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ホット、ためぞうプラス。 - 2016.8.3 -

2016年08月03日 17時49分54秒 | -ためぞう の ぼうけん。『番外編。』-
   『ホット!! ためぞうプラス。』


 ここ最近、

 2020の五輪ピックを控えたせいか、

 ためぞうの暮らす、長崎ドラゴンタウンの発展が

 著しくなって来ました。


 大会は、関東管領の北条さんちのセントラル東京で行われますが、

 海外旅行客も増えた昨今、

 たくさんの港があるドラゴンタウンにも、

 その余波がやって来ました。


 成長率2000%の勢いです。


ためぞー「発展しすぎだYO!!


     オレの憩いのゲーセンが、

     70Fの高層タワーになってるなんて、

     ありえねーよっ。


     でも、行っちゃうけどね。」


 爽やかな朝の陽射しを浴びて、

 ラジオ体操を2セット終えた ためぞうは、


 エリスねーさんの姐さん的な存在の、

 ノルウェー出身の美人の敏腕経営者、

 ノルンさんの仕切る、

 長崎ドラゴン港に、バイトに来ています。


ノルンさん「ためぞうは、働きもんだよなぁ。


      あんたが来てからウチの連中も、

      やたらとやる気持ってくれて助かってるよ。


      野郎たちが頑張るのも、

      サフィリアさんや、レミーアさんや、

      鈴木さん、佐藤さんみたいな、

      フレッシュ美少女さんが増えたのが、

      一番の理由だろうけど、


      連れてきたのは、ためぞうだからな。

      ためぞうは、使えるヤツだと関心してます。」


 プラチナブロンドの長い髪を潮風に揺らし、

 絶世の美貌の持ち主である、

 ノルンさんは、そう言って微笑みます。


 そのスタイルは、メリハリのある、

 スーパーダイナマイトボディで、

 レディース時代には、九州八州連合をまとめていた、

 この町のカリスマさんです。


 熱いイベントが連発してもおかしくはない、

 このサマーシーズン。


 でも何故か、

 観光客も多いこの港町で、

 この麗しのノルンさんには、

 誰からもお声が掛かりません。


 水着も、うきわも、準備万端なのに、

 サマーな思いを一度もしていないのです。


 海には、毎日来ているのですが、

 ノルンさんは、そっちではなく、

 サンシャインで溢れた、砂浜が眩しい、

 ビーチの方へ行きたいのです。


 ノルンさんは、

 ためぞうに得意の握り寿司(主にサーモン。)を振舞って、

 こう言います。


ノルンさん「ためぞーは、

      『あの夏の日のひと時。』とか、

      充実して送れてる方?」


ためぞう「それは、もちろん充実してるよ。

     満喫しきったと言っても過言ではないかも。」


ノルンさん「えっ!?


      もう、ビーチイベント終わっちゃったの?

      私、乗り遅れちゃったの?」


 ためぞうの言葉に、

 おろおろとするノルンさんの姿を、

 漁を終えた海の男たちや、

 ネコ船長さんや、ワンダ艦長さんも見つめています。


 彼らもまた、

 今年のサマーイベントを経験していない方々です。


ためぞう「ビーチ?


     そんなの、亀吉さんに頼めば、

     プライベートビーチ貸してくれるよ。


     でも求めてるのは、ビーチでの出会いや、

     突然の異性との、ラッキーイベントみたいなヤツだろ?」


ノルンさん「そーなんだよぅ。

      知ってるなら教えてくれよう・・・。」


 ノルンさんの握る寿司ネタの種類が増えて来ました。

 コンビニで買って、自分へのご褒美に取っておいた、

 パインアイスも出てきます。


 ノルンさんの夏への想いは、それだけ熱いのです。


ためぞう「むしろ今、賑わってるのは、

     亀吉さんちのネクサスビルにオープンした、

     ゲーセンとかカラオケとかの、

     アミューズメント施設じゃねーの?


     あの渚の君の待つ、

     ビーチに行くには、

     どうやったらいいのか計画とか、

     事前の雰囲気が大事だからね。


     でも、ゲームやカラオケだと気軽さが違う。

     ようは、どう夏を『ENJOY』したかって事じゃね?

