熟年の文化徒然雑記帳

徒然なるままに、クラシックや歌舞伎・文楽鑑賞、海外生活と旅、読書、生活随想、経済、経営、政治等々万の随想を書こうと思う。

日本の労働者の所得賃金が何故上がらないのか

2023年11月30日 | 政治・経済・社会
   「成長と分配の好循環」による新たな日本型資本主義の実現が、岸田内閣の歌い文句である。
   しかし、まず、分配の原資であるGDPのアップ、すなわち、経済成長を策するための生産性の向上が緊急要件だが、現下では、これに対応した政府の経済政策なり日本企業の取り組みが不十分なので、インフレばかりが加速して、国民生活は困窮度を増している。

   先日、会社時代の同期同窓会があって、H君(早大政経)が、何故、日本の所得賃金が上がらないのか、問題提起した。
   まず、これに持論を展開したのは、S君(慶応経済)。
   経済成長が思わしくないのは、我々が企業戦士として働いていたときには、国のためにと必死に頑張っていたが、最近では、国民は、政府にあれをしてくれこれをしてくれと頼るばかりで、自主的敢闘心と努力に欠けていてダメである。それに、女性が働き出して、多くがパートなので賃金が低く、数字を引き下げているのも問題だ。とにかく、カネカネで、意欲に欠けて嘆かわしい。と慨嘆する。

   それを聞いていて、私は、持論は差し控えて、スティグリッツ教授の見解を元に、ほぼ似通った日本の現状を説明した。
   「プログレッシブ キャピタリズム」から要約すると以下の通り。
   まず、国富を産み出すのは、第1に、国民の生産力・想像力・活力、第2に、過去2世紀半の間に見られたような科学他テクノロジーの進歩、そして、第3にその同じ時期に見られたような、経済・政治・社会組織の発展である。経済・政治・社会組織の発展には、法の支配、規則正しい競争市場、抑制と均衡にとって制御され、「真実を語る」機関を備えた民主主義体制の確立が含まれる。これらの発展が、過去2世紀にわたり生活水準の大幅な向上を支えてきた。
   しかし、40年ほど前から、憂慮すべき2つの変化が起こった。経済成長の鈍化と、大多数の国民の所得の上昇停滞または減少である。それとともに、最上層にいる極少数の国民と、残りの大多数の国民との間に、強大な溝、極端な所得格差が生まれた。
   企業の利益に沿う形で経済政策や政治方針が定められてきた所為で、経済力や政治力の集中が進んだ。このままほっておけば、国民が経済や政治から見捨てられた状態が、今後も続くであろう。

   真の国富の基準は、全国民に高い生活水準を持続的に提供できる能力である。この能力は、持続的に生産力を向上させて行けるかどうかで、そのためには、工場や設備への投資が必要で、なによりも重要なのは、知識への投資、そして、資源を無駄にしない完全雇用経済への投資である。
   しかし、国家を豊かにするためには、2つある。かって植民地の宗主国がそうしていたように、他の国から富を略奪するか、イノベーションや学習を通じて富を創造するかである。世界全体を真に豊かにするのは後者だけである。
   ところで、現在のアメリカ経済でも巧妙な形で搾取が行われている。市場支配力を行使して高い価格を設定する。医薬品産業の用に、不透明な価格構成を採用する。略奪的な貸し付け、市場操作、インサイダー取引、金融産業の機能不全などの悪辣な行為、そして、米国流の汚職などである。
   市場支配力のある企業は、その力がなければ出来ないような低い賃金を設定するなど、様々な方法で労働者を直接搾取する。
   市場支配力は、また、政治力に繋がる。米国のように金権政治がはびこる国では、企業支配力にによって、価格を釣りあげ賃金を搾取して産み出した膨大な利益を元手に影響力を手に入れて、利益や権力を更に高めている。労働組合の力を弱める、競争政策の実施を抑制する、銀行に一般市民を搾取する自由を与える、労働者の交渉力を更に弱めるような形でグローバル化を進める、と行ったことが可能になる。

