外伝 II
『勇者誕生。』
- あらすじ -
こたつでのんびりしていた、エリスさん。
ですが突然、
わけのわからない過去の別世界に、
飛ばされちゃったのです。
早く、帰ってこれるといいですね♪
エリスさん「まったくだよッ!
てか、このタイトルはなに!?
勇者誕生しちゃうのかYOー!!!
やばいよ~、
ためぞうの将来が、
大変なことになっちゃうよーーーッ!!」
まあまあ、エリスさん落ち着いて。
エリスさん「おい、
私をワナに落としたあげく、
ちんたら影で語ってる、
そこのナレーターっぽいヤツ。
なんでそんなに落ち着いてんだよっ、
下手すりゃ、てめぇも危機一髪だろーがっ!!
・・・いや、まずは、落ち着け私。
ためぞうの未来を守る策を思い付け。
ああ、そうだ。
今こそ、とんちの出番だろ。」
知力には自信のないエリスさんですが、
割と、とんちは効く方です。
すぐに我に返ったエリスさんは、
冷静に、状況を分析しているようです。
その清純そうな天使な乙女姿は、
凛として、知的にも見えるのですが。
奇跡の美少女を演じるのも大変なのですねっ。
エリスさん「知力低くて、悪かったねっ。
誰かさんのおかげで、あらゆる経験値が、
ほとんど失われちゃいるが、
まあ、この気合だけは、奪われちゃいないよっ。」
ギーガという、
突然の闇の脅威の顕現を前に、
都市国家連合の貴族たちは、
果敢に戦う味方を置き去りにして、
その場からの逃走を図ります。
場に取り残された両軍の兵士たちは、
一時的に混乱しますが、
人同士で争っている状況ではないと、
次第に、互いの手を止めます。
エリスさん「なっ!?
ギーガから逃げ出すなんて、正気なのか!
何たる、無知だ。」
エリスさんがそう言い放った刹那、
すでに、逃げた貴族たちは、
立ちはだかるように、沸きあがった漆黒の闇に飲まれ、
悲鳴や絶叫と共に、姿を消していったのです。
どうやらギーガと呼ばれる妖異は、
その暗黒に生命力を呑み込んだだけ、
成長していくかの様です。
姿を10メートルほどの黒の球体にまで膨らませた時点で、
それを人のカタチへと変化させました。
エリスさん「戦士化したか・・・。
ギーガの本能は、殲滅だ。
逃げるヤツから、真っ先に狙われ、
全てを闇へと塗り替えるまで続く。
自らの力が限界に達し、その身が朽ち果てるまで。」
闇を纏う異形の戦士。
その剣や鎧からは、液体のような妖気が黒く滴り、
周囲の空間に、ノイズのような黒き戦慄を撒き散らします。
愚かな侵略の先導者たちに、
取り残されたとはいえ、
一時停戦を交わした、両軍のその兵の数は、
4万にも上る大軍です。
兵士たちは、各々の部隊長の指揮の下、円陣を組むと、
素早く防御態勢を整えます。
錬度の高い指揮官に指揮されているようで、
そこに、城塞都市側の将軍が加わっています。
相手の数は、僅か『1』ですが、
敵はドラゴンの群れより、
遥かに脅威の存在であるという事実を、
過去の苦い経験から、
すでに思い知らされているのか、
兵士たちの周囲には、緊張が張り詰めています。
エリスさん「すでにギーガ戦を経験済みの、
骨のある隊長でもいたか。
どうやら、そこはラッキーなようだね。
フゥ・・・、
これなら勝算が、ゼロというわけではないか。」
先ほどの、銀髪の少年剣士には、
ただならぬ潜在能力を感じたエリスさんです。
同じ力を持つ者として、
彼に眠る『戦士』の力を、
エリスさんは直感で感じていたのです。
戦士・・・、それは、
巨大な力を操る事の出来る、
とても稀有な存在。
煌くライトフォースという、
まるで魔法としか形容しきれない奇跡の力を、
そのつるぎに纏わせ、
ギーガという闇の妖異の因果を、
断ち切ることの出来る唯一の存在。
錬度の高い兵士たちの防御陣は、
ギーガがいかに強大だとはいえ、
たやすく駆逐できるものではないハズ。
その時間稼ぎこそが、
銀髪の少年剣士には、貴重なものとなるのです。
エリスさんは、彼のその眠れる力を、
半ば強引に引き出す事が可能です。
なぜなら彼女の正体は、
戦いの女神、『ジラ』であるのですから。
謎の声「ねぇ、エリスさん。
その純白のウェディングドレス姿で、
『戦天使』っぽい事は、やらないんですか~?