     と、思うためぞうです。


     夏じゃなくても変わりなく遊べるけど、

     グランドオープン的な勢いは今かなぁ。」


 ためぞうは、朝からご馳走を頂きながら、

 ちょっぴりと達観したような事を言いました。


ノルンさん「ためぞーは、頼りになるなぁ。

      冒険行くときは、言ってくれれば、

      いつでも援軍送っちゃうぞ。


      そかそか、

      新スポットは、大事だよな。

      ビーチに固執し過ぎた気がしたぞ。」


 ノルンさんは上機嫌になって、

 次のご馳走を用意しようとしましたが、


 ためぞうは、その気持ちだけで十分と一礼して、

 ドラゴン港を後にしました。


 ためぞうの言葉に聞き耳を立てていた男たちも、

 ノルンさんも、何だかその気になって来ます。


 それが噂となって、

 ドラゴンタウンへと広がって行くのでした。


 あっという間に広がった噂で、

 さらに大盛況になったゲームセンターへと、ためぞうは向かいます。


ためぞう「人で溢れかえってんのなー。


     ・・・これじゃ、プレイするのも時間待ちだな。

     公園の駄菓子屋さんにでも、行こうかな。


     この青空の下、

     シュパッと、公園の木陰のベンチで、

     ラムネを開けるのもいいよなぁ。


     ためぞうは、予算に限りがあるのです。」


 ためぞうは、

 普段から、ソロでの行動に慣れていますが、

 新装開店期間中のゲームコーナーも、

 実に魅力的ではありました。


 高層ビルの1Fのゲームセンターの入り口で、

 入るかどうか迷っていた、ためぞうに、


 ビルの隣の入り口から出てきた、

 高層マンション住まいの、

 夏らしい格好をしたラウエルさんが、
 
 ためぞうを見つけて駆け寄ってきます。


 白光の下に照らされた線の細い金髪は、

 いつものチャイナ風の三つ編みではなく、

 今日は、ゆるふわなロングのソバージュで、


 清涼感漂うの白のTシャツ姿に、

 下は、きわどいホットパンツという、


 なんとも、目の保養になる格好で、

 ためぞうに話しかけてきました。


 日中の陽射しが、あまりにも眩しすぎる、

 中国人のお父さんとフランス人のお母さんを持つ、

 ハーフの美少女、ラウエルさんです。


ラウエルさん「ためぞうさん、こんにちはアル。」


ためぞう「おお、ラウエルさん。


     さすがに大企業のお嬢さん、

     いいとこ住んでますね。


     今日は、お花屋さんの仕事はお休みですか?

     バイト、あまり行けてない自分が言うのもあれっすけど。


     (いかん! 誘惑に釣られるな。

      何でもいいから、オレでは解けないものを考えるんだ!!)」


 ためぞうは、ラウエルさんの魅惑の脚線美を前に、 

 心の中で念じるように、

 ひたすら意味のない方程式を巡らせ、


 なんとか夏の誘惑に陥落させられないよう、

 平静を保っています。


 きっと、ラウエルさんは、

 お父さんのラウ会長が、亀吉さんの友人という理由で、

 ゴージャスなオーシャンビューのマンション暮らしなのだろうと、

 ためぞうは、セレブな想像をしてしまいます。


 ラウエルさんは、ためぞうの事を、

 長崎ドラゴンタウンでの、親代わりの亀吉さんの勧めで、

 いいお見合い相手として見ています。


 世の殿方たちの足を止め、

 時を忘れて振り向かせるのに、十分過ぎるほどの、

 スーパーモデル級の、金髪の美少女とのツーショットに、


 端から見たら、ためぞうは勝っていました。


 ためぞうが、もしラウエルさんとお見合いを選べば、

 まず間違いなく、豊か過ぎるハッピーライフを送れるでしょう。


 でもそれは同時に、

 『ためぞう の ぼうけん。』の終止符を意味しています。


 さすがに番外編で、

 自分の物語にピリオドを打つには早すぎると、

 まだまだ、いろんなイベントを想い出メモリーを回収しておきたい気持ちで、

 ためぞうは、額に汗しながら耐えているのです。


 ためぞうには、

 毎度、かなりの忍耐の日々が続きますが、

 ためぞうなので仕方がありません。


 でも、もしためぞうの、

 ラウエルさんルートが成就すると、

 ためぞうのお友達である、

 セバリオスさんと、レオクスさんには嬉しい限りです。


 ためぞうが、サフィリアさんルートから完全に脱落し、

 二人の勝利はより確実になるのです。


 それは円満解決なので、素晴らしい事ではありますが、

 ためぞうは、かなり優柔不断なヤツなのです。


 色んな誘惑に目移りして、

 耐えに、耐えた果てに、

 いろんなチャンスを取りこぼす漢こそ、

 ためぞうなのですっ!!


ためぞう(び、びみょーーー!!


     だが、オレはこの町に来て、

     かなり恵まれた想いをしているのは確かだ。


     謎の裏方さん(ローゼさんや、

     アリサ副会長さん、セリスさん等)たちが、

     オレの運気を極限にまで高めてくれているおかげで、


     過去の五千年のためぞうの歴史には、

     1グラムも存在しなかった、

     数多の出会いやキラメキが、ありふれた日常のように訪れている。


     大いなる意図を感じられてならないが、

     ためぞうは、流れに逆らってはいけない。


     オレは今、ただのためぞう演じなければ、

     あっという間に大河に呑まれて、世界の最果てへと流されるだろう。


     何故ならば、オレは、

     親の遺伝で、レベルは93(MAX 99)とけっこう高いが、


     実績もなければ、知力もわずか3しかない・・・。

     猛者相手に通用する奥義とかも、まだ何も憶えてないっ!


     スキルといえば、逃げ足の速さと来た。


     ノリで流れに抗えば、

     オレの16才というあやしい設定も吹き飛び、

     二度とは戻れぬ辺境へと、冒険の旅に出て、

     今まで、応援ありがとうございました。っと、

     終わりかねんのだ・・・。


     オレ、頑張れ! ためぞうとして。

     ひそかに、目立たず、コツコツと強くなれ!!)


