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ダークフォースDFと続きに仮セカンド。Twitterは @14ayakosan 新規とDF追加再編です

となりのレイカさん。

2015年01月31日 15時08分37秒 | 日記
 エリスねーさんの家のとなりに、

 北条 レイカさんが引っ越してきて、

 もう幾日が過ぎました。


 ためぞうのキャンプは、レイカさんの家側の方にあるので、

 レイカさんが一階の窓を開けると、

 そこから、ためぞうとお話が出来ます。


  - まるで、幼馴染みみたいな関係ですね。

       後付けな的な感は大いにありますが。 -


レイカさん「おお、開幕から来るのですね。

      なんと言いますか、言葉のトラップ的なものが。」


 レイカさんは、躊躇うことなく窓を開けます。


レイカさん「こんにちは、ためぞうさん。」


ためぞう「こんにちわっす!」


 ためぞうは、庭先でじゃがバターを作っていました。

 焼き芋も仕込まれています。


 レイカさんは、ためぞうのお姉さんにすごく憧れを持っています。

 今まで、何でもキビキビとこなしてきた、名門女学院の生徒会長さんは、

 リーダーシップに溢れていますが、

 誰かに頼ることには、なれていません。


レイカさん「私も、そちらにおじゃましていいですか?」


ためぞう「どぞどぞ、

     よかったら一緒にじゃがバターとか食べましょうよ。」


 レイカさんは、エリスねーさんにならって、

 学園の赤のジャージを着ています。

 とても綺麗なお嬢さんですが、気取ったところがまるでありません。


 ためぞうは、テント脇の椅子を持ってきました。


レイカさん「わあ、この椅子、暖かいですね。」


 焚き火の近くでほんのりと暖められた折りたたみ椅子は、

 なかなかの座り心地です。


 レジャーの大好きなレオクスさんと一緒に買いに行ったものなので、

 起毛が付いて、ほかほかです。


 ためぞうが今使ってるテントも、冒険仕様の高級テントなので、

 買うと結構お高いです。

 普通のテント、10個は買えちゃう優れものだったりします。


レイカさん「ためぞうさんは、冒険が大好きなのですね。

      インドア派の私ですが、

      良かったらいつか、そういうものも教えて欲しいです。」


ためぞう「あー、いえいえ。


     自分、師匠と仰ぐレオクスさんに付いて行ってるだけなので。

     でも、自分で良ければ、いつでも言ってくださいっす。」


 ためぞうは、おいもが出来上がったら、

 エリスねーさんの家に上がるつもりでした。


 普段は、お泊り会で女子たちが賑わう家に、

 気を使って、テントを設置しているためぞうです。

 ついでに、テント生活のコツのようなものも学んでいます。


 レイカさんは、言いました。

 今日は晴れているので、よかったらここで頂きませんかと。


ためぞう「そっすね、

     じゃがいもも箸が通るくらいには、

     茹で上がっているので、


     早速、頂いちゃいますか。」


レイカさん「はい。」


 レイカさんのその、素直に喜ぶ顔が、

 なんとも嬉しいためぞうでした。


 ためぞうは、器用にじゃがいもの皮をむいて、

 箸で軽く切れ目を入れると、

 そこにバターをのせます。


 何とも言えない黄金色に溶けるバターに、

 お皿のからは、湯気がほわわっと、立ち込めます。


レイカさん「美味しそう。」


ためぞう「一緒に食べましょう。」


 口に入れると、ほくほくとしたじゃがに、

 バターの甘みが絡んできます。


 ハフハフいいながら食べる二人の姿は、

 端から見たら、恋人のように見えなくもありません。


レイカさん「ええ、こんな素敵な気分になれるのなら、

      むしろ、こちらから恋人になって欲しいですねっ。」


ためぞう「えっ!?」


 その光景を、こっそりローゼさんと、レミーアさんが見つめていました。


ローゼさん「お、恐ろしい子!?」


レミーアさん「おお、自然に言ってくるなぁ・・・。」


 ためぞうは、少し動揺しています。

 レイカさんは、じゃがバターのおかわりです。


ローゼさん「・・・いいなぁ。」


レミーアさん「なんで、コソコソしてるんでしょうね、私たち。」


 ためぞうは、焼いもの位置を微妙に調整しながら、

 棒で焚き木を寄せていきます。


 アルミに包まれた焼いもを二つ取り出したためぞうは、

 テーブルのお皿の上に置きます。


ためぞう「ちょっと熱すぎるので、持ちやすくなってから頂きましょう。


     まだ、幾つか入れてあるので、お土産にでも。」


レイカさん「ありがとうございます!

      後で、鈴木さんと佐藤さんに届けますね。」


 ローゼさんと、レミーアさんは、

 こっちに先に届けて欲しい様子でしたが、

 二人とも、隠れるのが上手いので、

 ためぞうたちには、全く気付かれていません。


ローゼさん「出ていきにくくなりましたね・・・。」


レミーアさん「誰か、通りかからないかなぁ。」


 こういう日に限って、なかなか知り合いがやって来ないものですね。


 ぐーっと、おなかの空いた音が鳴っても、

 ちょっとそわそわしているためぞうには、

 無意味なアピールになっちゃってます。


ためぞう「レイカさんは、こっちは少しは慣れましたか?」


レイカさん「まだ、たくさん学ばなくてはいけませんが、

      とっても楽しい日々を過ごしています。


      ・・・自由には、ずっと憧れていました。

      それは、多くの責任を伴うものだと、

      足踏みしていただけかも知れません。


      実際は、そんな自信のない私を受け入れてくれた、

      みなさんに、とても感謝しています。


      そして、いつか思うのです。

      この私が、みなさんと一緒に、

      誰かの勇気になれればいいなって。


      ・・・あ、話が長いですね。

      じゃがバター、本当においしいです!」


 そういって、照れるように微笑むレイカさんに、

 ためぞうは、ふと、心を奪われたような気がした。


 ためぞうは、次の瞬間、

 何と話しかけていいか、わからないでいる。


 すると、それを察したレイカさんは、

 テーブルの上に置かれた焼いもの方に目をやった。


ためぞう「あ、焼いもっすね!

     ついでに、お茶も入れます。」


 ためぞうは、

 保温ポットからティーパックの入ったカップにお湯を注ぐと、

 出来立ての焼いもと一緒に、レイカさんに手渡した。


レイカさん「美味しいから、たくさん食べちゃえます。

      私、わりと食いしん坊なんですよ。ウフフ。」


 レイカさんは、家の外からの視線に気付いて、

 二人の方に、手を振った。


ためぞう「おお、いらっしゃい!

     よかったら、お二人もどうすか?」


レミーアさん「おじゃまさせていただきます!」


ローゼさん「ためぞうさん、

      私、じゃがバター食べたいです。」


ためぞう「結構、たくさん茹でているので、

     遠慮せず、食べちゃって下さい。」


 テーブルに椅子が二つ追加されると、

 ローゼさんとレミーアさんは、照れくさい感じで席に着いた。


 ためぞうは、焚き火の中から焼きいもを包んだホイルを数個取り出すと、

 また新しい焼きいもの包みを中に入れた。


ためぞう「ノルンさんがダンボールで送ってきたので、

     遠慮なさらず、どぞどぞ。


     はい、じゃがバターになるっす。」


ローゼさん「はふはふ・・・美味しいっ。」


レミーアさん「美味いっすよね!」


 ローゼさんは、白のダウンジャケットを着て、味わって食べています。

 レミーアさんは、厚手のジャンバーに、ニットの帽子姿です。

 わりとワイルドにレミーアさんは、食べちゃってます。


レミーアさん「マジ、美味いっす!


       ためぞうさん、おかわり。」


ためぞう「たくさんあるから、いっぱい食べてね。」


 レイカさんは、ほくほくと甘い焼いもを口に運びながら、

 ローゼさんとレミーアさんの事を見ています。

 可愛い人たちだなって、感じです。


 レイカさんは、いい意味で正直なのです。

 なので、正直に二人に聞いてみました。


レイカさん「お二人は、ためぞうさんが気になっているみたいですね。

      でも、私も好きだったりしますよ。


      お二人が告白するのをためらっていらっしゃるのでしたら、

      私がためぞうさんに、

      想いを伝えてもかまわないのでしょうか?」


ローゼさん「ぶはっ!!」


レミーアさん「げほ、げほっ!!」


ためぞう「ぬおぉ!?」


 レイカさんは、生粋のお嬢様育ちなので、

 気持ちの伝え方が、わからないでいました。


 ただ、ためぞうと一緒にいることは、

 長い目で見ても、素敵な想いが育つと信じられたのです。


レイカさん「だめですか?」


ローゼさん「えー、

      ためぞうさんに、そういうイベントが発生した場合、

      ためぞうさんの冒険どころか、

      学園生活さえ終わってしまいます。」


レミーアさん「そ、そうなんですよ!(・・・そーなんですか。)」


レイカさん「あっ、それはいけませんね。


      だからみなさん、想いを胸に秘めていらっしゃるのですね。」



 ローゼさんはいいます。



   ・ ためぞうは、プレイヤー(主人公)の代打なので、

     勝手に、エンディングは迎えられません。


   ・ プレイヤー(新勇者さんとか)が登場した時点で、

     ためぞうは、とある魔王の四天王に戻らされてしまいます。


   ・ もしくは、タヌキさんとして、リスタート。



     注) これは、ローゼさんの勝手な想像です。



 ためぞうが照れています。

 具体的に、幼馴染み感覚でとなりに引っ越してきた、

 レイカさんを見て、照れています。


レイカさん「あ、その、・・・事情も知らずにごめんなさい。


      この想いは、胸に秘めて大切にはぐくむ事にします。」


ためぞう「ぶはっ!!」


 ためぞうは、ノックアウト寸前だ!


 それを意識したためぞうは、

 もう、レイカさんの事しか考えられなくなってしまうでしょう・・・。



ローゼさん「ためぞうさん、ごめんなさい!


      行きますよ、レミーアさん。」


レミーアさん「はいっす!」


 二人の乙女パワーは、彼女達を上空12000mまで舞い上げる!


 横を飛んでいた旅客機に、

 バンバン写メを取られまくりだが、

 一心不乱に、二人は合体奥義を放ちながら、

 地上へと舞い降りた!


ローゼさん+レミーアさん「スーパー=プラズマ=ハリケーン=ツインラリアットォォオ!!!」


 ためぞうの自動防御 トータスの構え III が発動!


