ダークフォース続き(仮)新規 Twitterは@14ayakosan です

ダークフォースDFと続きに仮セカンド。Twitterは @14ayakosan 新規とDF追加再編です

ウィルハルト王子............さん?(PC版で標準出来なかったので再投稿でPC版です💦途中文章が中央揃えになってます。

2021年10月17日 18時40分48秒 | 登場人物紹介

ウィルハルト「こんばんは、ウィルハルトです」
『旧』主人公である、
たぬぞうさんや、
『旧』ヒロインである、
エストさんに成り代わり、

『新』主人公として、
頑張らせて頂きたいと、
そう思っております」

ウィルハルトは

その艶やかで長い薔薇のように赤い髪を肩へと垂らし、
剣王国(大陸最強の国)の正式王子用寝間着を着ている
(父王がウィルハルトの代でデザインを一新)
寝間着は白とピンクの可愛らしいデザインだ
彼の薄桃色の頬の輝く、
黒い瞳はとても魅惑的に輝いているが、
どこか虚ろにも見て取れる。

ウィルハルト「いい国つくろうの精神で、
邪魔者どもを排除し、
穢れなき、美しき楽園を、
この地上に築きたいと、
心より願っております」

ウィルハルトはそう言うと、
ペロッと軽く唇に舌を滑らせて、
その桜色の唇を潤わせた。

ウィルハルト「さて......、

誰から食べてしまいましょうか。
ウフフフフッ......」

ウィルハルト「あら呼びもしないのに、
獲物が私(わたくし)の元へとやってきたみたい」

ウィルハルトは王城ドーラベルンの中にあって、
一際、清楚で美しい個室にいた。
荘厳なる王城と並ぶように立つその塔の中の一室は、
人が一人通れる程度の連絡通路で、
城へと繋がれている。

レトレアの薔薇姫と呼ばれた、
今は亡き、レイラ王妃の部屋だ。

その塔をよじ登る、
とび職ばりの黒い影がある。

王城の白い壁に反射した月明かりに、
淡く照らし出されたその影の主は、
黒のほっかむりを被った亡国のニセ姫エストだ。

ウィルハルト「えいっ!!」

ウィルハルトは、
這い上がるエストの手を
踵の高いヒールの先で踏みつけてやった。

エスト「うぎゃ~~~~~!!」

エストはどうしてー!?

っといった顔をしながら闇の中へと堕ちていった。
エストには見えたのだ。
まるでアリを踏みつけるかのように、
尊大で、無慈悲なウィルハルトの笑みが。

エスト「助けてぇ~~~!!!」

周囲には、そんなエストの叫びが、
残響となって響いていた。

ウィルハルト「あらあら、
私、誤って何かを踏んでしまったかしら。

ウフフッ、こんな暗い場所で、
慣れないヒールなど履くものでは、
ないわね。

……。
寝間着にヒールという、
このアンニョイな組み合わせは、
どうかしなくてはいけませんわね」

ウィルハルトはそう言うと、
魂の抜けたような瞳をして、
靴箱からスリッパを取り出した。
何故かウィルハルトはスリッパを握ったまま、
それを履こうとはしなかった。

ウィルハルト「……。
この私にスリッパを使えと......。
リボンの付いたパンプスとか、
入っていないのかしらね」

そのつかの間!
侵入者その2が
王城の高い位置からグライダーを使って、
王妃の個室へと飛び乗って来た!!

謎のグラサン親父「ウィルちゃん!
会いに来たよ~~!!
さあ、愛を......」

パシッ!!

ウィルハルトは手にしたスリッパで、
グラサンのおっさんを叩き落した!!

まるで叩かれたハエのように、
おっさんは闇の中へと堕ちていった・・・。

ヤマモト「な、なんで~~~~!?
うぎゃぁぁぁぁ~~!!」

ウィルハルトは、
おっさんのグラサンを手に入れた。

ウィルハルト「……。
また黒メガネを手に入れてしまいましたわ」

ウィルハルトは、
興味本位でそのグラサンをかけてみた。

ウィルハルト「魅惑の黒薔薇、
シークレット・ローゼ!!
ここに見参ですわっ!!

ゴールドのゴージャス視線と、
プラチナの髪を優雅に揺らし、
悪をムチ打ち、爆破させ!!
高慢に高笑って差し上げますわっ!!」

ウィルハルト「......。

誰かに見られでもしたら、
抹殺しなくてはいけませんね......」

すると、連絡通路の方に、
マイオストがいる。

マイオスト「や、やぁ……。
何も、見てもいないし

何も聞いてもいないよ」

ウィルハルト「……。

あら、いやだ。
全てを見透かしたような目をした、
にやけた銀髪のお方。

まるで私の心の中まで、
お見通しのようですわね」

ウィルハルトは、
連絡通路ごとマイオストを爆破した!!

マイオスト「うぎゃぁぁぁあ!!」

崩落する瓦礫と共に、
マイオストの姿も闇へと消えていった。

ウィルハルト「……。
結構、寄って来ますわね。
まるで甘い蜜を垂れ流しにしているような、
サイクロンな吸引力です。

早速三人も消せて
嬉しいのには違いないのですけど、
何やら違う部分で

ちょっと憤ってしまいそうですわ。

ボケ王子はとても人気者なの?
……普段のワタクシって

そんなに身も心も枯れ果てているのかしら」

連絡通路も壊れ、
外観が気になったウィルハルトが
スマホで修理業者を頼もうとした
その刹那、
何処からともなく、
伝説の勇者アレスティル君がやって来た。

アレスティル「あ、あれ……。
すいません、道を間違えてしまったようです」

ウィルハルト「あらまあ、
噂以上にイケメン勇者ですこと。
 
ちなみに私、どう道を間違えれば、
ここへとたどり着けるのかその壊れた通路を見ると、
不思議でなりませんわね」

アレスティル「……。」

ウィルハルト「まさか、
夜這いをかけているわけでは、
ありませんわよね?」

アレスティル「そ、そんな、
レーナさんに知られたら、
立場がなくなるような真似、
す、するわけないですッ!!」

アレスティルはその雪のように白い頬を、
ほんのり赤く色付かせ全力否定した。

ウィルハルト「確かに、
見れば見るほど、美しい勇者様だこと。
そのきめ細かな肌に、
一度、触れてみたい気になりますわね。

私がお父様以外の殿方を賞賛することなど、
滅多にあることではございませんわよ」

アレスティル「そ、そうですか
ありがとうございます

綺麗な赤毛の女性の方(ひと)」

アレスティルは、
ウィルハルトの性別を知らない。
その勘違いは、
ウィルハルトの口元を微かに緩ませた。

ウィルハルト「ウフフ・・・。

既成事実を作ってしまえば、
レーナさんという方には

言い訳が立ちませんわよね?

それでも何もなかったと言い切る器量が、
伝説の勇者様には、おありかしら?」

アレスティル「えっ、えーーーっ!!」

ウィルハルトは魅惑的な腰付きで、
アレスティルとの距離を詰めていく……。

外見上ウィルハルトは、
壁に飾ってあるレイラ王妃の肖像が、
まるで3Dで飛び出したように美しく可憐だ。
目は虚ろだが……。

アレスティル「ちょ、
ちょっと待って下さい!!
 

.....ど、どうして?

ロゼリアさんに会いに行ったのに、
ここに着いちゃったんだ!?」

切り立った崖の方へと、
追いやられるアレスティル君。
刑事ドラマなら、
もうクライマックスのシーンだ。

ウィルハルト「ロゼリア?
あら、薔薇は同じでも、
名前が少し違うようですわね。
ローゼとお呼び下さったら、
少しは私も良い気分になったのでしょうけど。

今は多少、
イタズラ心の方が勝っておりましてよ。」

ウィルハルトの料理!!
ウィルハルトの料理スキルは100だ!!
ハイクオリティの効果→

『ゴールドカツ丼が、
      三個出来た。』

アレスティル「カ、カツ丼!?」

ウィルハルト「心に染み渡るこの

ゴールデンなカツ丼をお召し上がりになって、
迷える心をお決めになって下さいな」

アレスティル「た、食べるの?」

ウィルハルト「中にはそれを見ただけで、
取調べに応じてくださる方もいらっしゃいますが。

どうせ取り調べられるなら、
ガツガツ、お召し上がり下さいませ」

アレスティル「と、取調べ受けてるー!!」

ウィルハルト「さあ、告白するのです。
レーナさんとやらに、
この私との甘い一夜のメモリーを」

アレスティルは、
踵がもう崖にかかっている!!

ウィルハルトは、
その虚ろな瞳に微笑みを浮かべながら、
密着寸前まで距離を詰めてきた!!

ウィルハルト「フゥ~。
吐息がかかるこの距離で、
アレスティルさんの乱れた呼吸を感じますわ。

さあ、思う存分、
劣情にその身を任せるのです!!」

そう言うと、
ウィルハルトは両手を広げ、
天使の微笑みを見せた。

アレスティル「ああっ!?」

アレスティル君は足を滑らせ、
そのまま深い闇の中へと堕ちていった。

アレスティル「ち、違うんだっ、
レーナさーーーん!!」

勇者様の叫び声が、
残響となって響き渡るのを、
酔いしれるように聞くウィルハルト。

そしてウィルハルトは言った。

ウィルハルト「......。

でも、甲斐性なしですわね。」

ウィルハルトは、
残ってしまったゴールドカツ丼を
一つ、スプーンで食べながら、
残りの二つを冷蔵庫にしまった。

ウィルハルトは、
食べ物を粗末にする人ではないが、
自分で作っておきながら、
その感動的なまでの完成度に、
その心を満たされていた。

ウィルハルト「ゲプッ......。
一つ食べれば満腹ですわ。

今日の日記、晩御飯は、
『ゴールドカツ丼』でした、と」

ウィルハルトはそう言って、
何やらメモを走らせた。

ウィルハルト「......。
ですが、もう勇者君まで倒してしまうとは。

予想以上の戦果に正直、
驚いています。

倒せるのでしたら、
倒せるうちにたくさん倒して、
楽園の早期実現を目指しましょう」

すると、
言った端から新たな影!!

ウィルハルト「......。
自分が何かのホイホイみたいに、
なってしまった気が致しますわね」

ウィルハルトは、
スリッパの二刀流による高速(光速)攻撃!!!

バチバチバチバチバチバチバチバチ!!!

ウィルハルト「さて、次々、
行きますわよ!!」

そうして、
粉塵の中から姿を現したのは、
ボロ雑巾と化した父、


バルマードの姿だった!!

ウィルハルト「お、お父様!!!」

バルマード「......やあ、ウィルハルト......。
自分の身を、自分で……守れるってのは、
素晴らしい……ことだ……ね。」

コテッ。

……バルマードは倒れた。

ウィルハルト「お、お父様、
起きて、お父様ーーーっ!!」

ウィルハルトは
まるで雪山の遭難者が、
永遠の眠りに付くのを阻止する気迫で、
バシバシ!バシバシ!!ッと
バルマードの顔を平手打ちした。

ウィルハルト「お父様、
目を覚ましてーー!!」

その声にバルマードが応えた。

バルマード「平手打ちで顔が腫れてて、
目は開かないけど、
ちゃんと生きてるから、心配ないよ。」

ウィルハルト「よかったぁ!!」

ウィルハルトは大泣きしながら、
バルマードの身体を抱きしめた。

ポロポロと零れ落ちる涙が、
銀の雫となって、バルマードの顔を少しだけシミさせた。

バルマード「しかし、
いつの間にこんなに強くなったんだい?」

ウィルハルト「……はい!?」

バルマード「いやー、元気なことは良い事だ。
ガハハハハハハッ!!!」

ウィルハルト「……お父様。

私元々、この強さですけど」

バルマード「へぇー、そーだったんだ!」

ウィルハルト「……。
ボケが見苦しいですわよ、お父様。
ぶっちゃけますけど、
私『ローゼ』の方ですワ」

バルマード「?
ウィルハルトの中の人の事が、
どうかしたの?」

ウィルハルト「!?
お、お父様が混乱なされているわッ!!」

バシバシバシバシバシバシバシバシッ!!!