   これらはアメリカ経済の説明だが、ほぼ、形を変えた状態で、日本経済にも当てはまると思っている。
   大きな違いは、GAFAに匹敵するような最先端産業を産み出せなかったと言うこともあるが、根本的にイノベィティムな企業経営を目指せず生産性を高められなかったために、経済成長に見放されて、失われた30年を引きずってきたことであろう。

   以下のグラフは、令和3年11月19日 経済産業省が発表した「日本経済の現状」報告で、
   日本の労働分配率は、他の先進国に比べ低水準に留まる。と言及した資料の転載である。
   日本の労働生産性が、それなりに上がっているにも拘わらず、日本の労働分配率は最低水準であり、長期にわたって実質賃金がアップせず低いまま推移していることが一目瞭然である。
   30年間の実質賃金の上昇は、一般労働者の賃金下落に泣く米国の48%に比べても、信じられないような低い数字の4%。スティグリッツ教授が説く如く、企業が、労働者を搾取し続けてきたのであろうか。
   
   
   

   無為無策の沈み行く日本。
   Japan as no.1であったはずの日本が今や、先進国で最低グループに成下がり、国民は、何も言わずに、支持率30%切った内閣の「成長と分配の好循環」のお題目を信じてかどうか、太平天国を決め込んでいる。S君の嘆きが身に染みて、さびしい。
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PS:ヌリエル・ルービニ「我がメガスレット(巨大脅威)の時代 Our Megathreatened Age」

2023年11月28日 | 政治・経済・社会時事評論
  ルービニ教授が説いた Megathreats 、すなわち、現在、 経済的、金融的、金融的脅威が増大し、他のさまざまな社会的、政治的、地政学的、環境、健康、技術的発展と危険な方法で相互作用していることは、今や誰もが認識しており、2022 年 12 月、フィナンシャル・タイムズ紙は「ポリクライシス」を今年の流行語の 1 つに選んだ。複合したメガスレット(巨大脅威)の時代下にあると言う。
   Megathreats で警告したように、「グレート・モデレーション」(1980 年代半ば以降の長期にわたってマクロ経済のボラティリティが低い状態)は「グレート・スタグフレーション」に取って代わられた。 2022年には、先進国と新興市場におけるインフレの急増、2023年まで続く世界成長の急激な鈍化、そして中央銀行が物価安定のため政策金利を引き上げたことによる深刻な民間部門と公共部門の債務問題の兆候を目の当たりにした。
   この金融政策の引き締めにより、世界中でインフレが低下した。 さらに、スタグフレーション的な短期的なマイナスの供給ショック(パンデミック、ロシアのウクライナ侵攻に伴う一次産品価格の高騰、中国の「ゼロコロナ」政策)の影響は、2023年を通じて徐々に薄れつつあるが、しかし、インフレ率は依然2023年を大きく上回っている。 先進国における2%目標、および「巨大脅威」で議論されている他の十数の中期的なマイナスの総供給ショックはさらに深刻になっている。と言うのである。

   例えば、脱グローバル化は続き、より多くの国が自由貿易から安全な貿易へ、経済統合からデカップリングと「リスク回避」へ移行している。
   さらに、ヨーロッパ、日本、中国では社会の高齢化が労働者の供給を減らしており、移民制限により貧しい国から豊かな国への労働力の流れが妨げられており、そのすべてが人件費を上昇させている。 気候変動はすでにエネルギーと食料の不安を煽り、エネルギーと食料のコストを上昇させているが、世界はまだ将来のパンデミックへの備えがほとんど十分にできていない。
   そこには、AIによって強化されたサイバー戦争や偽情報によってもたらされる、過小評価されている新たなリスクが存在するだけでなく、富の不平等の拡大に対するくすぶっている反発(さらなる賃金引き上げ財政政策やポピュ政治家政治家支持につながる可能性がある)などの長年の問題も存在する。 最後に、米国が外交政策の手段としてドルへの依存を強めているため、脱ドル化は依然として深刻なリスクとなっている。
   したがって、新型コロナウイルス関連のショックが短期的には緩和されたにもかかわらず、世界は依然として大きなスタグフレーションリスク(成長率の低下とインフレ率の上昇)に直面しており、そのほとんどは今後10年間でさらに強まる可能性が高い。

