・ 町の外で、初めてレダと出会うシーン。(レダは、セレンのパーティキャラになります。)
レダは、黒いフルプレートの鎧の男で、口以外が仮面で覆われています。
謎の男「待て」
セレン「あ、オレ?」
謎の男「そうだ」
セレン「あんた、誰?」
レダ「私の名はレダ」
セレン「私の名はセレン」
セレン「・・・。ちと真似しただけだ」
レダ「・・・」
レダ「さてどうしたものか、
こんな奴に手に入れることが出来るというのか」
セレン「なにをブツブツと・・・」
レダ「ふん、貴様には関係ないといいたいところだが、
そういうわけにもいかぬ事情があってな」
セレン「わけのわからん事情を勝手に押し付けるな。
オレは、これから色々と事情聴取みたいな真似を、
町人A,B,C辺りにせねばならん身の上なのだ。
よって失礼しますわ、またのい」
レダ「フフッ、途方に暮れる姿が目に浮かぶな。
それでは、妹も救われまい」
セレン「!? 何故、妹のことを知っている!!
とか、問い返したくもあるが、
まあ、ウチの妹はカワイイやつなので、ストーカーの1,2ダースは覚悟している。
ここらの男なら知ってて当然だな。
てなことで、またな」
レダ「フフフッ、知っているとも。
そして、その病を治す奇跡が、
ライフ オブ ジュエルとも呼ばれる、
命の宝石であることもな」
セレン「・・・あんた、探索隊の騎士さんか何か?」
レダ「まあ、都合のよい方に解釈してもらって構わない。
私としては、守護者の協力さえ得られればそれでいい」
セレン「しゅごしゃ?」
レダ「それは時期にわかること。
貴様の欲しいモノを手に入れる手助けをしてやるというわけだ」
セレン「胡散臭いなぁ」
レダ「信用してもらおうだなどとは、思っていない。
ただ、私と貴様の間に共通の利益がある以上、協力もするし、また、してもらう
」
セレン「共通ねぇ・・・オレはエリナちゃんとはっぴー!!
そしてあんたはネティアと、はっぴーてか?
嫁入り前のおぼこな妹を簡単に男に渡す気前のいいお兄ちゃんは、
そうはいませんぜ。
まあ、欲しけりゃこのオレをぶっ倒して手に入れるんだな」
レダ「古の塔に施されし封印の法は、
守護者でなければ解くことかなわぬ。
貴様がこの国の王やイオル等から見出されたのは、その血、故だ」
セレン「言ってる言葉の意味が今ひとつ見えんのだが、
少し噛み砕いて話してもらっていいか?」
レダ「ああ、なるだけ一度で理解してもらいたいものだ」
セレン「まあ、言ってみ」
レダ「・・・代々、貴様の家系は、
この古の塔を守る定めをその血に受け継いでいる。
現在、守護者の資格を持つ人間は三人。
貴様とその父と、妹だ。
そして、守護者の能力を発現してその役目を担うのは常に『一人』と定められている。
この遺伝子は純粋な血統を保つ操作がなされている為、
従兄弟や叔父叔母といったものはその対象ではない。
もっともそんな親戚の類もいないことはすでに知っているが」
セレン「興信所なみの調査だな」
レダ「事が事だけに、私なりに調べさせてもらった。
だが、大事なことに気が付いたか?
その父は行方不明。
で、現在、貴様が守護者の能力を発現している。そして、貴様が失敗
すれば、次はこの役が妹に回る」
セレン「!?」
レダ「病気だということは理由にならない。
最悪、一年も生きれば子は産める。遺伝子の鍵は簡単に複製できるということだ。
時間はかかるがな」
セレン「そんな、無茶苦茶な!?」
レダ「私の言いたいことはそういうことだ。
貴様が使命に失敗すれば、妹は悲劇を迎える。
少なくとも守護者の血統を絶やさぬ為の措置は、
この私であれ、取らざるを得ないであろうな。
そうならぬ為に、貴様は使命を遂行する義務がある。
・・・筋書きはあらかじめ用意されていたということだ。
貴様が使命を帯び、そして私と出会うということはな」
レダ「一度で、理解できたか?」
セレン「・・・せざるをえんだろ、そんなこと言われたら。
今ひとつ、守護者ってのがわからんが」
レダ「守護者の特性は一度にそう何人も発動するものではない。
資格があるのと、実際に守護者であるのかというのは全くの別物だ。
一度に複数の鍵が発生しないプロテクトも働いているようだ。
つまり、貴様にその資格があるということは、
すでに父親はこの世のものではないという可能性もあるということだ」
セレン「オヤジなんぞどーでもいいが、
守護者なんて話、今まで一度も聞いたことがねぇ」
レダ「貴様が知っているくらいなら、列強がほおっておくと思うか?
