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「年末のごあいさつ。」 2016年。

2016年12月31日 20時00分30秒 | 日記

 こんばんは、井上です。


 2016年を振り返ると、

 オリンピック、野球、サッカーにテニスと、

 見ごたえのある年だったなぁ、って思います。


 個人的には、今年の春前にパソコンを

 ノートパソコンに買い換えまして、

 以前より、パソコンに触れる機会も増えた一年でした。


 ワープロソフトを使い始めたことで、


 (以前は、長年愛用したワープロ本体(今はあまりみなくなりましたね。)

  が耐久に達して、以降は小さなノート(10インチくらいです。)で、

  シンプルテキストを使用していました。


  そして今年、ワープロソフトでしたので、

  編集は快適になりました。)


 快適さから、文章が長くなりすぎてしまい、

 何かと追記しては、横道にそれて、

 更新ペースそのものは、落ちてしまいましたネ。 ^^:


 そこの改善を、なんとかしたいなーとか思いつつ、

 思うだけで、おわっちゃってます。


 あまり、筋道や伏線のようなものを、

 使用せずに書いている為、書きあがってみないとわからないという、

 つじつま合ってるのかな?


 と、ぎもんや課題を残し放題の現状です。


 張り付くメモ紙に、思いついた事を書いて、

 それをB5くらいのノートに、ペタペタと貼り付けて、

 書いてるだけですので、


 内容そのものは、うっすいものになってしまいがちです。



エリスねーさん「あたしのほら、

        秋で始まった会社での話、

        もうカウントダウンで、年越しだよね?


        外伝送りの左遷(させん)の気配が、ぷんぷんとしてるんだけど。」



ためぞう「ねーさん、何いっても無駄だって。


     オレも中々、ねーさんには会えないんだから、

     年越しそばでも、食べていきなよ。」



 ためぞうは、営業許可を得た屋台で、

 そば屋さんをしています。


 ドラゴンタウンの繁華街から、

 大きなデパートの奥へと向かった、

 その先の場所にある、

 広くて気持ちのいい公園で、そばを打っていました。


 そのさらに先には、

 ファルさんのお花屋さんも入る、

 ドラゴンタウン商店街も見えるので、


 お花屋さんでもバイトに励む、ためぞうにとっては、

 都合のいい場所のようです。


 となりには、ためぞうたちがよく休憩時に利用している、

 おいしいクレープ屋さんもありますね。


ためぞう「ねーさん、今日はそばにしときなって。


     クレープ食べたいのはわかるけど、

     お土産で買って帰る予定だから、


     オレの熱い想いのこもった年越しのそばを、

     食べていってくれよな。」


エリスねーさん「お、おう。

        やっぱ、今日はなんとなくそばだよね。


        それじゃ、そば一つ頼むわ。」


 ためぞうはのれん越しに、

 あいよっ! っという掛け声と共に、

 仕事モードへと入ります。


 ぺらぺらと雑談はしていますが、

 その溢れる気迫だけは、どうやらホンモノのようです。


エリスねーさん「えー、あたしが最後なの?


        ・・・客の入りを心配してたんだが、

        ファルさんたちも、

        サフィリアさんや、レミーアさんたちまで、

        もう食べちゃってて、


        あたし一人の為に、開けててくれたんだぁ。」


 実は一度、ためぞうはのれんを下ろして、

 営業を終了していたのです。


 ためぞうの今日の営業時間は、午後の8時くらいの予定でしたが、

 ねーさんが通るのを見越して、

 再度、のれんをかけていたのです。

 
エリスねーさん「何気に、細かい気遣いとかも、

        進化しちゃってたりするのね。


        ワナ避けマスターだけだと思ってたのは、

        正直、謝るよ。


        あたしの知らない内に、

        どんどん大きくなってくもんなんだなぁ、

        漢の背中ってヤツはようー。」


 ねーさん、お酒は飲んでいませんが、

 歌い収めのカラオケ帰りで、テンション高めでした。


 そのシルエットだけなら、

 ほろ酔いで、はしごしている、

 おじさんっぽくない事もないですねっ。


 色気という部分が、ためぞうと一緒で油断してる時は、

 ねーさん、さっぱりです。


エリスねーさん「せめて、年越しくらい、

        ゆっくり腰を下ろして、そば食わせろよっ。


        変なワナが増えすぎなんだよ、最近。


        バイクでツーリングしてる時とか、

        あたしの癒しタイムなんだから、


        そこまで、ワナとか誘惑しかけて来るんじゃねーよ。」


 ねーさんは、空に向かってひとり言です。


 そこに、ためぞうのそばがカウンターに置かれます。


ためぞう「反論の余地なしとか、言わないで、

     ゆっくり味わっていってくれよな。


     まだまだ修行中のそばだが、

     そこは気分でなんとか乗り切ってくれよ、


     たのむぜ、ねーさんっ。」


 どんぶりから、しゅわ~っと、

 温かな湯気が、ねーさんの鼻を抜けていきます。


 そのいい香りは、出汁に使われた素材の気合いを十分に伝えてくれました。

 ねーさんのその手を、箸入れへと誘うと、

 コシのあるアツアツの麺を、どんぶりから掴ませ、

 一気に、その赤く潤んだ魅惑の口元へ運ばせるのです。


エリスねーさん「うめーっ、


        お、お世辞抜きに、ためぞうはすげえよッ!!」


 沸き立つ湯気をふーふーっ払いながら、

 その端正な顔に十分にまとわせると、


 チュルンとすすって、

 ねーさんの笑顔が弾けます。


ためぞう「そう言ってもらえると嬉しいねー、


     そのねーさんの笑顔が見たくって、今日も頑張ったって思えるよ。」


 ためぞうが、いい事言っているのはわかるのですが、

 ねーさんには、その箸を握る手を止める事が出来ません。


 語らなくとも、姉弟の会話のようなものは、

 流れているといった感じでした。



 その二人の姿を、遠くで見守る、

 セバリオスさんとセリスさんがいます。


セリスさん「姉弟、水入らずという感じで、

      何だかいいですよねーっ。」


セバリオスさん「うむ。


        セリスをエリスの近くに置いておくと、

        エリスの笑う姿がよく見えるのが良い。


        今年も、ご苦労だったな、

        セリス。


        来年も、むしゃむしゃ・・・

        よろしく頼む、んぐっ。」


 セバリオスさんは、紙袋を抱えて、

 ラウエルさんお手製の、そばまんじゅうをパクパク食べています。


 そして、そのそばまんじゅうを受け取ったセリスさんは、

 口に運びながら、こう言うのです。


セリスさん「はいっ!!


      エリス様のおそばに居られるのなら、

      しっかりと勤めたいと思いますーーっ。」


セバリオスさん「んっ、

        そばに掛けて、おまんじゅう食べてるの?」


セリスさん「んーもう、

      セバリオス様、オヤジですよー。


      意中の姫君たちの前では、

      ちゃんと紳士さんで、お願いしますよっ。


      うふふふふっ♪」


セバリオスさん「ハッハッハッ、

        この私は、簡単には変われないだろうがっ!


        さて、そろそろ初詣の準備でもしようか。」


セリスさん「そうですね、


      今年も一年、ありがとうごさいますですーっ!」




エリスねーさん+ためぞう「ありがとうございますっ!


             良いお年を。 (^-^)」




          今年も一年、ありがとうございます。

               良い年をお迎え下さいね。



             2016年12月31日  井上 光
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『ローゼさん☆』

2016年12月24日 17時38分23秒 | ためぞうの冒険+DFセカンド 登場人物編

   『ローゼさん☆』


 ・ 本名は、『ウィルローゼ=マクスミルザー』さんで、

   とある格式高き、由緒ある立派な大国のお姫様です。


   「ローゼ」さんと呼ばれています。



   (謎の超銀河帝国を形成する、三大王家の一つが実家の、

    スーパーお姫様さんです。


    その御三家の中から、次世代の覇王たちを統べる、

    大皇帝さんが選ばれたりしますので、

    数多の覇王たちが、恐れ敬う一族さんです。



    ためぞうたちの先生である、

    19才 女教師のエリナ先生が、

    何故か町内で、恐れ敬われているかという理由は、


    その事実を知る方々が、

    エッ!? もしや現皇帝陛下の妻であったはずの、

    『オーユ様』では、ありませんかッ!?


    っと、誤解されているからでもあります。

    まるで、双子のようにそっくりさんです。


    そのウワサのおかげで、

    親戚筋にあたる、ローゼさんも、

    いろいろと影で、恩恵を受けていたりします。)



ローゼさん「えっ、そーだったんですか!?」


 ・ と、ウブがっている、ローゼさんはさておき、

   紹介はつづきます。


   当初は、『ウィルローザ』さんで、

   「ローザ」さんでしたが、


   薔薇姫さんという事で、

   「バラ色=ロゼ」にちなみまして、


   ちょっと延ばした感じの発音の、

   「ウィル・ローゼ」さんという事になりましたネ。


ローゼさん「な、なるほど・・・。」


 物知りなローゼさん、

 ご自身が知らなかったようなので、

 かなり、いい加減な設定なのかも知れません。


 いい加減な設定は、さらに続きますっ!


ローゼさん「まじめに、やって下さいっ。」


 ・ DFセカンド(DF5以降)からの登場で、

   NEWな新人さんになります。


   新人ですので、失敗したり、

   うっかりしてしまう所は、どうかご容赦下さい。


   現在、開幕の初期設定から、

   大幅に横道にそれまして、

   初登場時とは、まるで別人さんのようになりましたネ。


   経験が浅いからなのか、

   キャラ作りが、ローゼさんの中で結構、

   コロコロと変わっています。


   今後も、きっと色んなモノに目移りして、

   変わってしまう事もあるかと思いますので、


   その辺りは、後日、番外編辺りでも、

   ご紹介したい次第です。


   ・・・スペック、かなり落ちてますネ。


ローゼさん「!?

      これは、紹介という口実を用い、

      さらに私をおとしめて、

      ひま潰しの回にしている気がいたしますわっ。」


 さすがは、ローゼさん!

 性能が落ちたとはいえ、まだまだ頑張れそうな感じです。


 これはもっと、ガツンと堕落させないと、

 エストさんのように、

 いい様にそそのかすのは、難しいかも知れません。


 今頃、エストさんは、

 新鮮なマグロを求めて、

 何処の海を旅しているのでしょう・・・。


 そういった、見えない努力こそが、

 家庭の食卓を支え、世界へと広がる、

 寿司文化に大いに貢献しているのでした。


 ローゼさんも、その艶やかで強靭な、

 ダイヤモンドの100倍以上の耐久性を誇る、

 ご立派なプラチナの髪を、


 宇宙開発とこの先の未来の為に、

 一本だけで構いませんので、

 ゆとりを持って、10万mくらい伸ばして、

 提供してはいかがなものでしょう。


ローゼさん「・・・。

      一体、何百年かかると思って、

      言ってらっしゃいますっ!?