バルマード「うぎゃあ!!」

ウィルハルト「私、ウィルローゼは、
普段、ボケ王子がどんな生活をしているか、
一日体験しているだけですわよ。

この私の愛に満ち満ちたオーラが

分からないなんて、
お父様には有り得ないことです。」

バルマード「ウィルハルト、
強くなったの分かったから、
もう、やめて・・・。」

バシバシバシバシバシッ!!

ウィルハルト「!?
もしや、あなた。
......お父様の名を語るニセモノ??」

バルマード「えぇーーー!!」

ウィルハルト「お父様は天下の英雄。
その名を語る不埒な輩も多い事でしょう。

ニセモノならば、
あの世ですら味わえない、
制裁を加えなければなりませんわッ!

『光は消える......。

時の流れに抗いし超質量の引力。
漆黒を超えた暗黒であらゆる全ての消失点。
世界が生まれる場所。
カタチさえ無意味な、
それは......原初の宇宙。

『ダーク......フォース』

その響きの中で無限の時へと返るのです
怖がる事はありません、
新たなる世界の創世時に、
その身は未来の一部となるのですから」

バルマード「ちょ、ちょ、ちょ、ちょ!!
本物ですから!!
よく見てみてっ~!!!」

ウィルハルト「うーん。
15R戦い抜いたボクサーみたいに


勇敢なお顔立ちになっていますわね。
・・・お父様っぽい?」

バルマード「パパです!
ヒゲパパです!!

オーラ感じてオーラ。
ヒゲオーラを、ねっ!!」

ウィルハルト「・・・。
では、私のオーラは?」

バルマード「ああ、もちろんさっ!!
ウィルロージェ!!」

ウィルハルト「じぇ?」

バルマード「可愛い、可愛い、
ロージェちゃんだよねっ!!」

ウィルハルト「......。

まあ私としても、
紛らわしい事この上ありませんし、
『じぇ』の部分は、妥協をいたしましょう」

バルマード「ほっ・・・。」

ウィルハルト「ですが!
本人証明が取れるまで、
しばらく付き合っていただきますわよ」

バルマード「えーーー!?」

ウィルハルト「......。
原型をとどめないくらい、
叩いてしまったのは、私ですが、

『じぇ』って言われるのが、
その......とても、気になるものですから」

そう言って、
ローゼは本来の自分の姿に戻り、
ウィルハルトと身体を入れ替えた。
 
 
ローゼさんは、
非常にグラマラスなボディをお持ちの為、
バルマードも痛いやら、
心地よいやらで、
腫れあがった頬を微妙に赤らめさせた。
 
ローじぇさん「あ、名前、変になってる!?」
 
バルマード「すまんのう......。ちょっと、言葉にキレがなくてのぅ。
いい、ビンタじゃったよ......。
ほっほっほっ」
 
ローじぇさん「......。」
 
ローじぇさん「お父様の事を、
こんなにも心から愛していると言いますのに、
他人の空似だったらと思うと複雑ですわ。
......このオーラ、
この、トキメキ、
お父様に一番に気が付いて欲しいと思っていましたのに」
 
バルマード「すまんのう」
 
ローじぇさん「カツ丼、食べます?」
 
バルマード「おおぉ......、
何でも白状しちゃうよ、ワシ。ありがとうロージェちゃんや」
 
ローじぇ「私も頂く事にしますわ。
だって『ローじぇ』ですわよ?
どうして『ロージェ』にならないのです??
というわけで、
もちろんやけ食いです。」
 
バルマード「おろおろおろ......。
レイラよ、あのときゃワシが悪かったよぉ」
 
ローじぇ「お父様、
白状する相手が違うでしょ!!
ざんげはいいから、
早く私の名を正しく発音して下さいなっ」
 
バルマード「ローゼよ!カツ丼、美味かったぞ!!」
バルマードの体力が全回復した!!

・10度倒されても自滅しても自動的に全回復の効果!
・効果中、知力が90(限界99)まで上昇!(広範囲からみんなの知力を一時的に分けてもらう:効果後お返しします)
・効果中、強さが都合良く上がる:知力同様レンタル
・効果中、年を取らなくなる付与
・効果中、ラッキーがイカサマの様に継続:周囲から吸引......。
・効果中、モテモテになる:効果を活かせるかは使用者次第
・王国年金を免除され、税抜きのお国のお得意さま待遇
・なぜか心が満たされ過ぎて、物欲センサーに左右されなくなる:ON、OFF自由
・効果中、神様に願いが届くようになる:(迷惑な時でも付き合わされる、神様のランクは使用者次第で上下する

ローじぇ「お父様っ!!
やっぱり、本物のお父様でしたのね!!」
 
ローじぇ「......。」
 
ローじぇ「......名前、直して下さいませ」
 
ローぜ「......。」
 
ローぜ「......び、微妙。
 
まあ、いいですわ。
お父様の笑顔こそ
我が身の至福ですもの。」
 
ローぜ「今日の日記の追伸。
夜食は、ゴールドカツ丼です」
 
バルマード「日記をつけているのかい?」
 
ローぜ「お父様との愛の日記でしたら、
この身に深く刻み込んでくださいませ」
 
バルマード「レイラ、ごめん。
娘は変な娘に育ちました。でも、元気です」
 
ローぜ「そんな報告しないで下さいっ!!
もうっ……。
ウィルハルト「こんばんは、
ウィルハルトです
『旧』主人公である、
 たぬぞうさんや、
『旧』ヒロインである、
エストさんに成り代わり、

『新』主人公として、
頑張らせて頂きたいと、
そう思っております」

ウィルハルトは
その艶やかで長い薔薇のように赤い髪を肩へと垂らし、
剣王国(大陸最強の国)の正式王子用寝間着を着ている
(父王がウィルハルトの代でデザインを一新)
 
寝間着は白とピンクの可愛らしいデザインだ
彼の薄桃色の頬の輝く、
黒い瞳はとても魅惑的に輝いているが、
どこか虚ろにも見て取れる。

ウィルハルト「いい国つくろうの精神で、
邪魔者どもを排除し、
穢れなき、美しき楽園を、
この地上に築きたいと、
心より願っております」

ウィルハルトはそう言うと、
ペロッと軽く唇に舌を滑らせて、
その桜色の唇を潤わせた。

ウィルハルト「さて......、

誰から食べてしまいましょうか。
ウフフフフッ......」

ウィルハルト「あら呼びもしないのに、
獲物が私(わたくし)の元へとやってきたみたい」

ウィルハルトは王城ドーラベルンの中にあって、
一際、清楚で美しい個室にいた。
荘厳なる王城と並ぶように立つその塔の中の一室は、
人が一人通れる程度の連絡通路で、
城へと繋がれている。

レトレアの薔薇姫と呼ばれた、
今は亡き、レイラ王妃の部屋だ。

その塔をよじ登る、
とび職ばりの黒い影がある。

王城の白い壁に反射した月明かりに、
淡く照らし出されたその影の主は、
黒のほっかむりを被った亡国のニセ姫エストだ。

ウィルハルト「えいっ!!」

ウィルハルトは、
這い上がるエストの手を
踵の高いヒールの先で踏みつけてやった。

エスト「うぎゃ~~~~~!!」

エストはどうしてー!?
っといった顔をしながら闇の中へと堕ちていった。
エストには見えたのだ。
まるでアリを踏みつけるかのように、
尊大で、無慈悲なウィルハルトの笑みが。

エスト「助けてぇ~~~!!!」

周囲には、そんなエストの叫びが、
残響となって響いていた。

ウィルハルト「あらあら、
私、誤って何かを踏んでしまったかしら。

ウフフッ、こんな暗い場所で、
慣れないヒールなど履くものでは、
ないわね。

……。
寝間着にヒールという、
このアンニョイな組み合わせは、
どうかしなくてはいけませんわね」

ウィルハルトはそう言うと、
魂の抜けたような瞳をして、
靴箱からスリッパを取り出した。
何故かウィルハルトはスリッパを握ったまま、
それを履こうとはしなかった。

ウィルハルト「……。
この私にスリッパを使えと......。
リボンの付いたパンプスとか、
入っていないのかしらね」

そのつかの間!
侵入者その2が
王城の高い位置からグライダーを使って、
王妃の個室へと飛び乗って来た!!

謎のグラサン親父「ウィルちゃん!
会いに来たよ~~!!
さあ、愛を......」

パシッ!!

ウィルハルトは手にしたスリッパで、
グラサンのおっさんを叩き落した!!

まるで叩かれたハエのように、
おっさんは闇の中へと堕ちていった・・・。

ヤマモト「な、なんで~~~~!?
うぎゃぁぁぁぁ~~!!」

ウィルハルトは、
おっさんのグラサンを手に入れた。

ウィルハルト「……。
また黒メガネを手に入れてしまいましたわ」

ウィルハルトは、
興味本位でそのグラサンをかけてみた。

ウィルハルト「魅惑の黒薔薇、
シークレット・ローゼ!!
ここに見参ですわっ!!

ゴールドのゴージャス視線と、
プラチナの髪を優雅に揺らし、
悪をムチ打ち、爆破させ!!
高慢に高笑って差し上げますわっ!!」

ウィルハルト「......。

誰かに見られでもしたら、
抹殺しなくてはいけませんね......」

すると、連絡通路の方に、
マイオストがいる。

マイオスト「や、やぁ……。
何も、見てもいないし
何も聞いてもいないよ」

ウィルハルト「……。

あら、いやだ。
全てを見透かしたような目をした、
にやけた銀髪のお方。

まるで私の心の中まで、
お見通しのようですわね」

ウィルハルトは、
連絡通路ごとマイオストを爆破した!!

マイオスト「うぎゃぁぁぁあ!!」

崩落する瓦礫と共に、
マイオストの姿も闇へと消えていった。

ウィルハルト「……。
結構、寄って来ますわね。
まるで甘い蜜を垂れ流しにしているような、
サイクロンな吸引力です。

早速三人も消せて
嬉しいのには違いないのですけど、
何やら違う部分で
ちょっと憤ってしまいそうですわ。

ボケ王子はとても人気者なの?
……普段のワタクシって
そんなに身も心も枯れ果てているのかしら」

連絡通路も壊れ、
外観が気になったウィルハルトが
スマホで修理業者を頼もうとした
その刹那、
何処からともなく、
伝説の勇者アレスティル君がやって来た。

アレスティル「あ、あれ……。
すいません、道を間違えてしまったようです」

ウィルハルト「あらまあ、
噂以上にイケメン勇者ですこと。
 
ちなみに私、どう道を間違えれば、
ここへとたどり着けるのかその壊れた通路を見ると、
不思議でなりませんわね」

アレスティル「……。」

ウィルハルト「まさか、
夜這いをかけているわけでは、
ありませんわよね?」

アレスティル「そ、そんな、
レーナさんに知られたら、
立場がなくなるような真似、
す、するわけないですッ!!」

アレスティルはその雪のように白い頬を、
ほんのり赤く色付かせ全力否定した。

ウィルハルト「確かに、
見れば見るほど、美しい勇者様だこと。
そのきめ細かな肌に、
一度、触れてみたい気になりますわね。

私がお父様以外の殿方を賞賛することなど、
滅多にあることではございませんわよ」

アレスティル「そ、そうですか
ありがとうございます
綺麗な赤毛の女性の方(ひと)」

アレスティルは、
ウィルハルトの性別を知らない。
その勘違いは、
ウィルハルトの口元を微かに緩ませた。

ウィルハルト「ウフフ・・・。

既成事実を作ってしまえば、
レーナさんという方には
言い訳が立ちませんわよね?