今のルックスがあれば、
きっと立派に、素敵なワルキューレを演じる事が、
出来ると思いますよーっ。」
エリスさんの後を追って、
こちらの世界にやって来た様子の、
その声の主は、
そのエリスさんに、結構な無茶振りをして来ました。
エリスさん「・・・ああ、それをやったら、
きっと、貸衣装はボロボロになって、
毎日キラキラに磨いている、
愛するバイクを、失っちまうだろうね。
でも、それしか、手段がないというのなら、
あえて覚悟を決めてやるさっ!!」
謎の声「エラいっ!
見上げた心がけです。
そんなエリスさんの愛する宝物を失わずにすむ、
チャンス到来と行きましょう!!
選択肢とか、出してみちゃっていいですかー?」
エリスさん「え、そんなん出来んの!?」
謎の声「おぉ・・・、
ノリで言ってみただけですが、乗り気ですか?
では、聞くだけ聞いてみませんか。
行きますよーっ!」
◇ エリスさんに、選択肢でぇーす!! パート2~♪
→ ・ 謎の声の主に登場してもらい、
ギーガを一瞬のもとに消し去ってもらう。
(あ、・・・パワーちょっぴり使っちゃうんで、
エリスさんだけ、元の世界に戻れませんネ。てへっ。)
・ この場は、可憐なる少年剣士と、
兵士たちに託して、
こっそり、元の世界に戻ります。
(びみょ~な、モヤモヤが残っちゃいますが、
安全第一なら、是非こちらのプランで。)
・ 戦乙女の装束を、お渡しますので、
パパッと、着替えちゃって下さいね。
貸衣装は、こちらで万全に保管させていただきます。
たまには存分に、はっちゃけちゃってみてはっ!
(露出が、若干高めな感じですが、
兵たちの士気が上がること請け合いです。
ビキニ程度の面積の鎧と、
ヒラヒラの飾り付きの、
女性戦士向けのセットになります。
色指定は、純白でお願いします。)
エリスさん「強制で、三番目しか選べねーよッ!!」
端から見たらその叫びも、
変な独り言にしか聞こえない恥ずかしさか、
素直に着替えるエリスさんです。
魔法少女の変身シーンとまでは行きませんが、
何故か、洋服売り場の試着室のように、
着替えは見えない仕組みです。
謎の声「気を使ってみました。」
エリスさん「あー、もぅ!
なんか普通にベラベラ話出したな、謎のヤツ。
ややこしいから出て来いとはいわんが、
って、これってちょっとまてよ、オイッ!」
用意された鏡に映るその姿に、
エリスさんは、赤面です。
ピッタリと肌に吸い付くような、
薄いスケスケの白い生地の肌着に、
大事なところだけしか隠していない、
ビキニ的な軽装の白銀の鎧。
ヒラヒラの飾りの絹布を使いこなせなければ、
それはもう、
真夏のアバンチュールくらい恥ずかしい格好です。
謎の声「中三の頃のエリスさんは、
微乳でよかったですねっ。
OL時代のあの暴れチチだと、
ポロリもありですから。」
エリスさん「うっせーよっ!
牛乳パワーで、頑張ったんだよ!!」
謎の声「でも、それだけ可憐で端正な容姿なら、
そのサイズでも、バッチリ需要はありますって。
ウフフフフッ・・・。」
エリスさん「その喋り方・・・、もしかして、
結構万能なマジックアイテムを持つ、
ウィルハルト王子のおねーさん。
完全無欠のマンション管理人、
ローゼさんなのか?」
謎の声「惜しいっ!