      (時の流れが、私以外は止まった場所へと送られて、

       その長さに伸びるまで、

       戻れなくなるのではと、


       私の持つ、ちょっと便利な本が告げているのです。)」


 エストさんと同じようには、

 過酷な試練へと、もって行けなさそうなので、


 とりあえず、取説に書かれているように、

 知力が『100』ないと、

 発動出来ないハズの、

 あらゆる全てが記され、書き換えまで出来るという、

 スペシャルアイテム『全知の書』は、


 ローゼさんから、取り上げておいた方が、

 皆さんとのバランスを配慮しても、いいかもですねッ!


ローゼさん「これを良くご覧になって、

      そういう事は、仰って下さいっ。」


 と言ったローゼさんが、

 脇においてある、ちっちゃいポシェットの中から、

 ドォーン! と取り出したのは、


 5kgぐらいはありそうな、

 重量感のある、分厚い本です。


 でも、その百科事典のような厚みとは反し、

 表紙はまるで、絵本みたいな感じです。


 幼い子に呼んで聞かせるような、

 可愛らしいその表紙には、

 大きいみかんの絵が、いっこ描かれていて、


 「み・か・ん」と大きなひらがなで、

 タイトルが書いてあります。


 そして、本のタイトルが隅っこに、

 隠れるように、ちーっちゃな文字で、


 『全知の書・みかん(未完)』と、


 本物のタイトルが、

 コッソリと足したように、書かれてあったりします。



  ププッ・・・。



 これは、失礼。

 ローゼさん(乙女16才さん)、

 少し恥ずかしくは、ありませんか?


 以前のローゼさんでしたら、

 迷わず、こう仰っていたでしょうに。


  「この、無駄に重たいだけの本など無くとも、
  
   ワタクシには、何ら関係はございません。


   ウフフッ・・・。


   一体、この世の誰が、
  
   ワタクシを放って置くと言うのです。


   ただワタクシは、
  
   王者の中で、より強きの者に、

   ほんの少しだけ、微笑んでおけば、

   それで、全て済む事ではありませんか。


   その書が捨てられたくないと、ごねるのであれば、

   エストさんにでもお渡しして、

   しばらく待てば、良いお漬物でも出来る事でしょう。


   どうせ、その書のページに記されている内容など、

   ワタクシ以外では、理解する事すら、

   出来ないでしょうから。


   フフッ、ウフフフフ・・・。」、と。


 こんな感じだったはずですよッ!!


 あの頃の、

 気高く妖艶なほどに美しく、

 ただ、そのこの世界に一輪しか咲かないその華には、

 無数の棘がある、


 皇都レトレアに咲く、至高の薔薇姫と謳われる、

 ハズだった、ローゼ姫様は・・・。


 それは、確かに気安くなられて、

 乙女さんに目覚めた分、


 内心、恐れを抱いて仕えていた、

 群を抜く強さを誇る、列強の剣王国の家臣団さんたちも、


無双の剣士「あの姫様が、乙女さんになられたなんて!

      (姫様、頑張れそうですッ!!)」


剛勇の闘士「いや、ウィルハルト王子様と正式に融合されて、

      性格がウィルハルト様で、

      容姿が姫様になったという、萌えた話も・・・。
  
      (日々、美少女ゲームに明け暮れ、
  
       この時を、どれだけ待った事かァッ!!)」


国主の大元帥「・・・この事実は、他の列強に知られてはならぬ!


       「姫様は、オレの嫁」と想い願う者は、我に続けッ!!


       大陸を一気に平らげ、銀河統一へと名乗りを挙げ、

       天上天下に、「我らが剣王国ここにあり」と示し、

       共に、勝利の美酒に酔いしれようぞッ。

            (抜け駆けは、その後だ・・・。)」



 と、こんな具合に、

 のんびりとドラゴンタウンの、

 マンション暮らしの日々の間に、

 ローゼさん争奪戦とかが、にわかに起こっていたりするのですー。


 (・・・か弱くなりましたからねぇ。)


ローゼさん「き、聞こえてますよっ!!

      ・・・ですが、返す言葉も無く、


      私よりも恐ろしそうな、

      S(セリス)さん、E(エリナ)先生に、

      怯える事実は、確かに認めます・・・。


      私のあの頃のド根性は、

      一体、何処へ旅立ってしまったのかしら。」


 ローゼさん、根性無くして体力なさそうなので、

 とっとと、箇条書きで紹介すませちゃいますねっ♪


ローゼさん「えっ、ちょっ!?」



 ・ 基本のルックスは、プラチナの長く艶やかな髪に、

   ゴージャスなゴールドの瞳ですが、

   気合一つで、色彩を変える事が出来る、

   スペシャルなお姫様です。


   肌の色も同様に、細かく変えられるそうで、

   健康的な、小麦色の日焼け後など、

   (スク水焼け等、様々な日焼け後に対応可能です。)


   殿方のニーズに応える、気合の持ち主さんです。



 ・ 今現在、デフォルトのスリーサイズは、

   前のままのゴージャスバディ仕様ですが、

   (身長 約169cm B100 W50 H87 50kg弱です。)


   その体型や重さまでも、

   ロリや洗濯板、女子16才の平均値、

   力士級、クルーザー級、ヘビー級と、


   いつでも思った体型になる事が出来ます。


   (上記2つについては、

    ローゼさんがお持ちの『マジカルステッキ☆』で、

    マジカルに変身します。


    うっかり無くしても、スペアが1万本以上あるので、

    ちゃんちゃら平気です。


    世界のバランスをローゼさんなりに考えて、

    持ち出し数に制限をかけています。)



同じマンションの同居人で、

薄っぺらなリンカさん(15才)「姫様、それを一本下さいッ!!

                これから一杯尽くしますので、

                夢を現実で! 見させてくださいよーっ。」


ローゼさん「えっ!?

      リンカさん、どーやって現れたのッ!


      えっと、ごめんなさいね、リンカさん。

      前例を作ってしまうと、際限がないのです・・・。

      私だって、好きで持っているわけではないんですよ。


      これがないと、実家で可愛い弟の存在が、

      危うくなるんですっ!!」


怯まないリンカさん「って、ウィルハルト様は、

          姫様の都合で、パラレルワールドへと、

          飛ばしちゃったじゃないですかっ!!


          今なら、こちらでも実家でも、

          そのミラクルアイテムを、私に貸してくれても、

          まったく問題ないですよねッ!?」


 鼻息を荒くする、ちっちゃいリンカさんですが、

 言ってる事は、どうやら正論のようです。


 リンカさんの体型は、

 小学6年生の平均くらいですが、

 極端に無い部分が、一箇所だけあります。


 以前は、秘密の通販で、

 白いスクール水着などを着用して、


 ある王様のオッサンを誘惑しようとか、企てていましたが、

 そのあと一押しに、そこが足りないと、

 勝手に勘違いしています。


リンカさん「ひゅるるるる~~♪


      とにかく姫様っ!!

      ステッキ一度でいいから、貸してくれるのでしたら、

      私、毎日その水着付けてもいいですよッ!!!


      その姫様のありえないくらい理想形を保ったまま、

      重力に逆らい続けている、希望の丘が手に入るなら、

      強引にでも詰め込んで、水着、着てみせますよ。」


ローゼさん「・・・強くなりましたね、リンカさん。


      相対的に私が弱体したことで、

      そんな風に見えちゃうのかしら。


      目で見る事は出来ませんが、

      リンカさんは、確実にご成長なされていますよ。」


リンカさん「あやふやにして、誤魔化す気ですね?

      そこだけでも並ばれると、

      姫様は、ピンチになっちゃうんですか?


      愛するお父様のバルマード陛下を、

      この私に取られそうで、ビビッてるんですね。」


 リンカさんは、その事に関しては、

 譲れないくらい、強気になります。


 確かに、リンカさんの未来予想図通りにいけば、

 スーパーリンカさんになったあかつきには、

 素晴らしく美しい、

 スレンダーな、ボディラインを得る予定になっています。


 選択を誤るとその未来は消えちゃいますが、

 それなりに立派過ぎる、希望の丘も手に入る予定なのに、

 上がいるとなると、

 その欲求は、より沸き上がるようです。


ローゼさん「ちゃんと、成長するんですから、

      それでいいんじゃないですか、リンカさん。


      少女から、乙女へ、

      そして、素敵な大人の女性へと、

      そんな未来が、たぶん約束されているんですから。


      ねっ?」


リンカさん「重いとか、肩がこるとか、

      そんな言い訳はいらないのでぇす!!


      だいたい姫様のは、

      見た目通りのふわふわで、

      弾力も心地も素晴らしく、

      何と言っても、天使のはねのように軽いじゃありませんか。

      どーなってるんですか、それ!?

      この世界の七不思議の一つですよっ!!」


 リンカさんとの水かけ論が、終わらないと思ったローゼさんは、

 めんどくさくなって、

 リンカさんを、異世界の何処かへと吹っ飛ばして、

 その望みを、ちゃちゃっと叶えてやろうかとも思うのです。


ローゼさん(お、思ってませんよっ!!)


 そこにヒゲオヤジのコピーでも作って、

 リンカさんの望んだ世界を適度に与えて、

 閉じ込めてしまえば、問題解決です。


 飛ばした後に、都合のいい、

 成長の伸びしろを完全に排除した、

 リンカさんぽい、ちっちゃい女の子をコピーしておけば、

 今後、ローゼさんは、

 この小娘さんに煩わされる事も無いでしょう。


 と、以前のローゼさんなら思いましたよね?


ローゼさん(・・・。

      本当に、そうなのかしら。


      私って、なんていけない子だったんでしょう!!

      (>ω<)< クウーーーッ!!! )


 過去をちょっぴり反省したローゼさんは、

 勝手に自己紹介の途中に乗り込んで来た、

 リンカさんに、優しい微笑でその肩に手をかけ、

 こういうのです。


ローゼさん「リンカさん、

      私は間違っていましたわ。


      リンカさんの望みとあれば、

      それは私の喜びでもあるはずです。


      その願い、しかと受け取りましたよっ。」


リンカさん「ひっ、ひめさま!?」


 リンカさんは、この時確かに、

 恐怖に似た感情を抱いてしまったのです。


 それは懐かしくも恐ろしい、

 追憶の中のローゼ姫・・・。


   ピキィーーーーーン!!


 ローゼさんのちっこいポシェットの中から、

 チャキーン! と、確実に入らないであろう、

 オモチャっぽい、マジカルなステッキを取り出しました。


ローゼさん「マジカル、マジカル、

      お願いかなえて~~~っ♪」


 ローゼさんは、静止するリンカさんに気付く事無く、

 (視線に入っていません、・・・主に身長のせいで。)

 キラキラと、星のきらめきを撒くように、

 ステッキを一振りします。


リンカさん「うわわわわーーーっ。」


 レインボーに輝く、

 ゴールドとプラチナのわたあめの様な霧に包まれた、

 リンカさん・・・。


 何だか、蝶になる前のきらめく白金の繭のようにも見えます。


 早く殻を破らないと、自力で破れないリンカさんが、

 酸欠になりそうなので、

 ローゼさんは、少し手荒くその糸を解いていくのです・・・。


 しつこいくらい、中は輝きに満ちていますが、

 糸は後で紡ぎ直せば、立派な絹地になりますので、

 ローゼさんは、その糸を運命の糸車のようなもので、

 慣れた手つきで巻き取っていきました。


 けっこう荒業にも見えましたが、その仕事は丁寧で、

 この紡いだ糸でも、一財産になりそうな感じです。


 まばゆい輝きの中から現れる、リンカさんらしき人影。

 ですが、シルエットが何故か以前のものより、

 一段と小さく見えたのです。


リンカさん(仮)「おおお、

        デカイ! デカイけどめちゃ軽いですっ!!