   民間債務と公的債務の比率が非常に高いため、中央銀行はインフレ率を目標の2%まで下げるのは難しい。 「債務の罠」に陥っており、経済的ハードランディングを引き起こさずにいかにして2%のインフレを達成するかというジレンマだけでなく、景気後退や金融危機を回避しながら物価の安定をいかに達成するかという「トリレンマ」にも直面している。このトリレンマが深刻な問題であることが確認された。 インフレ率を2%に引き下げるために中央銀行が政策金利の引き上げを続ければ、景気後退とレバレッジの高い民間および公的借り手の債務危機が発生する可能性がさらに高まる。
   しかし、政策立案者が目をつぶって物価安定の目標を諦めれば、インフレとインフレ期待の固定が外れ、賃金・価格スパイラルが引き起こされる可能性がある。
   マイナスの総供給ショックに加えて、さまざまな総需要傾向もインフレが上昇することを示唆している。 赤字が拡大するにつれ、中央銀行は最終的に公的債務の収益化を余儀なくされる可能性がある。 そして、多くの主要国が、より大規模な支出を必要とする少なくとも6回の戦闘(いくつかの実際の戦争を含む)に従事しているため、赤字は拡大するであろう。
   まず第一に、現在、西側諸国と中国、ロシア、イラン、北朝鮮、パキスタンなどの(暗黙の同盟関係にある)修正主義勢力との間の競争激化により、「地政学的不況」に陥っている。
   気候変動との戦い、将来のパンデミックに対する費用、グローバリゼーションと自動化の組み合わせである「グローボティクス」の破壊的影響に対処するための戦争のような動員コスト、それに関連して、拡大する所得と富の不平等に対する闘い、最後に、社会の高齢化を管理するための膨大なコスト。さらに大きな暗黙の債務を追加することになる。
   こうした戦いは必要だが、費用がかかり、経済的、政治的制約により、政府が増税で資金を賄う能力は制限されるだろう。 ほとんどの先進国、特にヨーロッパでは、税対GDP比はすでに高く、脱税、回避、裁定取引により、高所得者や資本に対する増税の取り組みはさらに複雑になるだろう。
   成長に関する限り、ユーロ圏と英国はすでにスタグフレーションに近い不況に陥っており、中国は構造的減速に陥っている。 米国は景気後退を避けてきたものの、FRBの「より長期にわたる高金利」政策により債券利回りの上昇が持続すれば、景気後退は短く浅い景気後退に終わる可能性がある。

   最近のあらゆる証拠は、「地政学的不況」が悪化していることを示唆している。
   ウクライナ戦争、ハマスとイスラエルのパレスチナ戦争、
   中東ではイランがウラン濃縮から核兵器製造への最終段階に入る構えで、これによりイスラエルは運命の選択を迫られる。
   アジアでは、米中の冷戦が激化しており、中国が台湾と本土を武力で再統一することを決めた場合、冷戦が激化する可能性がある。
   これらのリスクのうち、最大のものは米中冷戦の激化だ。結局のところ、米国、日本、欧州、そしてその友人や同盟国は、中国に対抗するために協力するつもりであることをこれまで以上に明確にした。

   更に、ルービニ教授は、「インフレ税と支出」「「なんでもバブル」以降」で、財政や金融についても詳細に論じているが、省略する。

   最後に、Megathreats が登場してから 1 年で、ChatGPT のような生成 AI プラットフォームの一般公開により、AI はさらに大きなトピックになったと、AIに伴うリスクや規制についても論じている。  
   興味深いのは、低スキルのブルーカラー労働者のみならず、クリエイティブな職業全体にわたって永久的な技術的失業が懸念され、 極端なシナリオでは、20 年後の経済は年率 10% で成長し、失業率は 80% になる可能性がある。 それに関連するリスクは、AI が所得と富の不平等を加速させる、勝者総取りの新たな産業になるということである。としながら、
   幸いなことに、AI が年間 10% の成長をもたらす世界を現出した場合、実質的にそれ以上の所得再分配が可能になる可能性があり、 さらに、AI は気候変動や将来のパンデミックなどの他の巨大脅威への対処にも役立つ可能性がある。と指摘していることである。