 ダメージの99%をブロック! → ためぞうに、7000ダメージ!!


 ・・・ためぞうは、倒れた。


ためぞう「うぎゃ!!」


 ローゼさんは、マッハで回復魔法を唱え、

 素早くためぞうの戦闘不能状態を回復した。


ローゼさん「ぜぇぜぇ・・・ヒーロー技的攻撃からの、連続回復魔法は、

      結構、堪えますわね。


      私、本当にためぞうさんのお父さんに、勝った事あるのかしら。

      軽くリハビリしておいた方が良さそうですわね。」


ためぞう「・・・。


     あれ、みなさん。

     何処かで、お会いしましたか?」


 ためぞうは、微妙に記憶が飛んでいるようだ。


レイカさん「は、激しいですね・・・。


      えっと、ためぞうさんは、私とローゼさんと、

      レミーアさんに、じゃがバターと、

      焼いもを振舞ってくれていましたよ。」


ためぞう「なるほど! 思い出したっす。」


 ローゼさんは、行儀良く椅子に座って紅茶を頂いています。

 勘のいいローゼさんは、

 このままためぞうの隣に、

 レイカさんが住んでいるのは、アブナイ事を悟りました。


 何と言ってもレイカさんは、他の女子たちが持てないでいる、

 告げる勇気を持っている方なのです。


 ローゼさんも、言う割のには自分で勇気を出すのは、

 苦手な方です。


ローゼさん「め、面目ないです・・・。」


レイカさん「ローゼさんや、レミーアさんの気持ちは、

      とても優しい素敵な感じですね。


      もしよろしければ、私の家に今度遊びに来ませんか。


      みなさんでお話すれば、きっと楽しいだろうなって。

      エリスさんの家にも、遊びに行けますし。」


レミーアさん「お泊り会は、いつでも歓迎です!

       私、レイカさんとは、仲良くやれそうな気がします。」


ローゼさん「わ、私も、お邪魔しようかしら。


      レイカさんから学びたい事はたくさんありますし、

      ためぞうさんのとなりなのも、いいですよね。」


 女子三人は、焼いもを美味しく頂きながら、

 話に夢中になっています。


 ためぞうは、新しく焼けたいもを取り出すと、

 三人のお土産用に分けて、

 急須で入れたお茶を飲んでいます。


ためぞう「ずずーっ。


     ためぞうにしては、上出来だと思っています。

     冒険に出る機会こそありませんが、

     こうやって集まれる仲間の存在はありがたいものです。


     最近、ためぞうが思うようになったのは、

     オレのような中途半端なヤツでも、

     この優しい日だまりの中に居れるというか、


     素晴らしいこんな場所を、

     守っていきたいという想いのようなものが、

     だんだんと強くなっていってる事です。


     少しずつでも、気付けるようになりたいと、

     ためぞうは思うようになりました。」


 ためぞうの上司のセリカさんが、

 ためぞうのテーブルに置かれた焼いもを、

 キラキラした視線で見守っています。


 ためぞうは、その焼いもを持って、

 セリカさんの元に行きました。


セリカさん「出来るね、ためさん!」


ためぞう「セリカさんも、気をつけて遊んでこいよ。」


セリカさん「うん、カラオケ行ってくるー。」


 席へと戻って来た、ためぞうに、

 レイカさんは、言いました。


レイカさん「素敵な方たちに、見守られているのですね。

      私も早く、そんな輪の中に入りたいものです・・・。」


レミーアさん「レイカさんは、もうマブダチっすよ!


       早速、今日からお泊りさせていただきます。」


ローゼさん「私もお邪魔いたします。


      夜な夜な、みなさんのお布団の中でホクロの数でも、

      数えてみましょうね。」


レイカさん「そうなのですか? 何だか楽しそうですねっ。」


ローゼさん「ぎゃふん・・・。


      出来もしない事を、

      軽々しく口に上らせないようにしなくては、

      お嫁にいけなくなっちゃいますネ。」


 そこに、お花の配達をしていた、

 ファルさんが軽トラで通りかかりました。


レイカさん「こんにちはー。」


ファルさん「こんにちはー。


      この前のお泊り、ありがとうございました。

      楽しかったです。」


ローゼさん「えっ!?」


レイカさん「今日は、ローゼさんと、レミーアさんです。」


ファルさん「わ、私も入れてw」


レイカさん「はいー。」


 ローゼさんは心の中で、

 レイカさんを、恐ろしい子と思ってしまいました。


 今のローゼさんでは、

 いずれレイカさんに対抗出来なくなってしまうでしょう。

 ローゼさんは、自分自身をがんばって! と励まします。


ためぞう「ファルさん、おやつ代わりによかったら。」


ファルさん「焼いもですか、

      わー、嬉しいです!

      買うの、勇気がいったりしちゃうので。


      配達中に、美味しくいただきますね。」


 ファルさんは、配達に戻りました。

 お仕事を頑張って早く終わらせて、

 レイカさん家にお泊りです。


レイカさん「ファルさん、またねー。」


 レイカさん家は、立地条件が最高で、

 いつでも憧れのエリスねーさんの家に遊びに行けます。


 セバリオスさんは、いい物件を押さえていました。

 さらに、セバリオスさんは、

 レイカさんをデパートへと連れて行き、

 エリスねーさんの好みを知り尽くした、店員の田中さんから、

 羽毛布団などの寝具や、パジャマを揃えてもらっています。


 部屋も広く、いっぱい買ったので、修学旅行感覚でお泊りできます。


ローゼさん「・・・さすが、あのアリス会長さんと、

      ほぼ互角の能力をお持ちの、レイカさんですわね。


      すでにラスボスとしても風格が伝わって参ります。」


レイカさん「もう、昔の話はしないでくださいっ!


      ラスボスだったなんて、恥ずかしいじゃないですか。」


レミーアさん「(ラスボスだったんだ・・・。仲良くしよう。)」


ためぞう「困った事があったら、いつでも言ってくださいね。


     あと、エリスねーさんいる時も言ってもらえば、

     そっちに行かせますので。」


レイカさん「いつも、ありがとうございます!」


ためぞう「あ、いえいえ。」



ローゼさん「ま、負けないようにがんばります。

      がんばれー、私!


      では、またですー。 ^-^」
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日記 1・22 「エリスさんの冒険。」

2015年01月22日 12時41分44秒 | 日記
 ためぞうの冒険 II 番外編。


   「エリスさんの冒険。」


 ためぞうの面倒を見て、

 その成長を見守っている、エリスねーさんにも、

 女子高生な時代があったそうな・・・。


エリスねーさん「あったよ!


        ・・・あったと信じたい。」


 むかしむかし、かなりむかし・・・。


エリスねーさん「そこは、少しむかしにして。」


 バリバリの特攻隊長だった、エリスさんは、

 原付バイクの免許を取るや、


 あっという間に、天下に乗り出して、

 全国制覇を達成しました。


 すごいですね。


 おわり。


エリスねーさん「意味わかんねーよ!


        高校生活の部分が、

        すっぽり抜けちまってるじゃーねーか。」


 エリスねーさんは、自分の家のこたつにいます。

 ちょっと落ち着く為に、

 電気ポットで急須にお湯を注いで、

 緑茶を頂く事にしました。


 銘菓のまんじゅうもあるので、

 こたつでの持久戦は、バッチリです。


 サフィリアさんからもらった、赤のジャージで、

 学園生活気分に浸りながら、

 はんてんを羽織っています。


エリスねーさん「流されないように気をつけよう。


        高校時代も良かったよなぁ・・・。

        よし、アルバムを見てみよう。」


 今日は、一人でお留守番をしているので、

 気兼ねなく、想い出アルバムに思いを馳せる事ができます。


 今となっては、なつかしい、

 セバリオスさんや、レオクスさんとの三人の思い出。


 海に、花火に、運動会、

 どこに行っても三人は仲良しさんでした。


 放課後に、夕焼け色に染まった教室で、

 セバリオスさんから、甘い口付けをされそうになった時、

 ちょっと待って! と二人を止めた、レオクスさん。


 遊園地の観覧車が一番高いところに来た時の、

 二人の・・・。


エリスねーさん「アルバムが捏造されてるよッ!


        全部、ニセモノじゃねーか。」


 甘酸っぱい青春時代っていいですね。


エリスねーさん「そんな想い出、あったらいいなで、

        勝手に過去を変えるんじゃねえよ!


        ・・・私の記憶が確かなら、

        むしろ女子にばっかり弄ばれて、

        男子との想い出が、思い出せないんだが。」



 ・ そんな貴女に、今ならチャンスです。



   → 「高校一年の入学式に、

       2015年度の春から行って見る。(推薦はアリサ副会長さん。)

        マジカルパワーで、16才からのスタートの特典付き。」



     「想い出をそのままに、

       たくましく生きてみる。

        それでもマジカル、16才になれます。」



     「王子ランキング一位の、

       レオクスさんと、幸せに暮らしてみる。

        守られてみるのもいいものですね。」



エリスねーさん「ためぞうがいないからなのか?


        一見、いい選択肢ばかりだが、

        きな臭い感じがどうもね・・・。」


 ずずーっ、とエリスねーさんは、

 お茶を飲みながら、考えてみました。


 ピキーン!


 エリスねーさんに、とんち+1の効果!


エリスねーさん「もぐもぐ・・・、


        これ、選ぶとためぞうとの縁が切れるんだね。

        どれ選んでも、私はためぞうより弱くなりそうだから。


        ヤマモト師匠に、ためぞうの指南を頼まれた私は、

        保護者卒業になっちまうなぁ。」


 お見事です!