        なんという、理想形ッ!


        こんな、重力も体脂肪も、

        何もかもを無視した、素晴らしい希望の丘を、

        ありがとうございますーーーっ!!!」


 歓喜を上げて興奮するリンカさんは、

 洗濯板から、見事なる転身を遂げた自分に、

 モーレツに感動し、酔いしれていますっ。


 まさか、ローゼさんが、

 ガチで願いを叶えてくれるなんて、

 実はリンカさん、思ってもなかったのです。


 感謝の想いでキラキラとした眼差しで、

 リンカさんは、ローゼさんを見上げます。


リンカさん「ありがとうございます、姫様っ!!

      リンカ、感激してます。」


ローゼさん「・・・そ、そうですか。」


リンカさん「あれ!?

      姫様、また身長伸びました?


      そんなに時間が経っちゃってたんだぁ・・・。」


 リンカさん、かなりちっちゃくなってますっ!!

 これではまるで、爆乳小学1年生ですッ!!!


ローゼさん(プーーーーーッ!!!


      これが対価だというのでしょうか。


      私は今、とてもいけない事をした気が、

      沸々と源泉のように沸き上がって参りました・・・。)


 ローゼさんは、自身が招いた事に反省してか、

 ひょいと取り出した大きな鏡を、

 リンカさんに見せます・・・。


リンカさん「!?」


ローゼさん「どうやら、人によるようですが、

      『奇跡』には、対価というものが、

      必要なようで、


      かなり色々失って、

      より、ちっちゃくなってしまいましたね・・・。」


 ローゼさん、少し青い顔をしている様子からも、

 猛省している事が伺えます。


 ですがローゼさんなら、今のパワーでも、

 十分に『奇跡』という名のふざけたトラップを、

 無かった事に出来るでしょう・・・。


 すると、リンカさんから帰ってきた言葉は、

 こんな意外な言葉です。


リンカさん「いぃーーーんですッ!!

      これで、いーんですッ。


      いいぞ、ニッポン!

      クゥーーーーーーーーーーッ!!!」


ローゼさん「えっ!?」


 ローゼさん、リンカさんの言ってる意味がわかりません。

 すると、威風堂々と胸を張って、

 小学校デビューを果たしたリンカさんは、

 こう強く言うのです。


リンカさん「ふっふっふっ・・・。


      あとは、時と共に背が伸びるのを、

      待つだけなのですっ!!


      ありがとうございます、姫様っ!

      それでは、自己紹介の方、

      がんばって下さーーいっ。」


 と、リンカさんはそう残して、

 闇に紛れるように、

 一瞬で姿を消してしまったのです。


ローゼさん「はっ!? 見失ってしまった。


      リンカさん! リンカさぁーーーん!!!」


 ローゼさんは慌てた様子で、

 便利なみかんの本を覗いています。


 すると、みるみる内に、

 ローゼさんのシルクのようなきめ細かさに、

 白磁に桜色の紅を点したのような、

 その美しい端正な表情が、


 連日の徹夜明けの仕事を終え、

 疲労感がもっさりと漂うような、

 血色の悪いものへと変化していきます・・・。


ローゼさん(リンカさんの未来のページのその姿が、

      あの姿のまま、固定されています・・・。


      養分全部、使いきっちゃったのッ!?


      こ、これは有り得ないと言いますか、

      あってはならない事態ですわ。


      『永遠の爆乳美幼女』だなんて、

      き、危険すぎますーーっ!!


      世の中には、

      様々な趣向を持つ御方が、数多とおられるのですよッ。


      今の、よりチビッコなリンカさんには、

      その試練を乗り越えるだけの力は、

      きっともう残っていないでしょう。


      『奇跡』への対価としての、

      『想いの力』が、とんでもなく強すぎですよっ!


      あのチビッコ状態維持だけに、

      秘めたる鬼神の強さ(戦闘力 約97億。)も、

      成長の余白の部分も、全部使ってしまって、


      ただ、胸だけに、

      全てのステータスボーナスを、

      振ってしまったようなものです。


      ・・・。


      も、もちろん、責任を痛感しています。


      やはり完全体の私が、

      内職で作り上げたステッキを、

      今の不完全な私が使っても、

      その効果が(自分以外に)得られるはずなんて、

      ないんですよ・・・。


      って、まずは、

      今のリンカさんを何とか保護しなければっ!!!)


      ・・・リンカさん、何処の世界に消えてしまったのかも、

      もうわからないくらい、気配がありません。


      ローゼさんが寝起きなどに良く見せる、

      アホ毛のセンサーがあったとしても、


      その探知範囲は、せいぜい太陽系内が限界です。


      それでも十分以上に、現在の科学水準を超えていますが、

      つまりそれは、

      もうこの世界には、リンカさんがいないという証拠になります。


     ローゼさん「ああ、どうしましょうっ!

           これは、自己紹介をやっている場合ではありません。」



 ・ ローゼさんは、とても素直でいい娘さんです。

   その心はピュアピュアで、


   自慢の知力がなければ、

   無垢なほどに純粋なその乙女魂は、

   きっと、穢れされていた事でしょう・・・。



ローゼさん「だから、紹介なんて後回しですッ!!」


 見えないロープで、ギンギンに食い込んだ、

 パーフェクトな亀甲縛りで、

 ナレーションを締め上げるローゼさん!!


 流石は、薔薇の女王様です。

 ウッ! ・・・コテッ。


ローゼさん「そんな縛り方なんて、知りませんよッ!!!」


 では、拘束された解説に代わりまして、

 ナレーションを続けますねっ♪


ローゼさん「どんだけ、代打を用意してるんですッ!

      (って、ウオゥ!?

       ・・・先程とは桁違いの、強大なパワーを感じます。


       き、気にしてはいけません、私。)」




 自己紹介から、リンカさんの探索という、

 突発クエストが発生したローゼさんの、

 苦労は、まだまだ続くのでした・・・。


ローゼさん「つづくの!?


      あ、いえ、

      リンカさんを放ってなど、おけませんわよね。


      さてと、探求の旅支度です。


           では、またですー。 (^-^) 」


 ・・・今日は、クリスマスイブですが。


ローゼさん「ん、もうっ、

      それどころではありませんよッ!!


      あ、でも26日辺りに、

      ケーキは買おうと思いますッ♪」
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日記 2015.12.19

2016年12月19日 17時51分42秒 | 日記

 こんばんは、井上です。


 数日前から、PCに不具合が起こりまして、

 今、サポートさんの対応待ちになっております。


 対応が完了次第、

 更新して行こうと思いますが、

 そういうことで、どうもすいません。 ^^:


 今年の冬は、寒暖差が激しいですねー。

 初めて、電気毛布というものを買いまして(ハーフサイズの敷き用です。)

 なかなかの暖かさに、寒い時など助かっております。


 2000円しないで買えて、消費電力も抑え目なので、

 いいなぁーって思いました。


 そんな感じで、12月ももう中旬と、

 月日の流れは、早いものですね~。


 まだ、気が早いですが、

 今年もありがとうございます。 ^^



 話は変わって、

 彼女いない歴16年(+5000余年)の、

 ためぞう君は、


 冒険に旅立って、一旗あげるよりも、

 どちらかというと、


 古蔵さん(初代ためぞう君)に二の舞にならないよう、

 慎重丁寧に日々を送る結果、


 その冒険力は地に落ち、

 生活力の方をあげようと、

 日々、ためぞう君なりに地道な道を歩んでいます。


ためぞう「・・・いや、古蔵さんは頑張ってると思うよ。


     最初あった時に比べたら、

     オレさえ焦らせるような、働き者さんになられました。」


 結果、古蔵さんは、

 一つの伝説を作っても、ロンリーが続き、

 巨大な権力を手に入れても、

 実質、お飾りだった自分に、イノベーションを巻き起こすことになりました。


 古蔵さんもついに、

 女子からの好感度というパラメーターを発生させ、

 お店に通って、女子たちとおしゃべりしていた時期から、

 一転して、


 ある女子高生Sさんに想いを寄せ、

 また、ちょっぴり想われるという、

 心温まる日々を送るに至ったのでした。


古蔵さん「ネコのマスクのマスクマン、


     迅速丁寧をモットーに、素敵な想いの詰まった贈り物を、

     東西南北に届けるバイトに明け暮れる、


     ネコさん大好き、古蔵です。


     ・・・以前は、陰から、


     「一世さん(もの凄い王様)のおかげで、

      その立派な椅子に座ってるだけー。」


     というウワサが、

     悪夢となって、日々の安眠を妨げておりましたが、


     今の古蔵さんは、

     送られた方の笑顔を糧に、

     充実したバイト人生を送っております。」


 こうして古蔵さんは、

 近くの魚市場で、事務のバイトをしている女子高生さんに、

 意識されるようにもなり、


 趣味が、ネコ好き+プロレス観戦と、

 共通していた為、

 遅れてきた青春(25年+数億年?)に、


 純朴なその瞳を輝かせています。



同じ事務職で、

同僚の佐藤さん「そうですねッ!

        Sさんは、なかなかに素晴らしい女の子ですよ。」


 佐藤さんは、語ります。

 Sさんは、過密スケジュールの学園ライフを送ってきた為、

 それまで一度として、

 異性とは、お付き合いというものをした事が無く、


 容姿は、クラスにいそうな委員長タイプの、

 内面も素敵な女の子で、


 中途半端な男が手を出して来ないよう、

 それまでの間、佐藤さんは暗躍し、

 ことごとく、男たちの挑戦を退け続けたのだと・・・。


Sさん「ええーっ!


    私の出会いを、全て奪ってきちゃったんですか、

    佐藤さん!?」


佐藤さん「てへっ。」


 お二人は、とても仲良しなようです。


Sさん「スルーですかっ!!」



 こんな感じで、

 ためぞう君も古蔵さんも、


 うっかりと、冒険などに出て、

 その大事な時を失うよりは、


 慎ましくても、微笑ましい日々を、

 望んでしまうようになったとさ・・・。


             つづく。



鈴木さん「そんな昔話みたいに、

     閉めるのはやめて下さいって。」



 ・ 鈴木さんも、

   冒険とか出ちゃいませんか?