 ためぞうは、青春をゆっくりと確実に、

 でも思い返せば、いつでも強く前へと進めるような、

 そんな感じで送りたいと妄想しています。


 このイベントに満ち満ちた、ある夏の日。


 ラウエルさんのその魅力に悶絶誘惑されながら、

 ためぞーは、何とか平静を保っています。


 いつもはチャイナ服姿で、中華まんなどを販売しながら、

 ファルさんのお花屋さんでも働くラウエルさんですが、


 こんな感じのラウエルさんも可愛いなぁーとか、

 ためぞうは、すでに魅了されかけています。


ためぞう(フゥー・・・、

     落ち着けオレ、流されてはいかん。


     確かに、ラウエルさんはオレなんぞには、

     勿体無いほど素敵なお嬢さんだ。


     だが、オレはまだ学生で、居候の身だ。


     お見合いとか、そういう事を真剣に考えるのは、

     上手くいけば、次に来るであろう、
     

     『ためぞう の おしごと』編に突入するまでは、

     考えてはいかんッ!!


     今は、同じ時間を共に過ごすという、

     その夏の清涼剤のような、空気さえ吸えていれば、

     それで、いいのだ。

     
     踏み込んだ話の展開を上手く切り抜けるには、

     まず、メシを食わせるだけの力を持たねば、

     ハッピーライフは儚い夢で朽ちる事だろう・・・。)


 ためぞうは、割と計画的です。

 お店のポイントとかも、しっかり集めるコツコツタイプです。


 そんな、意外としっかり者のためぞうや、

 趣味に一直線でも、仕事きっちり王子のホーネルのような、

 愉快な仲間たちがいるからこそ、


 ためぞうの上司のセリカさんは、

 チャライ感じで、

 ふらふら遊びまわれるのでした。


 っと、噂に敏感なそのセリカさんが、

 二人の前に、にょきっと現れます。


セリカさん「オッス! ためさん、元気か。


      私は元気で、カネが無いぞっ!!」


 割と露出の高めの格好で、夏をエンジョイしている、

 セリカさんです。


 お小遣いが足りなくなると、よく現れますが、

 露出のわりには、清純さと健康美が漂う、

 爽やか系のスーパー美少女です。


 セリカさんは、とある理由で、

 部下で、ためぞうの仲間のマベルさんの身体を乗っ取って、

 遊んでいます。


 他人の身体と美貌を勝手に利用して、

 ひたすら美味しい思いをしている、愚か者さんです。


 なので、その清純さと爽やかさは、

 マベルさんに備わっているもので、

 セリカさんは、ただその美徳に、

 いいようにあやかっているだけなのでした。


 かなりヒャッホウやらかしています。


ためぞう「おい、セリカさん!

     その身体に、絶対、

     余計な事すんじゃねーぞ。」


セリカさん「ほうほう、


      具体的に、その余計な事とは、

      何のことですかな?」


 試練はいきなりやってきますっ!


 セリカさんは、自分が面白ければ、

 それでいい人なのですッ!!


 ためぞうは、ラウエルさんと大勢の群衆の前で、

 その意味をセリカさんに、

 説明しなければならなくなってしまいます。


ためぞう「おぉう!?


     うんとだな・・・。


     (なんたる迂闊ッ!


      あのアホのセリカさんを前に、

      隙を見せてしまうとは・・・、


      ためぞうは、所詮、

      ためぞうだとでも言いたいのか。


      でも、オレが戦力外になれば、

      もう、ホーネルしか残らんぞ。


      マスオストさんは、星になったままだしなぁ。)」


 ラウエルさんも、観衆たちも、

 いつの間にかいる、

 ゲーセンから出てきたA氏もB氏もJ氏も、


 事の成り行きを、

 まったりと、アイス食べながら見守っています。


J氏「こいつぁ、

   とんでもねえトラップを仕掛けやがったもんだぜッ!!」


A氏「ためぞう氏、絶体絶命と見たリィ!

   奇跡が起こる事を祈って、

   成り行きを見守るでござるヨォ!!」


B氏「なんだなっ!

   二人のヒロインによる、争奪戦のようにも見えても、

   全然違うという、恐ろしい策なんだなっ!!


   ためぞう氏は、

   まったくおいしい想いとかしてないんだなっ。」


 勝手に集まってきた三人組は、

 勝手に場を盛り上げて、ためぞうを追い込みます。


ためぞう「レベル上げてんじゃねーよッ!!」


セリカさん「ほれほれ、聞かせてみ?


      ためさんや・・・。」


 ためぞうの知力は、わずか3しかありません。


 これまでに、様々なトラップを掻い潜って来た、

 ためぞうも、

 これは、かなりのピンチです。


 そんな中、ラウエルさんは、

 そっと、ためぞうの身体に細い腕を絡ませ、

 白肌の眩しい、そのしなやかな足先を、

 ためぞうの股の間におもむろに差し入れると、


 グッとためぞうの身体を引き寄せるようにして、

 その端正に整った顔を近付け、

 舌先で潤わせた淡いピンクの唇で、


 フウッ、と吐息を吹きかけます。


 ラウエルさんは、

 さらに、その柔らかな胸の感触を、

 むぎゅっ、ためぞうに押し付けるようにして、

 セリカさんにこう言いました。


ラウエルさん「こういう事アルか?