あー、でもちゃっちゃと、
戦天使の演技やらないと、
周りが全滅しちゃいますよ。」
エリスさん「!?
確かに、話は後回しだ。
一人でも多くを救わねばっ!」
エリスさんは、力の限りを振り絞って、
勇敢に立ち上がります。
手にする長槍は、杖代わりといった感じで、
まだ、身体のダメージはほとんど回復しきってはいません。
ですが、その凛として美しい、
戦乙女の姿は、
周囲の視線を引き付けます。
天から使わされた、戦いの天使は、
追い込まれた兵士たちには、
雲間から差し込む、一筋の光のように、
勇気と希望を与えます。
兵士「伝説の、戦乙女。
なんと、気高く美しい・・・。
勝てる、我らはこの戦いに勝てるぞッ!!」
防戦に転じていた兵士たちは、
その目に鋭気を宿し、
天使を守る為なら、
その身を賭しても構わないという覚悟を抱きます。
次の瞬間、
一体のギーガの開けた異界との歪みから、
大量の妖異が、噴出すようにその数を増やします。
良質な獲物を見付けでもしたかのように。
百人隊長「怯むな!
ギーガ以外の妖異など、我らでも十分に、
押し戻せるッ。
ルクミランの軍と共闘し、都市の住民を守るのだ!
・・・我らが受けた雪辱を、
貴族どもに味合わされたあの苦痛を、
その剣込めて、突き進むのだッ!!」
都市国家連合の兵の多くは、
貴族に敗北し、
従属させられた、数多の都市の住人たちです。
脅威であるギーガが、
争いを煽る貴族どもを消し去った今、
一つの都市の陥落を目の当たりにするのは、
耐え難い光景です。
それまで刃を交えあっていた両軍の千人隊長たちも、
想いを一つに、迫りくる妖異との戦いに望みます。
エリスさん「・・・これが、
あのセバリオスさえも、求めてやまなかった、
戦天使の力、なのか。」
説明は出来ませんが、
その能力を持たないエリスさんに、
戦天使としての能力が発動しています。
それは、大いなる加護の力。
戦場にいる全ての兵士たちを、
柔らかに包むその光輝は、
剣の一撃など寄せ付けもしない、見えない鎧となり、
鋼よりも強固に、その身を守護し続け、
さらに、兵たちの手にする武器に、
光は、強い力を与えます。
それは、銀髪の少年剣士に、
特に顕著に見られました。
彼は、たった一人で、
強大な闇であるギーガの戦士と対峙しているのです。
城塞都市の将軍「我らが戦乙女が、
『勇者』を遣わされたぞ!
怯まず進めーッ、
妖異どもから我らの大地を守り抜くのだ!!」
ギーガの脅威はすぐに隣国まで及びます。
ここで食い止めなければ、
城塞都市の住民はおろか、
故郷で待つ愛する人々にまで、
留まる事なく、容赦なく襲い来るのだから。
エリスさんは、象徴としての役割を果たしながらも、
静かに沈黙しています。
エリスさん(・・・やばいよー、
勇者、誕生させちまったYO--!!!
お、落ち着け私、
・・・む、無理w、落ち着いてられるか。
ためぞうの希望のフラグを、
私はポッキリやっちまったのかい!?)
謎の声「エリスさん、
可憐な乙女という事で、
姐さん言葉は禁止でーす。
口に出さなくてもでーす。」
エリスさんは、姐さん言葉を封印された。
エリスさん(貴女、一体、どれ程の力をお持ちなのですかッ!
・・・何故か、変な口調になってしまっています。
違和感が、ありますー!!)