   男ばかりの出会いの酒場(ノンアルコール・ジュース類あります。)も、

   女子率上がると、売り上げアップで、

   喜ばれそうなものですが。



鈴木さん「・・・。


     じ、事務と学園の両立に忙しいので、

     せめて、卒業までお待ち下さい。」


佐藤さん「んもうっ、

     鈴木さんも、その気あるんじゃないですか。」



 どんなに佐藤さんにからかわれても、

 あのエストさんでさえ、苦戦している、


 「冒険」という名の、

 当たりクジ無しの、いい加減な辺境送りは、

 避けた方がいいと知っている、


 その優しさの中にも、

 良し悪しの区別も立派に出来る、


 何処か社会経験豊富そうな、

 乙女の鈴木さんでした。


鈴木さん「ご、誤解されそうな発言は、

     控えてもらえると、ありがたいですっ!!」


ためぞう「日記まで、危険地帯にするのは、

     そろそろどうかと思うよ。


     いっぱいトラップ見えるんだけど、

     それとか、運とかは、

     本編や、商店街の抽選のガラガラの用に、

     とっておこうよ。」


鈴木さん「さすが、ためぞうさんっ!!


     ワナが見えるなんて、凄すぎですー。」



 ・ 鈴木さんの好感度も、上がりそうです!



ためぞう「だから、ワナやめようね。」


鈴木さん(・・・。


     やっぱり、ためぞうさんは、

     頼もし過ぎです~~っ。)



古蔵さん(・・・負けないよ。


     コツコツ、頑張るので、

     見てて下さいねっ。



           では、またですー。 ^^ )
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『エリスねーさん V -「冬になりましたネ。」-』

2016年12月13日 19時51分58秒 | -ためぞう の ぼうけん。- (仮)

   『エリスねーさん V -「冬になりましたネ。」-』



 新たな舞台として選ばれたのは、


 その広大な平原の、空の彼方で、

 現在も継続されているであろう、艦隊戦のまっ最中、


 大地に堕ちた多くの戦闘艦艇が、遮蔽物として突き立ち、

 未だ、遥か上空の戦場から、

 破壊された機体や、戦闘艦が落ちて来る、


 そんな大地でした。


 地面を抉るように突いた戦闘艦群からは、

 全ての脱出ボートが分離されており、


 主のいなくなった船を守る為に、

 自動シールドシステムが、

 不安定なエネルギー炉から、展開されてます。


 盾として使うには、十分な役割を果たしてくれそうですが、

 いつ爆破するかもわからない、危険な状況です。


 そして、敵方の巨大な空中母艦から、

 この戦慄の大地へと運ばれた、

 相手側の、蒼黒の大型マシーンが、

 この戦火の大地へと、射出されます。


 女性パイロットは、そこで初めて、

 自らが置かれた不利な状況を、

 思い知る事になるのです。


謎の女性「!?

     クッ、・・・そういう事だったか。」


 サフィリアさんたちを運ぶ、その空中母艦は、

 以前のモノと比較にならない巨大さを誇り、

 もっと多くの部隊を運べる仕様になっているようです。


 その強力なパワーは、

 前回の三倍の耐久力と、出力に調整されています。


 被弾面は三倍以上に、大きくなってはいますが・・・。


 これはつまり、

 蒼黒のマシーンを操る、

 その彼女の、防御の面での負担が増えるばかりか、


 対する防御タイプのサフィリアさんは、

 圧倒的優位を、戦う前から手に入れる事になったのです。


 観衆の中に混じるセリスさんは、

 クスッ、と微笑みながらこう言ったのです。


セリスさん「当然、船が大きくなれば、

      パワーが上がりますよねー。


      (その程度の事、普段なら、

       すぐにわかっちゃったでしょうにっ。


       船の大きさの方は、少々盛ってはみましたが、ネッ。

       うふふふ~っ♪


       勝ちたい気分が先行しちゃって、

       平静さを欠いていては、

       チームプレイというのは、なかなか難しいですよっ。)
      

      プレイ中のコインは、オーナーさん持ちですから、

      遠慮なく、イベント気分で楽しんで下さいねーっ!!」


サフィリアさん「おおぉ!!

        これは凄いパワーですねっ。」


 空中母艦からのパワーを、直接自分の物に出来る、

 防御タイプのサフィリアさん。


 その白銀の女性の騎士の姿をした機体の、

 性能は、大きく上昇していますっ!!


 この光輝の盾があれば、

 蒼黒の大型マシンから発射される、

 閃光のレーザービームにも、何とか対応出来そうです。


 レミーアさんは、巨大フィールドを有効性を、

 経験から予知していたようで、


 前のマシンから、機体変更を行っており、

 より推進力を向上させた、

 高出力のエンジンを三基搭載の、

 機体が光学迷彩によって、背景色へと変化する、

 高速偵察機に乗っています。


 スナイパーライフルのような、長くて美しい、

 シルエットのアンテナを装備し、

 大きな翼が特徴の、

 シャープな人型のマシンが、


 サフィリアさん機の横を、

 風を切りながら、雲を引いて通り抜けて行きます。


レミーアさん「まずは情報を集めて、

       作戦を立てるのが得策っす。


       このフィールドタイプなら、

       光学の視界は、不安定に変化しますし、

       レーダーの性能も妨害電波で、かなり低下してるっす。」


 自分のチームメンバー以外の状況は、


 視界を遮るように舞い上がる噴煙と、

 半壊した戦闘艦から発せられる、強力なジャミング波によって、

 全くわからないような状況です。


 ナビゲーションのエキスパートの、

 レミーアさんのおかげで、味方チーム機には、

 他のチームより、見やすいマップが表示されています。


 地上戦を得意とする、突撃タイプの近接マシンへと、

 陽気に乗り込んだ、エリスねーさん。


 損傷から、プラズマを発しながら、

 主のいない船を守る戦闘艦。


 そこから立ちこめる噴煙が、濃霧のようになり、

 普段なら、ごく近くの状況しかわかりませんが、


 強力なレーダーを搭載した、レミーアさんの恩恵で、

 かなり見やすくなってるマップ表示に、

 ねーさん、ちょっと感動です。


エリスねーさん「レミーアさん、

        さすがゲーマーだよなー。


        でも、マップにこれだけ高さあると、

        あたしのロボのジャンプじゃ、

        そんなに高く上がれないから、面倒だよねーっ。」


レミーアさん「格納庫に、予備のジェットパックがあるっす。

       そのパックを付ければ、飛び放題ですよっ。」


 と、この瞬間、

 レミーアさんの発した声が、そのコクピットのスピーカーへと、

 跳ね返されますッ!!


レミーアさん(うおっ!?

       音声、戻ってきたッ!!)


 店内に飾られたディスプレーを見ながら、

 セリスさんが、裏で何かのスイッチを弄っているようです。


(安全第一ですっ♪


 大空なんか飛んで、

 むざむざと的になりに行くなんて、


 エリス様の以外のモブの皆さんで、お願いしまーすっ。)


レミーアさん(プルプル・・・。

       背中から、恐ろしいプレッシャーがぁぁあ!!!


       ・・・ふ、振り返らないで、

       前を向かなきゃ。)



 この障害の中、

 モールスのような発光信号も使えないとなると、

 遠方への可能な通信は、

 味方の有線通信のみの様です。


 近い場所であれば、それなりの通信可能ですが、

 作戦行動を展開するには、味方同士がオンラインの方が、

 圧倒的に優位です。


 レミーアさんが乗る、偵察型タイプのマシンには、

 長距離通信用の、

 特殊な有線ケーブルが搭載されています。


 クモの糸のように細く、また複雑に編む事も可能な、

 特殊ファイバーを用い、


 敵の位置や地理情報を集めながら、

 味方偵察機との糸を絡ませ、ネットワークを構築します。


 この有線通信が繋がれている間は、

 チーム同士の連携などが容易になります。


 ですが、一定の作戦行動に入った時点で、

 障害物などでも、断線します。


 また、有線接続中のチームの間に分け入り、

 機体の翼や、スラッシュビームなどを当てて、

 チーム間の通信を断つ事も可能です。


セリスさん(えっと、とりあえずは、

      この細い糸の束の、根元の押さえとけば、

      いいんですねっ。


      がんばって下さいねーっ!)


 味方である事は間違いなさそうなので、

 どうかご安心を、レミーアさんっ。


レミーアさん(わ、私は何も知りませんョ・・・。)


 それ以外に自分の位置情報を、

 知らせる方法があるとすれば、


 大音響の音声通信か、

 濃霧も貫く、強烈な閃光を発する事などです。


 その場合、発声や発光と同時に、

 蒼黒の彼女の的になるリスクが伴います。


 すると、蒼黒のマシーンを操る、

 謎の女性パイロットは、次の瞬間、

 こう叫ぶのですっ!


謎の女性「一気に勝負を決着出来ると、

     総当たりを望んでいましたが、


     どうやらこれでは、

     敵も味方もわからないですわッ!


     味方?を倒しても、ポイントは増えるのかしらね・・・。


     まあ、いいでしょう・・・。

     全て潰せば、ゲーム終了ですものねッ!!!」


 噴霧の戦場の空に座する、

 蒼黒の大型マシーンが、激しい光の波動を放ちながら、

 膨大なエネルギーを集束させていきますっ!!!


 その光景は、まるでブレスを放つ直前の、

 蒼黒のドラゴンのようです。


セリスさん(あら、

      思ったより要領がいいみたいですねっ。)


 蒼黒の咆哮は、相手のチームのメンバーを、

 大いに震え上がらせるのに、十分でした。


 相手側の各マシンたちが、破壊されるのを恐れたのか、

 次々と自身の位置を知らせる、

 発光弾が打ち上げられるのですッ!!


 これによって、

 サフィリアさん達や、味方チームは、

 対戦相手、全機の位置を知る事が出来ましたが、


 その光景に圧倒されたのか、

 あるいは、同情したのかは分かりませんが、


 誰一人、攻撃を仕掛けようとはしません。


 それぞれのチームの判断は、正しかったようです。


 敵の場所が知れているとは言っても、

 長距離ビームなどによる攻撃は、

 強力な光線の弾痕を描く上、


 ミサイルによる追尾攻撃も、

 破損した戦闘艦の発する妨害電波によって、

 誘導がまったく効きません。


 たとえ撃破出来たとしても、
 
 蒼黒のマシーンに、発射の位置情報を悟らせ、

 数倍の威力のレーザー攻撃で、反撃を受けるでしょう。


レミーアさん「こちらも、味方チームとの通信接続を、

       最優先に計りましょう。」


サフィリアさん「・・・そうですね。


        敵部隊はもう、エリア中央の、

        あの大型ユニットに向かって、

        移動を始めているでしょうし。」


 するとその時ですッ! 

 サフィリアさんにだけ、『謎の声 II 』さんの声が、

 後方より、その耳元へと届きます。


 まるで、背後にでもいるような、

 とても近い感じですッ!!