       別にためぞうさんなら、構わないアルよ。」


 可憐な美少女ラウエルさんの、その大胆な行動に、

 周囲は驚きを隠せません。


A氏「こ、これが奇跡でござるかァァア!!!」


 ためぞうは、勝っています!


 もの凄く勝っているのですッ!!!


ラウエルさん「これから、ウチに上がっていくアルか?

       ためぞうさん。


       新しい部屋、見せたいアル。」


 ぽっかり開かれた口から、魂がぽわんとなって、

 もうすでに、陥落したと言ってもいい、

 ためぞうです。


 山奥でひっそりとタヌキと共に暮らしてきた、ためぞうに、

 この手のハニーな誘惑に対する免疫など、

 ありはしないのです。


 あっては、ためぞうでは無くなってしまうのですっ! 


 ためぞうは、

 セリカさんにとやかく言う資格は無いんだと、

 甘い誘惑に飲まれながら、そう思うのです。


ためぞう(・・・ああ、

     さらば,オレのぼうけん・・・。)


セリカさん「グッジョブ! ためさん。


      あんたは、いつかやってくれるヤツだと、

      信じてたよッ!!


      これで、ラウエルさんを、

      ファルさん一味から引き抜ければ、

      私もずーっとエンジョイだねっ!」


ためぞう「そ、そっちかッ!?」


 セリカさんのアホに、救われた瞬間でした。


 自分の自由さえ保障されれば、

 別に、ためぞうの人生に大した興味もないセリカさんは、

 ささ、続きをどうぞと、

 お小遣いだけは、きっちりとせびります。


 と、そこに音速を超える勢いで、

 引き抜かれる側のファルさんが現れましたっ!!


 ファルさんが巻き起こしたソニックブラストで、

 A氏とB氏とJ氏は、遥か上空へと吹き飛ばされます!!


J氏「パラシュートは準備済みだぜッ!!」


A氏「それがしのポスターさばきは、

   垂直離着も可能ナリィ!!」


B氏「じぇ、J氏にしがみつくんだなっ!!」


J氏「や、やめろぉーーーっ!!!」


 長い黒髪を振り乱しながら、息を切らして、

 お花屋さんから駆け抜けて来たファルさんが、

 ラウエルさんに言いますっ!


ファルさん「ちょっと、ラウーッ!


      ためぞうさんを、こっちに引き入れたいって、

      二人でずっと言って来たのに、

      あなたが引き抜かれてどーすんのよっ!!」


ラウエルさん「ん? ためぞうさんアルか?


       私は、別にためぞうさんなら、

       素敵な家庭が築けると思うアルよ。


       何より誠実だし、真面目アル。」


 ためぞうに季節離れの春風が吹いています。

 これは、なかなかいい風です。

 桜の花びらもいっぱい舞っています。


ファルさん「そんな事、言ってるんじゃなーーいっ。


      ダメーーーーッ!!


      ぜぇぜぇ・・・、

      とにかくそれはダメだから、

      その誘惑ポーズは、さっさとお止めになってネ。」


ラウエルさん「ボスは、素直じゃないアルね。」


 ファルさんはスマホを取り出すと、

 お店の宅配に使っている、ネコのマークのネコマスク、

 宅配屋さんの古蔵さんを呼び出します。


古蔵さん「迅速丁寧、ネコのマスクの宅配便の古蔵です。


     いつもひいきにしてもらって、

     ありがとね、ファルさん。」


ファルさん「あとで代金払うから、

      あの吹き矢貸してっ!!」


 ファルさんは、古蔵さんから半ば強引に、

 3連射機構付きの惚れ吹き矢を借りると、

 その矢先をラウエルさんに向けますっ!!


   フウゥゥーーーッ! ゲホゲホッ!!


ファルさん「何これ、壊れてるんですか、ゲホッ・・・。


      矢か出ないじゃないですかっ!!」


古蔵さん「そりゃあ、

     ファルさんに、三連吹きのスキルないからでしょ。


     はい、こっちが単発の方。

     いっぱいあるから、こっち使ってね。」


 古蔵さんはそう言って、初心者向けの惚れ吹き矢を、

 ファルさんに渡します。


 高精度のロングバレル仕様で、

 吹き口も大きめに、軽い息で放てるよう工夫され、

 命中場所もしっかりわかる、レーザーサイトまで付属しています。


 これを外しては、打つ手なしといった、

 古蔵さん自慢のカスタムモデルです。


 あらためて、

 吹き矢を構えるファルさんの前にして、


 ためぞうは、ラウエルさんを背に前に出ると、

 両手を広げて立ちはだかります。


ためぞう「その惚れ吹き矢は、やばいっすっ!


     そんなのラウエルさんに当てちゃったら、

     二人はとんでもない事になっちゃうんですよっ!!」


 当たれば、商店街のお花屋さんは、

 ファルさんとラウエルさんの甘い百合の園と化し、


 オーナーのジェネシスおじさんは、

 居場所を失い、移動販売の旅に出るしかないでしょう。


ファルさん(・・・でも、これを当てれば、

      ためぞうさんは、私のもの。


      ううん、そんなの、

      私が求める安らぎじゃないっ!!