   ルービニ教授は、
   中期的にはスタグフレーションの影響が成長を圧迫し、巨大脅威を悪化させるだろうが、巨大脅威が互いに破壊的に食い合うディストピア的なシナリオを回避できれば、未来は明るいかもしれない。 我々の最優先事項は、今後数十年の不安定と混乱を乗り切ることである。と、当面のMegathreatsの帰趨を気にしていないかのように、気の長い話で本論を結んでいる。
          
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モミジ:鴫立沢の紅葉

2023年11月27日 | わが庭の歳時記
   わが庭には、成木のモミジが2株植わっているが、千葉の庭から移植した獅子頭が2株、苗木を買って庭うえしたのが、鴫立沢1株、琴の糸1株あるのだが、まだ、1㍍少しの小株である。
   最初に色付き始めたのは、鴫立沢なのだが、単色で黄色から赤に変って行くのではなく、思っていたより紅葉のバリエーションが豊かで面白い。
   engei netによると、
   鴫立沢(青鴫立沢・シギタチザワ)はヤマモミジの代表的な品種のひとつ。荒い鋸葉に脈斑の人気品種です。葉は優美な小型で、春先の葉は淡緑色の葉に涼しげな濃緑色の葉脈が浮き上がり、季節を演出します。夏は若緑葉に緑斑となります。秋は紅~橙色に紅葉します。
   西行の「心なき身にもあはれは知られけり 鴫立つ沢の秋の夕暮れ」のイメージと、荒い鋸葉に鮮やかな美しい脈斑に惹かれて、庭に植えたのだが、期待に違わず、芽吹きから、四季の移ろいを楽しませてくれる。
   
   
   
   

   わが庭で、紅葉が進んでいるのは、ブルーベリーとドウダンツツジ。
   
   

   収穫期を迎えた柑橘類は、ユズと夏みかん、 
   ビワの花も咲き始めた。
   
   
   
   
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高齢で認知機能下がるか下がらないか「前向き思考が大事」

2023年11月26日 | 学問・文化・芸術
   毎日新聞の電子版で、「高齢で認知機能下がる人と下がらない人…なぜ?「前向き思考が大事」」が掲載されていた。
   京都女子大発達教育学部心理学科の岩原昭彦教授の研究である。
   「心理学の医療応用というと臨床心理学の『心のカウンセリング』を連想しがちですが、生活の改善や健康の増進にも心理学は関わります」。その延長で、心理学の認知機能への関わりも探っている。と言うのである。
   高齢になっても若い頃と同程度の認知機能を維持する人は「スーパーエージャー」とも呼ばれ、医学的にみると、こうした高齢者は脳の「前帯状皮質」と呼ばれる部分が厚く、神経細胞が多いという。よく使われているためだ。実はこの部分は人の感情や社会性に大きく関わり、自分の行動を制御する役割も担う。まさに認知機能を維持するために欠かせない部分だ。「老いを否定的に考えず、前向き、肯定的に捉える。実はこれが認知機能にとっても非常に大事なんです」。心理学の医療応用である神経心理学とポジティブ思考を合わせた「ポジティブ神経心理学」の視点から、そう強調する。とも言う。

   病気や孤独など、老いにはネガティブなイメージもつきまとうが、まずは老いを自覚し、「これでいいんだ」と自分を肯定する。すると前向きな思考ができ、ささいなことであっても目標を持ち、人生の意味も考えられる。「ポジティブ神経心理学では、人生に意味を見いだすことで、肉体的、精神的、社会的に満たされた状態(ウェルビーイング)が高まると考えられています」。認知症予防に一定の効果が表れたとする欧米での実証結果もあり、脳に影響を与えているとみられている。
    ウェルビーイングは、人とのつながりを感じることでも高まるとされていて、社会活動に参加したり、皆で集まったりするイメージがあるが、昔の思い出を懐かしむことでも感じる。「思い出は誰かがそこにいた記憶でもあり、社会的つながりを感じられるのです」。実際に、ノスタルジア(懐かしさ)がウェルビーイングを向上させ、認知機能が上がったとの研究結果もある。 また、ポジティブな未来を想像することも、ウェルビーイングの向上に効果があると説明する。脳の活性化の点からみて、ポジティブな未来を想像することと過去を懐かしむことは同じ効果があるという。「ウェルビーイングの高まりは認知の予備力を高め、認知症の予防にもつながる」と言うのである。