 エリスねーさんは、甘い誘惑を看破した。


 ちなみにヤマモト師匠さんは、

 ためぞうのオヤジさんで、

 エリスねーさんのバトルスキルの師匠さんです。


 ヤマモトさんは、

 天下無双の攻撃力と、

 とても高い回避力を持っていましたが、

 HPが1だった為、


 ローゼさんのしっぺで、やられました。


エリスねーさん「し、しっぺでやられてたの!?」


 チリリリリリリン・・・。


 エリスねーさんは、こたつを出て電話を取ります。


エリスねーさん「はい、エリスです!」


 かけてきたのは、ローゼさんのようです。


ローゼさん < 「若気の至りで、

         なんとも申し訳ありません。」


エリスねーさん「あ、いやいや、気にしないでね。


        ためぞうが、いつもお世話になっております。」


ローゼさん < 「ヤマモトさんは、

         現在、ガールズサイドの世界の方で、

         元気に過ごされておりますので。


         私が本来の力を取り戻すまで、

         少々、お待ち下さい。」


 ローゼさんは、実は天使だったりするので、

 ヤマモトさんクラスの戦士の戦闘不能も回復できます。


 ヤマモトさんが復活すると、

 ためぞうに受け継がれた、ジャスティスパワーは、

 ヤマモトさんに戻ってしまうので、


 カイザーためぞうの夢は果てます。


エリスねーさん「び、びみょーw


        取りあえず、ためぞうの未来は奪いたくないので、

        保留でお願いします。」


ローゼさん < 「はーい。


         ためぞうさんは、私も応援しています。

         では、失礼します。」


 エリスねーさんは、さっきより深くこたつにもぐりました。


エリスねーさん「ためぞうが強くなる為には、

        私はもっと強くなくてはいけないらしい。


        こっそり、冒険に出て、

        たるんだレベルを上げておこう。」


 こたつの温もりで、エリスねーさんは少し眠くなってきました。

 この隙に、軽く試練を入れて見ようかと思います。


エリスねーさん「寝てないよー。」


 エリスねーさんは、

 つぶらな瞳のアイマスクを着けました。


 眠気が覚めた! 感じになっている。


 マジックでまぶたに目を描くと、落とすのが大変なので、

 事前にアイマスクを用意していました。


 端から見たら、ちょっと笑える感じの、

 こたつで横になっている、エリスねーさんです。


エリスねーさん「すーぴー・・・。」


 寝てないかも知れません。


ためぞう「ただいまー。」


 ためぞうが帰って来ました。

 今日は、何故かセバリオスさんと、レオクスさんも一緒です。


セバリオスさん「おじゃまします。」


レオクスさん「お、おじゃまします。」


 レオクスさんは、玄関先からすでに緊張している様子です。


ためぞう「おお、

     ねーさんが、変なマスク着けて寝てる。」


 エリスねーさんは、今日はお仕事ですが、

 有給を取っていることを、ためぞうは知りません。


セバリオスさん「なんだ、居たのか、エリス。」


レオクスさん「エ、エリスさんが寝てるの!」


 レオクスさんは、ちょっと慌てています。

 セバリオスさんは、別に気にもならないようです。


セバリオスさん「エリスとは、長いからね。


        長い割りに、何も無かったのが、

        今思えば、若さだったと感じるよ。


        だいぶ、チャンス取りこぼしてたね。」


 ためぞうと、セバリオスさんは、

 するっとこたつに入りました。


レオクスさん「・・・その何気なさが羨ましいです。」


 恥ずかしそうな感じで、でも入ってみたいレオクスさんは、

 セバリオスさんの一言で、こたつに入ります。


セバリオス「ゆけむり温泉で、混浴に入ると思えば、

      気楽なんじゃないの?」


 こたつのハードルが、大きく下がりました。


レオクスさん「セバリオスさん、頼りになります!」


 ためぞうは、めちゃくちゃ強いこの二人に、

 お茶でも飲みながら、今後のアドバイスを受けるつもりでしたが、


 その二人の視線は、変なアイマスクの人に注がれています。


セバリオスさん「今まで特に気にしてなかったが、

        エリスの寝てる姿は、迫力があるな。


        胸元の辺りが、抜群にセクシーなのだが、

        その変なマスクが、とても残念だ。


        これ、いつも着けて寝てるの?」


エリスねーさん「すーぴー・・・。」


ためぞう「初めて見たっす。


     いつも家では隙だらけですが、

     アイマスク、取っちゃいましょうか?」


セバリオスさん「いや、起こしたら悪いから。


        いずれは、毎日みる羽目になるんで、

        今日は、この変なエリスでいいよ。」


 エリスねーさんは、目を覚ましました。

 変なエリスとか、言われています。


エリスねーさん(なんで居るの!?)


レオクスさん「寝顔もきっと天使のように美しいでしょうに、


       ・・・ちょっと残念です。」


 残念とか言われています。


 エリスねーさんは、寝返りをするフリで、

 なんとかアイマスクを取ろうとします。


エリスねーさん(レオクスさんもいたのか・・・。)


セバリオスさん「エリスは、寝相が悪いな。」


エリスねーさん(セバリオス、覚えて置けよッ!!)


 なんとか、アイマスクが取れました。


レオクスさん「おお! 期待以上です。


       感激してます。」


セバリオスさん「うむ、エリスは見た目だけは良く生まれてるからな。


        で、何の集まりだったっけ?」


 寝顔を褒められて、エリスねーさんは顔が赤くなってきました。

 バレないように、ちょっと横向きに姿勢を変えます。


ためぞう「お二人のどちらが、エリスねーさんを

     お嫁さんにするかの会じゃなかったですか?」


エリスねーさん(ぶーーっ!!)


 エリスねーさんは、さらに顔を見せないように転がります。

 あまりに恥ずかしい集まりだったので、

 もう、バレバレに赤面してます。


レオクスさん「・・・そんな会でいいような気がします。


       ためぞう君!

       私たちが、君を守るから、

       無理な冒険なんて、しなくていいよ。


       稽古で、お互いを磨いていこうよ。


       エリスさんの悲しむ顔は、絶対に見たくは無いんだ。」


セバリオスさん「そうだねー、

        ためぞう君が、天下分け目の戦いに行く時は、

        私が先陣を務めるよ。


        技のコマンド入力とかも、教えられると思うから、

        ゆっくり、頑張って行こうね。」


ためぞう「・・・とてもありがたいのですが、

     ためぞうが、活躍する場所はありませんな。」



 エリスねーさんには、よい風が吹いているようです。

 恋の季節も期待できそうですネ。


エリスねーさん(いきなり、発展してるのね。

        ためぞうが引き寄せた出会いなのか・・・。


        もっと、大事にしてやりたいですなあ。)


 ためぞうは、もっとたくさんの出会いを、

 引き寄せてくれそうです。


 ためぞうはレベルこそ上がっていませんが、

 人徳のようなものを積み重ねています。


エリスねーさん(ためぞー、ありがとー。)


セバリオスさん「さて、次の議題は、

        サフィリアさんについてなんだが。」


ためぞう「そこは、自分も参加させてもらうっす。」


レオクスさん「いいですよねー・・・、


       あ、いえ、

       エリスさんもすごくいいですよ。」


エリスねーさん(何の集まりなんだよッ!)




ためぞう「では、またですー。^-^」
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日記 1・19 ためぞうの冒険 II 番外編。

2015年01月19日 19時46分32秒 | 日記
 ためぞうは、迷いの中にいます。


 - 魔王の城近くの、迷いの森。 -


ためぞう「そう、オレは迷っている。


     具体的に、

     どうしたら、冒険出来るのかという事で。」


 ためぞうは、セリカさんが魔王をやっている、

 お城近くの森に居ます。


 一から、まっすぐな気持ちで、

 うどんや、そば打ちに熱心になりすぎて、

 正月を長崎ドラゴンタウンで過ごし、


 久しぶりに、魔王の城がある

 防御拠点 ファールスに帰省してきました。


 ためぞうにとっては、この迷いの森も、

 庭みたいなものなので、


 まず、迷えないという行き慣れた場所なのです。


 冒険者や、勇者一行を適度に鍛える目的で、

 造園されているので、


 魔王側の四天王という地位にある、

 ためぞうは、

 この森を、森林浴感覚で歩いています。


ためぞう「セリカさんの支配エリアで、

     冒険できないのは、なんとなくわかる。


     ・・・オレは、今一度、

     自分を見直す為に、ここに来ています。」


 最近は、なかなか冒険者も来てくれないので、

 森は、どちらかというと、

 癒しスポットに作り変えられています。


 とても美しい湖や、整備された公園もあり、

 レジャー感覚で、キャンプも出来ます。


 森から、しっかり魔王の城まで見えるので、

 なかなか迷う人もいないという、

 本来の意味を無くしている、変な場所です。


   森のドラゴンが、あらわれた!


ドラゴンさん「閣下であられましたか、


       本日もよい天気ですな。」


 森の小道は、木漏れ日に照らされ、

 あざやかな文様で描かれています。


 ドラゴンさんが真ん中にいると、道幅の関係で、

 前に進めないので、

 ドラゴンさんは、隅によって道を開けてくれています。


ためぞう「閣下はやめて。


     普通に、ためぞうでいいよ。」


ドラゴンさん「ためぞう様はすっかり丸くなられましたな。」


 割と礼儀正しいドラゴンさんは、

 人の姿に変化して、

 ためぞうに、お茶を出してくれました。


 ドラゴンさん、かなりイケメンな感じです。


ためぞう「ドラゴンさん、イケメンなのね。


     オレに足らない要素だなぁ。」


 ためぞうは、ずずーっとお茶を頂きます。

 適度に飲みやすい熱さの、グリーンティーです。


 外は冬ですが、

 この森の中は、ハウス構造っぽくなっているので、

 最適な気候(約20度)に、温度管理されています。


 ドラゴンさんは、博識そうなので、

 湖のほとりで、お茶を頂きながら、

 意見を聞いてみることにしました。


ためぞう「冒険したいような年頃なのですが、

     どちらかというと、

     冒険者一行辺りに中ボス扱いで、

     倒されてしまいそうな立場のためぞうは(魔王の四天王の一人)、


     どうすれば、冒険できると思いますか?