謎の声 II さん「チームの通信など、

          そのままで良いのです。


          あちらの方も、サフィリアさんたちが、

          合流すると読んでいるでしょうから、

          そう思わせておけばよろしいでしょう。


          相手が意図していないにしろ、

          合流を目指しているのでしたら、


          その機に乗じて、地の利を生かした場所へと、

          部隊を進め、

          地理情報など、集めておくべきでしょう。


          最初は、少しずつ勝たせておけば良いのです。

          そう思わせて、調子に乗せておく事が、

          とても重要なのです。」


サフィリアさん(うおっ・・・、

        この声は、セリスさんの中の御方ですかッ!)


 ビクッ!! と、

 不自然な硬直を見せるサフィリアさんは、

 ゆっくりと、ナビゲーター用の後部座席の方へと、

 振り返ります・・・。


サフィリアさん(い、いるぅぅうーーーッ!!!)


 ぼんやりと霞んではいますが、

 明らかに女性らしき人影があります。


 いつの間にか、普段使用していない、

 後部座席の方へと乗り込まれていたようですッ!!


 沈黙するサフィリアさん機を心配してか、

 レミーアさんが声を掛けます。


レミーアさん「このまま先行しても、大丈夫っすか?

       ・・・ちょっと気になったもので。」


サフィリアさん(レミーアさんまで、巻き込めませんっ!

        ここは誤魔化して、上手く伝えなければ。)


 元気いっぱいのレミーアさんですが、

 きっと根は純粋なレミーアさんは、


 この後方からの、凍てつくほどの、

 その氷結のプレッシャーにあてられた時点で、


 思い通りの、操り人形にされてしまうと、

 サフィリアさんは思ったのです。


 それで、仮に勝てたとしても、

 レミーアさんには、そのバトルの興奮も、

 記憶も残りはしません。


 そうなる運命にあるとしたら、

 せめて私だけにと願う、

 健気で、ピュアな心の持ち主の、

 乙女のサフィリアさんですっ。


謎の声 II 様「とても美しい友情ですわね。


         お味方でなければ、

         この麗しき美姫たちを、

         ワタクシのとっておきの美酒に酔わせ、


         悦楽という喜びをお教えして、

         ほんの少しだけ背中を押して差し上げて、

         底なしで芳しの、甘美なる色欲の沼へと堕とし、


         その恍惚とした淫らな表情へ至った姫君たちを、

         この手で、愛でてみたいものです。


         あと、この後、

         この身の事は、『淫靡な事務員』とでも、

         お呼び下さいませ。」


サフィリアさん「(オッ、オモチャにされてしまいますーッ!!

        油断しない、気にしない、絶対しない、


        ああ、ためぞうさん、

        た、助けてーーーッ!!!)


        えっと、その呼び方は、

        いくらなんでも、失礼なんじゃないかと・・・。」


事務員Sさん「まあ、こんなに卑しいワタクシにも、

       その豊満なお胸のように、溢れる慈愛の光を、

       優しき陽射しの様に、やわらかに、

       降り注いで下さるのと言うのですね。


       では、親しみをこめて『愛人二号』とでも、

       お呼び頂ければ、幸いです。」


サフィリアさん「(ぶーっ!!

        って、一号さんも追加して来る気ですかっ!?


        ・・・。

        聞くところは、そこではないですネ、アハハ。)


        えっと・・、

        では、言いやすいように、

        『スーパーセリスさん』でよろしいでしょうか?


        (・・・もがくと、どんどん、

         脇の脇の道へと、導かれて行きそうですから)」


セリスさん「了解致しましたわ、サフィリアさん。

      では以後は、そのスーパーをS(エス)と略しまして、

      『セリスエス(S)』とでもお呼び下さいませ。


       では続いて、

       あの小娘の使う、小ざかしいダメージ転送の仕組みを、

       お教えいたしましょう。」


サフィリアさん「えーーーーっ!?

        (すでに、何でもお見通しですかっ!!)」


セリスエスさん(ウフッ、

        きっと、彼女は敵も味方も区別無く、

        守るべき母艦へ向かう者には、

        容赦ない裁きを加えるで事しょう。


        戦力にすら数えられない者たちには、

        憐れな眼差しを送るしか、ありませんワね。


        フフ、フフフッ・・・。)


 この二人の言葉のやり取りは、

 何故か聞こえない仕様になっています。

 特に、サフィリアさんの後ろに座るセリスさんの影が、

 何かをしたわけではありません。


 それなりに注意力のある方には、

 どうしても聞こえないのです。


 もし、こっそり聞いてしまうと、

 あっという間に操られますので、

 チームメンバーの皆さん、注意して下さいねっ♪


 エリスねーさん以外は、

 分かったと言わんばかりに、


 首を縦にブンブンと振って、

 聞こえない、聞こえないと、心に連呼しています。


 一方、普通に聞き逃している、

 エリスねーさんの方は、

 久しぶりの対戦ゲームが、よっぽど楽しいのか、


 ジャンプボタンを押しまくって、

 ピョンピョンと両足のジェット噴射で、

 飛び跳ねてまくって、

 貴重な推進剤を、無駄に浪費してます・・・。


 混乱中のサフィリアさんをよそに、

 とても勘の良いローゼさんが、


 通信画面の映像を通じ、

 巧みなジェスチャーを用いて、

 後方にある、見てはいけない脅威の存在を伝えます。


 ローゼさんのオリジナルっぽい、

 エクササイズを思わせる、軽快な動きとステップのダンスで、


 ローゼさんの、大迫力のそのお胸の方が、

 愛らしいワンピースと一緒に、

 ぶるんぶるんと、揺れまくっています。


 でも、ここは恥じずに堂々と、

 やり遂げなければならないのですっ。


 このサービス映像に、

 会場の野郎たちは、歓喜しているようですっ!!


観戦野郎一同さん <(こちら、ブラボー777(スリーセブン)中隊。

           動画を入手出来た同士に共有を請う!!)


> 復活のB氏(OKなんだなっ!!

        4K・UHDリマスターの大容量通信を、

        受け取る準備をしておくんだなっ!)


観戦野郎一同さん <(おお、動画仙人の、

           その匠のワザに感謝するッ!!)


 外野の結束は、固いようです。


  ・ ローゼさん体操の訳((はい!
  
              今は、前を向いて、

              一生けんめいに、頑張りましょう!


              よそ見は、いけませんよっ。


              実は、もう気付かれていますが、

              まだ無視されていますので、


              できればハイッ、そのままのリズムで、

              大きく、息を吸いましょうー。


              ハイッ!

              イチ、二ーッ! イチ、二ッ!


              変な素振りを見せた瞬間、

              自由も意思も、想いさえも、

              全て、絡め取られて、

              持って行かれますYOッ!!


              恥ずかしの放置プレイが、オッケーな方だけ、

              堂々と、振り返る事が出来ますネッ♪


              こちらの動きは、あの方に、

              LIVEで、しっかり中継されていますネ。

              ・・・ブルブル。))


レミーアさん+ファルさん(ウッ・・・!!


             そ、そうですかっ。

             前向きに頑張ってる方が、

             きっと幸せですよね・・・。)


 三人の乙女さんは、

 サフィリアさんを見捨てたわけではありません。

 彼女のその、あり余る正義感と、

 誰よりも強い勇気を信じたのです。


 といえば、聞こえは良いですが、

 何をした所で、泥沼にはまってしまうのは、

 目に見えていましたので、


 ローゼさんのバツグンの勘の良さと、

 『100』あるっぽい知力に、二人は感謝ですっ。


 ネクサスビル1Fの、幾つもの大型ディスプレーには、

 若干のサービス映像の後に、


 戦闘を開始した、サフィリアさんチームの、

 華麗なる勇姿が、その広大な戦場に映し出されました。


 どうやって、あのもやもやした視界の中、

 美しいカメラワークをこなしているのかは、

 まったく不明ですが、


 チーム同士の駆け引きなどは、

 チラ見せ程度に抑えつつ、


 迫力のシーンや、美少女プレイヤーの勇姿は、

 しっかりと流され、


 (プレイヤー画像などは、プレイヤーの任意で、

  イメージ画像に置き換える事が出来ます。


  イケメン、美少女等は、キャラメイク画面で作成可能です。) 


 飽きさせない映像展開になっているようです。


 時折カットインする、美しき白銀の髪の乙女、

 サフィリアさんの凜とした、その麗しの姿に、

 うっかりしていると、惑わされてしまいそうになります。


 試合の最中に入店してきた、野郎どもを含め、

 会場内は、興奮真っ只中ですッ。


惑わされた野郎J氏「くっーっ、オレもぜひ参加したいッ!!」

惑わされた野郎K氏「ヒロインたち以外の台の後ろに、回って並ぼうぜ。」

なんとか堪えた、会社員さんL「私は、この戦いの成り行きを見届けよう。

               応援してます、サフィリアさんっ!!」


 長崎ドラゴンタウン・ネクサスビル1F店の、

 専用ゲームの筐体の保有数は、地域最大数の20台を誇りますが、

 全て使用されるという、祝日並みの賑わいです。


 今は、空いている台はありませんが、

 対戦中のメンバー交代は可能ですので、

 誰かがリタイアしたするか、

 もしくはプレイヤーのどなたかが、私用等で、

 席を譲ってくれた時点で、プレイが可能です。


 ただし、無制限の対戦乱入を防ぐ為に、

 ペナルティとして、後方からの輸送演出が入りますので、

 フィールド到着には、若干のお時間がかかります。


 至る所に、小ざかしい加工が施してある、

 LIVE映像ですが、


 観衆たちのほとんどが、

 その事には、気付いてはいないようです。


 ゲームコーナーのスタッフエプロンを、

 プレイ中のバイトのリナさんから、

 事前に借りておいたセリスさんは、


 ホールスタッフを装い、

 スルスル~っと、観衆の隙間をぬって、

 エリスねーさんのゲーム台の方へと、向かいます。


セリスさん(フフッ、

      やはり、そういう事でしたか。


      どなた様かは存じませんが、

      面白い謎かけを仕込んで下さるのは、

      実に、愉快な事です。)


 セバリオスさんという、

 神ってる上司さんを遠ざけた結果、


 セリスさんの背中に宿る、その小悪魔的な能力は、

 本来のそれ近い、3倍程度まで上昇しています。


 セリスさんは、筐体に手を触れると、

 すぐに、プレイヤー全員が別の場所へ飛ばされて、


 プレイしているように見える、各プレイヤーたちが、

 精巧なホログラム映像に、置き換えられている事を悟ります。


 セリスさんは、

 他にもいろいろと気付いているようです。


セリスさん(ああ・・・、


      このホログラムの映像で結構ですので、

      自室のベット近くの大事な場所へと、

      エリス様のお姿を飾っておきたいものですワ・・・。)


 LIVE映像になりますので、

 エリスねーさんのプライバシーは、

 あって、無いようなものになりますネ・・・。



   シュン!  ドオォォーーン!!