      ・・・。

      ホント、どうすればいいのかしら。)


 金髪の美少女ラウエルさんと、

 黒髪の美女ファルさんによる争奪戦に、

 周囲は、ただただ息を飲んで見守るしかありません。


 誰も皆、あの三人組みたいに、

 変な巻き添えを、喰らいたくはないのですから。


 この時、すでにためぞうから、

 お小遣いをゲットしたセリカさんは、

 面倒な事には関わらないよう、

 歓楽街の方へと遊びに行っています。


 ドラゴンタウンの、

 新たなランドマークタワーの下で行われている、

 この熱い展開に、引き寄せられたかのように、

 ノルンさんたちがやって来ました。


ノルンさん「ここが新名所の実力なのかっ!


      昼間っから、乙女同士の争奪戦が行われてるなんて、

      なんてホットなエリアなんだ・・・。


      おねーさん、そういうの、

      全然、想い出リストにないぞっ。」


鈴木さん「おおっ、


     何だか分からないけど、

     これは、青春してるんでしょうか!?」


佐藤さん「・・・ええ、

     これはかなりハイレベルな青春ですわ。


     銀河の覇権争いにさえ、発展しかねない、

     乙女たちのバトル・・・。」


 知り合いが増えてきたのが恥ずかしいのか、

 ファルさんは、惚れ吹き矢を握ったまま、

 固まってしまっています。


古蔵さん「ねえ、ファルさん?

     吹くの、吹かないの。


     配達あるから、早く決めてもらえると嬉しいです。


     余分に、たくさん置いて行こうか?」


ためぞう「古蔵さん、それはダメっす!!


     そんないい加減な事したら、

     ねーさんに、この町から追い出されますよ。」


 そんな便利アイテムを山積みで残されては、

 どんな波乱が巻き起こるかわかりません。


 まさに至高のマジックアイテムの吹き矢を、

 誰も手に取らないとは言い切れないでしょう。


 一本、10億ゴールドと、

 その価格もギャラクシー級ですが、


 それ以上の奇跡を、

 運命変革を起こす事が出来るのです。


 実家がなんとか、お代を工面出来る方ならば、

 何とも欲しい、レアアイテムです。


ノルンさん「夏の誘惑ってヤツなのか。


      欲しいw

      でも、手にしちゃダメだ。

      夏は、ハンパねえなぁ・・・。」


鈴木さん「ふう、

     あぶないあぶない。


     危うく、実家を頼ろうかと思ってしまうとこでした。」


佐藤さん「鈴木さんは、古蔵さんに、

     とりあえず一発、当てておいたらどうですか?


     きっと、おつり出まくりですョ♪」


鈴木さん「そ、そそのかさないで下さいっ!!」


 そのやり取りをチラ見していた古蔵さんは、

 お気に入りの鈴木さんの方へと、

 さりげなく一本転がすのです。


 古蔵さんも、甘酸っぱい青春や、

 温かなぬくもりには、飢えまくっている方です。


 でも、バイト生活がとても充実しているので、

 すっきり爽やかな方ではあります。


 好意を寄せる鈴木さんなら、

 古蔵さんは、お代なんか取るはずもありません。


 自分が吹いて当てたいくらいな気分ですから。


古蔵さん(あれ?

     吹き矢、転がしたのに気付いてないの!?


     せっかく『鈴木さんには、一本無料。』って紙を、

     巻き付けてるのに。


     オ、オレを狙うとは限らんかっ!?)


 すると観衆の中から、瞬時に現れた緑の影が、

 その吹き矢を奪い取ります。


エストさん「フフフ・・・、

      ピンチの中こそチャンスあり!


      ハードモードなダンジョンから、

      生還した甲斐がありましたぜ。」


 そう語るエストさんは、年代ものの暑苦しい甲冑を身に付け、

 勝ち誇ったように、微笑んでいます。


エストさん「うう、さすがに鉄の鎧はアツ過ぎる。


      おお、どんどん日差しで熱くなってきたぁ!!」


 エストさんは今、鎧の下には、

 クマのプリントの下着しか身に着けていません。


 この大勢の観衆を前にして、

 その加熱されていく甲冑を脱ぐことは、

 露出好きの変態さんと公言するようなものです。


 そんなことしたら、

 精査の必要なく、PTAに指導されて、

 エストさんの夏休みは、一瞬で消滅しまうでしょう。


エストさん「・・・お家に帰ろう。」


 古蔵さんは、そんなエストさんの肩をガッツリ掴むと、

 ネコマスク越しの妖しい瞳をギラつかせながら、

 こう言うのです。


古蔵さん「吹き矢、持って帰るの?


     お代、10億ゴールドになるけど、

     払ってもらえるかなー。」


 古蔵さんは見た目のわりに、

 相当なパワーを持っています。


 エリスねーさんのいない今、

 ラスボス級の強さを誇る、古蔵さんです。


エストさん「む、無理っ!!」


 エストさんは、落し物を拾ったとか誤魔化して、

 お礼の一割を貰う手もアリかと思いましたが、


 ためぞうは、目配せのモールス信号で、

 その危険度をエストさんに伝えます。


エストさん(おー・・・、


      いつの間にか、

      私に良く似ているレミルさんと、

      ポジション入れ替えられて、


      遠洋漁船に乗せられて、

      きっと帰って来れないYO!!

      って、


      さすがは、ためさんっ!