     特に、レベルを上げたいという感じもないのですが、

     アドベンチャーが足りていないのを、

     感じてはいます。」


 ドラゴンさんは、お茶菓子にクッキーを出してくれます。


 少しの間をおいて、ドラゴンさんはこう答えました。


ドラゴンさん「自分はむしろ、

       貴重な学園生活の方に憧れてしまいますね。


       この年になると、あの三年間の学園生活が、

       いかに重要なメモリーであるかという事を、

       思い知らされる感じです。」


 ためぞうは、イケメンに変化したドラゴンさんの年がわかりません。

 正直、けっこう若く見えます。

 でも、長寿の種族なので、見た目で判断してはいけないような気はしました。


ためぞう「なるほど、


     学園生活 > 冒険の図ですな。」


ドラゴンさん「キラメキな学園生活は、

       大抵の冒険より、勝っている気がしますね。


       冒険は、いくつからでも始められる気がしますが、

       学園生活は、期間限定な分だけ、

       レアな感じがします。


       最近は、ゲームやアプリなどで楽しめるようになった分、

       救われてはいますね。」


 ためぞうは、ドラゴンさんの言う事に、

 納得している様子です。


 ただ、ドラゴンさんの話から、

 彼は、親友のホーネルの部下のような感じがしてきました。


ためぞう「ホーネル、元気にやってる?」


ドラゴンさん「ホーネル殿下は、至って元気であります。


       殿下は、

       この世紀末的争い渦巻く魔王の城に、

       萌えという名の文化革命を起こしてくれた、


       イノベーションな御方であられます。


       現役のワルキューレさんを、

       二人もスカウトしてくれて、

       夢や希望で溢れる魔王軍として、新生しております。」


 ためぞうの勘は当たりました。

 ホーネル王子は、着実に勢力を拡大しているようです。


 軍師にライっちさんが復帰した事で、

 セリカさんの魔王軍は、

 簡単には、冒険者も近づけない強固な陣営に生まれ変わりました。


 ハンパな賢者たちでは、

 知力が97もあるライっちさんの策略を、

 看破出来ない為、

 魔王の城の防御は、かなり上がっています。


 そんなライっちさんですが、

 念願のワルキューレである、

 『「未来」のスクールド』は、

 簡単にホーネル王子に、持っていかれています。


 恋愛ゲームで唯一、

 ラスボスを攻略した実績のある、ホーネル王子に、


 その部分では、ライっちさんは勝ち目がありません。


 ホーネル王子に預けておいた方が、安全(効果:攻略されない。)かつ、

 きらめき成分も、ぐんぐん成長するので、


 ライっちさんは、

 温かな視線で、姫を見守っている感じだそうです。


 会いたい時は、

 こちらにいればいつでも会えるそうなので。


ドラゴンさん「新生魔王軍 2015年版は、

       うるおいに溢れた軍団になっております。


       仮面の女騎士である、麗しきマベル閣下が、

       普通にギャルな感じで、お城へと通っておられますし、


       ホーネル殿下が四天王筆頭であられる限りは、

       充実のきらめきライフが送れると、


       部下達にも好評です。」


ためぞう「すごく、評判いいのな。

     ホーネル。


     ・・・そこは、分かる気がする。

     アイツは、本当にいいヤツだからな。」


 ためぞうは、友人の活躍を素直に喜べるような、

 懐の深いタヌキへと成長しています。


 今のためぞうなら、天下分け目の戦いにも勝ち残れるでしょう。


ためぞう「うかつに、戦ったりしないよ。


     エンディングが来そうな予感がする。」


ドラゴンさん「ためぞう様が、我らの先陣で、

       試練を避けまくっているからこそ、

       この栄光があるのだと、


       常々、ホーネル殿下は仰ります。」


ためぞう「オレの株も上がっているのか・・・。


     御輿に担がれる前に、

     エリスねーさんの家に帰ったほうが良さそうだな。」


 ためぞうが復帰すれば、

 すぐに天下を取りにいけるような環境を、

 ホーネル王子は、準備しているようです。


 友情っていいですネ。


ためぞう「・・・感謝すべき事だとは、思うよ。


     でも、一定の成果をあげられないまま、

     王者レースに挑むのもどうかと。


     ためぞうにとっての最善の選択肢は、

     高確率でワナなのが分かってるので、


     まだまだ上っていきたいと、

     ためぞうなりには、思っております。」


 ドラゴンさんが気を利かせて、

 名物の、森のまんじゅうを持って来てくれました。


ドラゴンさん「頑張ってください!


       我らは、全力で支援いたします。」


ためぞう「おお、お土産ありがとうございます。


     澄んだ空気の森のドラゴンさんは、

     すごく空気を読んでくれて助かります。


     また、お会いしたいものです。」


ドラゴンさん「光栄であります!」


 ためぞうは、お土産の入った袋を受け取ると、

 ワープで、

 エリスねーさんの家に帰りました。


 エリスねーさんの家の庭にある、ためぞうのキャンプ。


エリスねーさん「おかえり、


        おお・・・お土産なのか!?」


ためぞう「名物の、森のまんじゅう。


     よかったら、みなさんで。」


お泊りに来ている、

 レイカさん、鈴木さん、佐藤さん「ありがとうございます!」


ためぞう「あ、いえいえ。」



エリスねーさん「では、またー。 ^-^」
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ためぞうの冒険 II 第三十三話。 「お引越し。」

2015年01月15日 12時10分24秒 | ためぞうの冒険(ダークフォース セカンド?仮+未定)
ためぞうの冒険 II 第三十三話。


   「お引越し。」


 エリスねーさんの家の隣に、

 レイカさんが引っ越して来ました。


 学校帰りの、サフィリアさんや、

 レミーアさんも手伝っています。


レミーアさん「部屋も多いし、お泊りも余裕ですよね。


       よかったら遊びに来ていいですか?」


レイカさん「はい、ぜひ。」


サフィリアさん「わ、私も。」


 みなさん、楽しそうに引越しのお手伝いをしています。


 エリスねーさんは、なかなかの美人さんなのですが、

 その男前な性格から、女子達にも人気があって、

 焦るような年でもありませんが、行き遅れさせられています。


ためぞう「ねーさん用の攻略陣地が築かれとるな。


     すでにオレのポジションは、

     ねーさんのオマケのみたいなだからな。」


 ためぞうは、ガールズトークの邪魔にならないように、

 外で荷物運びを手伝っています。


 そこに、つやつやな感じになったセバリオスさんがやって来ました。


セバリオスさん「やあ、ためぞう君。

        おせんべい食べる?」


 ためぞうは、お土産に越後のおせんべいをもらいました。


ためぞう「どうもっす!


     なんか、セバリオスさん、

     えらく美肌になりましたね。」


セバリオスさん「正月にたくさんお餅を食べて、

        その後、温泉修行に行ってたからね。


        ゆけむり温泉旅行イベントの為に、

        いろんなスキルを磨いてるんだ。


        レオクス君も一緒に行ってたりする。」


 神っぽい実力を持つセバリオスさんでも、

 優しく乙女を包むヴェールである、

 ゆけむりのその先を見る事は、不可能に近いらしいのです。


 どうでもいいおじさんとかは、

 バリバリ見えるらしいんですが。


 そのゆけむりの先のイメージをより鮮明にする修行として、

 心の目を鍛えているそうです。


ためぞう「おお・・・、


     ゆ、湯気で見えねぇ!

     を想定しての特訓ですな。


     ためぞうは、想い出を取りこぼすところでした。」


セバリオスさん「今日は、一応家主として、

        レイカさんに、

        ごあいさつに来た所だよ。


        町内会長のアリスさんに、

        レイカさんの護衛も頼まれているので、

        エリスの近所に引っ越してきてくれたのは、

        私としては、とても嬉しい。


        そうだ、

        ためぞう君に、もう一つ渡すものがあったんだ。」


 ためぞうは、セバリオスさんから、

 雑誌の入った紙袋を受け取りました。


セバリオスさん「ここで開けちゃダメだよ。


        エリスが元々モデルをやってる雑誌の今月号だよ。

        サフィリアさんと一緒に出てるから。


        袋とじの所とか、B2ポスターとか、

        ちょっと豪華な新春特大号になってる。」


ためぞう「どこの本屋さんにもなかったんですよ・・・。


     さすが、セバリオスさん。」


セバリオスさん「うん、古蔵君が買い占めてたからね。


        私が3+1冊、レオクス君が3冊、

        アリス会長さんの妹さんが1冊、

        レイカさんも3冊買ってたよ。」


ためぞう「・・・いろんな本屋さん、回ってるんですね。」


 ためぞうは、雑誌の入った紙袋を、

 ダッシュで、キャンプへとしまってくると、

 素早く戻ってきた。


ためぞう「ぜぇぜぇ・・・ありがとうございます!」


セバリオスさん「私とためぞう君は、いずれは兄弟

        みたいなものだからね。


        エリスの事を、これからもよろしく頼むよ。」


 ためぞうは、最近になって、

 そろそろ少し冒険したほうがいいんじゃないかと思っています。


 ただ、その冒険の難易度が、

 ためぞう一人だとちょっと高いのです。


 セバリオスさんは、二つ返事で引き受けてくれそうです。


 ですが、仮にセバリオスさんに付いてきてもらった場合、

 ためぞうは、自分は活躍できないんじゃないかとも思いました。


 同じ理由で、レオクスさんが来ても、

 ためぞうに出番はなさそうです。


セバリオスさん「ん? 冒険したいの、ためぞう君。」


ためぞう「お!? わかっちゃうものですか。」


セバリオスさん「心の目で見たというか、

        それでもゆけむりの先は見えないんだが。


        でも、ためぞう君は、

        けっこう強いよね?

        さらっと冒険に行くには、難しいレベルだよねー。


        四天王クラスの実力だと、

        強い戦士たちが来るのを待って、

        熱い戦いとかで、

        友情が芽生えたりするパターンだから。


        でも、ホーネル君みたいに拠点防衛に加わると、

        戻ってくるのも大変になるからね。」



 ・ 防衛戦 = タイトル防衛戦などに似ています。


         負けたら、四天王陥落などのダメージをたまに受けるので、

         とてもたくさんの経験値が入ります。


         比較的長期間、拠点にいなければいけないので、

         ためぞうの学園生活もかなり失われます。



ためぞう「イベント回収率が少ないうちは、

     魔王の城を守るより、アクティブに動きたいっす。」


セバリオスさん「町内会の掲示板で、

        いい日帰りクエストがあった時は連絡するね。


        正直、ためぞう君がエリスより強くなってしまうのは、

        望みではないんだけれど。


        聞こえてるよね? ためぞう君の上司のセリカさん。」


 柱の影に、セリカさんがいました。


セリカさん「バレたか。」


 セリカさんは、けむり玉を使ってドロンと消えました。


 特に理由もなく、面白くなればいいとかの感覚で、

 ためぞうの背中にチラっとみえる、

 「ジャスティス スイッチ」を押そうとするセリカさんです。


ためぞう「おお! なんかスイッチがある。」


 とって付けた様なスイッチがありました。

 押すと、ためぞうは正義のパワーに溢れた、

 無敵のヒーローになれます。(押すと元には戻れません。)


 コレを押せば、

 冒険しなくても、とっても強いヒーローになれます。

 見た目も、かなりのイケメンになって、

 レベルもたくさん上がります。



  ・ 押してみませんか?