命の宝石の伝承の広まり方は様々だが、
それが人智を超えるモノであることくらい、
古の塔という建造物が今日までおそらく何千年と、
大した劣化もなく存在し続けていることが一つの証であろう?」
セレン「ああ、そのくれぇ凄いもんでねーと、
人の命がどうこう出来るレベルじゃねーだろうからな。
イオルも確か、その石ころ使ったら処分がどうのこうの言ってた」
レダ「味方はいない。
人を信用する前に、自分を磨け。
これは、人類史上最も恐るべき力を秘めるであろう秘宝への、
欲への挑戦だ。
数多の欲望が渦巻く渦中へ飛び込むのに、
人を信頼することなど愚かだ。
決断は自分で下せ」
セレン「オヤジみたいな説教だぜ、
そーいや、たまにわけわかんねーこと言ってやがったが。
んで、あんたの目的は何だ?」
レダ「失ったものを取り戻す。
・・・最愛の者を、奇跡の力で、な」
セレン「・・・そこらへんは、ツッ込んじゃいけねーとこなんだろうな。
OK、ならまあお互い様ってことで、手伝ってくれや。
正直、なにすりゃいいのみたいに投げ出された感があったんでな、
宜しくたのむわ」
レダ「ああ、助言も助力も惜しまない。
だが、街の中で貴様と会うことは出来ない。
この仮面も装束も、その為のものと思ってもらおう」
セレン「おたずね者ってことですかい、
まあ、ならこっちもあんまり関わりたくはねえな」
レダ「フフフッ・・・おたずね者か、」
* レダはプレイヤーのサポーターです。
攻略に必要なヒントなど、様々な形でセレンをサポートします。
このでの『』のコメントは、最後の方に回します。
1『』
* ゲーム進行時のイベントテキストは、適当なタイミングで挿入して下さい。
セレンと王様(主に進行報告や報酬金や、アイテムなどの受け取り)
セレンとイオル(基本的にイオルはセレンに協力的です。
また、イオルを頼るしかないという、セレンの事情(ネティアの病気の件など)もあります。
セレンとエリナ(セレンはエリナに好意をもっています。2『』)
セレンとレダ(お互いが利用する関係ですが、セレンはレダを信用していく方向に進
んでいきます)
セレンとネティア(セレンは常に頭のどこかでネティアを心配していて、時折、彼女
を見舞います)
イオルとエリナ(イオルが何かを隠しているということには、エリナは薄々気が付い
ています)
などが、主に挟まってくる会話の組み合わせです。
以前は塔のイベント(ボス戦等)クリアー毎にこれらのイベントを発動させていたと思
うのですが、記憶が曖昧ですいません。
・ セレンと王様の関係
この二人に複雑なやりとりはありませんので、定型的な「よくやった・・・報酬を与
えよう、」みたいなもので良いのではないかと思います。
* 大まかなシナリオの流れを以下に箇条書きのテキストにします、
これはなんとなくの発生順で書いてあります。このテキストにはレダやイオルからの、
ゲーム攻略へのヒントは含まれていません。
・ セレンとネティア
セレン「ようっ」
ネティア「おにいちゃん」
セレン「何だかずいぶん顔色よくなってきたじゃねーか、んー?」
ネティア「うん、イオルさんが来てくれるようになって、
何だかすごく調子がいいの。
イオルさん、・・・かっこいいし、それにやさしいよ」
セレン「おぼこ娘のお前にゃわからんかも知れんが、
真の漢のよさってモンはなぁ、
かっこいいとかそんなもんじゃねーんだぜぇ。
心意気ってもんが大事なんだよ。
兄妹船を、荒れ狂う波の狭間へと漕ぎ出した、
このオレ様のように、な!!」
セレン「それに年頃の娘に男がやさしくすんのは、
至極、当たり前のことだ」
ネティア「おにいちゃんは、やさしくないね」
セレン「まーな。
じゃ、仮にお前にやさしくでもしてみたとする。
てことは、オレはネティアに下心モリモリのシスコンってなことになんぞ。
せめて、血さえ繋がっていなきゃなぁ・・・。
しっかり、血統書付きで繋がってるからな。
まあ、変にやさしいヤツには、気を付けるんだな」
ネティア「そんなものなのかなぁ」
セレン「人生何事も経験ってことだな。うんうん」
ネティア「でも、・・・やさしくしてね」
セレン「・・・『やさしくしてね』って、言葉、他の野郎には使うなよ。
でないと、お前が違う意味の経験を積んでしまうことにもなりかねない。
そんなことになったら、
オレ、「がーーーーん!!」 だかんな」
ネティア「難しいね、ニホン語」
セレン「ああ、そうだよな。
オレは、別にイオルのヤツを嫌いではないのだが、
好きだというのも、違う意味で怖い気がする。
とにかく、言葉遣いには、注意が必要だ」
ネティア「はーい」
・セレンとエリナ
エリナ「こんにちは、セレンさん」
セレン「いやぁー、名前とか覚えてもらっちゃって光栄っす。
なんか、お姫様にしては、気取ったとこもなく、
フレンドリーで、実にグットです。
騎士になって良かったと、心からそう思います。
見習い修行中ではありますが」
エリナ「世間知らずな者ですから、
色々と教えてくださいね、」
セレン(ほんと知らねそーー。
まあその方が、都合がいいんでやすがネ、ぐしし・・・。
でも、どーせ色々教えるなら、最後までみっちり教えまっせー。
・・・て、そんなことばかり考えてるから、
いつも失敗するんだろうな。
このオレの容姿に、クールさが備わっていたら、
もっと素敵なライフを送っていたような気もするから)
エリナ「お仕事、やっぱり大変なんですよね」
セレン「ん、まぁ、そこそこ大変かな」
エリナ「私も働きたいなぁ」
セレン「・・・城の姫様が、街中でバイトなんぞやってたら、
それこそえらいことになるだろうなぁ。
いや、むしろそれはそれでオイシイか。
いやいや、いかん。街の男どものやらしい視線の前に、このエリナちゃんをさらすなんて、なんかムカツクぞ。
騎士の特権も、意味なくなるしな。
それに、男どもに余計な、絶対適わぬ夢を持たせまくることにもなるだろう」
エリナ「エリナちゃん?」
セレン「う、口にでてたか・・・」
エリナ「あ、いえ、その呼び方、私好きです。
みんな何処かよそよそしいんで、そう言われてもらうと、嬉しいかもです」
セレン「ただ、おやっさん(父王)にぶっ殺されそうで、
そんな馴れ馴れしいことは言えませんです、ハイ」
エリナ「大丈夫ですよ、そんなの守ってあげちゃいます」
セレン「・・・ますます誤解されそうです。
それに、守られちゃうのはちと情けないかな」
エリナ「でも、私、セレンさんみたいなお友達がいてくれたら、、
ほんと嬉しいと思います。
セレンさん、楽しいし」
セレン「お友達からスタートですか?