 すると突然、フィールドの方に変化が起こります。


サフィリアさん「えっ!?」


 なんと、相手の蒼黒のマシーンから、

 母艦防衛に向かったと思われる二機の機体に対し、

 激しい閃光が放たれ、


 強烈な二つの大爆発が天を貫き、その衝撃波は、

 遠方のサフィリアさんたちにも、届いたのでした・・・。


レミーアさん「み、味方を攻撃したっすかッ!!」


 高性能のレンズとセンサーを備える、

 レミーアさんの機体に搭載された、

 ロングレンジの索敵ユニットが、

 その瞬間の光学画像を鮮明に捉えました。


 このデータは、チーム内のメンバー全員に、

 共有されています。


エリスねーさん「ちょ、何!?

        今の、あの必殺技みたいなのっ。


        すんげー、カッコ良かったけど、

        あ、当たりたくねーーーっ!!」


 蒼黒のマシーンのレーザー攻撃の意味を、

 未だ知り得ていない、相手の二隊のチームは、

 敵エリア中央の、合流ポイントへと向かっているようです。


 その頃、サフィリアさんたちの北と南に位置する、

 リナさんがいるチームと、ツキノさんのいるチームは、

 独自に相手の情報を解析して、動いていました。


 サフィリアさんの機体の後部座席から、

 ウフフッ、っと笑い声が漏れてきます。


サフィリアさん(ひぃ!

        誰か、誰か助けて下さいぃッ!!)


 プルプルと肩を小刻みに震わすサフィリアさんを、

 愉快そうに見つめる影の主さんですが、


 ここは、漢を上げる絶好のチャンスなのに、

 サフィリアさんに最高のアピールが出来るこの瞬間を、

 セバリオスさんも、レオクスさんも、

 ためぞうも、取りこぼす始末です。


 三人とも、サフィリアさんの人の良さから、

 好感度はいちおうの最大値の100ありますので、

 これ以上には、数字は上がりませんが、


 世の中には、数字やものさしで計れないものがあるのです!


 そう、それは『想い出』という、

 同じ時を過ごした、二人の間に芽生える愛のメモリーなのです。


 ただ、何故かためぞうの、

 ポイントの貯まりまくったゲームカードだけは、

 この戦いに参加しており、


 そのゲームカードは、セリスさんのセクシーな、

 谷間のくっきりと見える胸ポケットへと、

 そっとしまわれているのでした。


セリスさん(ためぞうさんの気合だけは、

      この私が預かっているのでぇすッ!!!


      っと、確かにこれだけカンストするほどに、

      貯められたポイントは、

      ためぞうさんの義理の姉君であられる、

      エリス様の為に、使用させて頂くとして、


      残りの二つのチームも、

      きっと上手くやってくれるでしょう。)


 味方全員の運命の糸の束を、こっそりと握っているセリスさんは、

 愛してやまない、エリスねーさんのカットイン映像を増やす為、

 あれこれと、すでに手を回し終えています。


 エリスねーさんの機体が、店内の各ディスプレーに、

 クローズアップされると、



 その後方から、凄まじいスピードで、

 ロケット状の飛行物体が、高速接近してきますッ!!


エリスねーさん「えーーーっ!!

        あたしに、ロケット向かって来てるのーッ!!!」


 推進剤を使い切ってしまった、エリスねーさんは、

 得意とする地上ですら、素早く動く機動力を失っています。


 これは、絶好の的ですね・・・。


 ロケットは接近につれて、その大きさが、

 駆逐艦並みの巨大さだとわかりましたッ!


エリスねーさん「やばいよー!

        ためぞう、助けてーーーッ!!」


 すると緊迫の対戦ゲーム会場で、勇壮に立ち上がった、

 復活のJ氏が、その巨大ロケットを見てこう叫ぶのですッ!!


復活のJ氏「あ、あれは!


      それがしは見たでござるよ・・・。

      研究チームによって、開発されている、

      支援用の高速輸送機が、

      まるで、ロケットのような形をしていた事にィ!!


      強襲型・突撃支援試作機、

      『RTS-16 タイガーII 』でござるゥ!!!」


 大型ディスプレイに、

 そのロケットの側面の映像が捕らえられると、

 先端以外がリボルバータイプのマルチコンテナだと、

 ハッキリ見て取れました。


 その凄まじいジェット噴射で、

 遠方からは、その部分が確認出来ませんでした。


 支援機と呼ばれたその筒状の物体から、

 次々と弾丸の様に、強化パーツが射出され、

 エリスねーさんの機体の、ドッキングビーコンで示された位置に、

 的確に装着されていきますッ!!


エリスねーさん「えーーーっ!!

        な、何なんだよぉーッ!?」


 会場のディスプレイには、加工された、

 エリスねーさんの大人びて美しい、

 パイロット姿が、映し出されています。


 その存在感は、サフィリアさんに勝るとも劣りません。

 まるで美しき、戦女神のようですッ!!


野郎一同「何処へでも付いて行きますぜ、

     エリス姉様ッ!!!」


 エリスねーさんのカットイン画像が終了すると同時に、

 その強化され、壮麗に変化した、

 まるで女神のような、神々しい機体が表示されるのです。


社会人さん一同「なんて綺麗な機体なんだ・・・。

        こんな見たこともない、新型の神マシンを持ってるなんて、

        さすがは、エリスさんですッ!!!」


 ねーさん、まだ何もしていませんが、

 勝手に観衆たちは盛り上がり、

 ウワサは広がって、

 店内には、いっぱいのお客さんが入って来ます!!


オーナーの亀吉さん「おおぉ・・・。

          こんなに盛り上がるんなら、

          毎週でもやって欲しいわいっ!!」


 開店初日以上の満員御礼に、

 オーナーさん、大喜びです。


 これは、集客に一役かっている、

 美少女女子高生のバイトのリナさんにも、

 ボーナスが期待出来そうですっ!


リナさん(ボ、ボーナスですか!?

     ・・・夢があっていいですね。


     PSV4(ゲーム機)購入に向かって、

     頑張りますーっ!)


 ツキノさん(み、見えた気が、します・・・。

       あの美しき、女神のようなエリス様のお姿が。


       ここは、エリス様の為にも、

       奮闘しなければいけませんねッ!!)


 リナさんも、ツキノさんも、

 こういう戦術系アクションゲームは得意な方です。


 リナさんは、お父さんが毛利家の鬼神と呼ばれる、

 戦国大名の吉川大将です。

 つまり、リアル姫将軍だったりします。


 一方のツキノさんは、

 とある中原を治める大覇王の信頼する、

 大元帥さんだったりします。


 不思議と味方の指揮が大いに上がった所で、

 サフィリアさんは、機を見て号令をかけたのですッ!!


サフィリアさん「今こそ好機です!

        皆さん、前方へと展開して下さいッ!!」


 サフィリアさんと、美化されたエリスねーさんのカットインが、

 大いに映えるディスプレーに、

 観衆のみなさんも、大いに沸いていますッ!!


 でもコクピットのサフィリアさんは、

 後ろの様子が気になって仕方がないようです。


セリスエスさん(そう、これで良いのです。)


 こうして今、両軍の入り乱れた戦闘が、

 開始されるのです・・・。



                 つづきます。




エリスねーさん「・・・美化されてるの?

        最新のアプリとかで、加工されまくっちゃってるの・・・。」


サフィリアさん「いえ、エリスさんの大人な美貌は、

        そのままでも、私の憧れですっ!!」


エリスねーさん「ありがとう、サフィリアさーん。

        サフィリアさんって、凄くいい子だよねー。」


セリスさん「ありがとですー、サフィリアさんっ!!」


サフィリアさん(ひ、ひぃ・・・。

        が、がんばりますっ!!)


レミーアさん「(・・・こ、怖くて出れないっすw)


       あ、では、またですー。 ^-^ 」
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『華麗なる、美しき薔薇姫の手記。』 2016.12.4

2016年12月04日 18時15分04秒 | 日記

   『華麗なる、美しき薔薇姫の手記。』


 これは本来、ヒロインとして、

 世界中から羨望の眼差しを集めるはずだった、

 一人のうら若き乙女の、そんなお話・・・。


ローゼさん「ま、また私が日記担当ですか!?」


 はい、更新遅れの言い訳的なものですね。

 更新回数を稼ぐだけの日記になります。

 (※ 特に意味はありません。)


 ちなみに余談ですが、ウィルローゼさん(略でローゼさん。)は、

 代々、『ためぞうハンター』である系譜の弟君、

 ウィルハルト II 世王子君を封印する為、


 愛する弟さんを涙涙に、

 ガールズサイドという謎の異世界へと送り込み、

 この地へと舞い降りた、天使のような麗しき、

 ナイスバディの豊乳のプリンセスさんです。


 その絶世の美貌は、世の殿方はもちろん、

 ためぞうさえも惑わせますが、


 とても引っ込み思案の乙女さんなので、

 賢明に裏方に徹してらっしゃいます。


 と、このくらい持ち上げておけば、十分でしょうか?


ローゼさん「わ、私の事はいいですから、

      何とかなりませんか? 


      あの鬼の仕打ちのような、

      ためぞうさんの試練の数々・・・。」


 これは申し訳ないっ!

 この日記に、特に意味はないですので、

 そういったご要望は、本編の方でよろしくお願いします。


 近頃、穴埋めの日記に出てくれる、

 声のかけやすい(引っ掛けやすい)方々が、

 うっかり、ためぞう君の試練に巻き込まれてしまい、

 安定株のローゼ姫様に、こうしてお願いした次第です。


ローゼさん「えっと、意味がないのでしたら、

      本日のごはんリストで、終わらせますね。


      ・・・。

      ここ最近、エストさんが見当たらないのです。


      私はエストさんの、その背中の存在と大きさの意味を、

      今更になって気付いた、うかつ者さんです。」


 その容姿は、バツグンに美しい(イチバンでは、ありませんが。)、

 マンション住まいで、オーナー兼、

 管理人さんのローゼさん。


 ローゼさんの肩から背中へと流れる、

 プラチナに輝く、ゴージャスで繊細な仕事の施された、

 そのふんわりうるつや髪ですが、


 キューティクルの先々まで完璧のはずの、

 その白金の髪の毛の、


 何故か一本だけが、

 まるで糸電話の糸のように、

 遠く、後ろの彼方へと伸びています。


ローゼさん「えっ、セットが乱れていましたか?


      これはご指摘、ありがとうございます。

      すぐに直させていただきますねっ。」


 ここの所、すっかり丸くなってしまった、

 ゆるふわ愛されロングの、お姫様なローゼさんですが、


 どんな手段を使っても、その一本のプラチナの長い繊維を、

 セット出来ないのです。



  パリーンッ! パリーンッ・・・。



ローゼさん「う、うそでしょ!?

      ネット通販でポチっと手に入れた、

      このウルトラHDデラックスヘアセットの全てが、

      こうも簡単に、跡形も無く・・・。


      硬度10クラスの、スーパーセラミック製なのですが。」


 ローゼさんのその完璧すぎる手入れによって、

 まばゆき光輝を纏う、そのプラチナの無駄毛は、

 ダイヤモンドですら、たやすく砕くほどの、

 強度と伸縮性を備えていたのですっ!!