    → 正義のヒーロー伝説を作ってみる。


      ジャスティス、最高! とか言われてみる。


      目指すは、カイザー! テッペン獲ろうぜ。



ためぞう「・・・。


     全部、ワナっぽいな。」


 セバリオスさんが、背中のスイッチを取ると、

 選択肢が消滅しました。


セバリオスさん「これ、セリカさんが仕込んだヤツだね。


        確かに、潜在能力を呼び覚ますだけだから、

        強くはなるんだけど、


        もしかすると、エリスより強くなっちゃうかも知れないので。」


ためぞう「おお、ねーさん並なのか・・・。」


 エリスねーさんは本気を出せば、

 セバリオスさんとも、わりとガチで戦えます。


セバリオスさん「これは、私の願いも入っちゃってるので、

        正しい意見かどうかは、

        難しいところだけれど、


        今のためぞう君は、

        エリスより強くなるのは、

        避けるべきだと思うんだよね。


        だって、エリスより強くなったら、

        エリスはきっと、

        ためぞう君の元から離れちゃうよ。


        エリスは、ためぞう君を守るのが元々の役目だからね。」


ためぞう「はっ!?


     それは、困りますね。」


 うっかり強くもなれないという、

 微妙な立場に立たされている、ためぞうでした。


ためぞう「さすが、セバリオスさんは、


     いい事を言う。」


 セバリオスさんは、レイカさんにご挨拶にいきました。


 引越し結わいにセバリオスさんが頼んでおいた、

 お花のギフトセットを、ファルさんが持ってきます。


ためぞう「こんにちは、ファルさん。」


ファルさん「こんにちはー、ためぞうさん。」


 一緒に付いてきた、ユッキーさんが、

 お花を持って、中に入って来ます。


ユッキーさん「どもですー。」


ためぞう「こんにちは、ユッキーさん。」


 ユッキーさんは、エリスねーさんの家にお世話になっているので、

 お花屋さん以外でも、ためぞうとはよく会っています。


 なんとなく気付いてはいたのですが、

 エリスねーさんは、ためぞうの為に、

 強力なチームを構成してくれています。


 ・ ためぞうが困る。 = エリスねーさんも困る。


 の図式で、

 何かあったら、みなさんが助けてくれるでしょう。


ファルさん「そうですね、


      私も、ためぞうさんが困った事になったら、

      やっぱり見過ごせないと思います。


      この前は、変な試練を与えてしまって、

      どうもすいませんでした。」


ためぞう「あー、いえいえ。


     いろいろ助けてもらってるので、

     こちらこそ、ありがとうございます。」


 三学期になって、

 どきどきな展開や、冒険も、

 うっすらとしている、ためぞうは、

 このまま、淡々と流されていいのかを、

 少し考えるようになりました。


 今では、こういう相談も、

 気軽に出来るような関係に、

 ファルさんとはなりました。


 関係としては、なかなか良好なのですが、

 友情っぽいものを、

 愛情のようなものに変えるイベントは、

 まだまだ、発生しなさそうな、ためぞうです。


ファルさん(ええ・・・、


      今や、親友とも呼べるローゼさん同様に、

      押しの弱さを感じるようになりました。


      以前、天下を取った気でいた私ならば、

      このためぞうさんの、本当の良さに気付くことなく、

      奪うように押し切っていたのかも知れません。)


 ためぞうのいい所は、

 すでに見抜いている、ファルさんやローゼさんです。


 エリスねーさん譲りの懐の深さが、

 王者としての孤高を味わってしまった者には、

 なんとも言えない、癒し成分になっていたりします。


 それは、まるで日だまりの中に置かれた、

 ふかふかソファーのような、ぬくもりなのです。


 ファルさんも、ローゼさんも、

 ためぞうといる時は、自然に笑顔になっている自分に気付くのです。


 今は、山から下りてきたタヌキっぽいためぞうも、

 何かの修行の成果なのか、

 優しさやうるおい成分を、すでに持っています。


ためぞう「さっき、セバリオスさんから言われたんすけど、


     冒険もほどほどに、

     エリスねーさんよりは、強くならない方が、

     いいんじゃないかなって。


     ほぼ最高レベルの実力を持つ、

     ファルさん的にはどう思いますか?」



 ファルさんに、ちょっとだけ選択肢です。



 ・ ためぞうは、

   今後、どうエボリューションすれば良いでしょう?



   → エボリューション! アンド、イノベーション!!


     ガチムチに、マッチョにレベル上げ。


     細マッチョに、レベル上げ。



ファルさん「・・・。


      ・・・あえて選べと仰るなら、細マッチョ?

      いえ、それも無しで。


      基本、選択肢って、

      選べるの出てこないですよね。」


ためぞう「少ないっすよね・・・。


     ワナ避けとして、機能してなくて、

     ためぞう的に、面目ないっす。」


ファルさん「いえいえ。」


 ためぞうとファルさんが話していると、

 レオクスさんが通りかかりました。


 レオクスさんは、国に帰ったお土産に、

 ラベンダーのエッセンシャルオイルと、

 持って来てくれました。


ためぞう+ファルさん「ありがとうございます!」


レオクスさん「実家で作ったものですが、良かったら。」


 レオクスさんも、セバリオスさん同様につやつやしてます。

 温泉修行は、なかなかの効能なようです。


 レオクスさんは、そのままセバリオスさんと一緒に、

 お引越しの手伝いです。


ファルさん(はぁ・・・、やっぱり、

      レオクスさんは美しいですね。


      でも、ためぞうさんには

      ・・・期待しています。)


 ファルさんも、乙女さんなので、

 王子の中の、王子であるレオクスさんには、

 つい、見惚れてしまいます。


 ためぞうの荷物運びもそろそろ一段落です。


ためぞう「やっぱ、レオクス師匠はカッコイイっすね。


     自分はまだまだなんで、

     冒険とか言ってる前に、

     こつこつワザを磨いた方がいいかもですね。」


ファルさん「ためぞうさんが、頑張っている姿は、

      素敵だと思います。


      つい、応援したくなっちゃうというかですね、

      こっちまで励まされるような気持ちになるんです。」


ためぞう「素直に、嬉しいっす!」


 ファルさんは、

 うっかり自分の言葉に照れてしまいました。


 この暖かい気持ちを知ってしまったファルさんは、

 きっと、前の自分には戻れない事を、

 心の何処かで、ホッと受け止めています。


 ローゼさんが、あんなに丸くなってしまった理由が、

 今のファルさんには、分かるような気がしました。


 この隙に、試練を持って来れば、

 ファルさんは、きっとかわせないでしょう・・・。


ファルさん「この余韻を楽しませて!


      ちょっと、試練は待ってくださいッ。」


ためぞう「し、試練っすか!?」


 ためぞうは、トータスの構え III を発動。
 

 ためぞうに、うかつものに良い効果+1 の効果が発動した!


 いつもより、さらにかわしまくる ためぞうの準備は万全だ!



 ・・・柱の影から、ためぞうの上司っぽい人の声が聞こえます。



セリカさん「そんなに、かわせるんだ。


      ・・・ためさんや、もっと強くなるんだよ。」


 一度や、二度ではこりない

 セリカさんがいました。


 わりとスタミナを消費する、試練の無駄撃ちは、

 セリカさんにも負担になるので、


 ファルさんとためぞうの関係を、

 面白い方向にしてやろうと、

 ノリで思ったセリカさんは、

 諦めて、カラオケに行く事にしました。


 セリカさんとしては、

 ファルさんのような強力な方が、陣営に加わると、

 安心して遊びまわる事ができるので、


 優秀な人材を求めて、いつもぶらぶらしています。


 おそらく、ファルさんとためぞうがドキドキな関係になった場合、

 実力では、セリカさんのかなり上を行くファルさんに、

 その領地へと、ためぞうをお持ち帰りされてしまいます。


セリカさん「なんだってーッ!


      ・・・ふぅ、あぶないあぶない。


      ためさんは、あれで結構、

      貴重な人材なので。」


 セリカさんは、スタタタッと去って行きました。


ためぞう「毎度、ウチの上司がすいません。」


ファルさん「あ、いえいえ。」


 都合がいいぐらいで、

 セリカさんのワナにかかって、


 後の事は、うやむやにする手もあるのかなと、

 ファルさんは、思ってしまいました。


ファルさん「お、思ってませんッ!


      では、またー。 ^-^」
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ためぞうの冒険 II 第三十二話 「ためぞうの新学期。」

2015年01月10日 14時06分49秒 | ためぞうの冒険(ダークフォース セカンド?仮+未定)
ためぞうの冒険 II 第三十二話。


   「ためぞうの新学期。」


 年末辺りを、

 年越しそばに情熱を賭け、

 そこそこの成果をあげた

 ためぞうに、新学期がやって来ました。


ためぞう「これからは、

     学業にも力を入れていこうかと思います。


     知力が3しかないのは、

     さすがにキツイ場面もありまして、


     策略だと、わかっていても

     かわしてはいけないシーンなどを、

     想定しています。」


 ためぞうは、ワナをかわしまくるようになりました。

 おかげで、別の誰かさんが、そのワナにはまっています。


ファルさん「・・・ええ。

      でも、お気になさらず。


      それも勉強だと思って、がんばっていきます!」


 いろんな世界から、数多の猛者を集結させた、

 このセントクラウス学園では、

 それまでの実績を、

 実用的な、行動力に変える為に、

 たくさんの試練が降り注いできます。



  ・ ファルさんの場合 = 西方最強の大覇王ですが、

               いまは、お花屋さんで一生懸命、

               イラスト付きのギフトなどを、

               手がけています。


               ワイルドに女帝として君臨するより、

               眼鏡でおさげの看板娘さんとして、

               素敵な笑顔を届けたいと想うようになっています。


               普段からいい香りがして、

               お花の入浴剤の販売もやっています。



ファルさん「勇んで乗り込んで来た頃の自分が、

      若く、そして懐かしいと思えるようになりました。


      もちろん、心はまだまだ乙女です。」


 ためぞうは、このファルさんの勤めるお花屋さん、

 「ジェネシス オペレーティブ カンパニー」

 のバイトでもあります。


 今は、仮免扱いという事になっています。


 - 新しい季節というのは、

    新しい試練も連れて来るのですね。 -


 と、さわやかに語ってみました。


レイカさん「朝の連続ドラマ感覚で、


      さらっと、試練が来るんですね・・・。」


 セントクラウス学園の理事長兼、

 生徒会長である、アリス会長さん。


 その彼女の親友である、

 北条 レイカさんが、

 特別待遇の模範生枠で転入して来ました。


 運転手さん付きの車に、

 おおきなお屋敷、優秀な家臣団。


 セレブなお嬢様的待遇の

 VIPな、おもてなしです。


レイカさん「普通に暮らしたいのですけど・・・。」


 お嬢様育ちのレイカさんは、

 普通の暮らしに憧れています。


 お屋敷にいると、全て家臣がやってくれるので、

 わりと退屈だったり、

 また、世間話のような気軽な会話もありません。


 それで、なんとなく一人暮らしに憧れを持っていたのですが、


 新学期が始まってしまったので、

 住む家を決めなければなりません。


 ということで、よろしくお願いします。



 ・ 何処に住んでみますか?