ちょっと照れちゃいますねー。
でも、そうやって意識してもらえるだけでもやっぱ、嬉しいですよ。
(友達→ 恋人 → うにゃうにゃ → トゥルーエンド。ってもんだろ)」
セレンに対するエリナの好感度1UP!!
セレン「・・・オレの心の中でな」
エリナ「???」
セレン「ああ、青春を謳歌しているオレ・・・。
これまで出会いがなく二十年近くも彼女いない歴を刻みつづけていた日々が、まるで嘘のようだ。
・・・やっぱ、定職って大事っすね。
それも、国家公務員の『騎士』ですからネ。
サー(騎士号)は、いい響きですなぁ。」
エリナ「うふふっ、なんか見てるだけで面白い」
セレン(面白いモノとして見られるというのは、
恋には発展しない系のルートだぞ。
抱きしめられるのは大好きだが、
そこらに転がるヌイグルミと同じ人生を送る気などない。
オモチャにしてくれるのなら大歓迎だが。
・・・そんな、おマセな知識は期待できないし、
したくもないが)
セレン「よく言われます。
面白いとか、いい人とか。
でも、いい男と呼ばれたことはないっすね。
『いい人』と『いい男』では、三途の川を挟むくらいの差があるのですよ、
・・・フッ」
エリナ「なるほどー、勉強になります。
つまり、いい男と言えばいいわけですねっ」
セレン「あ、それ誤解されちゃいますよ。
興味のないヤツには『ごめんなさい』というのも、
いわゆる人の優しさってもんっす。
中途半端な期待は、よくありませんので。
選択肢も、二択か、三択くらいでお願いしときます」
エリナ「へー、そうなんですね。
せんたくしは、三つくらいっと・・・。」
すると、エリナが手にしたティーカップから、
紅茶をセレンの膝にちょっぴり零した。
・・・セレンが、ワザと膝をもって行ったような気もした。
エリナ「あ! ごめんなさいっ」
セレン「・・・いえいえ。
(そういう小さなイベントも、コツコツ回収!!
何が、好感度アップのフラグに繋がるか、わからんですからのぅ)」
・ セレンとイオル
イオル「セレン君」
セレン「おお、これは恩人のイオルさん。
おかげで、レベルもジャンジャン上がるし、
人生もようやく開けてきた感じがします。
ところで、今日は何の用ですかの?」
イオル「ふふっ、面白い方ですね、セレン君は」
セレン「ジェントルなイオルさんに質問。
このオレも、こうしてるうちに、
いつの間にかジェントリなお城の雰囲気に、
馴染めるもんでしょうかの?
クールでダンディな、セレブになりたいのですが。」
イオル「ふふふっ、さあ、どうなんでしょうね。
それは人柄がにじみ出るような、
そんな風格を備え持った時ではないでしょうか」
セレン「生まれながらにしてハンサムボーイなあんたが言うと、説得力はないな。
やはり、人としての損得はある程度は生まれもっているというのが現実か。
ちと世知辛いが」
イオル「あなたもなかなか好青年ですよ、セレン君」
セレン「誉められてもちっとも嬉しくない。
てか、男と女どっち好き? 両方じゃないよな・・・」
イオル「私の性癖などどうでもいいことですよ、フフッ。
人は誰かしら好きになり、また好かれたいと思うものでしょう。
でも、出来れば好かれるほうを大事にしたいですね。
好きになるというは、個人の意識の問題ですが、
好きになってもらうのは、それと違って難しいですからね」
セレン「うっ・・・大人のご意見というやつか」
イオル「最近、姫君もご機嫌が大変よろしい。
やはり年の近い若者と接するという機会が、必要ということなのでしょうね。
いま、城下に暮らす者、いずれご自身が支配する者たちが、
ただのコマのようなものでなく、
各々の個性を持った『人』であるのだということを学んでいただければ、
この国の未来はそう捨てたものでもないでしょう」
セレン「あんたやっぱモテるわな・・・。
オレが女だったら、多分、ハズレのない当たりくじと思って、
あんたをキープするだろう」
イオル「フフッ、セレン君が思っているほど、私はモテてはいませんよ」
セレン「うむ、競争率高そうだからって、みんな手を出しかねとるんだろうな。
オレもそんな台詞の吐ける漢に、一刻も早くならねばのぅ」
イオル「妹さんの、ネティアさんの様子も、まずは良い感じだと思います。
・・・まあ、傍目だけではありますが。
取りあえず、気持ちだけでも元気であることに、悪いことはないでしょう。
そういうことでは、素直さがあって助かります、ネティアさんは」
セレン「ああ、ネティアの件は感謝してるよ。
あんたがいなけりゃ、やばいとこだった。
だからといって簡単に、おぼこ娘な妹をやる気にはならないがね」
イオル「大切な妹さんの為にも、
セレン君は頑張らなくてはいけないですね。
姫君のことは、私に任せておいてもらって問題ありません」
セレン「いや、そっちはオレに任せてくれ」
イオル「フフフッ。では、私は先に失礼します。
こう見えて、結構忙しいのですよ。
ただ、周りに振り回されてるだけでなければいいんですが、ね」
セレン「安心しろ、オレはいつでも振り回されている。
この満ち満ちた煩悩になぁ~」
イオル「好きなものを好きだといえる君が、私には羨ましいです。では」
セレン「おう、またのー!!」
・ セレンとレダ
セレン「毎度」
レダ「・・・ああ、」
セレン「しかしまあ、古の塔だの、封印だの、
なんでそんなめんどっちーことを、昔の人は大好きですかね。