エリスさん、頑張って下さいネッ。
こうして、強大なる闇に対して、
人々の反攻が始まった。
エリスさん「操られてるだけですってっ!!」
そのIIIに続きます。
『勇者誕生。』
- あらすじ -
こたつでのんびりしていた、エリスさん。
ですが突然、
わけのわからない過去の別世界に、
飛ばされちゃったのです。
早く、帰ってこれるといいですね♪
エリスさん「まったくだよッ!
てか、このタイトルはなに!?
勇者誕生しちゃうのかYOー!!!
やばいよ~、
ためぞうの将来が、
大変なことになっちゃうよーーーッ!!」
まあまあ、エリスさん落ち着いて。
エリスさん「おい、
私をワナに落としたあげく、
ちんたら影で語ってる、
そこのナレーターっぽいヤツ。
なんでそんなに落ち着いてんだよっ、
下手すりゃ、てめぇも危機一髪だろーがっ!!
・・・いや、まずは、落ち着け私。
ためぞうの未来を守る策を思い付け。
ああ、そうだ。
今こそ、とんちの出番だろ。」
知力には自信のないエリスさんですが、
割と、とんちは効く方です。
すぐに我に返ったエリスさんは、
冷静に、状況を分析しているようです。
その清純そうな天使な乙女姿は、
凛として、知的にも見えるのですが。
奇跡の美少女を演じるのも大変なのですねっ。
エリスさん「知力低くて、悪かったねっ。
誰かさんのおかげで、あらゆる経験値が、
ほとんど失われちゃいるが、
まあ、この気合だけは、奪われちゃいないよっ。」
ギーガという、
突然の闇の脅威の顕現を前に、
都市国家連合の貴族たちは、
果敢に戦う味方を置き去りにして、
その場からの逃走を図ります。
場に取り残された両軍の兵士たちは、
一時的に混乱しますが、
人同士で争っている状況ではないと、
次第に、互いの手を止めます。
エリスさん「なっ!?
ギーガから逃げ出すなんて、正気なのか!
何たる、無知だ。」
エリスさんがそう言い放った刹那、
すでに、逃げた貴族たちは、
立ちはだかるように、沸きあがった漆黒の闇に飲まれ、
悲鳴や絶叫と共に、姿を消していったのです。
どうやらギーガと呼ばれる妖異は、
その暗黒に生命力を呑み込んだだけ、
成長していくかの様です。
姿を10メートルほどの黒の球体にまで膨らませた時点で、
それを人のカタチへと変化させました。
エリスさん「戦士化したか・・・。
ギーガの本能は、殲滅だ。
逃げるヤツから、真っ先に狙われ、
全てを闇へと塗り替えるまで続く。
自らの力が限界に達し、その身が朽ち果てるまで。」
闇を纏う異形の戦士。
その剣や鎧からは、液体のような妖気が黒く滴り、
周囲の空間に、ノイズのような黒き戦慄を撒き散らします。
愚かな侵略の先導者たちに、
取り残されたとはいえ、
一時停戦を交わした、両軍のその兵の数は、
4万にも上る大軍です。
兵士たちは、各々の部隊長の指揮の下、円陣を組むと、
素早く防御態勢を整えます。
錬度の高い指揮官に指揮されているようで、
そこに、城塞都市側の将軍が加わっています。
相手の数は、僅か『1』ですが、
敵はドラゴンの群れより、
遥かに脅威の存在であるという事実を、
過去の苦い経験から、
すでに思い知らされているのか、
兵士たちの周囲には、緊張が張り詰めています。
エリスさん「すでにギーガ戦を経験済みの、
骨のある隊長でもいたか。
どうやら、そこはラッキーなようだね。
フゥ・・・、
これなら勝算が、ゼロというわけではないか。」
先ほどの、銀髪の少年剣士には、
ただならぬ潜在能力を感じたエリスさんです。
同じ力を持つ者として、
彼に眠る『戦士』の力を、
エリスさんは直感で感じていたのです。
戦士・・・、それは、
巨大な力を操る事の出来る、
とても稀有な存在。
煌くライトフォースという、
まるで魔法としか形容しきれない奇跡の力を、
そのつるぎに纏わせ、
ギーガという闇の妖異の因果を、
断ち切ることの出来る唯一の存在。
錬度の高い兵士たちの防御陣は、
ギーガがいかに強大だとはいえ、
たやすく駆逐できるものではないハズ。
その時間稼ぎこそが、
銀髪の少年剣士には、貴重なものとなるのです。
エリスさんは、彼のその眠れる力を、
半ば強引に引き出す事が可能です。
なぜなら彼女の正体は、
戦いの女神、『ジラ』であるのですから。
謎の声「ねぇ、エリスさん。
その純白のウェディングドレス姿で、
『戦天使』っぽい事は、やらないんですか~?
