタウン三国志ですねー。


      では、もう一つの勢力は、

      手玉に取りやすい方が良いかと思いますっ。


      エストさんとかどうでしょう?


      ミカンの大器ですが、

      第三勢力のヘッドにおいて置くには、

      申し分ないと思いますー。」


 エリナ先生とセリスさんに、

 いい様に利用されそうな、エストさんです。


エリナ先生「サモンッ!! エストさんっ。」


 突然、エリナ先生がそう叫んだかと思うと、

 路地に魔法陣が現れ、


 だらしない格好で涼んでいた、

 部屋着のエストさんが召還されますっ!!


 周囲の人々は、アリス会長さんのオーラに酔っていて、

 気付いていませんでしたが、

 ためぞうは、その奇跡の光景に驚きを隠せません。


ためぞう(な、何でもアリなのかーっ!!!)


エストさん「え、何っ!?


      あっつゥ、アスファルト熱いってっ!!」


 裸足で立ち上がったエストさんは、

 アチチと路面を踊りながら、突然の展開に慌てています。


 エリナ先生は、そのエストさんの双肩にグッっと手を置くと、

 足元を固定して、エストさんを見つめます。


エストさん「ア、アスファルト、熱いっす!!」


 すると、路面の一部が永久凍土のように、

 一瞬で、凍りつきました。


エストさん「きょ、極端だってっ!

      冷た過ぎて、足の感覚が無くなってきたんですが・・・。」


 そこに、セリスさんがサンダルをひょいと取り出します。


 大地を元のアスファルトへと戻したエリナ先生は、

 エストさんにサンダルを履かせると、

 強い口調で、こう言うのです!!


エリナ先生「先生は、エストさんの成長に期待していますっ!


      大志を抱いて国を興し、

      天下に覇を唱え、中原へと出るのです。


      在野の人材を、広く求め、

      義を貫く、英雄となりなさいッ!!」


 意味はわかりませんでしたが、

 逆らうとエストさんは、

 銀河の最果てへと飛ばされそうな勢いに押され、

 ブンブン、首を縦に振りました。


エリナ先生「良い心構えです。


      先生が、先生繋がりで、

      諸葛先生の娘さんを紹介しますので、

      彼女に意見を求めて、上手く国を興すのですよ。


      何度かあった事があるはずですから、

      すぐに打ち解けられると思います。


      はい、これが彼女のアドレスです。


      最低、三回はお中元持って行って、

      がんばって下さいネッ。」


 と、次の瞬間、

 エストさんは、元居た部屋にワープされます。


エリナ先生「これで、放置しておけば、

      きっと調子に乗って・・・もとい、


      たくさんお勉強されて、

      きっと立派な社会人となって、

      役に立ってくれるでしょう。


      力が無ければ、次を探せば良いだけです。」


セリスさん「エリナ先生、

      何気に、鬼畜~~っ。」


 二人は互いに微笑んで、

 レオクスさんの持って来る、

 スウィーツを心待ちにしていますが、


 どちらもその手の内を隠してのやり取りに、

 ためぞうの危険フラグは、ピリピリと反応してしまいます。


ためぞう「・・・まずは、生き残ろう、

     この夏に、一つでも想い出を残す為に。」


J氏「オレも一枚、かませてもらうゼッ!


   早く、リンカちゃんの白スクイベントを回収したいしなッ!!」


A氏「同じく、夢を追うものとして、

   乗らせてもらうナリィ!!


   それがしの一押しは、

   あの純白のレミーアさんでござるヨォ!!」


B氏「じ、自分は、

   どちらでも回収できれば、大満足なんだなっ!」


 そのA氏とB氏の叫びが、

 レミーアさんにも、届いたような気がしました。


 誰が言ったのかまでは、

 よく聞こえていなかったようです。


レオクスさんと一緒に居た、

レミーアさん「へ、へくちゅ・・・、


       何だか夏っぽいイベントが、

       自分にも起こりそうな気が、

       一瞬、したっす。


       (水着とかの携帯は、忘れないようにしよう・・・。)」


レオクスさん「そ、そうですか。

       私も、何かいい事あるといいなぁ。


       (トランシーバーの充電は、バッチリかな。

        ためぞう君、頼りにしてるからねっ!)
       

       ま、マッハでいきましょうか。」


レミーアさん「そ、そっすね!!」




 ためぞうの熱い夏は、

 こうして、番外編で進んで行きそうです。


               つづく、かも知れません。


エリスねーさん「では、またーーー。 ^-^」
コメント
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