   → 堅牢な要塞仕様で築かれた、

      中はまるでお城のようなゴージャスなお屋敷。


     セントクラウス学園の、学園寮の一号室。

     (アリス会長さんが、いつも来てくれます。)



レイカさん「・・・予想を裏切らないですね。


      アリスさんの術中に、はまりそうです。」


 何処からともなく、

 そのアリス会長さんの澄んだ声が聞こえてきます。


アリス会長さん「ごきげんよう。」


レイカさん「ご、ごきげんよう、アリスさん。」


 二人は大の親友なので、心はいつでも繋がっています。

 筒抜けなのです。


アリス会長さん「はい。


        レイカさんが、

        夜な夜な、エリスさんの布団に潜り込んで、

        日々の添い寝を楽しみ、


        まるで何事もなかったかのように、

        元の位置へと戻り、

        おすましさんを続けているのは、存じております。」


レイカさん「ええ・・・。

      そこは、否定いたしません。


      ですが、それを存じているなら、

      選択肢の数が、

      間違っているのにもお気付きでしょう?」


 レイカさんの力は、アリス会長さんにも匹敵します。



 ・ レイカさんの実力 = ラスボス。


              あまりに強すぎて、最終話でしか出番がないので、

              レベルを10分の1程度に抑えて、

              こちらにやって来ました。


              7つのスペシャルな特技を持っていますが、

              アリス会長さんの目力の前には、

              その能力を完封されてしまう為、


              ちょっとだけ、アリス会長さんを苦手にしています。




レイカさん「なんとか、なりませんか?


      充実したスクールライフを送ってみたいのです。」



 エリスねーさんの家のご近所に、

 いい物件がありました。


 一人暮らしには、やや広い感じのある3LDKの家ですが、

 二階からは、エリスねーさんの家や、

 庭のためぞうのキャンプも良く見えます。


 たまには、一人は寂しいとか言って、お泊りにも行けます。

 また、お招きする事もできます。


 セバリオスさんの秘書的なセリスさんの為に用意された一軒家ですが、

 セリスさんは、うまい事潜り込んでいる為、

 家を借りる事が可能です。


 今なら、大きなユニットバスもプレゼント。



 ・ ここら辺で、手を打っていただけますか?


   → はい。


     まだだ! ためぞうから、エリスねーさんの家の二階を借りる。


     いいえ。



レイカさん「素晴らしい提案だと思います。

      前向きな方向で、「はい」を。」


アリス会長さん「気に入っていただけて何よりです。

        幼馴染み的設定も、

        オプションで追加しておきますか?」


レイカさん「あ、いえ。


      そのままでも、十分満足な内容なので。

      後は、がんばる要素にしておきたいと思います。」


アリス会長さん「では、ごきげんよう。」


 レイカさんが、ためぞうの近所に引っ越してきました。


 サフィリアさんたちも、学園に戻ってきています。


 
 始業式は、体育館で簡単にすみました。

 セントクラウス学園の3年J組では、

 ホームルームが行われています。


エリナ先生「みなさん、ごきげんよう。

      三年J組担任のエリナ先生です。


      今日は転入生の紹介があります。」


 エリナ先生の隣には、レイカさんがいます。


 先生は、黒板にレイカさんのスリーサイズやら、趣味やら、

 勝手に書き始めました。



  趣味は、お風呂で背中の流しっこや、添い寝ですか。    先生もわりと好きですよ。


  年上の女性に憧れている。                あらまあ、先生も年上ですよ。(19)


  90・50・87 うにゃうにゃkg・・・。            結構、着やせするタイプですね。


  お姉さん目当てで、山本 貯蔵君狙いですか。       直接、エリスさんを狙ってはいかがですか?



レイカさん「じ、自分で紹介させて下さいッ!」


 エリナ先生は果物が大好きです。


 レイカさんの実家から、エリナ先生のアパートに、

 引越しのご挨拶的なメロンが届けられました。


 エリナ先生は、嬉しそうにそわそわし始めました。


エリナ先生「みなさん、レイカさんと仲良くして下さいね。


      レイカさん、

      席はほとんど自由席なので、開いてる所を使って下さい。


      では、ホームルームは終了です。」


 レイカさんは、

 ワナに敏感な、ためぞうの近くの席に座りました。


 サフィリアさんや、レミーアさん、

 レミルさん(エストさんの代打)たちもいます。

 すぐに打ち解けられそうです。


 嬉しさ余って、

 北欧系の美人先生であるエリナ先生は、

 自己紹介をなど始めます。


エリナ先生「はい、みなさんいいですか。

      ついでに先生も自己紹介です。


      先生は現在、19才の乙女さんです。


      お肌つやつやですよ。

      お餅をたくさん頂きました。


      19才から若返ることはあっても、

      きらめきエナジーが溢れているので、

      その年齢を超える事はありません。


      今はアパートで、

      一人暮らしをしています。

      優しさが欲しい年頃です。


      みなさんが、甘酸っぱい青春を

      心の何処かで期待しているように、

      先生もそういう展開を期待しています。



      みなさんは、三年生の三学期という事になりますが、

      基本、この学園に卒業という文字は、

      ありません。


      この学園の場合、

      それは、高確率でニセ卒業式です。


      「卒業 = エンディング。」


      になってしまいますので、

      それなりのハッピーエンドも迎えないまま、

      うっかり卒業してしまわないように、気を付けて下さいね。


      一度、卒業してしまうと、

      たいへん高難度の入試が控えています。」



         ・ 5科目 100点満点の問題で、

           合計 2500点以上が合格ラインという、

           最高難度のミッションです。


           先生は、2985点でした。

           目標の、3000点は、なかなかの壁です。


           5倍以上の加点の期待できる、演技、構成点や、

           5打席連続ホームラン等の技などが求められます。



         ・ あるいは、アリサ副会長さん等に、

           何とかしてもらう。


           などなど。




エリナ先生「このまま春が来ても、


      2015年度版として、

      ちゃんと新たな学園生活がスタートします。


      想い出アルバム、好感度など、全て引き継げます。


      焦らなくてもいいですから、

      ゆっくり、いろいろと攻略して下さいね。


      もし余裕のある方は、

      先生の攻略とかもチャレンジしてみて下さい。


      こうみえて先生は、

      ちゃんと尽くすタイプだと思っていますので、

      優しい目で見てあげて下さいネ。


      愛情表現の一つとして、

      メロンなどのプレゼントも受け付けています。

      甘い感じの贈り物は、素敵な気持ちになれそうな気がします。


      ちなみに余談ですが、

      先生の攻略の近道は、

      現在 覇王ランク 総合1位の方を倒す事です。


      特に先生に興味がなくても、

      腕試しで挑戦して見るのも良いでしょう。


      余裕があったら、よろしくお願いします。」


 エリナ先生は、言いたい事を言って、

 メロンの待つアパートへと、帰って行きました。


 代わりに、ブレザー姿のローゼさんが、教室に入ってきて、

 ためぞうに言いました。


ローゼさん「ためぞうさん、ちょっとよろしいですか?」


ためぞう「あ、はいっす。」


 たまたま教室の前を通りかかったローゼさんでしたが、

 エリナ先生のある一言が気になって、

 ためぞうを廊下へと連れ出します。


ローゼさん「あまり、他の方に聞かれるのもどうかと思いまして、


      エリナ先生が仰った、

      直接、エリスさんを狙ってみてはという言葉は、


      女子でも、お姉さんを攻略可能だという事を、

      言いたいのだと思います。」


ためぞう「おお、なるほど!」


ローゼさん「エリスさんの後ろ盾を失った、古蔵さんの苦労は、

      ご存知ですよね。


      そう、なりかねないという意味に聞こえませんか?」


ためぞう「・・・。


     さすが閣下、

     いえ、ローゼさんは見てるところが違うっすね。」


ローゼさん「可能性の一つですが、

      それをみなさんに気付かれた場合、

      攻略されないとは・・・。


      という事を、お伝えしたくてですね。」


 ローゼさんにとっては、ささいな事ですが、

 ためぞうがピンチになるのは放ってはおけません。


ためぞう「ためになるっす。」


ローゼさん「あ、いえいえ。」


 ためぞうは、ローゼさんと接する事で、

 微妙に感覚がずれてきているのに、

 気付いてはいませんでした。


 ヒゲのバルマード王の娘さんである、

 ローゼさんは、

 最近、すっかり丸くなって、

 優しさに溢れるお嬢さんになりました。


 その姿は、世界で最も美しいとされる、

 箱入り娘の、薔薇のお姫さまです。


 ためぞうは、甘酸っぱい青春を求めて、

 この学園に入学して来たのですが、

 最近は、変わらない素晴らしさもあると、

 なんとなく守りに入っています。


 ようは、ローゼさんに近寄りすぎて、

 「美少女耐性」という、

 見えない変なステータスが付いています。


 成分は、不感症にやや似ています。


 息をのむほどに美しい、

 世界中のトップクラスの美少女を集めたような環境で、

 ぬるま湯に浸かりすぎた感覚になった、

 ためぞうは、


 栄光への再起を心に誓う、古蔵さんと違って、

 ワイルドさや、ハングリー精神が失われています。


ためぞう「そうだったのか!?」


 ためぞうは、ナレーションによって気付きました。


ためぞう「なんか、バットステータスみたいなのが、

     いつの間にか、発生していたんすね。」


ローゼさん「自分を引き合いに出されて、

      そうですねというのは、

      かなり恥ずかしいものがありますが、


      ためぞうさんには、ビックになって欲しいと

      願っています。


      いきなり変わるというのは、さすがに違和感が出ますので、

      再認識するような感覚で、


      ゆっくりと、ワイルドためぞうさんを、

      取り戻してはいかがでしょうか。」


 ローゼさんは、ちょっとだけ、照れています。

 押せばすぐ、心が揺れてそうなローゼさんを前にして、

 ためぞうは、すっかり押しが弱くなっている自分に気が付きました。


 魅力が基礎で600もある(通常 最大値は100です。)、

 ローゼさんと関係が良好になる事は、

 ためぞうにとっては、かなり得難いチャンスなのですが、


 今は、ただのうっかりなタヌキになっています。


ためぞう「・・・。


     オレは、初期のあの出会いの少なさ(ほぼゼロでした。)