個人的にサクサクと物事を進めたい派なのでありますが」
レダ「そう簡単に手に入るなら、
もうすでに誰かが手に入れてしまっているからだろう」
セレン「まあ、そう言われりゃ仕方ないですな」
レダ「厳重であるということは、
それなりの価値があるからだと、私は解釈するが。
確かに、こんな旧世界の遺物に頼らなくてはならないというところが、
お互い、すでに神頼みに近いことをやっているのかも知れないな」
セレン「先は長いってことですかい」
レダ「似たようなものだ。
だが、いくら道のりが長くても、命の保証がなされているわけではない。
それこそ命の宝石を取りに行って、命を落とすようでは本末転倒というものだ」
セレン「たしかにそりゃ、アホだよなぁ」
レダ「ただ、そんな言い伝えにあるような奇跡を、
人生において一度でも体験できるのであれば、それはそれで悪くはなかろう。
しかし、この国がその遺産を狙っているということは、
遠からず大国が介入してくるということにもなりかねない。
他の冒険者やトレジャーハンターのオモチャになっている内は、
命の宝石の一件など、大したことではないが」
レダ「・・・しかし、列強が動き始めたら、我等としてもやりにくくなるのは確か。
恐らくは、塔そのものの所有を巡る争いにまで発展するだろう。
国家のパワーバランスというのは、口であれこれ言えるほど単純ではないのだ。
人の命までどうこう出来るようなものが実在し得るのなら、
永遠の命を望む王がいてもおかしくはあるまい?」
セレン「オレなら五万の美女を望むな」
レダ「人の欲望は果てしない。
そして、苦労して手に入れたものへは無関心になる一方だ。
・・・私は、失ったものを取り戻す。
そして、貴様も今、失おうとしている幸福を守るために奇跡を求めている。
だが、悠長に事を進めていいほど、お互い御気楽な身分ではない。
くだらぬ者たちの欲望に付き合うほど、少なくとも私は、暇ではないからな」
セレン「だな」
レダ「だが安心して欲しいは、例え相手が神であろうとも、
他の何人たりとも、貴様の先は越せないということにある。
道を切り開くのは貴様だ、そして他の者にはそれを追うことしか許されない。
つまり最後の扉に至るまで、全てを開ける権利は今のところ貴様にしかないということだ。
それが、『守護者』の言葉の意味だ」
セレン「オレってもしかして、何気にスゴイ?」
レダ「血統だけが、な」
セレン「それを言うなって」
・ エリナとイオル
エリナ「イ・オ・ル」
イオル「何でしょうか、姫君?」
エリナ「お茶付き合って、」
イオル「ええ、非番の時にでも、是非お願いしますね」
エリナ「ぶーっ、
セレンさんならきっと付き合ってくれるのにぃ」
イオル「確かにセレン君なら付き合ってくれるでしょうね。
どうですか? 彼の印象は」
エリナ「へへ・・お友達になっちゃった」
イオル「それは素敵ですね」
エリナ「うん、私の知らないこといーっぱい知ってるの。
お話し、すごく面白いよ」
イオル「なかなかあのような話し方を姫君に対して出来るものなど、
城内にそうはいませんしね。
お引き合わせして、どうやら正解だったみたいですね」
エリナ「うんっ」
イオル「そうやって姫君が社交的になられるのは、
私としても大変嬉しく思います。
本来でしたら、もっと下々の者たちとお言葉を交わすような場所で、
晴れやかに育っていただけたなら、よろしいかったのですけれど」
エリナ「お父様が外に出してくれないもんね、私、病気がちだし」
イオル「でも、何より、
そのように明るくお育ちなのを大変嬉しく思っております」
エリナ「私って、もやしっ子?」
イオル「ふふふっ、そう来ましたか。
もやしはヘルシーで素敵な食材ですよ。
私にはむしろ、姫君はひまわりのように思えますね」
エリナ「ひまわりの種って、美味しいよね」
イオル「はい。
でもどちらかというと、見て楽しむ方が好きですね」
エリナ「見て、食べて、二度美味しいよね」
イオル「ですね」
エリナ「イオル、ありがとう。
私みたいなお馬鹿さんの話しに、いつもニコニコしてくれて。
お話し相手がいないから、つい、いつもいっぱいお喋りしちゃうの」
イオル「これからたくさん、そのお話し相手も増えますよ。
例えばセレン君が現れたように。
姫君が状態が安定して、ご丈夫になられましたら、
いくらでもお友達をふやせますしね」
エリナ「うん、私、がんばるっ」
イオル「姫君に負けないように、私も頑張りたいと思います」
レダは、黒いフルプレートの鎧の男で、口以外が仮面で覆われています。
謎の男「待て」
セレン「あ、オレ?」
謎の男「そうだ」
セレン「あんた、誰?」
レダ「私の名はレダ」
セレン「私の名はセレン」
セレン「・・・。ちと真似しただけだ」
レダ「・・・」
レダ「さてどうしたものか、
こんな奴に手に入れることが出来るというのか」
セレン「なにをブツブツと・・・」
レダ「ふん、貴様には関係ないといいたいところだが、
そういうわけにもいかぬ事情があってな」
セレン「わけのわからん事情を勝手に押し付けるな。
オレは、これから色々と事情聴取みたいな真似を、
町人A,B,C辺りにせねばならん身の上なのだ。
よって失礼しますわ、またのい」
レダ「フフッ、途方に暮れる姿が目に浮かぶな。
それでは、妹も救われまい」
セレン「!? 何故、妹のことを知っている!!