 そんな素敵な髪の毛を使えば、

 20XX年、宇宙の軌道ステーションへの、

 夢のエレベーター計画が、早期に実現出来そうですねっ。


 宇宙旅行の新時代の先を切り開く、かも知れない、

 ハイパー繊維の大発見です。


 これからもたくさん、

 長ーーーく延ばして、

 人類の夜明けの一歩に、貢献しましょう!


ローゼさん「5万m以上も、髪の毛を延ばせるわけないでしょ!!


      ・・・いえ、まず突っ込み所が違いますね。

      この一本の髪の先って、

      一体どちらの方へと伸びているのかしら。」


謎のセリスさんの声「クスクスッ、

          では、その仕組みをお答えしましょう。」


 遠く伸びた先の髪に付けられた、その紙コップから、

 謎の声が響いて来ます。


ローゼさん「ぜんぜん、謎じゃないですからねッ!!

      『セリスさん』って、ハッキリ仰ってるではありませんかっ。」


 そんな威勢の良さそうな、ローゼさんですが、

 実のところは、その知略や策謀で、

 今の自身を遥かに上回りそうな、


 謎のセリスさんの声に、ガチで怯えているのですっ!!


 こう見えてローゼさん、

 絶世の容姿と、ナイスバディなだけでは飽き足らず、

 なんとその成績の方も、最高値の『知力100』もあるのです。


 かなり疑惑の満点なのです。


ローゼさん「・・・ええ、今の私には、

      もっと身の丈にあった数字がお似合いでしょう。

      知力は50もあれば十分ですので、

      何とか、このピンチを乗り切らせて下さいッ!!」


 察しのいいローゼさんは、

 自分の置かれた立場のその恐ろしさを、十分に理解しています。


 別に分かりたくなくとも、

 才気溢れ、気品もあるその知性は、

 彼女にこう、危機を告げるのです。


  - エストさんの次にターゲットになるのは、

    今、この瞬間も、
  
    小刻みに身体を震わす、その己自身なのです。 - 、と。



謎のセリスさんの声「ウフフッ・・・。

          我が主を、あさっての方に遠ざけた今、

          ワタクシを縛る強制力など、もう存在はしないのです。」


ローゼさん「もう、『謎』の意味ないですよっ!!


      セバリオスさん、お願いですから、

      早く戻ってらしてッ!!!」


 謎のセリスさんが、じわじわとその距離を詰める間にも、

 ローゼさんには見えたのですっ。


 ・・・謎のセリスさんが、その手に握る毛束から、

 元が痛んでいただけに、あっさりと切れ落ちた、

 もう一本の、緑色のエストさんの髪の毛が・・・。



   ピンポーン!



 ローゼさんの暮らすマンションの、

 玄関から迫り響いて来る、そのドアフォンのピンポンッ!



 その恐怖は、ローゼさんを、

 表示さているであろう訪問者の姿を映し出した、

 ドアフォンの映像へと、振り返らせますっ。


ローゼさん「エーッ!?

      ノイズで画面が映ってないですよッ!!


      リンカさーんっ、ハインさーんッ、

      みんな、一体何処にいるのーーーッ!!」


 同居人の二人の姿は、マンション内にはありません。

 さっきまでは、確かに居たのですっ!


 ですが彼女たちは、音も無く、

 その室内から姿を消しています。


ドアの向こうから聞こえる声「どなたか、いらっしゃいませんかー?」


 この瞬間、恐るべきドアの向こうの訪問者を、

 今もなお、


 長々と待たせて、苛立たせようとしている事に、

 ローゼさんは、気付いたのですッ!!


 ローゼさんは、素早く玄関の方へと、

 逆ピンポンダッシュを決めるように、

 安心安全のセキュリティドアの、そのロックを解除するのです。


謎のセリスさんの声「こんにちはーっ!」


 ドアの向こうに立っていたのは、

 多忙なはずの事務の服を、おろし立てのノリが利いたように、

 しわ一つ無く着こなし、


 学園の事務員兼、予備教諭兼、私設秘書等と、

 多彩な才能を魅せるセリスさん、ご本人さんです。


 ただ、いつもと少しだけ様子が違ったのは、

 何の感情も持たないような、

 その左右の瞳の色の異なる、無機質な瞳で、

 ジャージ姿のローゼさんを見つめる、その表情でした。


ローゼさん(『謎』の部分は、そこでしたかーーッ!!!)


 セリスさんの雰囲気が、いつもと360度以上違いましたが、

 とても礼儀正しく、まずローゼさんに軽い一礼をして、

 ご挨拶に移るのでした。


 ただ、外見の変化と言えば、

 コンタクトが取れて、

 左目が紅よりも赤く、対照的に右目の方は、

 鮮やかで深い色の穏やかなエメラルドグリーンの、

 かなり強烈な眼力に変わっている事です。
 

セリスさん「こうやって、特に意味も無い日記で、

      ローゼさんにお会い出来て、

      ワタクシ、嬉しい限りでございます。」

 セリスさん(?)は、見えない糸の束を、

 その右手にしっかりと握っています。


 おそらくは、運命の糸などの類なのでしょう。

 退屈で、何もやる事がなかった時などに、

 気まぐれで、そういったモノを無闇に絡ませたり、

 ほどいたりする、

 見た目がセリスさんの中の御方は、

 そういう、あや取りのような遊びを好むようです。


 スペックだけは、地上に舞い降りた時点で、

 バツグンに突出して優れていた、


 (生まれた時から、成人並みの思考を持ち(知力98~100相当。)、

  世界に一つしかない、書き込みや白塗り修正まで可能な、

  この世の、あらゆる全てが記された、

  便利な本、『全知の書』を呼び出せます。)


 ローゼさんには、

 見たいと思わなくとも、見えてしまうのです。


ローゼさん(み、見たくなかったーっ。 (>_<)< クウー!!! )


 セリス(仮)さんは、

 満足したように、ローゼさんのその様子を確認すると、

 口元をフフッと、微かに緩めるようにして、

 その緑の糸の切れた糸束を、そっとしまうのです・・・。


ローゼさん(どーなっちゃったの??

      エストさんッ!!!)


 大事なものは、案外失ってから気付くものですね。


 一つまた勉強したローゼさんは、

 玄関にセリスさんを、このまま立たせてはと、

 あったか団欒のリビングルームへと、案内するのでした。


 セリスさん「素敵なリビングですねっ!

       クッションふわふわで、ほっこりカーペットが、

       心地いいですぅ~。」


 リビングは、結構広めで40畳ほどあります。

 特に贅沢ではない、今のローゼさんは、

 コタツとテレビがあればいいと思っていたのですが、


 同居人のリンカさんと、ハインさんがごちゃごちゃと、

 好きなゲーム機や、マッサージチェアなどを置きまくっているので、

 わりと雑多としています。


 でも、お掃除担当はローゼさんなので、

 何処を指先でなぞっても、ホコリ一つありません。


 大きめのリビングテーブルこたつに、

 向かい合うように座ったローゼさんと、セリスさん(仮)は、

 テーブルに置かれたカゴのみかんを手を取って、

 少し、世間話をしています。


 テーブルには、コップもティーパックも常備ですので、

 セルフになりますが、ポットでお湯を注ぐだけでOKです。

 瞬間沸騰モード搭載で、カップ麺にも対応してたりします。


セリスさん「たまには、お守りを休んで、

      こうやってのんびり過ごすのも、いいものですね~。」


ローゼさん「へぇー、セバリオスさんって、

      もっと完璧な方と思っておりましたが、


      結構、可愛げもある御方なんですねー。」


 こたつで緩くなったセリスさんに、

 ローゼさんは、少し安心したように微笑んで見せます。


セリスさん「みかん、甘くて美味しいですねー、

      さすが、シェフを唸らせる自家栽培です~。


      でも、もし主を気に入ってくれたのでしたら、

      私が、二人の愛のキューピットになりますよっ!」


ローゼさん(うっ!?)


 そう言ったセリスさんですが、

 相変わらず、その表情には心が宿っていないような感じです。

 行動はいつもと変わらないのですが、

 顔色がまったく変わらないのは、

 ローゼさんの思いを、困惑のスパイラルに巻き込みそうなほど、

 何もしないで、彼女を追い込もうとしています。


 セリスさん(仮)、何を考えているのか、

 全く読めません・・・。


ローゼさん(日記の難度、ハンハねーーっ!!

      と言わせんばかりの、言葉に出来ない圧力です。)


 と、その時、

 一度、テーブルの取り皿に綺麗にむかれたみかんを置いた、

 セリスさんは、ローゼさんに初めて見せる、

 真の姿の、気品と悦楽と堕落に溢れた、

 本来の冷淡な表情と口調で、愉快そうにこう語り出すのです。


セリスさん「ええ、ここはローゼさんのマンション。

      そして、今回は楽しい日常を語り合う、

      日記とか言う、番外の場外の土地です。


      そんなに構えなくてもよろしいですわよ。

      どちらかといえば、きっとワタクシは、

      ウィルローゼ姫様のお味方だと、思っておりますので。」


 セリスさんの中の方は、ローゼさんに、

 警戒しなくてもいい事を伝えていますが、

 それでも、すぐには変われない、乙女なローゼさんですっ。


セリスエスさん「あらまあ、ウブな事で羨ましいですワ。


        ワタクシが持っていなくて、

        貴女様がお持ちなのは、『未来』という、

        何も記されてはいない無垢で、無地のページ。


        延々と『今』を繰り返すだけのワタクシには、

        無縁のものでしょう。


        おっと、これでは、気を抜くなと言われても、

        無理からぬ事ですワね。


        ウフフフフ・・・。」


ローゼさん「(名前変わりかけてますよっ!!)


      ・・・あはは、お恥ずかしい。

      あと、姫はやめてください。

      普通におねがいしますー。」


 よく見ると、掛け時計の秒針が止まっています!

 一瞬、青ざめたローゼさんですが、

 慌てて我に返ると、こっそりと深呼吸です。


ローゼさん(ふぅーーっ。


      ただの電池切れです。そう思いましょう!

      思うのでぇす!!)


 ローゼさん、もういっぱいいっぱいの様子です。

 それに気遣うように、セリスエスさんは、

 その瞳に生気を宿らせ、和やかに微笑んで見せます。


セリスリスさん「ワタクシ、ローザさんの事、

        とても好感を持っているのですよ。


        よく、初期能力の低かった、

        あのためぞうさんを、

        あそこまで立派に育て上げたものです。


        ワタクシすら足元にも及ばぬ、かの御令嬢、

        アリスお嬢様が、

        それまでに吸収した経験値を残したまま、

        この世界の一年の全てを、

        新たに巻き戻してスタートさせ、

        年号などの矛盾も解消していらっしゃるおかげで、


        ワタクシにとっても今は頼もしい、

        ためぞうさんは、


        これからも『カイザー』の座を目指して、

        すくすくとご成長なさる事でしょう。」


ローゼさん(うおおおおおっ・・・。

      この御方は、何処まで私の先の先を行ってらっしゃるのョォオ!?