      素直に、返しときます。)


 エストさんは、

 拾った吹き矢をおとなしく古蔵さんに返して、

 熱中症になる前に、

 エアコンの効いた部屋へと帰る事にしました。


エストさん(何とかピンチ、切り抜けてね、

      ためさん。)


 ラウエルさんとファルさんの女の戦いに、

 周囲がヒートアップして、

 自販機のアイスが売り上げを伸ばしています。


古蔵さん「鈴木さんと佐藤さんと、ノルン姐さん、

     何か欲しいのある?


     アイスおごるよ。」


ノルンさん「おお、マジなのか!?


      私は、バニラアイスがいいぞっ。

      カップのフタまで、ちゃんと舐めるぞ。」


鈴木さん「私は、抹茶がいいですー。」


佐藤さん「アイスモナカをお願いしますー。」


 古蔵さんは、コツコツ貯めたお小遣いの中から、

 三人にアイスを買ってあげました。


 額に汗して貯めた小遣いで、何かをあげるのは、

 古蔵さんにはあまりない経験でしたが、

 なかなか気分は良かったようです。


 ネコのマスクが、なんだか笑顔に見えるのです。


ノルンさん「エリスはほんと、後輩育てんのが上手いよな。


      ためぞーにしろ、このネコ仮面にしろ、

      何だかずいぶんいいヤツに見えるぞ。


      私も、エリスを見習わなくちゃなー。」


 そんなためぞうの前に、

 エリスねーさんがやってきます。


エリスねーさん「何だかためぞーも、

        いい風が吹くヤツになったよなぁ。


        一昔前では、ありえんくらい、

        モテてるよなぁ。


        私も、あやかりたいもんだよ。」


ためぞう「おぉ、ねーさん、

     まだ、こっちに残ってたの!?」


 出張して長く家を空けていたエリスねーさんですが、

 この恋の季節を取りこぼすのは嫌なので、

 しばらく、ドラゴンタウンに居たいそうです。


 エリスねーさんの後から、

 エリナ先生とセリスさんが、ゲームセンターから出てきます。


ラウエルさん「戦いは、続いていたのアルか?」


ファルさん「お、おうっ!?


      (ヤバいのが二人もやってきたわ・・・。


       ここは、ややこしくされる前に、

       ラウと仲良くしなくちゃ。)」


セリスさん「何を盛り上がっちゃてるんですかー?」


 ファルさんは素早く、

 ラウエルさんと仲良しアピールをすると、


 今度は、ラウエルさんが、

 エリナ先生とセリスさんに、クーラーボックスから取り出した、

 特製マンゴープリンをお届けします。


ラウエルさん「アイスを愛す集まりアル。


       アイスじゃないけど、OKアルか?」


エリナ先生「まぁ、嬉しいです。」


セリスさん「おおお、ご馳走ですー。」


 かの強敵二人は、ラウエルさんのマンゴープリンに、

 いとも簡単に篭絡されました。


 それはもう、フランス料理と中国四千年の技を極めた、

 ラウエルさんの作った、孤高のマンゴープリンは、

 そのプルンプルン感も、ツヤも香りも超一流です。


 一口入れたその瞬間から、

 宮崎のあの青空が広がるような、

 夢のような、筆舌に尽くしがたい、

 夢心地の味です。


 そんな夢旅行中の二人の隙に、

 空気を呼んだ人々は、

 あの三人組を吹き飛ばしたそれを、

 遥かに超える厄災を避けるように、


 何事もなかったように、振舞うのです。


ファルさん「ひゅるるるぅ~~~♪

      今度、私にもご馳走してねー。」


鈴木さん+佐藤さん+ノルンさん「わ、私たちにも是非っ!!」



   『女子を知りたくば、まずスウィーツを極めよ。』


 そんな、アリス会長さんが、

 ヒントのように、ためぞうに伝えてくれたあの記憶が、

 その心によみがえる思いです。


ためぞう「これからも、しっかり、

     レオクス師匠に、学ばないとなッ!!」


 今でも、十分、ホールケーキを作れるくらい、

 腕の立つ、お菓子職人なためぞうです。


 と、ためぞうは思い出したように、

 ポケットから、トランシーバーを取り出します。


ためぞう < 「もしもし、師匠ですか?」


> レオクスさん「おお、ためぞう君。


         どうかしたのですか?」


ためぞう < 「夏の間は、エリスねーさん、

        出張から帰って来てるみたいです。


        いま、ゲーセン前に、

        ねーさんいますよ。」


レオクスさん < 「え!? 本当なの?


          さっき作ってたジェラート、

          今すぐ、そっちに持っていって大丈夫かな?」


ためぞう < 「えっと、人数的に、

        十人分くらい用意出来るなら、効果抜群だと思うっす。」


 ためぞうは、エリナ先生たちや、ファルさん達、

 それに、ノルンさん達の分に、

 予備にいくつかあった方がいいかなと、


 レオクスさんに、そう伝えました。


レオクスさん < 「たくさんあるから、

          出来るだけ早く持っていくねっ!」


 そのレオクスさんの快活な返事に、

 ためぞうに、レオクスさんのワクワク感が伝わります。


何とか戻ってきたJ氏「さすがだなっ!