それでも何もなかったと言い切る器量が、
伝説の勇者様には、おありかしら?」

アレスティル「えっ、えーーーっ!!」

ウィルハルトは魅惑的な腰付きで、
アレスティルとの距離を詰めていく……。

外見上ウィルハルトは、
壁に飾ってあるレイラ王妃の肖像が、
まるで3Dで飛び出したように美しく可憐だ。
目は虚ろだが……。

アレスティル「ちょ、
ちょっと待って下さい!!

.....ど、どうして?

ロゼリアさんに会いに行ったのに、
ここに着いちゃったんだ!?」

切り立った崖の方へと、
追いやられるアレスティル君。
刑事ドラマなら、
もうクライマックスのシーンだ。

 

ウィルハルト「ロゼリア?
あら、薔薇は同じでも、
名前が少し違うようですわね。
ローゼとお呼び下さったら、
少しは私も良い気分になったのでしょうけど。

今は多少、
イタズラ心の方が勝っておりましてよ。」

ウィルハルトの料理!!
ウィルハルトの料理スキルは100だ!!
ハイクオリティの効果→

『ゴールドカツ丼が、
      三個出来た。』

アレスティル「カ、カツ丼!?」

ウィルハルト「心に染み渡るこの

ゴールデンなカツ丼をお召し上がりになって、
迷える心をお決めになって下さいな」

アレスティル「た、食べるの?」

ウィルハルト「中にはそれを見ただけで、
取調べに応じてくださる方もいらっしゃいますが。

どうせ取り調べられるなら、
ガツガツ、お召し上がり下さいませ」

アレスティル「と、取調べ受けてるー!!」

ウィルハルト「さあ、告白するのです。
レーナさんとやらに、
この私との甘い一夜のメモリーを」

アレスティルは、
踵がもう崖にかかっている!!

ウィルハルトは、
その虚ろな瞳に微笑みを浮かべながら、
密着寸前まで距離を詰めてきた!!

ウィルハルト「フゥ~。
吐息がかかるこの距離で、
アレスティルさんの乱れた呼吸を感じますわ。

さあ、思う存分、
劣情にその身を任せるのです!!」

そう言うと、
ウィルハルトは両手を広げ、
天使の微笑みを見せた。

アレスティル「ああっ!?」

アレスティル君は足を滑らせ、
そのまま深い闇の中へと堕ちていった。

アレスティル「ち、違うんだっ、
レーナさーーーん!!」

勇者様の叫び声が、
残響となって響き渡るのを、
酔いしれるように聞くウィルハルト。

そしてウィルハルトは言った。

ウィルハルト「......。

でも、甲斐性なしですわね。」

ウィルハルトは、
残ってしまったゴールドカツ丼を
一つ、スプーンで食べながら、
残りの二つを冷蔵庫にしまった。

ウィルハルトは、
食べ物を粗末にする人ではないが、
自分で作っておきながら、
その感動的なまでの完成度に、
その心を満たされていた。

ウィルハルト「ゲプッ......。
一つ食べれば満腹ですわ。

今日の日記、晩御飯は、
『ゴールドカツ丼』でした、と」

ウィルハルトはそう言って、
何やらメモを走らせた。

ウィルハルト「......。
ですが、もう勇者君まで倒してしまうとは。

予想以上の戦果に正直、
驚いています。

倒せるのでしたら、
倒せるうちにたくさん倒して、
楽園の早期実現を目指しましょう」

すると、
言った端から新たな影!!

ウィルハルト「......。
自分が何かのホイホイみたいに、
なってしまった気が致しますわね」

ウィルハルトは、
スリッパの二刀流による高速(光速)攻撃!!!

バチバチバチバチバチバチバチバチ!!!

ウィルハルト「さて、次々、
行きますわよ!!」

そうして、
粉塵の中から姿を現したのは、
ボロ雑巾と化した父、

バルマードの姿だった!!

ウィルハルト「お、お父様!!!」

バルマード「......やあ、ウィルハルト......。
自分の身を、自分で……守れるってのは、
素晴らしい……ことだ……ね。」

コテッ。

……バルマードは倒れた。

ウィルハルト「お、お父様、
起きて、お父様ーーーっ!!」

ウィルハルトは
まるで雪山の遭難者が、
永遠の眠りに付くのを阻止する気迫で、
バシバシ!バシバシ!!ッと
バルマードの顔を平手打ちした。

ウィルハルト「お父様、
目を覚ましてーー!!」

その声にバルマードが応えた。

バルマード「平手打ちで顔が腫れてて、
目は開かないけど、
ちゃんと生きてるから、心配ないよ。」

ウィルハルト「よかったぁ!!」

ウィルハルトは大泣きしながら、
バルマードの身体を抱きしめた。

ポロポロと零れ落ちる涙が、
銀の雫となって、バルマードの顔を少しだけシミさせた。

バルマード「しかし、
いつの間にこんなに強くなったんだい?」

ウィルハルト「……はい!?」

バルマード「いやー、元気なことは良い事だ。
ガハハハハハハッ!!!」

ウィルハルト「……お父様。

私元々、この強さですけど」

バルマード「へぇー、そーだったんだ!」

ウィルハルト「……。
ボケが見苦しいですわよ、お父様。
ぶっちゃけますけど、
私『ローゼ』の方ですワ」

バルマード「?
ウィルハルトの中の人の事が、
どうかしたの?」

ウィルハルト「!?
お、お父様が混乱なされているわッ!!」

バシバシバシバシバシバシバシバシッ!!!

バルマード「うぎゃあ!!」

ウィルハルト「私、ウィルローゼは、
普段、ボケ王子がどんな生活をしているか、
一日体験しているだけですわよ。

この私の愛に満ち満ちたオーラが

分からないなんて、
お父様には有り得ないことです。」

バルマード「ウィルハルト、
強くなったの分かったから、
もう、やめて・・・。」

バシバシバシバシバシッ!!

ウィルハルト「!?
もしや、あなた。
......お父様の名を語るニセモノ??」

バルマード「えぇーーー!!」

ウィルハルト「お父様は天下の英雄。
その名を語る不埒な輩も多い事でしょう。

ニセモノならば、
あの世ですら味わえない、
制裁を加えなければなりませんわッ!

『光は消える......。


時の流れに抗いし超質量の引力。
漆黒を超えた暗黒であらゆる全ての消失点。
世界が生まれる場所。
カタチさえ無意味な、
それは......原初の宇宙。

『ダーク......フォース』

その響きの中で無限の時へと返るのです
怖がる事はありません、
新たなる世界の創世時に、
その身は未来の一部となるのですから」

バルマード「ちょ、ちょ、ちょ、ちょ!!
本物ですから!!
よく見てみてっ~!!!」

ウィルハルト「うーん。
15R戦い抜いたボクサーみたいに

勇敢なお顔立ちになっていますわね。
・・・お父様っぽい?」

バルマード「パパです!
ヒゲパパです!!

オーラ感じてオーラ。
ヒゲオーラを、ねっ!!」

ウィルハルト「・・・。
では、私のオーラは?」

バルマード「ああ、もちろんさっ!!
ウィルロージェ!!」

ウィルハルト「じぇ?」

バルマード「可愛い、可愛い、
ロージェちゃんだよねっ!!」

ウィルハルト「......。

まあ私としても、
紛らわしい事この上ありませんし、
『じぇ』の部分は、妥協をいたしましょう」

バルマード「ほっ・・・。」

ウィルハルト「ですが!
本人証明が取れるまで、
しばらく付き合っていただきますわよ」

バルマード「えーーー!?」

ウィルハルト「......。
原型をとどめないくらい、
叩いてしまったのは、私ですが、

『じぇ』って言われるのが、
その......とても、気になるものですから」

そう言って、
ローゼは本来の自分の姿に戻り、
ウィルハルトと身体を入れ替えた。

ローゼさんは、
非常にグラマラスなボディをお持ちの為、
バルマードも痛いやら、
心地よいやらで、
腫れあがった頬を微妙に赤らめさせた。

ローじぇさん「あ、名前、変になってる!?」

バルマード「すまんのう......。
ちょっと、言葉にキレがなくてのぅ。
いい、ビンタじゃったよ......。

ほっほっほっ」

ローじぇさん「......。」

ローじぇさん「お父様の事を、
こんなにも心から愛していると言いますのに、
他人の空似だったらと思うと複雑ですわ。

......このオーラ、
この、トキメキ、
お父様に一番に気が付いて欲しいと

思っていましたのに」

バルマード「すまんのう」

ローじぇさん「カツ丼、食べます?」

バルマード「おおぉ......、
何でも白状しちゃうよ、ワシ。
ありがとうロージェちゃんや。」

ローじぇ「私も頂く事にしますわ。

だって『ローじぇ』ですわよ?
どうして『ロージェ』にならないのです??
というわけで、
もちろんやけ食いです。」

バルマード「おろおろおろ......。
レイラよ、あのときゃワシが悪かったよぉ」

ローじぇ「お父様、
白状する相手が違うでしょ!!
ざんげはいいから、
早く私の名を正しく発音して下さいなっ」

バルマード「ローゼよ!
カツ丼、美味かったぞ!!」

バルマードの体力が全回復した!!

・10度倒されても自滅しても自動的に全回復の効果!

・効果中、知力が90(限界99)まで上昇!(広範囲からみんなの知力を一時的に分けてもらう:効果後お返しします)

・効果中、強さが都合良く上がる:知力同様レンタル

・効果中、年を取らなくなる付与

・効果中、ラッキーがイカサマの様に継続:周囲から吸引......。

・効果中、モテモテになる:効果を活かせるかは使用者次第

・王国年金を免除され、税抜きのお国のお得意さま待遇

・なぜか心が満たされ過ぎて、物欲センサーに左右されなくなる:ON、OFF自由

・効果中、神様に願いが届くようになる:(迷惑な時でも付き合わされる、神様のランクは使用者次第で上下する


ローじぇ「お父様っ!!
やっぱり、本物のお父様でしたのね!!」

ローじぇ「......。」

ローじぇ「......名前、直して下さいませ」

ローぜ「......。」

ローぜ「......び、微妙。
まあ、いいですわ。
お父様の笑顔こそ

我が身の至福ですもの。」

ローぜ「今日の日記の追伸。
夜食は、ゴールドカツ丼です」

バルマード「日記をつけているのかい?」

ローぜ「お父様との愛の日記でしたら、
この身に深く刻み込んでくださいませ」

バルマード「レイラ、ごめん。
娘は変な娘に育ちました。
でも、元気です」

ローぜ「そんな報告しないで下さいっ!!
もうっ……。

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ウィルハルト王子............さん?