   物事をポジティブに捉えて、前向き思考で、脳の「前帯状皮質」を活性化させて、認知能力を維持しよう と言うことであろうか。
   ご高説は、何となく分かるのだが、83歳になった今、そんなことを言われても、時間切れで、対応の仕方がない。
   出来るのは、自分がどの様に過ごしてきて、今の自分の認知の能力がどうなっているのか判断するくらいで、過去を振り返る以外に仕方がない。

   まず、前向き思考についてだが、現役時代には、行け行けドンドンの攻撃型の業務に明け暮れていたので、後を振り返る余裕などなかったように思う。前向きだったかどうかは疑問だが、総体的に現状肯定形のいい加減な対応で、特に、ネガティブ対応や後ろ向き思考には、それ程陥った経験はなかったと思っている。
   次に、ポジティブな未来を想像することと過去を懐かしむことについてだが、特に、現役時代には、ポジティブな未来を想像しなければ仕事にならなかったし、私生活においては、貧欲に、大袈裟に言えば真善美を追求すべく、夢を描いて東奔西走し続けて今に至っている。過去を懐かしむことについては、欧米伯と14年間海外で暮らし、海外をその前後10年以上も走り回っていたので、これだけでも涙が零れるほど懐かしいのだが、良い思い出ばかりではない
   人生80有余年、苦しきことのみ多かりきで、最近では、歳の所為か、嫌なことばかり思い出されて憂鬱になることの方が多い。

   「高齢で認知機能を下がらせないためには「前向き思考が大事」」、ポジティブな未来を想像することや過去を懐かしむことは、脳の活性化のためには良い と言われても、
    頭も心も、たった一つ、
   そんなに、上手く器用に、コントロール出来ないのが人間の悲しさである。
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一人あたりGDPの語る真実

2023年11月25日 | 政治・経済・社会
   今、大変な戦争状態にあるイスラエルとガザ地区の経済力の差を、調べたくて、パソコンを叩いた。
   先に、何かの記事でガザのひとりあたりのGDPは、イスラエルの40分の1だと書いてあったのを、そのまま引用して使っていたが正確を期すためである。
   統一した指標が見つからなくて、ほぼ確かだろうと思える数字は、イスラエル 54,336ドル、パレスチナ 3,587 ドル、その倍率は、14.3倍である。
   ガザ地区単独の数字をさがしたのだが見つからず、東洋経済の記事に、
   「ガザ地区の所得水準は、1人当たりGDP(国内総生産)で3000ドル未満。経済成長率はマイナス12%で、失業率は32%とあまりにも高い(いずれも2020年)。住民たちは思うように大学に行けないし、働きたくても仕事がない。結婚したくてもできない。結婚できても独立して新居を構えられない。大家族が養えなかったり、子どもに食べさせるものにさえ困っている人たちがたくさんいる。その他、山積する問題を抱え、鬱憤が溜まる。短気で不機嫌な人たちがたくさんいて、四六時中揉めている。」
   3,000ドルだとしても18分の1、まず、考えられるのは、ガザ地区の一人当たりGDPは、イスラエルの20分の1という数字であろう。
   念のために、日本は、33,854ドルで、イスラエルより遙かに貧しい、それでも、ガザの12倍はある。

   いずれにしろ、何10年間にもわたって、天井のない牢獄としてイスラエルにブロックされて、成長発展の芽を摘まれ続けてきたと言う歴史上稀に見る辛酸を嘗めてきた悲劇の傷跡は、あまりにも深い。
   故郷を追われて迫害と差別に晒され続けて、ホロコーストという歴史上最大の悲劇を被るなど、イスラエルの人々の憎しみや憤りなど苦しいい思いも、法を完全に無視した残虐なハマスの殺戮行為に対する憤りと自衛権の行使も痛いほど良く分かる。
   しかし、私は、ハマスの行為を擁護する気持ちはさらさらないが、今回の行動は、猫を窮鼠が食んだのだと思っている。そして、イスラエルの国際法違反の残虐な報復攻撃は、度を超している。
   いつまでも、憎しみあって対立しておれば、中東の火薬庫は永遠に燻り続ける。
   今や、イスラエルは、押しも押されもしない最先端の科学技術を誇る経済大国であり、国際舞台に於ける燦然と輝く一等国である。パレスチナの地を、イスラエルとパレスティナの独立した2国家に分離して平和共存を図ると言うことを決定して、世界一賢い筈のユダヤ人が発案してガイドできないはずがないと思っている。