とか、問い返したくもあるが、
まあ、ウチの妹はカワイイやつなので、ストーカーの1,2ダースは覚悟している。
ここらの男なら知ってて当然だな。
てなことで、またな」
レダ「フフフッ、知っているとも。
そして、その病を治す奇跡が、
ライフ オブ ジュエルとも呼ばれる、
命の宝石であることもな」
セレン「・・・あんた、探索隊の騎士さんか何か?」
レダ「まあ、都合のよい方に解釈してもらって構わない。
私としては、守護者の協力さえ得られればそれでいい」
セレン「しゅごしゃ?」
レダ「それは時期にわかること。
貴様の欲しいモノを手に入れる手助けをしてやるというわけだ」
セレン「胡散臭いなぁ」
レダ「信用してもらおうだなどとは、思っていない。
ただ、私と貴様の間に共通の利益がある以上、協力もするし、また、してもらう
」
セレン「共通ねぇ・・・オレはエリナちゃんとはっぴー!!
そしてあんたはネティアと、はっぴーてか?
嫁入り前のおぼこな妹を簡単に男に渡す気前のいいお兄ちゃんは、
そうはいませんぜ。
まあ、欲しけりゃこのオレをぶっ倒して手に入れるんだな」
レダ「古の塔に施されし封印の法は、
守護者でなければ解くことかなわぬ。
貴様がこの国の王やイオル等から見出されたのは、その血、故だ」
セレン「言ってる言葉の意味が今ひとつ見えんのだが、
少し噛み砕いて話してもらっていいか?」
レダ「ああ、なるだけ一度で理解してもらいたいものだ」
セレン「まあ、言ってみ」
レダ「・・・代々、貴様の家系は、
この古の塔を守る定めをその血に受け継いでいる。
現在、守護者の資格を持つ人間は三人。
貴様とその父と、妹だ。
そして、守護者の能力を発現してその役目を担うのは常に『一人』と定められている。
この遺伝子は純粋な血統を保つ操作がなされている為、
従兄弟や叔父叔母といったものはその対象ではない。
もっともそんな親戚の類もいないことはすでに知っているが」
セレン「興信所なみの調査だな」
レダ「事が事だけに、私なりに調べさせてもらった。
だが、大事なことに気が付いたか?
その父は行方不明。
で、現在、貴様が守護者の能力を発現している。そして、貴様が失敗
すれば、次はこの役が妹に回る」
セレン「!?」
レダ「病気だということは理由にならない。
最悪、一年も生きれば子は産める。遺伝子の鍵は簡単に複製できるということだ。
時間はかかるがな」
セレン「そんな、無茶苦茶な!?」
レダ「私の言いたいことはそういうことだ。
貴様が使命に失敗すれば、妹は悲劇を迎える。
少なくとも守護者の血統を絶やさぬ為の措置は、
この私であれ、取らざるを得ないであろうな。
そうならぬ為に、貴様は使命を遂行する義務がある。
・・・筋書きはあらかじめ用意されていたということだ。
貴様が使命を帯び、そして私と出会うということはな」
レダ「一度で、理解できたか?」
セレン「・・・せざるをえんだろ、そんなこと言われたら。
今ひとつ、守護者ってのがわからんが」
レダ「守護者の特性は一度にそう何人も発動するものではない。
資格があるのと、実際に守護者であるのかというのは全くの別物だ。
一度に複数の鍵が発生しないプロテクトも働いているようだ。
つまり、貴様にその資格があるということは、
すでに父親はこの世のものではないという可能性もあるということだ」
セレン「オヤジなんぞどーでもいいが、
守護者なんて話、今まで一度も聞いたことがねぇ」
レダ「貴様が知っているくらいなら、列強がほおっておくと思うか?