2021年10月15日 20時35分23秒 | 登場人物紹介
ウィルハルト「こんばんは、
ウィルハルトです
『旧』主人公である、
 たぬぞうさんや、
『旧』ヒロインである、
エストさんに成り代わり、

『新』主人公として、
頑張らせて頂きたいと、
そう思っております」

ウィルハルトは
その艶やかで長い薔薇のように赤い髪を肩へと垂らし、
剣王国(大陸最強の国)の正式王子用寝間着を着ている
(父王がウィルハルトの代でデザインを一新)
 
寝間着は白とピンクの可愛らしいデザインだ
彼の薄桃色の頬の輝く、
黒い瞳はとても魅惑的に輝いているが、
どこか虚ろにも見て取れる。

ウィルハルト「いい国つくろうの精神で、
邪魔者どもを排除し、
穢れなき、美しき楽園を、
この地上に築きたいと、
心より願っております」

ウィルハルトはそう言うと、
ペロッと軽く唇に舌を滑らせて、
その桜色の唇を潤わせた。

ウィルハルト「さて......、

誰から食べてしまいましょうか。
ウフフフフッ......」

ウィルハルト「あら呼びもしないのに、
獲物が私(わたくし)の元へとやってきたみたい」

ウィルハルトは王城ドーラベルンの中にあって、
一際、清楚で美しい個室にいた。
荘厳なる王城と並ぶように立つその塔の中の一室は、
人が一人通れる程度の連絡通路で、
城へと繋がれている。

レトレアの薔薇姫と呼ばれた、
今は亡き、レイラ王妃の部屋だ。

その塔をよじ登る、
とび職ばりの黒い影がある。

王城の白い壁に反射した月明かりに、
淡く照らし出されたその影の主は、
黒のほっかむりを被った亡国のニセ姫エストだ。

ウィルハルト「えいっ!!」

ウィルハルトは、
這い上がるエストの手を
踵の高いヒールの先で踏みつけてやった。

エスト「うぎゃ~~~~~!!」

エストはどうしてー!?
っといった顔をしながら闇の中へと堕ちていった。
エストには見えたのだ。
まるでアリを踏みつけるかのように、
尊大で、無慈悲なウィルハルトの笑みが。

エスト「助けてぇ~~~!!!」

周囲には、そんなエストの叫びが、
残響となって響いていた。

ウィルハルト「あらあら、
私、誤って何かを踏んでしまったかしら。

ウフフッ、こんな暗い場所で、
慣れないヒールなど履くものでは、
ないわね。

……。
寝間着にヒールという、
このアンニョイな組み合わせは、
どうかしなくてはいけませんわね」

ウィルハルトはそう言うと、
魂の抜けたような瞳をして、
靴箱からスリッパを取り出した。
何故かウィルハルトはスリッパを握ったまま、
それを履こうとはしなかった。

ウィルハルト「……。
この私にスリッパを使えと......。
リボンの付いたパンプスとか、
入っていないのかしらね」

そのつかの間!
侵入者その2が
王城の高い位置からグライダーを使って、
王妃の個室へと飛び乗って来た!!

謎のグラサン親父「ウィルちゃん!
会いに来たよ~~!!
さあ、愛を......」

パシッ!!

ウィルハルトは手にしたスリッパで、
グラサンのおっさんを叩き落した!!

まるで叩かれたハエのように、
おっさんは闇の中へと堕ちていった・・・。

ヤマモト「な、なんで~~~~!?
うぎゃぁぁぁぁ~~!!」

ウィルハルトは、
おっさんのグラサンを手に入れた。

ウィルハルト「……。
また黒メガネを手に入れてしまいましたわ」

ウィルハルトは、
興味本位でそのグラサンをかけてみた。

ウィルハルト「魅惑の黒薔薇、
シークレット・ローゼ!!
ここに見参ですわっ!!

ゴールドのゴージャス視線と、
プラチナの髪を優雅に揺らし、
悪をムチ打ち、爆破させ!!
高慢に高笑って差し上げますわっ!!」

ウィルハルト「......。

誰かに見られでもしたら、
抹殺しなくてはいけませんね......」

すると、連絡通路の方に、
マイオストがいる。

マイオスト「や、やぁ……。
何も、見てもいないし
何も聞いてもいないよ」

ウィルハルト「……。

あら、いやだ。
全てを見透かしたような目をした、
にやけた銀髪のお方。

まるで私の心の中まで、
お見通しのようですわね」

ウィルハルトは、
連絡通路ごとマイオストを爆破した!!

マイオスト「うぎゃぁぁぁあ!!」

崩落する瓦礫と共に、
マイオストの姿も闇へと消えていった。

ウィルハルト「……。
結構、寄って来ますわね。
まるで甘い蜜を垂れ流しにしているような、
サイクロンな吸引力です。

早速三人も消せて
嬉しいのには違いないのですけど、
何やら違う部分で
ちょっと憤ってしまいそうですわ。

ボケ王子はとても人気者なの?
……普段のワタクシって
そんなに身も心も枯れ果てているのかしら」

連絡通路も壊れ、
外観が気になったウィルハルトが
スマホで修理業者を頼もうとした
その刹那、
何処からともなく、
伝説の勇者アレスティル君がやって来た。

アレスティル「あ、あれ……。
すいません、道を間違えてしまったようです」

ウィルハルト「あらまあ、
噂以上にイケメン勇者ですこと。
 
ちなみに私、どう道を間違えれば、
ここへとたどり着けるのかその壊れた通路を見ると、
不思議でなりませんわね」

アレスティル「……。」

ウィルハルト「まさか、
夜這いをかけているわけでは、
ありませんわよね?」

アレスティル「そ、そんな、
レーナさんに知られたら、
立場がなくなるような真似、
す、するわけないですッ!!」

アレスティルはその雪のように白い頬を、
ほんのり赤く色付かせ全力否定した。

ウィルハルト「確かに、
見れば見るほど、美しい勇者様だこと。
そのきめ細かな肌に、
一度、触れてみたい気になりますわね。

私がお父様以外の殿方を賞賛することなど、
滅多にあることではございませんわよ」

アレスティル「そ、そうですか
ありがとうございます
綺麗な赤毛の女性の方(ひと)」

アレスティルは、
ウィルハルトの性別を知らない。
その勘違いは、
ウィルハルトの口元を微かに緩ませた。

ウィルハルト「ウフフ・・・。

既成事実を作ってしまえば、
レーナさんという方には
言い訳が立ちませんわよね?

それでも何もなかったと言い切る器量が、
伝説の勇者様には、おありかしら?」

アレスティル「えっ、えーーーっ!!」

ウィルハルトは魅惑的な腰付きで、
アレスティルとの距離を詰めていく……。

外見上ウィルハルトは、
壁に飾ってあるレイラ王妃の肖像が、
まるで3Dで飛び出したように美しく可憐だ。
目は虚ろだが……。

アレスティル「ちょ、
ちょっと待って下さい!!

.....ど、どうして?

ロゼリアさんに会いに行ったのに、
ここに着いちゃったんだ!?」

切り立った崖の方へと、
追いやられるアレスティル君。
刑事ドラマなら、
もうクライマックスのシーンだ。

 

ウィルハルト「ロゼリア?
あら、薔薇は同じでも、
名前が少し違うようですわね。
ローゼとお呼び下さったら、
少しは私も良い気分になったのでしょうけど。

今は多少、
イタズラ心の方が勝っておりましてよ。」

ウィルハルトの料理!!
ウィルハルトの料理スキルは100だ!!
ハイクオリティの効果→

『ゴールドカツ丼が、
      三個出来た。』

アレスティル「カ、カツ丼!?」

ウィルハルト「心に染み渡るこの

ゴールデンなカツ丼をお召し上がりになって、
迷える心をお決めになって下さいな」

アレスティル「た、食べるの?」

ウィルハルト「中にはそれを見ただけで、
取調べに応じてくださる方もいらっしゃいますが。

どうせ取り調べられるなら、
ガツガツ、お召し上がり下さいませ」

アレスティル「と、取調べ受けてるー!!」

ウィルハルト「さあ、告白するのです。
レーナさんとやらに、
この私との甘い一夜のメモリーを」

アレスティルは、
踵がもう崖にかかっている!!

ウィルハルトは、
その虚ろな瞳に微笑みを浮かべながら、
密着寸前まで距離を詰めてきた!!

ウィルハルト「フゥ~。
吐息がかかるこの距離で、
アレスティルさんの乱れた呼吸を感じますわ。

さあ、思う存分、
劣情にその身を任せるのです!!」

そう言うと、
ウィルハルトは両手を広げ、
天使の微笑みを見せた。

アレスティル「ああっ!?」

アレスティル君は足を滑らせ、
そのまま深い闇の中へと堕ちていった。

アレスティル「ち、違うんだっ、
レーナさーーーん!!」

勇者様の叫び声が、
残響となって響き渡るのを、
酔いしれるように聞くウィルハルト。

そしてウィルハルトは言った。

ウィルハルト「......。

でも、甲斐性なしですわね。」

ウィルハルトは、
残ってしまったゴールドカツ丼を
一つ、スプーンで食べながら、
残りの二つを冷蔵庫にしまった。

ウィルハルトは、
食べ物を粗末にする人ではないが、
自分で作っておきながら、
その感動的なまでの完成度に、
その心を満たされていた。

ウィルハルト「ゲプッ......。
一つ食べれば満腹ですわ。

今日の日記、晩御飯は、
『ゴールドカツ丼』でした、と」

ウィルハルトはそう言って、
何やらメモを走らせた。

ウィルハルト「......。
ですが、もう勇者君まで倒してしまうとは。

予想以上の戦果に正直、
驚いています。

倒せるのでしたら、
倒せるうちにたくさん倒して、
楽園の早期実現を目指しましょう」

すると、
言った端から新たな影!!

ウィルハルト「......。
自分が何かのホイホイみたいに、
なってしまった気が致しますわね」

ウィルハルトは、
スリッパの二刀流による高速(光速)攻撃!!!

バチバチバチバチバチバチバチバチ!!!

ウィルハルト「さて、次々、
行きますわよ!!」

そうして、
粉塵の中から姿を現したのは、
ボロ雑巾と化した父、

バルマードの姿だった!!

ウィルハルト「お、お父様!!!」

バルマード「......やあ、ウィルハルト......。
自分の身を、自分で……守れるってのは、
素晴らしい……ことだ……ね。」

コテッ。

……バルマードは倒れた。

ウィルハルト「お、お父様、
起きて、お父様ーーーっ!!」

ウィルハルトは
まるで雪山の遭難者が、
永遠の眠りに付くのを阻止する気迫で、
バシバシ!バシバシ!!ッと
バルマードの顔を平手打ちした。

ウィルハルト「お父様、
目を覚ましてーー!!」

その声にバルマードが応えた。

バルマード「平手打ちで顔が腫れてて、
目は開かないけど、
ちゃんと生きてるから、心配ないよ。」

ウィルハルト「よかったぁ!!」

ウィルハルトは大泣きしながら、
バルマードの身体を抱きしめた。

ポロポロと零れ落ちる涙が、
銀の雫となって、バルマードの顔を少しだけシミさせた。

バルマード「しかし、
いつの間にこんなに強くなったんだい?」

ウィルハルト「……はい!?」

バルマード「いやー、元気なことは良い事だ。
ガハハハハハハッ!!!」

ウィルハルト「……お父様。

私元々、この強さですけど」

バルマード「へぇー、そーだったんだ!」

ウィルハルト「……。
ボケが見苦しいですわよ、お父様。
ぶっちゃけますけど、
私『ローゼ』の方ですワ」

バルマード「?
ウィルハルトの中の人の事が、
どうかしたの?」

ウィルハルト「!?
お、お父様が混乱なされているわッ!!」

バシバシバシバシバシバシバシバシッ!!!

バルマード「うぎゃあ!!」

ウィルハルト「私、ウィルローゼは、
普段、ボケ王子がどんな生活をしているか、
一日体験しているだけですわよ。

この私の愛に満ち満ちたオーラが

分からないなんて、
お父様には有り得ないことです。」

バルマード「ウィルハルト、
強くなったの分かったから、
もう、やめて・・・。」

バシバシバシバシバシッ!!

ウィルハルト「!?
もしや、あなた。
......お父様の名を語るニセモノ??」

バルマード「えぇーーー!!」

ウィルハルト「お父様は天下の英雄。
その名を語る不埒な輩も多い事でしょう。

ニセモノならば、
あの世ですら味わえない、
制裁を加えなければなりませんわッ!

『光は消える......。


時の流れに抗いし超質量の引力。
漆黒を超えた暗黒であらゆる全ての消失点。
世界が生まれる場所。
カタチさえ無意味な、
それは......原初の宇宙。

『ダーク......フォース』

その響きの中で無限の時へと返るのです
怖がる事はありません、
新たなる世界の創世時に、
その身は未来の一部となるのですから」

バルマード「ちょ、ちょ、ちょ、ちょ!!
本物ですから!!
よく見てみてっ~!!!」

ウィルハルト「うーん。
15R戦い抜いたボクサーみたいに

勇敢なお顔立ちになっていますわね。
・・・お父様っぽい?」

バルマード「パパです!
ヒゲパパです!!