   さて、一人当たりGDP論ついでだが、
   アメリカの数字は、76,343ドルで、世界でも最高峰に位置しているが、問題は、経済格差が異常に高くて、富は、トップの富裕層に集中して底辺の弱者はどんどん貧困のに追い込まれていくという傾向である。
   アメリカの相対性貧困率は、17.8%、世界第4位という最悪に近い数字であり、アメリカ人の40%は、子供が病気になったり車が故障したりして400ドルが必要となったとしても、それを賄う力がないという。その一方で、アメリカで最も富裕な3人、ジェフ・ベゾス(アマゾン)、ビル・ゲイツ(マイクロソフト)、ウォーレン・バフェット(バークウェイ・ハサウェイ)の資産の合計は、アメリカの所得階層の下位半分の合計よりも多い。これは、最上層にいかに多くの富が集まり、最下層にいかに僅かな富しかないかを示している。
   

   このアメリカの異常な経済格差の現実は、ある意味では、イスラルとガザの格差拡大の悲劇にも劣らないほど、深刻な問題を投げかけていると思う。
   市場原理主義の傾向の強いアメリカでは、政府は企業や個人の行動の介入を基本的に避け、その結果社会保障制度も最小限に、公的医療保険も不完全であり、弱者保護のセキュリティのセイフティ・ネットが機能していないので、格差拡大を更に増幅している。アメリカン・ドリームと言う幻想が生き続けているのであろうか。暴動が起きないのが不思議なくらいである。
   トランプ現象は、正に、その反動であり、大統領経験者が、公然とアメリカの至宝とも言うべき民主主義を貶めてそれを多くの国民が支持して追随すると言う、常識的には考えられないような現象が、アメリカを危機に追い込んでいる。
   ハード・パワーの戦争ではないが、いつ暴発してもおかしくないダイナマイトである。
   
   毎日、ウクライナ戦争やガザの戦争の筆舌に尽くしがたい悲惨な状況をTVで観て、胸を痛めている。
   一時停戦で、ガザの市場の賑やかな状況が映し出されていて、廃墟の中でも必死に生きようとする人々の姿を見て、痛く感激して、平穏無事が如何に尊いことか身に染みて感じた。
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相曽賢一朗 & ヴァレリア・モルゴフスカヤ デュオ・リサイタル 2023

2023年11月23日 | クラシック音楽・オペラ
   恒例の相曽賢一朗 のヴァイオリン・リサイタルが、昨年同様「相曽賢一朗& ヴァレリア・モルゴフスカヤ デュオ・リサイタル」として、
    2023年11月22日(水)19時開演で、東京文化会館 小ホールで開催された。
   プログラムは、次の通り。

出演
ヴァイオリン:相曽賢一朗
ピアノ:ヴァレリア・モルゴフスカヤ

曲目
ラヴェル/ヴァイオリン・ソナタ(遺作)
エルガー/ヴァイオリン・ソナタ ホ短調 Op.82
田中カレン/Ocean
バルトーク/ラプソディー 第2番 BB96a
バルトーク(セーケイ編曲)/ルーマニア民俗舞曲 BB68

   若かりし頃には、随分、デュオ、トリオ、カルテット、オクテットと言った調子で室内楽のコンサートにも出かけてクラシック音楽を楽しんでいたが、もう、随分昔の話で、今回のプログラムは、聞いたことがあるのかないのか、相曽賢一朗は、最近特に、玄人受けするというか、真っ向勝負で舞台に挑んでいる感じなので、全く新鮮な感じで聴いている。
   ラヴェル、エルガー、バルトークについては、半世紀以上もクラシック・コンサートに通い続けていても、いまだに良く分からないので、今回は、相曽賢一朗の美音に感動しながら聴いていたということに留めたい。
   以前に、1743年のガダニーニを弾いていると聞いたことがあったが、今回は何を弾いていたのであろうか、秋晴れの晴天に恵まれて澄み切った空気に共鳴したように、今夜は、特に、相曽のヴァイオリンの暖かくてピュアーな美しいサウンドが鳴り響いていて感動的であった。