命の宝石の伝承の広まり方は様々だが、
それが人智を超えるモノであることくらい、
古の塔という建造物が今日までおそらく何千年と、
大した劣化もなく存在し続けていることが一つの証であろう?」
セレン「ああ、そのくれぇ凄いもんでねーと、
人の命がどうこう出来るレベルじゃねーだろうからな。
イオルも確か、その石ころ使ったら処分がどうのこうの言ってた」
レダ「味方はいない。
人を信用する前に、自分を磨け。
これは、人類史上最も恐るべき力を秘めるであろう秘宝への、
欲への挑戦だ。
数多の欲望が渦巻く渦中へ飛び込むのに、
人を信頼することなど愚かだ。
決断は自分で下せ」
セレン「オヤジみたいな説教だぜ、
そーいや、たまにわけわかんねーこと言ってやがったが。
んで、あんたの目的は何だ?」
レダ「失ったものを取り戻す。
・・・最愛の者を、奇跡の力で、な」
セレン「・・・そこらへんは、ツッ込んじゃいけねーとこなんだろうな。
OK、ならまあお互い様ってことで、手伝ってくれや。
正直、なにすりゃいいのみたいに投げ出された感があったんでな、
宜しくたのむわ」
レダ「ああ、助言も助力も惜しまない。
だが、街の中で貴様と会うことは出来ない。
この仮面も装束も、その為のものと思ってもらおう」
セレン「おたずね者ってことですかい、
まあ、ならこっちもあんまり関わりたくはねえな」
レダ「フフフッ・・・おたずね者か、」
* レダはプレイヤーのサポーターです。
攻略に必要なヒントなど、様々な形でセレンをサポートします。
このでの『』のコメントは、最後の方に回します。
1『』
* ゲーム進行時のイベントテキストは、適当なタイミングで挿入して下さい。
セレンと王様(主に進行報告や報酬金や、アイテムなどの受け取り)
セレンとイオル(基本的にイオルはセレンに協力的です。
また、イオルを頼るしかないという、セレンの事情(ネティアの病気の件など)もあります。
セレンとエリナ(セレンはエリナに好意をもっています。2『』)
セレンとレダ(お互いが利用する関係ですが、セレンはレダを信用していく方向に進
んでいきます)
セレンとネティア(セレンは常に頭のどこかでネティアを心配していて、時折、彼女
を見舞います)
イオルとエリナ(イオルが何かを隠しているということには、エリナは薄々気が付い
ています)
などが、主に挟まってくる会話の組み合わせです。
以前は塔のイベント(ボス戦等)クリアー毎にこれらのイベントを発動させていたと思
うのですが、記憶が曖昧ですいません。
・ セレンと王様の関係
この二人に複雑なやりとりはありませんので、定型的な「よくやった・・・報酬を与
えよう、」みたいなもので良いのではないかと思います。
* 大まかなシナリオの流れを以下に箇条書きのテキストにします、
これはなんとなくの発生順で書いてあります。このテキストにはレダやイオルからの、
ゲーム攻略へのヒントは含まれていません。
・ セレンとネティア
セレン「ようっ」
ネティア「おにいちゃん」
セレン「何だかずいぶん顔色よくなってきたじゃねーか、んー?」
ネティア「うん、イオルさんが来てくれるようになって、
何だかすごく調子がいいの。
イオルさん、・・・かっこいいし、それにやさしいよ」
セレン「おぼこ娘のお前にゃわからんかも知れんが、
真の漢のよさってモンはなぁ、
かっこいいとかそんなもんじゃねーんだぜぇ。
心意気ってもんが大事なんだよ。
兄妹船を、荒れ狂う波の狭間へと漕ぎ出した、
このオレ様のように、な!!」
セレン「それに年頃の娘に男がやさしくすんのは、
至極、当たり前のことだ」
ネティア「おにいちゃんは、やさしくないね」
セレン「まーな。
じゃ、仮にお前にやさしくでもしてみたとする。
てことは、オレはネティアに下心モリモリのシスコンってなことになんぞ。
せめて、血さえ繋がっていなきゃなぁ・・・。
しっかり、血統書付きで繋がってるからな。
まあ、変にやさしいヤツには、気を付けるんだな」
ネティア「そんなものなのかなぁ」
セレン「人生何事も経験ってことだな。うんうん」
ネティア「でも、・・・やさしくしてね」
セレン「・・・『やさしくしてね』って、言葉、他の野郎には使うなよ。
でないと、お前が違う意味の経験を積んでしまうことにもなりかねない。
そんなことになったら、
オレ、「がーーーーん!!」 だかんな」
ネティア「難しいね、ニホン語」
セレン「ああ、そうだよな。
オレは、別にイオルのヤツを嫌いではないのだが、
好きだというのも、違う意味で怖い気がする。
とにかく、言葉遣いには、注意が必要だ」
ネティア「はーい」
・セレンとエリナ
エリナ「こんにちは、セレンさん」
セレン「いやぁー、名前とか覚えてもらっちゃって光栄っす。
なんか、お姫様にしては、気取ったとこもなく、
フレンドリーで、実にグットです。
騎士になって良かったと、心からそう思います。
見習い修行中ではありますが」
エリナ「世間知らずな者ですから、
色々と教えてくださいね、」
セレン(ほんと知らねそーー。
まあその方が、都合がいいんでやすがネ、ぐしし・・・。
でも、どーせ色々教えるなら、最後までみっちり教えまっせー。
・・・て、そんなことばかり考えてるから、
いつも失敗するんだろうな。
このオレの容姿に、クールさが備わっていたら、
もっと素敵なライフを送っていたような気もするから)
エリナ「お仕事、やっぱり大変なんですよね」
セレン「ん、まぁ、そこそこ大変かな」
エリナ「私も働きたいなぁ」
セレン「・・・城の姫様が、街中でバイトなんぞやってたら、
それこそえらいことになるだろうなぁ。
いや、むしろそれはそれでオイシイか。
いやいや、いかん。街の男どものやらしい視線の前に、このエリナちゃんをさらすなんて、なんかムカツクぞ。
騎士の特権も、意味なくなるしな。
それに、男どもに余計な、絶対適わぬ夢を持たせまくることにもなるだろう」
エリナ「エリナちゃん?」
セレン「う、口にでてたか・・・」
エリナ「あ、いえ、その呼び方、私好きです。
みんな何処かよそよそしいんで、そう言われてもらうと、嬉しいかもです」
セレン「ただ、おやっさん(父王)にぶっ殺されそうで、
そんな馴れ馴れしいことは言えませんです、ハイ」
エリナ「大丈夫ですよ、そんなの守ってあげちゃいます」
セレン「・・・ますます誤解されそうです。
それに、守られちゃうのはちと情けないかな」
エリナ「でも、私、セレンさんみたいなお友達がいてくれたら、、
ほんと嬉しいと思います。
セレンさん、楽しいし」
セレン「お友達からスタートですか?