           ためぞう氏。


           予備のパックを常に携帯しておくのは、

           戦場を駆ける者の常識だからな。」


ヘリ感覚で、垂直着地してきたA氏「また飛ばされるところを、

                 回避出来たでござるよォ!!」


J氏にしがみついて帰って来たB氏「冴えてるんだなっ!!」


 エリナ先生とセリスさんが夢の中の安全地帯に、

 今日は珍しく、アリス生徒会長さんがやって来ました。


 美少女世界ランク1位の絶対王者さんです。


アリス会長さん「何だか、美味しい思いが出来るのではないかと、

        のこのことやって参りました。」


 会長さんが来た以上、ためぞうはもう無敵です。


 ためぞうは、アリス会長さんに、

 何故か気に入られています。


 エリナ先生とセリスさんがタッグで当たっても、

 会長さんには、きっと返り討ちにされる事でしょう。


 このドラゴンタウンにおいて、

 絶対的な存在である、アリス会長さんですが、

 ためぞうを本編に戻すことだけは、

 何故か出来ないのです。


アリス会長さん「ごめんなさいネ、ためぞうさん。


        どうしても、守らなければならない、

        ルールというものがありまして。」


ためぞう「いえいえ、

     お気遣いだけでも、ありがたいっす。」


 アリス会長さんは、かなりの甘党さんです。

 たくさんのカロリーを摂取しているはずなのですが、

 そのスタイルは、常に完璧な黄金比を維持し続けています。


 甘い誘惑に誘われて、

 ひょっこり現れたアリス会長さんのおかげで、

 エリナ先生とセリスさんは、ネコ被って仲良くやっています。


古蔵さん「ネコを被るのは、ネコ愛の証です。


     お二人にも、この愛らしいネコさんマスクを、

     進呈しましょう。」


 ただの罰ゲームです。


 レスラー仕様のネコマスクは、

 被ったとたんに、古蔵さんの仲間入りです。


 エリナ先生もセリスさんも、

 公衆の面前で、この暑い中、

 フルフェイスのレスラーマスクを被るほど、

 ハイテンションでは無いのです。


 そんな二人を、

 優しい眼差しで、微笑むように見つめる、

 金髪、ブレザー姿のアリス会長さんです。


エリナ先生(戦闘力でも知力でも、

      私たちでは、あのとんでもお嬢様には、

      歯が立ちません。


      まあ、グラビアならいい勝負は出来ると自負していますが、

      勝てない勝負を好んでやるほど、

      お人好しでも、愚かでもありません。


      古蔵さんは、あとで亀甲縛りにギッチリ縛り上げて、

      強制送還させてあげるといたしまして、


      さて、マスクの一つでも被って道化てやりますか。)


セリスさん(回避策を考えます~~♪


      うんと、良かったらエリナ先生には、

      エリス様とノルンさんに、

      絶対零度の眼差しを、さらっと送ってもらえますか?)


エリナ先生(それくらいなら、たやすい事です。)


 刹那、ノルンさんとエリスねーさんは、

 エリナ先生の凍てつく眼差しに、ガクプルに震えています。


ためぞう(冷凍光線でも、放ってるのかっ!?)


 いい風にノッてる、ためぞうには、

 エリナ先生が、一瞬、

 目から放ったビームの軌跡が、

 見えたような気がしたのです。


 虚ろな眼差しをしたエリスねーさんは、

 古蔵さんに、こう言います。


エリスねーさん「おい、フルゾウ。


        自分がネコLOVEだからって、

        押し付けちゃだめだろ・・・。


        鈴木さんが、それ被って、

        リングにデビューしても、


        お前はそれでいいのか?


        ていうか、マジ、

        イマスグ キョウセイソウカン スル ゾ。」


鈴木さん「わ、私は、

     学業とオペレーターのお仕事がありますので!!


     プロレス観戦は、好きな方です・・・。」


古蔵さん「・・・。


     オ、オレは、まだ、

     一世さんのいちゃラブ見せ付けられながら、

     名義だけの王って、家臣どもに陰口叩かれるあの日々に、

     戻る気なんか、ないぞっ!!


     ・・・ヤツらを見返すくらいの、

     充実特攻野郎になるまで、帰る気はないッ!


     あっ、お届けしなきゃいけない場所残ってるから、

     またね、ねーさんッ!!」


 古蔵さんは、逃げ出すようにバイトへと戻りました。


 働き者になった古蔵さんに、

 エリスねーさんが関心していると、

 その眼差しに光が戻りました。


 一方のノルンさんは、

 絶大なる尊敬を何故か受けている、

 アリス会長さんに、虚ろな瞳でこう言うのです。


ノルンさん「なあ、アリス。

      お前も仕事ばっかしてないで、こっち来いよ。


      タマニハ、息抜キ シヨウゼ・・・。」


アリス会長さん「はいっ!