     をすっかり忘れた、

     翼を失ったタヌキなのかも知れない。」


ローゼさん「あ、いえ、

      ためぞうさんは、あと1万回くらいは、

      スクールライフを送る事が出来ますので、

      急がなくても平気だと思います。


      えっと、ためぞうさんがいよいよピンチになったら、

      私の持つ便利な本で、


      何度でも、チャンスを追加いたしますので。」


 ローゼさんは、自分がかなり甘くなっていて、

 ダメな事をわかっています。


 でも、ローゼさんの方が、

 心の整理が付いていないのでした。



   ・ バリバリのファザコンだった時のあの優雅な日々。


   ・ はぐくむ事で得られる、優しい気持ちへの葛藤。

     (演技で、恥じらいの表情などはいつでも出来るのですが、

      最近は、本当にドキドキするようになった。)


   ・ ローゼさんは、根っからの王族出身で、

     王家の繁栄の為なら、

     自分は、側室の一人でもかまわない気持ちがあるのですが、


     ためぞうは、不器用なまでに一途なので、

     それは、成立しないでしょうという、複雑な想い。


     そこが、また良かったりもする。


   ・ あらゆる事を知る事ができる『全知の書』を持っていても、

     そのページを見る勇気が持てない。


   ・ 友情が芽生えたファルさんに、

     抜け駆けも良くないと思っている。


     自分が、永遠の16才の部分は、

     少しだけ有利だと思っている。



ためぞう「・・・なるほど。」


ローゼさん「こ、心の声が漏れていますね。


      ここら辺で引いておかないと、

      ためぞうさんを冒険させないまま、

      エンディングに向かわせてしまう気がいたしますので。


      た、例えばですが。


      仮に、私が『告白』コマンドを実行した場合、

      ためぞうさんの性格ですと、

      断れませんよね?


      ・・・・そういうことになります。」


ためぞう「こ、光栄すぎて、

     断れませんな・・・。」


 ためぞうも、ローゼさんも、

 なんだか、もじもじ青春しています。


 ここで、誰かにつっ込まれると、

 エンディングを回避出来ない事を感じたローゼさんは、

 造花の内職に戻る事にしました。


ローゼさん「では、ためぞうさん。


      お姉さんが攻略されないよう、

      そこだけは気を付けて下さいね。


      面白い展開を希望してくる、

      ためぞうさんの上司のセリカさんとかは、

      私とファルさんで牽制しておきますので、


      では、またです。」


 そう言って、ローゼさんは微笑んで帰っていきました。


 キャラがすっかり変わってしまった、

 プラチナの髪のお姫さまに、

 ためぞうも、なんだか和んでいます。


ためぞう「いい時代になりましたネ。


     ためぞうとしては、自分が試練を回避すると、

     ローゼさんやファルさんたちに

     試練が行ってしまう事を悟りまして、


     避けるよりも、超える努力をしなければいけないと、

     感じるようになりました。」



 ためぞうは、

 元々、モテないだけで、


 セリカさんの魔王軍 四天王の

 一翼を担ってきた実力はしっかりあるので、

 ハンパな冒険では、日帰りで帰ってきます。


 ためぞうの現在のレベルは 93ですが、

 セリカさんは、魔王派遣協会の中でも、

 トップクラスの実力があるので、


 ためぞうは、

 普通に ノーマルモードの魔王より強いです。



    ・ イージーモードの魔王のつよさ  LV50~くらい。



    ・ ノーマルモードの魔王のつよさ  LV70~くらい。



    ・ ハードモードの大魔王のつよさ  LV80前後。



    ・ 大幹部クラスの戦士のつよさ     LV90付近。

                (ためぞうは、この辺にいます。)


    ・ スーパーモードの魔神のつよさ    LV95以上。

             (通常世界ではLV最大値が、5分の1程度になっています。)


    ・ ラスボス級の覇王のつよさ      LV 97~100。

             (限界開放で、LVが600を超えてきます。)



ためぞう「・・・。


     スーパーモード以上の冒険が必要なのか。

     ソロでは、冒険、出にくいな。」



   ためぞうの冒険は、つづきます。
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ためぞうの冒険 II 第三十一話  「ちっちゃな冒険。」

2015年01月04日 15時38分55秒 | ためぞうの冒険(ダークフォース セカンド?仮+未定)
ためぞうの冒険 II 第三十一話


   「ちっちゃな冒険。」



 エリスねーさんの家。


 新たな住まいを探し中の、

 北条 レイカさんは、

 エリスねーさんのこたつで、

 正月番組を見ています。


エリスねーさん「そろそろ、探しに行ってみる?」


 年末年始を共に過ごした事で、

 ねーさんとレイカさんは、

 とても仲良しさんになっています。


 レイカさんとしては、

 この愛すべきおねーさんと、もうちょっとだけ、

 一緒に過ごしたいみないな願いもあるので、

 うまく、住まい探しをごまかしたいところです。


 こたつで、のんびりしたり、

 一緒にお風呂に入って、背中の流しっこしたり、

 同じ布団に、うまく潜り込む術もマスターしつつある、今、


 この素晴らしい日々とお別れするのは、

 もうちょっと先送りしたいと言ったところです。


レイカさん「そういえば、

      ためぞうさんは、かなり成長の伸びが期待出来そうですが、


      冒険には、行ったりしないのですか?」


エリスねーさん「ああ、・・・すっかり忘れてるなぁ。


        でも、おそば屋さんが好調で、しっかり働いてるんだし。

        どうなんだろうね。


        行ったほうがよさげ?」


 レイカさんは、微妙に話を逸らしています。

 ためぞうの、隠された力

 カイザーなんとかさんの部分にも期待しているのですが、

 一番の理由は、この居心地の良さです。


 一度、あのふかふかお布団など味わってしまうと、

 かなりクセになってしまうのです。


  ピンポーン!


 お花の香りの入浴剤を届けに、ファルさんがやってきました。

 サービスで、試供品を多めに持ってきてくれています。


エリスねーさん「いつもありがとうね、


        おお、いろいろな試供品がある。」


ファルさん「気に入ってもらえたら嬉しいです。」


 試供品には、温泉の素的なものも混ざっています。

 ラベンダーの湯、ミルクとローズの湯、桜の湯、花梨の湯など色々あります。


 レイカさんは、快適な温泉気分を味わう為に、

 お風呂掃除を頑張ろうと思いました。

 浴槽はそこそこ広いので、二人くらいなら余裕で浸かれます。


 ファルさんも、内心は、一緒に入りたいのですが、

 理不尽な試練続きで、ちょっとだけ消極的になっています。


 かつては、広大な領地に女帝として燦々と君臨し、

 天下に覇を唱える大覇王だったファルさんでしたが、


 最近は、まったりとしたその日常から得られる、

 小さな喜びをコツコツと積み上げていく事に、

 素晴らしさを感じている、20才 乙女さんです。


 本気を出せば、スペシャル強いファルさんと、レイカさんですが、

 今は、ふわっと包んでくれるような優しさに、

 甘えていたい年頃なんです。


ファルさん(なんとか、この包容力120%のおねーさんを、

      お姉様と呼べる日が来て欲しいものです。


      神であるセバリオスさんが、

      エリスさんには絶対逆らわない理由は、

      この癒しオーラのせいなのですね。)


 エリスねーさんは、ファルさんに上がってもらって、

 電気ポットからお茶を入れて、おせんべいと一緒に出しました。


 こたつを、三人で囲んで、

 ためぞうの今後の課題について、語りだします。


エリスねーさん「ずずーっ。

        本人いないのに、勝手に語るのもアレだけど、


        ファルさんは実はすんごい大覇王なんだよね?

        古蔵の勢力とガチで張り合えるくらいの。

        そーゆー実績のある人の話を参考にしたいと思います。」


ファルさん「いえいえ、そんな事はないですよ。


      で、ためぞうさんの冒険の件ですか?」


レイカさん「(話を逸らして、もうちょっとだけ、

       この生活を楽しみたいのです。


       お手数おかけします。)」


ファルさん「(なるほど、そういう事ですか。

       出来るだけ、協力したいと思います。)」


 ファルさんとレイカさんに、ちょっとした友情が芽生えました。


ファルさん「そうですね。


      どのくらいの難度の冒険がよろしいでしょうか?

      安全には配慮いたしますけど、

      (ピンチになったら、直接私が、敵を掃討します。)