ちょっと照れちゃいますねー。
でも、そうやって意識してもらえるだけでもやっぱ、嬉しいですよ。
(友達→ 恋人 → うにゃうにゃ → トゥルーエンド。ってもんだろ)」
セレンに対するエリナの好感度1UP!!
セレン「・・・オレの心の中でな」
エリナ「???」
セレン「ああ、青春を謳歌しているオレ・・・。
これまで出会いがなく二十年近くも彼女いない歴を刻みつづけていた日々が、まるで嘘のようだ。
・・・やっぱ、定職って大事っすね。
それも、国家公務員の『騎士』ですからネ。
サー(騎士号)は、いい響きですなぁ。」
エリナ「うふふっ、なんか見てるだけで面白い」
セレン(面白いモノとして見られるというのは、
恋には発展しない系のルートだぞ。
抱きしめられるのは大好きだが、
そこらに転がるヌイグルミと同じ人生を送る気などない。
オモチャにしてくれるのなら大歓迎だが。
・・・そんな、おマセな知識は期待できないし、
したくもないが)
セレン「よく言われます。
面白いとか、いい人とか。
でも、いい男と呼ばれたことはないっすね。
『いい人』と『いい男』では、三途の川を挟むくらいの差があるのですよ、
・・・フッ」
エリナ「なるほどー、勉強になります。
つまり、いい男と言えばいいわけですねっ」
セレン「あ、それ誤解されちゃいますよ。
興味のないヤツには『ごめんなさい』というのも、
いわゆる人の優しさってもんっす。
中途半端な期待は、よくありませんので。
選択肢も、二択か、三択くらいでお願いしときます」
エリナ「へー、そうなんですね。
せんたくしは、三つくらいっと・・・。」
すると、エリナが手にしたティーカップから、
紅茶をセレンの膝にちょっぴり零した。
・・・セレンが、ワザと膝をもって行ったような気もした。
エリナ「あ! ごめんなさいっ」
セレン「・・・いえいえ。
(そういう小さなイベントも、コツコツ回収!!
何が、好感度アップのフラグに繋がるか、わからんですからのぅ)」
・ セレンとイオル
イオル「セレン君」
セレン「おお、これは恩人のイオルさん。
おかげで、レベルもジャンジャン上がるし、
人生もようやく開けてきた感じがします。
ところで、今日は何の用ですかの?」
イオル「ふふっ、面白い方ですね、セレン君は」
セレン「ジェントルなイオルさんに質問。
このオレも、こうしてるうちに、
いつの間にかジェントリなお城の雰囲気に、
馴染めるもんでしょうかの?
クールでダンディな、セレブになりたいのですが。」
イオル「ふふふっ、さあ、どうなんでしょうね。
それは人柄がにじみ出るような、
そんな風格を備え持った時ではないでしょうか」
セレン「生まれながらにしてハンサムボーイなあんたが言うと、説得力はないな。
やはり、人としての損得はある程度は生まれもっているというのが現実か。
ちと世知辛いが」
イオル「あなたもなかなか好青年ですよ、セレン君」
セレン「誉められてもちっとも嬉しくない。
てか、男と女どっち好き? 両方じゃないよな・・・」
イオル「私の性癖などどうでもいいことですよ、フフッ。
人は誰かしら好きになり、また好かれたいと思うものでしょう。
でも、出来れば好かれるほうを大事にしたいですね。
好きになるというは、個人の意識の問題ですが、
好きになってもらうのは、それと違って難しいですからね」
セレン「うっ・・・大人のご意見というやつか」
イオル「最近、姫君もご機嫌が大変よろしい。
やはり年の近い若者と接するという機会が、必要ということなのでしょうね。
いま、城下に暮らす者、いずれご自身が支配する者たちが、
ただのコマのようなものでなく、
各々の個性を持った『人』であるのだということを学んでいただければ、
この国の未来はそう捨てたものでもないでしょう」
セレン「あんたやっぱモテるわな・・・。
オレが女だったら、多分、ハズレのない当たりくじと思って、
あんたをキープするだろう」
イオル「フフッ、セレン君が思っているほど、私はモテてはいませんよ」
セレン「うむ、競争率高そうだからって、みんな手を出しかねとるんだろうな。
オレもそんな台詞の吐ける漢に、一刻も早くならねばのぅ」
イオル「妹さんの、ネティアさんの様子も、まずは良い感じだと思います。
・・・まあ、傍目だけではありますが。
取りあえず、気持ちだけでも元気であることに、悪いことはないでしょう。
そういうことでは、素直さがあって助かります、ネティアさんは」
セレン「ああ、ネティアの件は感謝してるよ。
あんたがいなけりゃ、やばいとこだった。
だからといって簡単に、おぼこ娘な妹をやる気にはならないがね」
イオル「大切な妹さんの為にも、
セレン君は頑張らなくてはいけないですね。
姫君のことは、私に任せておいてもらって問題ありません」
セレン「いや、そっちはオレに任せてくれ」
イオル「フフフッ。では、私は先に失礼します。
こう見えて、結構忙しいのですよ。