        ノルン姉様が、そう仰られるのなら。」


 ノルンさんの前では、隙だらけの会長さんです。


 ノルンさんの呪縛は、アリス会長さんが解除しましたが、

 知ってて、策に乗っても、

 とても嬉しげに微笑んでいます。


 その笑みは、まさに天使の微笑みといったオーラで溢れまくったもので、

 周囲の人々を巻き込んで、とても幸せな空気で包んでいきます。


佐藤さん「!? さすが、アリス会長様。


     この無限のいたわりと優しさのオーラは、

     まさに人智を超えた究極の微笑み・・・。」


鈴木さん「なんだか、癒されますねぇ・・・。」


 ほぼ全員が、リラックスモードでふやけている中、

 エリナ先生と、セリスさんは、

 突然の嵐が去ったような気分で、

ふうっ、と息を漏らします。


エリナ先生「このドラゴンタウンには、

      私たちの勢力と、


      対するアリスさんの巨大勢力の、

      二つが存在しています。


      あちらは数多の優秀な猛将を抱え、

      こちらの戦力では、押されるがままでしょう。


      つまりは、故事に習って、

      三角関係を作るのが、最も最善の策かと、

      そう思います。」


セリスさん「さながら、長崎ドラゴンタウン三国志ですねー。


      では、もう一つの勢力は、

      手玉に取りやすい方が良いかと思いますっ。


      エストさんとかどうでしょう?


      ミカンの大器ですが、

      第三勢力のヘッドにおいて置くには、

      申し分ないと思いますー。」


 エリナ先生とセリスさんに、

 いい様に利用されそうな、エストさんです。


エリナ先生「サモンッ!! エストさんっ。」


 突然、エリナ先生がそう叫んだかと思うと、

 路地に魔法陣が現れ、


 だらしない格好で涼んでいた、

 部屋着のエストさんが召還されますっ!!


 周囲の人々は、アリス会長さんのオーラに酔っていて、

 気付いていませんでしたが、

 ためぞうは、その奇跡の光景に驚きを隠せません。


ためぞう(な、何でもアリなのかーっ!!!)


エストさん「え、何っ!?


      あっつゥ、アスファルト熱いってっ!!」


 裸足で立ち上がったエストさんは、

 アチチと路面を踊りながら、突然の展開に慌てています。


 エリナ先生は、そのエストさんの双肩にグッっと手を置くと、

 足元を固定して、エストさんを見つめます。


エストさん「ア、アスファルト、熱いっす!!」


 すると、路面の一部が永久凍土のように、

 一瞬で、凍りつきました。


エストさん「きょ、極端だってっ!

      冷た過ぎて、足の感覚が無くなってきたんですが・・・。」


 そこに、セリスさんがサンダルをひょいと取り出します。


 大地を元のアスファルトへと戻したエリナ先生は、

 エストさんにサンダルを履かせると、

 強い口調で、こう言うのです!!


エリナ先生「先生は、エストさんの成長に期待していますっ!


      大志を抱いて国を興し、

      天下に覇を唱え、中原へと出るのです。


      在野の人材を、広く求め、

      義を貫く、英雄となりなさいッ!!」


 意味はわかりませんでしたが、

 逆らうとエストさんは、

 銀河の最果てへと飛ばされそうな勢いに押され、

 ブンブン、首を縦に振りました。


エリナ先生「良い心構えです。


      先生が、先生繋がりで、

      諸葛先生の娘さんを紹介しますので、

      彼女に意見を求めて、上手く国を興すのですよ。


      何度かあった事があるはずですから、

      すぐに打ち解けられると思います。


      はい、これが彼女のアドレスです。


      最低、三回はお中元持って行って、

      がんばって下さいネッ。」


 と、次の瞬間、

 エストさんは、元居た部屋にワープされます。


エリナ先生「これで、放置しておけば、

      きっと調子に乗って・・・もとい、


      たくさんお勉強されて、

      きっと立派な社会人となって、

      役に立ってくれるでしょう。


      力が無ければ、次を探せば良いだけです。」


セリスさん「エリナ先生、

      何気に、鬼畜~~っ。」


 二人は互いに微笑んで、

 レオクスさんの持って来る、

 スウィーツを心待ちにしていますが、


 どちらもその手の内を隠してのやり取りに、

 ためぞうの危険フラグは、ピリピリと反応してしまいます。


ためぞう「・・・まずは、生き残ろう、

     この夏に、一つでも想い出を残す為に。」


J氏「オレも一枚、かませてもらうゼッ!


   早く、リンカちゃんの白スクイベントを回収したいしなッ!!」


A氏「同じく、夢を追うものとして、

   乗らせてもらうナリィ!!


   それがしの一押しは、

   あの純白のレミーアさんでござるヨォ!!」


B氏「じ、自分は、

   どちらでも回収できれば、大満足なんだなっ!」


 そのA氏とB氏の叫びが、

 レミーアさんにも、届いたような気がしました。


 誰が言ったのかまでは、

 よく聞こえていなかったようです。


レオクスさんと一緒に居た、

レミーアさん「へ、へくちゅ・・・、


       何だか夏っぽいイベントが、

       自分にも起こりそうな気が、

       一瞬、したっす。


       (水着とかの携帯は、忘れないようにしよう・・・。)」


レオクスさん「そ、そうですか。

       私も、何かいい事あるといいなぁ。


       (トランシーバーの充電は、バッチリかな。

        ためぞう君、頼りにしてるからねっ!)
       

       ま、マッハでいきましょうか。」


レミーアさん「そ、そっすね!!」




 ためぞうの熱い夏は、

 こうして、番外編で進んで行きそうです。


               つづく、かも知れません。


エリスねーさん「では、またーーー。 ^-^」
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