今のルックスがあれば、
きっと立派に、素敵なワルキューレを演じる事が、
出来ると思いますよーっ。」
エリスさんの後を追って、
こちらの世界にやって来た様子の、
その声の主は、
そのエリスさんに、結構な無茶振りをして来ました。
エリスさん「・・・ああ、それをやったら、
きっと、貸衣装はボロボロになって、
毎日キラキラに磨いている、
愛するバイクを、失っちまうだろうね。
でも、それしか、手段がないというのなら、
あえて覚悟を決めてやるさっ!!」
謎の声「エラいっ!
見上げた心がけです。
そんなエリスさんの愛する宝物を失わずにすむ、
チャンス到来と行きましょう!!
選択肢とか、出してみちゃっていいですかー?」
エリスさん「え、そんなん出来んの!?」
謎の声「おぉ・・・、
ノリで言ってみただけですが、乗り気ですか?
では、聞くだけ聞いてみませんか。
行きますよーっ!」
◇ エリスさんに、選択肢でぇーす!! パート2~♪
→ ・ 謎の声の主に登場してもらい、
ギーガを一瞬のもとに消し去ってもらう。
(あ、・・・パワーちょっぴり使っちゃうんで、
エリスさんだけ、元の世界に戻れませんネ。てへっ。)
・ この場は、可憐なる少年剣士と、
兵士たちに託して、
こっそり、元の世界に戻ります。
(びみょ~な、モヤモヤが残っちゃいますが、
安全第一なら、是非こちらのプランで。)
・ 戦乙女の装束を、お渡しますので、
パパッと、着替えちゃって下さいね。
貸衣装は、こちらで万全に保管させていただきます。
たまには存分に、はっちゃけちゃってみてはっ!
(露出が、若干高めな感じですが、
兵たちの士気が上がること請け合いです。
ビキニ程度の面積の鎧と、
ヒラヒラの飾り付きの、
女性戦士向けのセットになります。
色指定は、純白でお願いします。)
エリスさん「強制で、三番目しか選べねーよッ!!」
端から見たらその叫びも、
変な独り言にしか聞こえない恥ずかしさか、
素直に着替えるエリスさんです。
魔法少女の変身シーンとまでは行きませんが、
何故か、洋服売り場の試着室のように、
着替えは見えない仕組みです。
謎の声「気を使ってみました。」
エリスさん「あー、もぅ!
なんか普通にベラベラ話出したな、謎のヤツ。
ややこしいから出て来いとはいわんが、
って、これってちょっとまてよ、オイッ!」
用意された鏡に映るその姿に、
エリスさんは、赤面です。
ピッタリと肌に吸い付くような、
薄いスケスケの白い生地の肌着に、
大事なところだけしか隠していない、
ビキニ的な軽装の白銀の鎧。
ヒラヒラの飾りの絹布を使いこなせなければ、
それはもう、
真夏のアバンチュールくらい恥ずかしい格好です。
謎の声「中三の頃のエリスさんは、
微乳でよかったですねっ。
OL時代のあの暴れチチだと、
ポロリもありですから。」
エリスさん「うっせーよっ!
牛乳パワーで、頑張ったんだよ!!」
謎の声「でも、それだけ可憐で端正な容姿なら、
そのサイズでも、バッチリ需要はありますって。
ウフフフフッ・・・。」
エリスさん「その喋り方・・・、もしかして、
結構万能なマジックアイテムを持つ、
ウィルハルト王子のおねーさん。
完全無欠のマンション管理人、
ローゼさんなのか?」
謎の声「惜しいっ!