オーラ感じてオーラ。
ヒゲオーラを、ねっ!!」

ウィルハルト「・・・。
では、私のオーラは?」

バルマード「ああ、もちろんさっ!!
ウィルロージェ!!」

ウィルハルト「じぇ?」

バルマード「可愛い、可愛い、
ロージェちゃんだよねっ!!」

ウィルハルト「......。

まあ私としても、
紛らわしい事この上ありませんし、
『じぇ』の部分は、妥協をいたしましょう」

バルマード「ほっ・・・。」

ウィルハルト「ですが!
本人証明が取れるまで、
しばらく付き合っていただきますわよ」

バルマード「えーーー!?」

ウィルハルト「......。
原型をとどめないくらい、
叩いてしまったのは、私ですが、

『じぇ』って言われるのが、
その......とても、気になるものですから」

そう言って、
ローゼは本来の自分の姿に戻り、
ウィルハルトと身体を入れ替えた。

ローゼさんは、
非常にグラマラスなボディをお持ちの為、
バルマードも痛いやら、
心地よいやらで、
腫れあがった頬を微妙に赤らめさせた。

ローじぇさん「あ、名前、変になってる!?」

バルマード「すまんのう......。
ちょっと、言葉にキレがなくてのぅ。
いい、ビンタじゃったよ......。

ほっほっほっ」

ローじぇさん「......。」

ローじぇさん「お父様の事を、
こんなにも心から愛していると言いますのに、
他人の空似だったらと思うと複雑ですわ。

......このオーラ、
この、トキメキ、
お父様に一番に気が付いて欲しいと

思っていましたのに」

バルマード「すまんのう」

ローじぇさん「カツ丼、食べます?」

バルマード「おおぉ......、
何でも白状しちゃうよ、ワシ。
ありがとうロージェちゃんや。」

ローじぇ「私も頂く事にしますわ。

だって『ローじぇ』ですわよ?
どうして『ロージェ』にならないのです??
というわけで、
もちろんやけ食いです。」

バルマード「おろおろおろ......。
レイラよ、あのときゃワシが悪かったよぉ」

ローじぇ「お父様、
白状する相手が違うでしょ!!
ざんげはいいから、
早く私の名を正しく発音して下さいなっ」

バルマード「ローゼよ!
カツ丼、美味かったぞ!!」

バルマードの体力が全回復した!!

・10度倒されても自滅しても自動的に全回復の効果!

・効果中、知力が90(限界99)まで上昇!(広範囲からみんなの知力を一時的に分けてもらう:効果後お返しします)

・効果中、強さが都合良く上がる:知力同様レンタル

・効果中、年を取らなくなる付与

・効果中、ラッキーがイカサマの様に継続:周囲から吸引......。

・効果中、モテモテになる:効果を活かせるかは使用者次第

・王国年金を免除され、税抜きのお国のお得意さま待遇

・なぜか心が満たされ過ぎて、物欲センサーに左右されなくなる:ON、OFF自由

・効果中、神様に願いが届くようになる:(迷惑な時でも付き合わされる、神様のランクは使用者次第で上下する


ローじぇ「お父様っ!!
やっぱり、本物のお父様でしたのね!!」

ローじぇ「......。」

ローじぇ「......名前、直して下さいませ」

ローぜ「......。」

ローぜ「......び、微妙。
まあ、いいですわ。
お父様の笑顔こそ

我が身の至福ですもの。」

ローぜ「今日の日記の追伸。
夜食は、ゴールドカツ丼です」

バルマード「日記をつけているのかい?」

ローぜ「お父様との愛の日記でしたら、
この身に深く刻み込んでくださいませ」

バルマード「レイラ、ごめん。
娘は変な娘に育ちました。
でも、元気です」

ローぜ「そんな報告しないで下さいっ!!
もうっ……。」

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エリク 2009/10/04記事再掲

2021年08月23日 18時55分46秒 | 登場人物紹介


名前 エリク(王家で王子として育てたが隠しきれず、今は姫。)
(本名は『エリクリーリア=エルシィ=レムローズ』) 
性別 女性
年齢 21(肉体年齢は16~18で止まっている)
髪 光彩で艶やかな色彩を魅せる繊維の細い柔らかな赤毛
瞳 ルビーの瞳
武器 アイスソードとファイヤーソード
奥義 苛烈剣・クリムゾンレッド
戦士レベル95
レベル限界???

北方の大国レムローズ王国、王位継承権1位の姫。
王国の全権を握るハイゼン候の支持によりその椅子は約束されている。
現在は諸事情により、国の管理は執政であるハイゼン候に任せ、
南東のフォルミ大公国に身を寄せている。

その容姿端麗さから『レムローズの薔薇姫』とも呼ばれるが、
気取ったところはまるでなく誰であれ気さくに声をかけてくれる。
時折、切なげな表情で何処かを見つめている様子も見られるが、
それは大人の事情というか、人それぞれ何かを背負っているということで。

普段の彼女は陽気だが割と気も使う方なので、それが内気にとられる事もあるが、
人見知りをしているというわけでもない。
料理に洗濯と何でも得意で一人で色々とこなしてしまう為、
給仕の者たちに「仕事をさせて」と思うほど、しっかり者で働き者である。

さすがにお姫様というか、王室育ちの温室育ちのお嬢様なだけあって金銭感覚は皆無である。
よく友人の少女リシア(フォルミ大公国最高の戦士)と一緒に、
値札も見らずに食べ歩きやショッピングをしている姿を見せる。
面倒見の良いフォルミ大公の世話好きのおかげでVIP待遇でお金言う物の価値をあまり良く知らない。

特に浪費家というわけでもなく、アメジストガーデン内ではその質素倹約な性格が
逆に周りを世話する者たちに気を使わせるところ多々もある。
......いい意味でではあるが。

剣の腕は一級品でその戦闘能力は『クイーン』という名が相応しいほど。
フォルミ大公国一の戦士リシアですら、
その迅速な灼熱の炎剣と凍結の氷剣の舞に圧倒され気圧される。
大軍ごとなぎ払う圧倒的無双の双剣を涼しい顔で着衣を乱す事なく華麗に魅せるが、
本人がその凄さを全く分かっていないようで、本当にお稽古事だと思い込んでいる。
その稽古相手だったハイゼン候がいかに強く彼女を導いたかと驚かされるが、
大事な孫娘の様に出来合いするハイゼン候が悪い虫除けに鍛えたものであった……。

その美姫の舞に戦士としての資質が単に高いだけではない、
何か、もっと大きな力のようなものを秘めているのを感じたフォルミ大公。
大陸は広いが彼女のように高レベルで二刀流の戦士は極めて稀有である。
この世界の戦士にとって二刀流は単に剣を二本握るだけではなく、
二本の剣を同時に極限まで練気する技量を要する為、その使い手はまずいない。

戦士の最高峰で究極の存在『マスタークラス』と呼ばれる者たちでも
二刀流の戦士が一人もいない事から彼女の天才的な戦士能力の程が伺える。
大陸最強の剣王「バルマード」なら二刀流も可能だが当然力は分散される。

 ……過去にかつて一人居たのは遙か神話の時代の剣の皇帝。
それをたやすくこなしたとされる人物『剣皇トレイメアス』
名を知る者たちすらごく僅かなの伝説上の存在。
二刀流を名乗る戦士の大半は剣に振り回されているのがオチである。

あらゆる物を持って生まれてきた彼女だが、
「天然さん」という成分も相当量含まれるので付き合ってみると意外と面白い人物でもある。
近頃は好奇心旺盛なリシアと一緒になって、とある隣国のプリンス様のグッズコレクターになっており、
年下のプリンスに夢見る乙女と化しているところがある。

ハタチは超えたが心はまだまだ16才!!の精神で頑張っている。
姿もその16~17を秘めた力の影響で止まったままなので違和感はない。
純粋に浮かれてハマる今年15才になる小娘リシアが
地味に羨ましかったりする今日この頃である。
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ためぞう 2009/8/10記事再掲

2021年08月23日 16時28分22秒 | 登場人物紹介

名前 ためぞう
性別 オス
年齢 見た目20後半(不明)
髪 いたんだ金髪 
瞳 青
武器 銅のつるぎ
奥義 なし
戦士レベル93
戦士レベル限界 たぶん今が限界

アホ。

一応、魔王軍四天王の一人であるが、最弱。
必殺技もない、大事な武器も質に入れ、今は初心者装備。
何故、戦士レベルが93もあるのかは謎。
奥義が使えない為(学ばなかったようだ)、格下の戦士にも負ける。
それでも彼が魔王軍四天王の座の端っこにいるのは、
案外、魔王軍も世の中も平和だったりする。
さらに使える四天王下の側近が豊富な為、任務を与えられていない(放置プレイされている)
……暇人なのでよく街に繰り出しては、可愛い子を探している。

本人が言うには、
偉大なる「酒池肉林絶倫計画」
なるものに全てを賭けているらしいのだが、
今のところ成果もないし実現の希望もカケラもない。

趣味はのぞき。
仮にも勇者に倒される中ボスにしてはセコい。
四天王みんなのタンスを開けては、
光学迷彩の黒マント拝借し悪用、闇にまぎれる……。

自分をこの世界の『主人公』だと信じきっているが、既に伝説の勇者はいる。
アホなので仕方がない。極めて狭い視野しかないのだ。
イージーモードのゲームを苦労の果てにクリア後に世界を語る為、
そんなふうに思えるのだろう。

どうして主人公である自分がモテないのだろう?と真剣に考えてはいるが、
それはたぶん魔王を倒し世界を救っていないからだろう、
でも大恩ある上司には手が出せない。
自分がその魔王側の四天王である事も忘れている。役に立ったことはないが。

人生の壁や試練に直面した経験が皆無な為、
打たれ弱いし、根性もない。しかしひがみ根性は人一倍。
しかも、逃げ足だけは速い為、
ある意味、危機回避能力には群を抜いて優れている。

今日のこの日もその類まれな逃げ足を生かし
あちこち徘徊しながら、暇つぶしの人生を繰り返す。

生存率は割合高め。
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アセリエス 2010/05/24 記事再掲

2021年08月20日 21時05分27秒 | 登場人物紹介


名前 アセリエス
(幾つかの名前と人格をもっており、『ロゼリア』という名で行動していることも多い。)  
性別 女性
年齢 100歳以上
(肉体年齢は19~21で止まっている。)
髪 黒く美しい、長い髪
瞳 右目は緑で、左目は真紅
武器 なし
奥義 なし
戦士レベル なし
レベル限界 0


 セバリオス法王国の『女教皇』。

戦う『力』を、持って生まれたものと、持たずに生まれたもの。

アセリエスの立場は後者です。

アセリエスは、
セバリオスの神託によって、
今の地位に在ります。

彼女は初めから、
とりわけ美しく生まれたわけではなく、
生まれながらにして、
何かを持っていたわけでもありません。

何処にでもいそうな、
ごく普通の一人の少女でした。

自分を守ってくれる存在が、
いなかったという点では、
決して、恵まれた環境で育ったとは言えませんでしたが。

当時の世界は、
今の世界よりも荒れ果てていましたし、
生き残る為には『力』、
もしくは『知恵』が必要でした。

その二つとも、
彼女には欠けていましたが、
ただ彼女は、
強く、自分を信じていました。
彼女が、他人と大きく違っていた点は、
その気持ちが、とても強いという事でした。

信じるだけならば、
誰にだって出来ることです。

自分を信じるのに、
お金は必要ありません。

前を向いて歩くだけならば、
必要なのは『力』や『知恵』ではなく、
健全な、その両足なのです。

アセリエスは、自分を信じ、
無知であることには、
言い訳はしませんでした。

自分を信じて歩く為には、
見上げる『目的』が必要なのだと、
彼女は考えました。
見上げる事で、彼女は下を向かずにすむのです。

最初の目的は簡単でした。
『生きる』ことです。

生きる為に何が必要なのか?