ただ、周りに振り回されてるだけでなければいいんですが、ね」
セレン「安心しろ、オレはいつでも振り回されている。
この満ち満ちた煩悩になぁ~」
イオル「好きなものを好きだといえる君が、私には羨ましいです。では」
セレン「おう、またのー!!」
・ セレンとレダ
セレン「毎度」
レダ「・・・ああ、」
セレン「しかしまあ、古の塔だの、封印だの、
なんでそんなめんどっちーことを、昔の人は大好きですかね。
個人的にサクサクと物事を進めたい派なのでありますが」
レダ「そう簡単に手に入るなら、
もうすでに誰かが手に入れてしまっているからだろう」
セレン「まあ、そう言われりゃ仕方ないですな」
レダ「厳重であるということは、
それなりの価値があるからだと、私は解釈するが。
確かに、こんな旧世界の遺物に頼らなくてはならないというところが、
お互い、すでに神頼みに近いことをやっているのかも知れないな」
セレン「先は長いってことですかい」
レダ「似たようなものだ。
だが、いくら道のりが長くても、命の保証がなされているわけではない。
それこそ命の宝石を取りに行って、命を落とすようでは本末転倒というものだ」
セレン「たしかにそりゃ、アホだよなぁ」
レダ「ただ、そんな言い伝えにあるような奇跡を、
人生において一度でも体験できるのであれば、それはそれで悪くはなかろう。
しかし、この国がその遺産を狙っているということは、
遠からず大国が介入してくるということにもなりかねない。
他の冒険者やトレジャーハンターのオモチャになっている内は、
命の宝石の一件など、大したことではないが」
レダ「・・・しかし、列強が動き始めたら、我等としてもやりにくくなるのは確か。
恐らくは、塔そのものの所有を巡る争いにまで発展するだろう。
国家のパワーバランスというのは、口であれこれ言えるほど単純ではないのだ。
人の命までどうこう出来るようなものが実在し得るのなら、
永遠の命を望む王がいてもおかしくはあるまい?」
セレン「オレなら五万の美女を望むな」
レダ「人の欲望は果てしない。
そして、苦労して手に入れたものへは無関心になる一方だ。
・・・私は、失ったものを取り戻す。
そして、貴様も今、失おうとしている幸福を守るために奇跡を求めている。
だが、悠長に事を進めていいほど、お互い御気楽な身分ではない。
くだらぬ者たちの欲望に付き合うほど、少なくとも私は、暇ではないからな」
セレン「だな」
レダ「だが安心して欲しいは、例え相手が神であろうとも、
他の何人たりとも、貴様の先は越せないということにある。
道を切り開くのは貴様だ、そして他の者にはそれを追うことしか許されない。
つまり最後の扉に至るまで、全てを開ける権利は今のところ貴様にしかないということだ。
それが、『守護者』の言葉の意味だ」
セレン「オレってもしかして、何気にスゴイ?」
レダ「血統だけが、な」
セレン「それを言うなって」
・ エリナとイオル
エリナ「イ・オ・ル」
イオル「何でしょうか、姫君?」
エリナ「お茶付き合って、」
イオル「ええ、非番の時にでも、是非お願いしますね」
エリナ「ぶーっ、
セレンさんならきっと付き合ってくれるのにぃ」
イオル「確かにセレン君なら付き合ってくれるでしょうね。
どうですか? 彼の印象は」
エリナ「へへ・・お友達になっちゃった」
イオル「それは素敵ですね」
エリナ「うん、私の知らないこといーっぱい知ってるの。
お話し、すごく面白いよ」
イオル「なかなかあのような話し方を姫君に対して出来るものなど、
城内にそうはいませんしね。
お引き合わせして、どうやら正解だったみたいですね」
エリナ「うんっ」
イオル「そうやって姫君が社交的になられるのは、
私としても大変嬉しく思います。
本来でしたら、もっと下々の者たちとお言葉を交わすような場所で、
晴れやかに育っていただけたなら、よろしいかったのですけれど」
エリナ「お父様が外に出してくれないもんね、私、病気がちだし」
イオル「でも、何より、
そのように明るくお育ちなのを大変嬉しく思っております」
エリナ「私って、もやしっ子?」
イオル「ふふふっ、そう来ましたか。
もやしはヘルシーで素敵な食材ですよ。
私にはむしろ、姫君はひまわりのように思えますね」
エリナ「ひまわりの種って、美味しいよね」
イオル「はい。
でもどちらかというと、見て楽しむ方が好きですね」
エリナ「見て、食べて、二度美味しいよね」
イオル「ですね」
エリナ「イオル、ありがとう。
私みたいなお馬鹿さんの話しに、いつもニコニコしてくれて。
お話し相手がいないから、つい、いつもいっぱいお喋りしちゃうの」
イオル「これからたくさん、そのお話し相手も増えますよ。
例えばセレン君が現れたように。
姫君が状態が安定して、ご丈夫になられましたら、
いくらでもお友達をふやせますしね」
エリナ「うん、私、がんばるっ」
イオル「姫君に負けないように、私も頑張りたいと思います」