あー、でもちゃっちゃと、
戦天使の演技やらないと、
周りが全滅しちゃいますよ。」
エリスさん「!?
確かに、話は後回しだ。
一人でも多くを救わねばっ!」
エリスさんは、力の限りを振り絞って、
勇敢に立ち上がります。
手にする長槍は、杖代わりといった感じで、
まだ、身体のダメージはほとんど回復しきってはいません。
ですが、その凛として美しい、
戦乙女の姿は、
周囲の視線を引き付けます。
天から使わされた、戦いの天使は、
追い込まれた兵士たちには、
雲間から差し込む、一筋の光のように、
勇気と希望を与えます。
兵士「伝説の、戦乙女。
なんと、気高く美しい・・・。
勝てる、我らはこの戦いに勝てるぞッ!!」
防戦に転じていた兵士たちは、
その目に鋭気を宿し、
天使を守る為なら、
その身を賭しても構わないという覚悟を抱きます。
次の瞬間、
一体のギーガの開けた異界との歪みから、
大量の妖異が、噴出すようにその数を増やします。
良質な獲物を見付けでもしたかのように。
百人隊長「怯むな!
ギーガ以外の妖異など、我らでも十分に、
押し戻せるッ。
ルクミランの軍と共闘し、都市の住民を守るのだ!
・・・我らが受けた雪辱を、
貴族どもに味合わされたあの苦痛を、
その剣込めて、突き進むのだッ!!」
都市国家連合の兵の多くは、
貴族に敗北し、
従属させられた、数多の都市の住人たちです。
脅威であるギーガが、
争いを煽る貴族どもを消し去った今、
一つの都市の陥落を目の当たりにするのは、
耐え難い光景です。
それまで刃を交えあっていた両軍の千人隊長たちも、
想いを一つに、迫りくる妖異との戦いに望みます。
エリスさん「・・・これが、
あのセバリオスさえも、求めてやまなかった、
戦天使の力、なのか。」
説明は出来ませんが、
その能力を持たないエリスさんに、
戦天使としての能力が発動しています。
それは、大いなる加護の力。
戦場にいる全ての兵士たちを、
柔らかに包むその光輝は、
剣の一撃など寄せ付けもしない、見えない鎧となり、
鋼よりも強固に、その身を守護し続け、
さらに、兵たちの手にする武器に、
光は、強い力を与えます。
それは、銀髪の少年剣士に、
特に顕著に見られました。
彼は、たった一人で、
強大な闇であるギーガの戦士と対峙しているのです。
城塞都市の将軍「我らが戦乙女が、
『勇者』を遣わされたぞ!
怯まず進めーッ、
妖異どもから我らの大地を守り抜くのだ!!」
ギーガの脅威はすぐに隣国まで及びます。
ここで食い止めなければ、
城塞都市の住民はおろか、
故郷で待つ愛する人々にまで、
留まる事なく、容赦なく襲い来るのだから。
エリスさんは、象徴としての役割を果たしながらも、
静かに沈黙しています。
エリスさん(・・・やばいよー、
勇者、誕生させちまったYO--!!!
お、落ち着け私、
・・・む、無理w、落ち着いてられるか。
ためぞうの希望のフラグを、
私はポッキリやっちまったのかい!?)
謎の声「エリスさん、
可憐な乙女という事で、
姐さん言葉は禁止でーす。
口に出さなくてもでーす。」
エリスさんは、姐さん言葉を封印された。
エリスさん(貴女、一体、どれ程の力をお持ちなのですかッ!
・・・何故か、変な口調になってしまっています。
違和感が、ありますー!!)
エリスさん、頑張って下さいネッ。
こうして、強大なる闇に対して、
人々の反攻が始まった。
エリスさん「操られてるだけですってっ!!」
そのIIIに続きます。