たくさんの足りないモノを満たしていくことが彼女を導く答えとなりました。

まずは、空腹を満たすだけのパンとスープ。
雨風をしのぐ為の屋根のある寝床。
そしてお金や物を得る為の仕事です。

それらを少しづつ満たしていく中、
人々は、
複雑に絡み合って
生きているという事を、
彼女は、経験という足跡で、
ゆっくりと理解していきます。

『社会』の仕組みです。

人にはそれぞれ、役割があります。
アセリエスは考えました。
善人が『善人』である為には、
『悪人』の存在が必要なようです。
害悪は許されるものではありませんが、
必要悪というものもあるようです。

彼女は、思いました。

「悪魔がいなければ、
 神の存在は薄れてしまうし、
 その恐怖がなくなれば、
 人間たちは争い始め、
 やがて、
 世界は今よりもっと、
 不幸になってしまうのかしら」、と。

アセリエスは正直、
世界の『不幸』に興味はありませんでしたが、
不幸が自分に飛び火してくるのは、
避けたい事でした。

それと同じように、
安易に飛び交う、
『幸福』という言葉の意味も、
理解し難いものだと、
彼女は考えていました。

聖職者の多い
この『セバリオス法王国』では、
その役職にある者に、
『幸福』という言葉が、
とても便利な、まじないの呪文のように
節操なく使われていると、
アセリエスは、思いました。

実体の無い約束事のように、
何の根拠無く、それは人々を励ましたのです。
その先に待っているのは、
伴わない結果と、落胆です。

このような無責任な発言は、
彼女の、
無意味なほど高い、
そのプライドが許しません。

彼女は、実行出来ないことは、
出来ないと言いましたし、
発した言葉に責任は取りました。

アセリエスは、
徹底した現実主義者でした。
取り引きには、至って誠実です。
まやかしの言葉などは、
美しくないと考えてました。

そんな人間が生きていくには、
多少、辛い時代ではありましたが、
信じる自分を安売りする気など、
このアセリエスには、
ありませんのでした。

彼女なりの美学に、
自己のルールに従って、
幾多の困難を乗り越え、
生きていました。

『強さ』を生き残ることで証明したのです。

やがて女教皇となった彼女は、

『女教皇・アセリエス』として、

こう言いました。

「自信を失うことは、
 とても不幸だと思うのじゃ。
 では幸福とはどんな味かのぅ?」

『言葉で語れるモノならば、
 ワタシの耳にはまだ聞こえないし、
 この目にはその色すら映らないワ』と。


人を幸福にしたいのならば、
  まずは自分が幸せでありなさい。

アセリエスはそう言った真意を、
口に出して説明する性格ではありません。

またアセリエスは、
豊かさというものがいかに飽きやすいものかという事を、
新しいモノを手にする度に、
感じてきました。

それを他人に見せぶらかすのは、
悪趣味で愉快ではあるのだけれど、
当然、妬まれ、無駄な悪意を買うのだし、
何より自分を信じるという意味では、
何ら『利』を生まないと。

女教皇となった今でも、
アセリエスはこう言います。

「褒め讃えられるのは、
 とても愉快であるし楽しいことじゃ。

 意外かもしれんのじゃが、
 褒められると自信が湧くのじゃ。
 単純に褒められるとやる気が湧くのぅ」

『こんな素敵な気持ちなら、
 少しは優しくしてあげられるかも
 知れないわ』、と

確かにアセリエスは、
褒められるのが大好きです。
それは彼女にとって、
とても嬉しい事なのです。

だから彼女は手抜きはしません。

皆が彼女を称えるその喝采は、
彼女の気持ちをより高ぶらせ、
その自信を、より強くするのです。

まずは、
自分を信じることから始め、
信じ続けることで、
美しく成長してきた彼女アセリエス。

彼女はとても高慢で、
たとえ思ってはいても、
言葉は選んで並べます。

『幸福』の言葉の意味も、
彼女なりに真剣に考えてはいるのですが、
それを口にするのは不愉快なので、
滅多に語ることはありません。

気まぐれに、
良い行いをしたくなった時、
アセリエスは、
こっそりと子供たちの前で、
こう言ったことがあります。

「子供はね、
 親にとっては未来そのものなの。
 今を生きているのが親だとすれば、
 親たちは今を延々と生き続けるの。

 だって未来はあなた達が、
 繋いでくれるもの。
 あなた達が未来を生きてくれるのよ。

 親が信じてくれるなら、
 迷わず道をお行きなさい。

 その先を照らすのが、
 あなた達の役目だもの」と、

アセリエスは、
言葉の意味を理解できない、
子供たちに向かって、
優しい口調で、
こう語り聞かせます。

そしてその言葉を直接、
親に伝えることはありません。

無邪気な子供は問いかけます。

「じゃあ、おねえさんのみらいは
 だれが、てらしてくれるの?」、と。

その時アセリエスは、
黙って首を横に振ります。

すると一人の子供が言いました。

「じゃあボクがてらしてあげるよ!」と。

アセリエスは自然とその子の頭を撫でてあげました。

すると他の子たちもそうして欲しいのか、同じようにアセリエスに言いました。

子供の視線の先に映るアセリエスは、
とても美しい女の人で、
その手は細くしなやかで綺麗です。

子供たちはぼんやりとしか、
『めきょうこう』と呼ばれる彼女、
アセリエスの立場を理解出来ません。

子供たちにとって、
その手で撫でられるのは、
とても嬉しいことでした。

ですがアセリエスは、
この子達と同じ時間を生きてはいません。
正確にいうとこの子たちの一生は、
アセリエスのそれよりもとても短いのです。

子供たちの何人かは
この記憶を宝物に、
女教皇に仕える道を選びました。

立派に働いて、
その生涯が終わるまで仕える。
あの日と変わらぬ、
綺麗な人、アセリエス。
いやもっと美しく、
優雅にアセリエスは咲いてゆく。

彼女の姿を見上げながら、
彼女の前を、
最期まで安堵の笑みを浮かべた
幾つもの命が、
通り過ぎて行きました。

その煌きは確かに、
アセリエスの異なる両目には、
映っていました。

アセリエスは無表情です。
これは頂点に立つ者の使命なのかも知れませんが、
誰かの為に悲しむ姿を見せる事は
国の全ての者に知られてしまう事です。
一度感情的な姿を見られる事は
彼女の完全な王者の姿の刷り込みを、
不完全にしてしまう事です。
だから感情ではなく態度で返す。

アセリエスがそこまで想っていたかはわかりませんが、
アセリエスはそういう時に目を背けたりした事は一度としてありません。

アセリエスは多く犠牲を払うような戦いに教団に仕える者たちを派遣するのを好みません。

たった数人の見知らぬ者たちを救うのに何百人もの命を天秤にかけるような真似はしません。

彼女に言わせれば単純な足し算と引き算です。
彼女に従う兵は、他国の兵に比べ戦での犠牲者は圧倒的に少数です。

アセリエスはとても強いのです。
兵たちは女教皇アセリエスを絶対的に支持しています。
アセリエスは負けず嫌いなので、
勝てる戦いにしか兵を用いません。

大人になった子供たちはアセリエスを敬愛し、国の発展の為に力を尽くします。
アセリエスはそんな彼らに、相応の礼節を以って応えます。

アセリエスは時折、純白の法衣を纏い、
神々しいまでの聖女姿で、人々の前に姿を現します。

市民や信徒を見渡せる祭壇に立ち、
アセリエスは言いました。
その言葉遣いはいつもと変わる事はありませんが。

「フハハハハッ......、
 良き眺めじゃのう。
 私を讃える声に満ち満ちておるわっ。

 皆が息災であるならば、
 それは国が富んでおるということじゃのう。
 私に仕事がないのでは退屈すぎて、あくびが出そうじゃ。

 この身を退屈させるのが国の平和に繋がるのであるならば、その退屈も仕事の内かのぅ。

 暇と金を持て余しておる者は聖都を花で満たすのじゃ。
 好みの花なら何でも良い。
 己が色の花で聖都を飾り立てるのじゃ。

 それでもこのアセリエスの薔薇の華やかさを超えるのは無理かろうが、出来るものなら越えてみよ。

 フフッ......フハハハハッ!」

アセリエスはそう誘っては度々富めるものを競わせ、派手に金をばら撒かせます。

花売りの子供は忙しくなり、
各地の花を満載した荷車で聖都は世界中の花で溢れます。

交易が活発になると豪商たちから献上される品々で大神殿の宝物庫も溢れます。

アセリエスは我がままを言っては、気に入らぬ品々を金へと変え、国庫へと注ぎます。
司教たちはその豊富な資金で、
飢える者に食事を与え仕事を与えます。

アセリエスは司教たちの無理な布教を禁じています。

大半は自分が投じた金なので、信徒が司教に付くよりは、女教皇の自分を崇めなければつまらないからです。
特に募っているわけでもないので、
好きな者だけ信ずればよい。と、そんな姿勢を取ってます。

この女教皇様の行いは主神である『セバリオス神』の意に適うものである。と、彼女を支持する者は声にします。
神の絶対の信頼を得ておられるからこそ、アセリエス様は永遠に美しくあられるのです。
と、そう触れ回るのです。

これは彼女の存在によって何らかの利を得ている者の言葉ですが、
大多数の人々の支持を集めている事には違いありません。

そもそも彼女が奉じているのはその主神ではなく戦女神のジラで、
なんとその戦女神はエリスと言う名で、彼女の側に親衛隊隊長として姉のように彼女を見守っているのでした。

「エリス様には、この身を捧げてでも砂の一粒の慈愛を賜れればワタクシは幸せなのです。」

誰もいない女教皇の豪奢な一室に純白の女騎士姿に、腰まで伸びる翡翠の髪が麗しいエリスを誘い込んでは、
戯れるアセリエス。

「こ、こら
すり寄ってくるんじゃない!
あと「様」付けで呼ぶんじゃないよ。
あんた分かってわざとだから困ったもんだよ......。
こ、こら、やめろって。
冒険行っちゃうぞ!天までそのまま帰っちゃうからな。

「ウフフ......。
ではワタクシもお連れ下さい。
この椅子の座り心地も良いのですが、
冒険と言う言葉の方にそそられてしまいますワッ。」

アセリエスは相変わらずの無機質の笑みを浮かべながら、
贅の限りの尽くされた二人だけの個室で、一度椅子の腕木に頬杖を付くと薄い笑みを浮かべてこう言いました。

「イチゴのケーキが食べたいですね。
それも甘ったるくて、とびきり美味しくなくてはなりません。

一度ロゼリアにでもなって、
エリス様の分も持ち帰りますので、
この椅子に縛り付けておいてもよろしいでしょうか。」
、と。
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レオクス 2014/05/12記事再掲

2021年06月24日 16時28分33秒 | 登場人物紹介


レオクス=ミストレウス=フォルミ大公

(後日登場するミドルネームの『ミストレウス』は古の時代の大陸の覇者
覇王帝の血縁になります。当主で父は覇皇帝サードラル。
レオクス同様の若さで複数の異世界を支配下に置き、
無限の力と永久の若さでその勢力図を拡大し続けるサードラル。
かつて統一したエグラート大陸とは比較にならないまでに広げた
見上げる星々の世界を制覇する星々の王。

……その至高の玉座を遠慮して、始まりの地エグラートに暮らす欲の無いレオクス。)

・とてもいい人。
・自分一人の幸せより、周囲の幸福を願う性格。
・立場などには、こだわらない人。
・心配性。
・まじめが欠点。
・押しが弱い。
・ハチミツ、ショコラテ、抹茶ラテとか好き。
・身長195cm 67kg A型。

戦士LV100(600)

レオクス「私では、力不足だが、
     せめて、
     君の盾となろう。」

・優しさであふれた性格ですが、強くなろうと努力し続けています。

(※当分先の話です……。
・ダークフォースVI(セカンド)以降の設定で
サードラルの大いなる遺産・『最強のルフィア』は、
本来、レオクスに託されたということになっています。)