      ・・・カイザーさん、本当だったのですわね。

      これって、知られてしまうと、

      競争率はレオクスさんさえ抜いて、

      とんでもないハーレムワールドになりそうですが、


      そんな秘密を聞かされた以上、

      その記憶も私には残されないのでしょうね・・・トホホ。)


 ゆっくりと八女(やめ)のお茶を味わいながら、

 その淡い湯気の向こうで、ニッコリと笑顔を見せるアセセリスさん。


 もう、名前がいい加減な事になってはいますが、

 彼女は、子供たちの問いに答えるような優しい言葉で、

 ローゼさんに、こう言うのです。


アセリリスさん「それは心配ご無用ですよ、ローザさん。

        ワタクシの願いを叶える為には、

        ローザさんの成長もとても重要なキーなのです。


        ワタクシは変わる事などありませんが、

        その主が変わることはあるでしょう。


        安心して、これからの未来の旦那様の、

        華麗なる栄達を見ながら、

        その傍らの、クイーンの座を目標に成長なさると良いでしょう。」


ローゼさん「!?」


アセリセスさん「ご希望があらば、貴女様をおとしめようとする、

        因果の全てを、根本から根絶やしにして差し上げましょう。


        そういった類の試練を乗り越えるのも、

        貴女様のご成長を促す要因ではあるのでしょうが、


        待てるのなら、荒波にあえて挑まずとも、

        この仕組まれた連鎖の中、何年とてお待ちいたしましょう。


        ワタクシ、ここに至るまでの、

        泥を舐め、獣の残飯をあさるような数多の経験にて、


        『退屈』という大きな試練を、

        乗り越える為の様々なオモチャを、

        たくさん、持ち合わせておりますので・・・。」


ローゼさん(ひぃ・・・。


      今のお言葉で、私の及ばぬ理由の全てが、

      背筋をゾクッ、と駆け抜けるように理解できたような気がします。



      ・・・争ってはいけない相手が、目の前にいるというのは、

      恐ろしくも、自身を成長させるものですわね。)


 言いたい事を言ったのか、

 セリスさんは、いつもの軽いノリに戻ってしまい、

 予備のコンタクトをパパッと付けて、こうローゼさんに言いました。


セリスさん「あっ、時計の電池が切れちゃってますね。

      私、仕事がら、予備の電池とか持ち歩いてる方なので、


      ちゃっちゃと、取り替えますねーっ。」


 セリスさんはそう言って、何故か奥の脚立を、

 まるでそこにあるのを知っていたように持ってくると、

 慣れた手付きで、まだ残量が残っている単三マンガン電池を、

 単三アルカリ電池へと取り替えて、そっと電池をポケットにしまいます。


セリスさん「お料理、三人前、

      無駄になってはいけませんので、


      ご馳走になっちゃってもいいですかー?


      リンカさんとハインさんから、

      今日は帰れないとお伝えくださいとの事でしたので~。」


 都合の良い伝言を聞かされたローゼさんは、

 それでセリスさんが、喜んでくれるのならと、

 笑顔で頷いて見せます。


ローゼさん「あ、はいっ。

      では、早速、晩ご飯を用意しますねっ!」


 そんなローゼさんに、セリスさんは首を横に振って、

 自分がやると言うのです。


 ローゼさん、逆らえないので、

 そのままテレビを見ながら待っていましたが、


 その時のテレビの内容を、

 後でまったく覚えていない事に気付くのでした。


 正直なところ、セリスさんの給仕スキルは、

 高級ホテルのそれを遥かに超えて、

 まるで、宮廷並みのものです。


 美しく敷かれた白のテーブルクロスの上には、

 準備しておいた料理が丁寧に並べられると、


 さらに、残った一人前の晩ご飯にアレンジを加え、

 それは、原型が残らないほど、

 豪華なディッシュとして生まれ変わり、

 シェフのオススメとして、テーブルへと追加されるのです。


 どんな魔法を使ったのかはわかりませんが、

 花で飾られた、こたつテーブルの晩ご飯をローゼさんは、

 セリスさんと一緒に頂く事になりました。


ローゼさん「(・・・とっても美味ですが、


       なぜカレーライスが、海鮮料理に変化したかなど、

       聞いてはいけないのですっ!!


       ああ・・・、どんなレシピか教わりたいですが、

       私の料理スキル100を、あっさりと超えていくその業は、

       きっと今の私では、再現させるのは不可能な事なのでしょうネ。)


       とっても、美味しいですーーぅ!!」


セリスさん「ローゼさんのこくまろカレーライスも、

      とっても、美味しいです~~ぅ!!」


 こうしてにこやかに、温かな食事の時間を終えますが、

 セリスさん、どうも今日は帰る気がなさそうです。

 いつの間にか持ち込まれたバックの中には、

 お泊りセットと寝袋が入っていました。


セリスさん「ローザ、いえ、

      ローゼさんのお父様から頼まれ、

      今日は私が、お二人の代わって、

      姫様の護衛です~。


      お邪魔な時は、外で寝させていただきますので、

      気にしないでくださいねっ♪」


 ローゼさんのお父さんは、

 すでに攻略されているようです。


 無論、外に寝せるなど言語道断です。

 ここは、体型の近いハインさんの部屋を使ってもらうのが、

 最善と考えたローゼさんです。


ローゼさん「外はいけませんので、

      ぜひ、家に泊まって下さいね。


      そこの先にハインさ・・・。」


 ローゼさんの言葉に、セリスさんが割り込むと、

 ローゼさんの豪華なクイーンサイズのベットで、

 一緒にお泊り出来る事を、喜ぶセリスさんです。


ローゼさん「あ、あの・・・。

      私、あのベットは使わず、六畳の作業間にお布団を敷いて、

      寝ておりますが、


      もし、よろしければ、

      セリスさんが・・・。」


セリスさん「私の為に、一緒にあの豪華なベットで、

      寝ていただけるなんて、

      なんて素敵な事でしょうっ!!」


 セリスさん、ローゼさんの意見を全く受け入れず、

 勝手に両手を組んで、感動しています。


 やりたいようにやらせておくのが、

 一番、安全だと思ったローゼさんは、


 彼女を部下に持つ、セバリオスさんが、

 いかにして、洗練されていったのか、

 その苦労の歴史を垣間見た気がしました・・・。


せりすりすさん「ウフフッ・・・。

        ほくろの数を互いに数えながら、

        夜が更け行く甘美な時を過ごすのは、

        この地では、初めてのような気が致しますワ。


        ワタクシ、たいしてそういう事を、

        得意とはしておりませんので、

        お互い、勉強して参りましょうね・・・。」


ローゼさん(もう、名前がひらがなになってますよッ!!


      ・・・ああ、エストさん、

      早く私の快眠を取り戻す為に、


      セリスさんの仕掛けた凶悪なクエストから、

      いち早く、帰還して下さいね・・・。)


 こうして、ローゼさんに降りかかった試練は、

 日記や冒険などのカテゴリーにとらわれず、


 いつ、いかなる時でも、

 ローゼさんを、『未来の女帝』へと、

 誘う為に、つづく事でしょう。


ローゼさん「!? つづくのっ!!」




     なんとなく、つづきます。

       ではーーー。^-^ 」
 

ローゼさん「うっ! コテッ・・・。」


 ローゼさんは、倒れた・・・。


  ◇ おっと、謎の回復魔法が発動ッ!!


    ・ ローゼさんに、自動再生+25の付与!

    ・ ローゼさんに、常時HP回復効果強が付与!

    ・ ローゼさんに、ラッキー+98(×10回)の付与!

    ・ ローゼさんに、三倍速内職のスキルが付与!

    ・ ローゼさんに、相手の印象値を一度だけ変える効果が付与!

    ・ ローゼさんが、以前使っていた1日10万円のクリームが、

      無料で毎日、一個送られてくる効果が付与! (実家からになります。)

    ・ ローゼさんが、丸く、乙女になったおかげで、

      家臣の忠誠心の上昇速度を3倍にする効果が、自然発動!


ローゼさん「うぉ!?


      やめてーーーーーっ!!

      試練でも何でも受けますから、

      私の人生をカンストさせ、

      やる事をなくすのを、おやめになって下さいッ!


      ・・・苦労して得たものに、喜びを感じる嬉しさを、

      私から、奪わないで下さいっ。」


 追加効果は、ピタッと止まりました。

 ・ 追加効果を任意に削除出来るようになった! (今回限定。)


ローゼさん「・・・。

      全、削除ですっ。」


 ・ カイザーハルトさんのプロフィールや画像を、

   閲覧可能な、スペシャルキーを手に入れたゾッ!!


ローゼさん「(うっ!?

      ・・・気になります、

      とーーっても、気になります、がッ!!!)」

      削除、よろしくお願いします・・・。

          (クゥーーーーーーーッ!!)」


 ・ ローゼさんの、カイザーさんとの出会いの距離が、

   10光年ほど延びました!


ローゼさん「えーーーっ!?


      ・・・惑わされないで、私ッ!!

      もう、ワナは始まってるのよ。


      ぜぇぜぇ・・・。


      ではー、またですー。 (^-^)」



          ローゼさんの苦労は、つづきます・・・。




 ※ 以下は挿入しようかと思って外した部分になります。


    この辺り ↓ は、いずれ本編で。^^:




セリスさん「初めから、すべてを持って生まれた者と、

      何も持たずに生まれた者。


      ワタクシは、その後者でしょうが、

      その差を、一切気にする事など無く、

      ただ生きる為だけに、大地を這いずり、

      これまで戦って参りました。


      生まれ持った『運』だと、一言で片付けても、

      それは別に構いません。


      人の数だけ、想いや人生があるのは、

      当たり前の事です。


      誰からも見向きもされない、

      特徴のない娘だったワタクシでも、

      嫌味なほどに着飾り、教養と欺瞞(ぎまん)の仮面を付ける事で、

      それなりの場所には立てましたし、


      言葉に出来ぬほどに美しき、エリス様という、

      孤高の女神様に出会えた、奇跡の邂逅によって、


      この歪んだ性格の中にも、

      一本の小さな善意の花を咲かせるだけの、

      場所を得る事が出来ましたワ。


      ウフッ・・・。


      ただ知ってしまった、

      ワタクシは、興味があるのです。


      無限の才気を秘めるであろう、

      未完の貴女様の、その成長の先にある、


      世界を嫉妬させ、羨望を集める薔薇の、

      開花によってもたらされるであろう、


      見た事もない、『偉大なる奇跡』という名の、

      その曖昧なものが、


      果たして、このつまらない世界を、

      どのように、面白く変えてくれるのかという、

      その瞬間を。


      フフッ、ほんの一瞬で良いのです。

      ねぇ、まだ蕾のままの、

      『最高の薔薇姫・ウィルローゼ姫』さま。      


      ワタクシはまだ見ぬ、

      その至高の美しき薔薇の咲き誇る、

      素敵なサマを、

      この異なる色の、その両目に映してみたいのですよ。


      ですから、協力させて下さいませ。

      ウフ、ウフフッ・・。」


ローゼさん「・・・誰か、助けてw」
コメント
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