      魔王討伐、ドラゴン討伐、スライム討伐など、


      色々な環境を提供できると思います。」


エリスねーさん「さすがに、現役の覇王さんは違うなぁ。


        ためぞうに聞いてみるか。」


 エリスねーさんは、

 ためぞうが働いている、道の駅ドラゴンに電話しました。


ノルンさん < 「はい、道の駅ドラゴンです。」


> エリスねーさん「よう、姐さん。

          ためぞう、出れる?」


ノルンさん < 「なんだ、エリスかよ。

         ためぞうは、なかなかの商売人だぞ。


         最速タヌキ伝説にエントリー可能なくらい、

         よく働いてくれてる。」


> エリスねーさん「それは、すげぇな。


          あ、でもよかったら、ちょっと変わって。」


ノルンさん < 「うん、呼ぶね。


         おーい、ためぞー、

         エリスから、電話。」


ためぞう < 「代わったよ、ねーさん。


        何かあったの?」


 エリスねーさんは、ためぞうに冒険の話を振ってみました。


ためぞう < 「うーん、年も変わったしなぁ。

        冒険は、一理あると思う。


        年越しタヌキ伝説で、

        年越しそばが思ったより好評だったから、

        ゆとりがない事もないし。」


 電話の向こうで、ローゼさんとリンカさんの声が聞こえます。

 どうやら、お客さんみたいです。


 リンカさんは、マジカルウエハースの効果が切れた事で、

 いつもの小ささに戻っています。


 ローゼさんは、竹箸を作ってためぞうに届けているので、

 わりとよく、食べに来ているみたいです。


ローゼさん「冒険に出ちゃうんですか? ためぞうさん。」


ためぞう「行くとしても、なるだけ日帰りで帰って来たいっす。」


> エリスねーさん「日帰りなら、いいの?」


 日帰りならいいみたいだと、エリスねーさんは、

 こたつで二人に言いました。


レイカさん「・・・ごめんね、ためぞうさん。

      わがまま言ってしまって。」


ファルさん「では、日帰りコースで、行ってもらいましょう。


      ためぞうさん、応援しています。」


> エリスねーさん「がんばれ、ためぞー!!」


 ためぞうは、ワープしました。


ためぞう「うぉう!?」



 鋼と魔法の時代・・・。


 戦士たちは、その剣に全てを賭けて、

 魔王に挑みました。


 魔法使い達も結構、頑張りました。


 ですが、魔王を名乗るだけあって、

 なかなか手ごわく、

 あっという間に、王様のお城以外は、

 陥落しました。


 お城には、魔王軍の暗黒騎士団や、

 ドラゴン達が、攻めかかっていて、

 すでに篭城戦に突入しています。


 なかなかのピンチのようです。


 お城の兵士も、ほとんど逃げ去って、

 王の間には、王様以外、いない感じです。


 忠義の士は、お城の守りに出ているので、

 広間はがらんとしています。


 ためぞうが、ワープしてきました。


王様「おお、伝説の勇者よ!」


 王様は、気前良く100Gくれました。

 兵士もたくさん逃げ出したので、

 余った装備もくれました。


ためぞう「ためぞうです。

     伝説の勇者ではありませんが、


     どうなってるんですか?」


王様「よくぞ聞いてくれた!」


 王様は、語るのが大好きなので、

 要点だけをまとめてみました。



 ・ 国が安定して、今なら魔王も倒せるんじゃね? で開戦。


 ・ とくに、魔王が手を出してきたというわけではないらしい。


 ・ お姫さまは、速攻で魔王に捕らえられた(亡命したっぽい)が、

   仁義の魔王なので、とても大事にされている。


 ・ 魔王を倒せば、姫を与えるという条件で、

   たくさんの冒険者が魔王に挑みました。


   お姫さまは、その事に腹を立てて、

   王様に絶縁状を送りつけて来ました。


 ・ そもそも、王様が勝手に相手を魔王とか呼んでいたので、

   実は、魔王でもなんでもなく、

   いい迷惑をこうむっている、人徳の君主。


 ・ 主を悪の魔王扱いされた、

   その部下達がキレて、

   強烈な反撃を受け、もう、お城が落ちそう。



王様「さあ、戦うのじゃ!


   武器も防具も、100Gも渡した。

   裏切り者の姫もついでに攻略してくるのじゃ!!」


ためぞう「・・・この場合でも、戦わなければいけないのか。


     どう見ても、こっちが悪いだろう。」


 王の間に、家臣が駆け込んできます。


家臣「魔王から、和議の使者がやってきました。


   平和的な解決を望んでいるようです。」


王様「バカモーン!


   ここまで、城を攻略されて、はいそうですかと、

   簡単に和議など受け入れられるかぁ!


   さっさと、追い返せ。」


家臣「は、はあ・・・。」


 和平交渉の使者は、追い返されました。

 交渉役の家臣も、あきれて魔王側に付きました。



ためぞう「・・・帰っていい?」


王様「帰らせないもんね!


   さっき入ってきたゲート、封鎖しちゃったもんね。」


 この中継を、エリスねーさんは、

 こたつの前にあるテレビで見ています。


 ローゼさんと、リンカさんもやって来ました。


エリスねーさん「これ、何の経験値あがるの?」


ファルさん「・・・こんな世界に送ったつもりはないのですが。

      もっときちんと選ぶように、以後、気を付けます。」


エリスねーさん「ああ、気にしないで。

        いろんなパターンもあるさ。」


レイカさん「ためぞうさん、ごめんなさい!」


ローゼさん「ためぞうさん、がんばって!」


リンカさん「私が、王様を懲らしめにいきましょうか?」


 ゲートが小さくなっているので、

 いくら元の小さな姿に戻ったとはいえ、リンカさんでも入れません。


リンカさん「ちっちゃい、いうなー!」


 ためぞうは、王様からの贈り物を一切受け取らずに、

 お城のキッチンに向かいました。


 王様は、懲りずに勇者や戦士を召喚する儀式で、

 変なおどりを踊っています。


 警備会社の警備員さんが、気合いでお城を守っています。


 正規兵は、もうほとんど残っていないようです。


 お城の正面の城門が開かれると、

 中から、おかもちを持ったためぞうが出てきました。


 たぶん、そばかうどんが入っています。


ためぞう「これが、自分に出来る精一杯の真心っす。」


 敵っぽい方たちは、たくさんいます。

 さんざん王様が挑発してくれたおかげで、

 怒りまくっています。


 敵っぽい指揮官は、それでも落ち着けと部下に言っていますが、

 若さに逸る騎士や、ドラゴンが、ためぞうに向かっていきました。


敵っぽい騎士「なめられたら、あかんのじゃー!」


敵っぽいドラゴン「活躍したいんじゃー!」


 ためぞうがおかもちを、大地に置きます。


 ためぞうに向かってきた敵の数は、約200。


ためぞう「こんなのは、試練のうちには入らない。」


 ためぞうの、タイガーの構え III が発動!


 丸腰のためぞうが、

 一気に中ボスクラスに見えるオーラが発せられました。


敵っぽい指揮官「皆、引くのだッ!」


敵っぽい騎士「見かけ倒しだ!」


 その刹那!

 一斉に、200の軍勢は地面に叩き付けられます。


 ためぞうのタイガー旋風脚 → 全体に、1500のダメージ!


ためぞう「道、空けてもらっていいっすか?」


敵っぽい指揮官「あ、はい、どぞどぞ。」


 エリスねーさんの家のこたつ。


エリスねーさん「ためぞう、つええな!」


ファルさん「冒険とか、必要ないんじゃないですか・・・。」


ローゼさん「ためぞうさんなら、出来ると信じています。」


 一方、お城では、王様がガッツポーズを決めています。


王様「武闘家であったかっ!」


 王様は、はしゃいで踊りまくりです。


 ためぞうは、悪の魔王とか悪口言われている、

 その本陣に着きました。


 魔王と呼ばれる、結構イケメンな君主さんは言いました。


魔王さん「こんにちは。」


お姫さま「こんにちはー。」


 お姫さまもいました。

 和んだ雰囲気の本陣です。


ためぞう「おしるこ作って来ました。

     よかったら、どうぞ。」


 もちもちの餅が入った、甘いおしるこです。

 鍋で作ったので、かなりの量があります。


魔王さん「これは、ありがたいですな。

     みなさんで頂きましょう。」


お姫さま「ありがとうございます!」


将軍たち「感謝いたします!」


 皆さんで、温かいおしるこを頂きながら、

 あの懲りない王様をどうしたものかという、

 会議が始まりました。


 ためぞうの実力を見た将軍たちも、わりと真剣に話をしています。


将軍A「姫様の前で失礼ですが、

    なかなか諦めてくれませんね、王様。」


お姫さま「スカっと、やっつけちゃって下さい。」


魔王さん「ああゆう方も、世の中には大事だったりするんです。


     全員が真面目一色になると、

     面白くない世界になったりするものです。


     褒めれば伸びるタイプの方だと思うので、

     そういう方向でいいんじゃないですか?」


ためぞう「さすが、魔王っぽい方はいう事が違うっすね。」


 会議で、リスペクト作戦が発動しました。


 とりあえず、全軍で王様をヨイショしようという策です。


 浮かれて、城の上で踊り続ける王様に、

 周囲を取り囲む全軍から、ヨイショが始まりました。


大軍「王様、マジ、サイコー!」


指揮官「付いていきます、王様!」


 事態が一変したので、王様は踊るのをやめて、耳を傾けました。


大軍「王様! 王様!」


お姫さま「お父様、大好きっ!」


魔王さん「カッコイイぜ、王様!」


 王様は、こんなに褒められたのは生まれて初めてです。


 感動して、ちょっと涙が出てしまいました。


 家臣が、キッチンからおしるこを持って来ました。

 もちもちの食感に、甘くまろやかな味のおしるこです。


王様「ずずーっ。


   ワシ、泣いてないからね。

   でも、みんな、ありがとぅーー!!」


家臣「和平の使者に、姫様自らが見えておりますが、

   いかがいたしましょうか。」



 ・ 王様に選択肢です。


   → 和平交渉に応じる。


     断固、拒否して、姫からサソリ固め。



王様「痛いのはイヤだから、


   和平で。」


 世界に平和が戻って来ました。


 ためぞうは、おしるこのレシピを伝えて、

 道の駅ドラゴンに戻って行きました。


 エリスねーさんの家のこたつ。


エリスねーさん「ためぞうは、あれでいいんだよ。


        帰ってきたら、おしるこ作ってもらおう。

        レイカさんも食べていくよね?」


レイカさん「はいっ!」


 どうやら、今日もお泊り出来そうです。



ファルさん「あー、無事解決して良かった。


      ちょっと、お花屋さんに一旦戻ってきます。

      仕事、途中なものでして。」


 ファルさんは、そう言って、

 お泊り用のパジャマを取りに帰りました。


ローゼさん「では、私はちょっとハインさんと、

      ラーメンを食べに行く約束がありますので。


      おしるこは、後でもらいに来ていいですか?」


リンカさん「たくさん食べて、早く大きくなりたいです。


      おしるこも大好きです。」


エリスねーさん「うん、取りにおいでよ。


        ためぞうが、忙しかったら、

        私が作っておくから。」




エリスねーさん「では、またですー。 ^-^」
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日記 1・01

2015年01月01日 15時01分39秒 | 日記
 こんにちは、井上です。


 2015年、

 今年もよろしくおねがいします。 ^^


 もちもち~

 お餅のもちもちは、

 何ともいえない、白さですね。


 その美白にみかんを乗せて、


 良い一年でありますようにと

 願っています。



 だいたい、最近の抱負は、

 『健康』が多いです。


 ある年辺りから、健康の話題を語るようになってた、

 自分がいます。


 無理をしない程度に、適度にラジオ体操等をして、

 普通に(無難に)一年を過ごしていければと思っています。


 
 更新間隔が適当なのは、変わらないと思いますが、


 これからも、よろしくお願いしますー。



 では、またー。 ^-^
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