・責任感が強いですがそのプレッシャーが、彼の欠点です。
・見た目より、苦労人。

 エグラート大陸安寧の為に仮想敵としての役目をあえて演ずるレオクス。
魔王との戦いが終わりを迎えた大陸の各国の同盟は崩壊し、
過去に何度となく数百、数千年と争い続け、その数を減らし続けた国々。

 ふたたび大国間の争いの気運が高まる情勢に先手を打って各国を牽制した
穏健派で知られたフォルミ大公レオクス。

 ……ためぞうの冒険というサクセスストーリーの前に
眩い光輝で皆の視線をためぞうから無意識に逸らし続ける
心優しいピュアな好青年。
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剣王国四天王 慈愛候 凛花

2021年06月10日 14時26分26秒 | 登場人物紹介
たぶん2009~頃の再掲です

名前 凛花(リンカ)= マクスミルザー

性別 女性

年齢 不詳(肉体年齢は、14~15歳。)

髪  椿のような艶を持つ、黒髪のショートヘア。

瞳  茶色。(ダークブラウンに近い。)

武器 名刀・備前長船『大般若長光』改

奥義 剣皇剣・隼(ハヤブサ)

戦士レベル 98

レベル限界100


 ティヴァーテ剣王国四天王、
 第四軍『サファイアの軍』の将。
 通称『慈愛候 凛花』
 剣王国四天王中、最強の実力を持つ。

 ティヴァーテ王室に繋がる、
 分家、マクスミルザー公爵家の養女。
 跡継ぎを亡くした公爵家にバルマードが、
 彼女を紹介したことにより、公爵家の養女となった。

 マクスミルザー公爵家は、
 代々、剣王の右腕として仕えてきた。

 故に、剣王の薦めを断りようもなく、
 凛花を養女として迎えたが、

 『異境』の娘である凛花を、

 由緒ある公爵家に迎えるには、
 相当の抵抗があった。

 剣王家や、他の公爵家から、
 迎えるのであれば、
 『血』が絶える事はないのだが、

 凛花の代で、
 剣王家に連なる者たちから、
 婿を取らなければ、
 公爵家は、
 里親である老夫婦が他界した時点で、
 『侯爵』家へと転落してしまうという、
 その不安があった。

 剣王家との血の繋がりが、失われてしまうからだ。

 公爵である老夫婦は、
 凛花の事を、まるで我が子のように
 受け止め、愛した。

 しかし、名門である公爵家の家臣たちは、
 その名にとらわれるが為に、
 凛花を受け入れるならば、
 即時、他の公爵家からの縁組をと、
 人の良い老夫婦に迫ったのだ。

 困り果てた老夫婦に、
 養女となった凛花は言った。

「お義父さま、お義母さまに出会えた事は、
 私の人生で、二番目に幸せな事です。

 一番の幸せは、この出会いを下さった、
 剣王陛下のそのお優しさだと、
 そう心得ております。

 私は、お義父さまを知り、
 お義母さまを知りました。

 そして、公爵家の優しい人たちを。

 私は・・・。」

 と、そう言いかけた凛花の言葉を、
 老人は、止めた。

「ずっと、傍にいなさい。」と。

 その後、マクスミルザー公爵である彼は、
 家臣たちを呼びつけると、
 その瞳に、剣王の血に繋がる覇気をのせて、
 彼らの前で、こう言った。

「異論のある者は、この場にて手を挙げよ。
 即座に、この剣にて討ち取ってくれる。」

 公爵は、
 彼の手にはすでに重たい、アダマンの剣を
 家臣たちの前に突き出して、
 彼らにそう問う。

 その時、全ての家臣が、
 親愛なる老公爵の身を気遣って、
 一斉に、
「異論無し。」と頭を垂れた。

 こうして、マクスミルザー公爵家は、
 彼女、凛花を受け入れたのだが、

 剣王バルマードが、
 何故、彼女を公爵家の養女へと、
 話を持ちかけた理由を、

 凛花が、第四軍の将として、
 剣王国四天王に名を連ねたその時に、
 思い知らされる事になる。

 圧倒的なまでの、
 戦士としてのその強さ。

 彼女は、バルマードに、
 その
 『戦士能力の隠蔽』
 を命じられていたのだ。

 バルマードは、
 公爵家の混乱が長引くようであれば、
 彼女に、その能力を見せるように、
 指示しただろう。

 それよりも先に、
 老公爵が動いた為、
 バルマードはその言葉を口にせずに済んだ。

 第四軍の重臣たちが、
 彼女のその実力を目にしたのは、
 王城ドーラベルンの地下にあるという、
 古の遺産の闘技上にての事だ。

 四天王就任の餞別として、
 バルマードは、凛花に、
 その場での能力開放を許した。

 凛花は、躊躇って、
 その言葉に遠慮したが、
 バルマードは、
 その場にいる全員に向かってこう吐いた。

「一度きりの、サービスだ。
 よーく見ておきなさいッ!!

 何しろ、私は簡単に、
 彼女に、
 力の解放を許す気はないからね!!」

 バルマードの声が、
 戦場にいる時のように荒い。
 これは、彼らを事前に身構えさせる為だ。

 さらに、バルマードは、
 挑発するように、彼らにこう放った。

「フハハハハッ、
 これに耐えれぬ程度では、
 どうこう、彼女に言う資格はないね!

 耐えられない人たちは、
 消えてなくなりなさいなッ!!」

 バルマードの叱咤が、
 家臣たちを守る為のものだと、
 すぐに理解した凛花。

 その凛花に、バルマードはこう耳打ちする。

(大丈夫だよ、
 私なりに選んで、彼らを呼んであるからね。)、と。

 刹那、

 凛花のその真の実力が発揮された。

 何という、強大な圧力!

 第四軍の家臣たちは、
 その力に、身動きさえ取れない。

 その、凛花から放たれる
 ライトフォースの煌きは、
 清水のように澄んでおり、
 一点の揺らぎも無い。

 つまり、その圧倒的な力さえも、
 凛花にとっては、
 控えめな、『力』の開放なのだ。

 この場に居合わせた、家臣たちは、
 全てが戦士LV80以上の猛者たちだ。

 その彼らでさえ、
 我が身を圧力から守るのに必至で、
 第四軍の副将である、
 コーデリアのみが、
 何とかその中で、戦士らしい立ち姿を保っている。

 副将・コーデリアは、
 ブロンドの長い髪に、
 青い瞳が印象的な美しい女性で、
 四天王入り出来るだけの実力を持つと、
 公爵家の家臣たちが押す人物だ。

 本人にその気はさらさらなく、
 老公爵を慕う忠義の士であったが。

 その、コーデリアは言った。

「神のような、力だわ・・・。」、と。

 コーデリアの戦士LVは、89。
 他国の将に、
 『戦乙女コーデリア』とありと、
 言わしめる程の人物で、
 これまでの第四軍の実質的運営を担ってきた。

 その彼女をして、
 凛花の存在は、まさに圧倒的であった。

 彼女を喩える言葉は、
 『女王』
 という名しか思いつかなかった。

 その、コーデリアの実力では、
 凛花の、
 今の戦士LVなど知り得る術もない。

 そんな顔をしたコーデリアに、
 バルマードは、涼しい顔でこう言った。

「知りたそうだから、教えてあげるよ。
 でも、他言無用に頼むよ。

 凛花将軍の今の戦士LVは、
 98ってとこかな。」

「98!?」

 その言葉に、誰もが耳を疑った。
 それは、
 大陸最強の剣王、
 彼、バルマードの戦士LVを
 大きく上回っているからだ。

 98ということは、
 天空の神々である、
 『フェルツ神』や『ジラ神』と、
 同じ戦士LVということになる。

 この地上では、存在しないハズの『力』だ。

 そう、その力は、
 神のような力ではなく、
 神と対等の力だといっていい。

 魔界ファールスにおける、
 『魔王ディナス』を除く最高値が、
 魔王四天王中、最強のマベルの97だ。

 彼女の、
 凛花の実力は、
 そのマベルの上をいっているという事になる。

 この時、
 第四軍の家臣たちの中で、
 凛花の存在は、
 『神格化』したと言って、
 過言ではない。

 同時に、こんな疑問も湧いた。

「何故、これ程の実力を持つ戦士を、
 剣王は、ひた隠すのか?」

 その皆の疑問に、
 バルマードは、人差し指を口元に当てて答えた。

「内緒、だからね~。」、っと。

 まるで答えになっていなかったが、
 皆が、そろそろ圧力の限界に入り始めたのを、
 感じ取った凛花は、
 力の解放をやめ、
 その戦士LVを、コーデリアよりも弱い、
 89以下へとダウンさせた。

 神の如き力を、見せ付けられた一同は、
 剣王に対する忠誠とは、
 また異なる『信仰』のようなものを、
 凛花に対して、抱いた。

 バルマードとしては、
 反目しあっているよりは、
 陶酔していた方がマシかな、っと。
 凛花の頭を、軽く撫で撫でしてやった。

 すると、一瞬!

「我らが神に、何をする!!」

 といった視線が、一同から
 バルマードへと浴びせられた。

 それに驚いたのは、凛花の方で、
 慌てて、皆を制止するような仕草を見せると、
 誰もが皆、従順にそれに従った。

「『凛花』様さえ
 我が軍に御座(おわ)せば、
 第四軍のみで、世界をも切り取れる。」

 そんな妄想に恍惚としているのだろうと、
 バルマードは軽く苦笑って見せた。

 凛花は、そんなバルマードに、
 頭を撫でられたのがとても嬉しかった様子で、
 恥ずかしそうに、
 バルマードの顔をチラっと見つめている。

 バルマードとしては、
 家臣たちから、
 余計な敵意を買うのは避けたかったので、

 第四軍の連中の輪の中を目掛け、
 凛花の背中を、ポンッ!
 っと押しやり、

 彼女を、無理矢理、
 その輪の中に投げ入れてやった。

 こうして、
 凛花を中心に、笑顔の花が咲いた。

 つられて笑みを零す、凛花を見て、
 バルマードは、想う。

(みんな、彼女の居場所になってやってくれよ。
 期待しているから、ネ。
 ・・・良かったね、凛花。)


 こうして、凛花は第四軍、
 『サファイア』の軍の将となり、

 第四軍こそ、
 『剣王国最強!!』と、
 兵士たちは意気を揚げた。

 翌年、
 老公爵が他界し、
 凛花が、
 名門マクスミルザー公爵家を継いだ。

 その名を、
 『慈愛候 凛花』とする。

 凛花は、
 愛する義父の別れを悲しむが、
 公爵家全体の事を想い、
 常に明るく、陽気に振舞った。

 時折、
 森の中の静かな場所にある、
 老公爵の墓石の前で、
 花を供える凛花の姿が見られた。

 その時、凛花は静かな表情で、
 こう言ったことがある。

「私の中の一番が、
 変わった事をお知らせします。

 一番は、やっぱり、
 私と一緒にいてくれる、みんなです。
 お義母さまも、やっぱり、一番です。

 でも、剣王陛下も、・・・二番ではないです。

 あの、そのくらい欲張った方が、
 きっと、お義父さまも、
 笑ってくれます・・・よね。」


 凛花は、
 元は、明るく無邪気な性格の
 女の子だったが、

 ある事件をきっかけに、
 言葉少ない少女へとなっていた。

 凛花は、その
 良い意味での自分自身を、
 かけがえのない人々の輪の中で、
 取り戻そうとしていた。


 凛花の本来の名は、
 『本田 凛花』。

 異境と呼ばれ、
 鎖国を続ける東方の島国、

 『天帝国 ジパング』より、

 バルマードに連れられ、
 この地へと至る。


 天帝国は、
 『天帝』
 を頂点とする為、

 エグラート帝国の
 『皇帝』
 の軍門に下るのを嫌い、
 独立を続けている。 

 また、
 それだけの武力を持つ国でもある。 

 その国風が
 『武』を重んじる為、
 同じ気風を持つ、
 剣王家とは、友好関係にある。


 天帝は、
 将軍職ある、
 『豊田』家と、
 五つの大名家によって守護されている。
 (島津、本田、上杉、
  山本、伊達、の五大名家。)

 凛花は、その内の一つ、
 『本田家』の姫である。


 バルマードは、
 かつて一度だけ、

 かの地にて、
 凛花の事を、こう呼んだ事がある。


  『黒髪のルフィア』、と。
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剣王国四天王 威厳候『メビウス』(レミル) (エストさんと双子の姉妹)再掲

2021年06月10日 14時19分00秒 | 登場人物紹介
2010-08-02の再掲


レミルさん
エストさんと双子です(エストさんが姉を主張)。

剣王国四天王 威厳候『メビウス』


本来エストレミルさんで生まれる予定が
エストさんと双子に、
出がらしのえすとさんじゃない方になります。

えすと
「・・・偽者ネタは、やめて下さい。
 夢は、
 華やかな人生を生きることです。」

レミル
「そんな、偽者だなんて、
 私はあなたの事を、
 そんな風に思ったことはありません。」

えすと
「うわっ・・・、
 なんかパラメーターで全部負けてる気がする。

 甲冑の向こうのナイスバディに比べたら、
 私なんて、ただの丸太だわ。」

レミル
「エストさん、
 共に、この世界をより良く導く為に、
 頑張りましょう。

 そうですね、
 私はあなたを『ライバル』のように、
 思っているかも知れません。

 共に何かを競える相手がいるのは、
 幸せな事だと思いますので。」

えすと
「ライバル発言、来たーーーーっ!!」

えすと
「いいわ、受けてたとうじゃない。
 だから、名前を『エスト』戻してくれない?」

……。

エスト
「フフッ、
 例え色々あれこれ劣ろうとも、
 私は、あなたに勝ってみせるわ!!

 私に奇跡の力が眠っているのなら、
 その眠りを叩いてでも起こして、
 栄光を、握りつぶすくらいの勢いで、
 手に入れまくってみせるだけよ!!」

レミル
「・・・。
 エストさん、あの。」

エスト
「何!?
 先制攻撃なら、許さないわよ!!」

レミル
「あ、いえ・・・。
 共に励みましょうという感じで
 申し上げた言葉なのですが、

 誤解されてる気がします。」

エスト
「生まれながらにして、
 そんだけ立派なモノ持って生まれてるから、
 そんな余裕、こけるのよ!!

 私なんか、あちこち失って、
 それでも必至に王宮で生き残っているのよ!!
 王宮で生き残るってのは、
 とーっても大変なことなの。

 いわば『人生すなわちサバイバル』よッ!!」

レミル
「・・・何だか、
 たくましい事になっていますね・・・。

 私たちは、そう、双子のようなものですから、
 仲良くやりましょう。
 ねっ?」

エスト
「双子なら、せめて同じ容姿にして!!
 あなたの方が、明らかに成分を持っていっているわ。」

レミル
「え、あ、その・・・。」

エスト
「そりゃ、あなたなら、
 仮面取って、ドレス着たら、
 モテまくりの、ときめきライフが待ってるでしょうけど!
 私の場合は、王子様から選んでもらう側の、
 数多いる女どもの、
 その中の一人なの。」

レミル
「えっと、
 そういうのは、私は苦手かもしれないです。
 ……。
 私って、地味ですし、
 そのおしゃれとか、わからないので。
 その、ごめんなさい。」

エスト
「何じゃーー!!
 その野郎どもが喜びそうな、
 清純派娘的発言はっ。

 あなたみたいのが、
 隠れヒロインとして、
 横から、油揚げを掻っ攫って行くのよ!!
 あげの乗ってないキツネうどんの気持ちが、
 あなたには、わかると言うの!?」

レミル
「・・・。
 あの、正直わからないです。
 でも、ほら。
 みんなが心から笑顔になれるって素敵なことじゃないですか。

 私が何処まで出来るかなんてわかりませんが、
 エストさんも一緒に、この美しい世界を守る為に、
 頑張りましょう、ネ?」

エスト
「見知らぬ誰かの笑顔より、私が愉快に高笑っているほうが、
 よっぽど大事だわ。
 レミルさんは、世間を知らな過ぎなんじゃない?
 世の中、平和になってしまったら勇者様なんて要らないの!!

 努力無くして真の勝利は掴めないの!!
 困った人がいたら職業安定所のパンフ配ったり、お仕事を探してあげる。
 景気はいまいちだけどみんな頑張ってるの、

 そうして得たお金は何よりも尊い、自分へのご褒美なの。
 そして、うまいものを食う!!
 生きてるって感じが満ち満ちるのよ!」

レミル
「・・・。すいません、勉強になります。」

エスト
「・・・。
 素直に返されると、ちょっとやりにくいわ。
 もっと、噛み付いて来てもらはないとね。」

レミル
「・・・エストさんは、
 お強いですね。

 なるほど・・・、という事は私も少し欲を出して、
 王子様を狙うくらいの気概が必要なのですねっ!!」

エスト(ん!?、それはいかん!!!)

エスト
「コホッ、コホン。
 ……んん、個性は大事とおもうわ。
 あなたは、もっとあなたの個性を大事にすることよ。
 清楚系のあなたがガツガツしては、駄目。」

レミル
「ほっ・・・。そうですよね、
 世間知らずなのに、経験豊かな
 無理はいけませんよね。

 どう、男の人に声をかけていいかわからず、
 困ってしまうところでした。」

エスト
(この人にはしばらく仮面のままでいてもらう必要があるわ。
 こんな娘をポップさせようものならば、
 王子もろとも、男を持っていかれかねない。
 どきどきガールズサイドでは、ライバルには出来るだけ潜伏状態で、
 そのまま潜伏していて欲しいから。)

エスト
「無理はしない、以上。いい?」

レミル
「そうですね、自然体でいることも大事なことですよね。」

エスト
「全然、無理しなくていいからね、無理は身体によくないの。
 みんな働き過ぎで海外のスローライフを見つめ直すのネ!」

レミル
「お気遣いありがとうございますっ。」

エスト
「そ、そんじゃね!!」

レミル
「はい!では、また。」

自己紹介欄を無効化してエストさんは消え去った!
……隠れキャラ的なので問題ないのですが、
それを分かった上で、レミルさんは温かな視線を送って
時期を待つことにしました。

・大英雄の能力を受け継ぎ、
良い成分をほぼ全て持ってる方の双子の妹?さんです。
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エストさん 古いの再掲

2021年06月10日 13時44分57秒 | 登場人物紹介
(2009年頃の物で💦

名前 エスト
   (双子で良い成分をもう一人にほぼ100%持って行かれて
    根性で人生というサバイバル)

性別 女子

年齢 16(本人談)

髪  みどりいろ

瞳  あおい

武器 木刀

奥義 腰の入ったパンチ!

戦士レベル 70~80ぐらい(本人もよく知らない)
レベル限界 ドス黒くなると凄い!!(主に、そこそこ手段を選ばない性格・根性・生存能力UP)


 アホ姫。

 現在、玉の輿を目指して、大国ティヴァーテに居候中。

 過去の記憶が曖昧で、なんとなく小国のお姫様をしていた。
 何処かの角で、頭を打ったせいだと本人は思っているが、
 かっこ悪いので、履歴書はとてもエレガントな感じになっている。

 悲劇のヒロインを演じてみたりして、
 ウィルハルト王子にあれこれちょっかいを出すが、
 今ひとつ、うまくいかないので、色んな策を練っている。

 王子の父親であるバルマード王の心象を良くしたり、
 周囲に親切なフリをしたりと、
 そういう所だけはマメで、
 つかみ所のないウィルハルトを落とす為、
 まずは、堀から埋めていく作戦を実行中。

 容姿は、さすがに姫を語るだけあって、そこそこ見れる。
 ランクは中の上といったくらいで、
 美少女と言い切るには、何かが抜けている感じ。
 年齢に至っては、いささか疑わしい点もあるが、
 若々しく、フレッシュに見せる為、
 コエンザイムQ10は、日々欠かさない。
 最近は、飲むコラーゲンにもハマっている。

 好物は、カンパチと沖漬け。
 やや、オッサンくさい面を持ち合わせている。

 その性格は、いい加減で、
 腹も黒く、ズル賢い。
 脱ぎっぱなしの、散らかしっぱなし、
 誰かが部屋を訪れる予定のない時は、
 足の踏み場もない事もしばしば。
 料理に洗濯にと、あらゆる事が出来ない人なので、
 今あるステータス(姫とか)を最大限に利用している。

 ティヴァーテに来る途中で知り合った、
 魔王軍四天王・筆頭のマイオストにだけは、
 自分の性格を完璧に見透かされてしまっている為、
 エストは彼のことを、かなり苦手にしている。
 (ネタをばらしたら、シメる予定)
 彼女はマイオストの事を「マスオスト」さんと呼び、
 王子には『マスオ』さんと呼ばせている。
 魔王四天王である彼に気を使って(顔はニヤついていたが)
 こちら側で動きやすいように、ニックネームを付けてあげたらしい。
 マイオスト本人は、かなり納得いかない様子。

 ウィルハルトという、
 最高のプリンスに巡り合えた奇跡を
 取りこぼさない為、(ライバル多し)
 持ち前のド根性で、あらゆる困難に立ち向かう、
 男前な、バトルプリンセス。

 最近のマイブームは、
 マイオストに借りた、ヤマモト=マリアンヌ氏の著書
 「王子様は眠れない」(通称ねむプリ)で、
 ウィルハルト攻略指南書と位置付け、
 夜遅くまで、瞳を輝かせてながら、
 あれこれ妄想し、
 飽きることなく、ひたすら読み耽っている。

 おかげで、やや寝不足で、
 美容に良くない日々を送っている。

 やはり、アホ姫である。 
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ためぞう(DFセカンドでは古蔵)再掲

2021年06月10日 13時36分51秒 | 登場人物紹介
(画像も文字も2009年頃の物で💦

名前 ためぞう
   (
性別 男の子

年齢 見た目20後半(不明)

髪  いたんだ金髪 

瞳  青 

武器 銅のつるぎ

奥義 なし

戦士レベル   93
戦士レベル限界 たぶん今が限界。


 アホ。

 一応、魔王軍四天王の一人であるが、最弱。
 必殺技もない、大事な武器も質に入れ、今は初心者装備。
 何故に戦士レベルが93もあるのかは謎。
 奥義が使えない為(学ばなかったようだ)、
 格下の戦士にも負ける。
 それでも、彼が魔王軍四天王の座に在れるのは、
 単に任務を与えられていないからだ。(放置プレイ)

 暇人なので、よくエグラート(人間界)を訪れては、
 可愛い女の子を探している。

 本人が言うには、
 偉大なる
 「酒池肉林絶倫計画」
 なるものに全てを賭けているらしいのだが、
 今のところ、成果はない。

 趣味は、のぞき。
 四天王の備品の黒マントを悪用し、闇にまぎれる。

 自分を、この世界の主人公だと信じきっているが、
 アホなので仕方がない。
 極めて狭い視野と、浅い知識で世界を語る為、
 そんなふうに思えるのだろう。

 どうして、主人公である自分がモテないのだろう?
 などと真剣に考えてはいるが、
 それはたぶん、魔王を倒し、世界を救っていないからだ。
 くらいの結論が関の山である。
 その時は、自分がその魔王側の四天王である事も忘れている。
 まあ、役に立ったことはないが。

 人生の壁や試練に直面した経験が皆無な為、
 打たれ弱いし、根性もない。
 しかし、ひがみ根性は人一倍。
 しかも、逃げ足だけは速い為、
 ある意味、危機回避能力には優れている。

 今日のこの日も、
 その類まれな逃げ足を生かし
 あちこち徘徊しながら、
 暇つぶしの人生を繰り返す。

 生存率は、割合高め。
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