   今回、注目したのは、田中カレンのOcean、
   ベルゲンのアウトゥンナーレ音楽祭から委嘱された作品とかで、East Beach, Hendry's Beach-Sunset, Butterfly Beachからなる小品だが、素晴しい海岸の絵画を見ているような実に美しいサウンドで奏で始めて、引き込まれて行く。パリで学んだと言うから、その音楽性とノルウェーの美しい自然とが調和した曲想であろうか、真夏に訪れたフィヨルドやベルゲンを思い出しながらノルウェーを懐かしんでいた。黙想して聴いていると、おそらく、脳裏に走馬灯のように風景が展開して、さながら、映画音楽のように聞こえてくる感じである。
   田中カレンさん、相曽賢一朗に促されて舞台に登場して挨拶した。コンサートの後も、二人の演奏者に寄り添っていた。

   アンコールで演奏したのは、ウクライナの作曲家ミロスラフ・スコリクの「メロディ」、  
   Melody, for Piano Soloだったが、今回は、ヴァイオリンとピアノに編曲されたデュオ。
   冒頭から、涙が出るように美しい曲で、現下の悲惨なウクライナ戦争のイメージが重なって、胸に迫って来て、実に切ない。
   貴公子の相曽賢一朗は威儀正しく淡々と弾いているが、ウクライナ人のヴァレリア・モルゴフスカヤは、おそらく、万感胸に迫る思いで、故郷の平和を希いながら鍵盤を叩いていたのであろう。
   スコリクは、2020年にキーウで亡くなったのでウクライナ戦争は知らないが、大戦後シベリアに追放されたり、クリミア併合などウクライナの悲惨さを痛いほど知り尽くしているので、平和への思いを、民族的な叙情性を哀調を帯びてメランクリックに歌わせたのであろう。相曽は、何も語らなかったが、ウクライナを思っての選曲であり、今、一番必要な貴重な曲であると思う。

   相曽賢一朗が、ロンドンに留学したのは1992年、その時、リバプールから電話してきて数日間寄宿して付き合いが始まり、我が家でミニコンサートが持たれてフアンになったキューガーデン在住の日本人小学校の生徒の親たちが、帰国後、1997年から始まった相曽のコンサート時に集まってロンドン会を開いている。この日も、相曽の新しいCD「追憶~ジョージアの調べ」に、婦人たちはこもごもサインを貰って、その後、二人の演奏者を挟んで記念写真を撮った。その同窓会メンバーも、いよいよ、後期高齢者で、いつまで続けていけるか、それが、問題でもある。

   相曽の海外生活も、既に、40年近くなっていて、昨年、いつも会場に来られていたご両親が亡くなられて、寂しくなった。
   芸大とアメリカとイギリスの最高峰の音楽教育を受けて、確固たる日本魂をバックボーンにして、クラシック音楽の故郷欧米にしっかりと地歩を築いて音楽を追究し続けている、これこそが相曽の真骨頂とも言うべき特色であり強みであり、余人を持って代え難い。益々の精進と活躍を祈っている。
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PS:アブドラ・グル「ガザではルールに基づく国際秩序が崩壊 The rules-based international order is collapsing in Gaza」

2023年11月21日 | 政治・経済・社会時事評論
   プロジェクトシンジケートに投稿した元トルコ大統領のアブドラ・グルの、イスラエルとパレスチナの間で何が起こるかは世界を形作る上で非常に重要であるとする時宜を得た論文であり、傾聴に値する。
   無駄な論考を避けて、論旨そのままを伝えたい。

   私はトルコ大国民議会へ向かう途中、パレスチナのマフムード・アッバス大統領と当時のイスラエルのシモン・ペレス大統領と一緒に車に乗っていた。 私が主催する特権に恵まれたアンカラへの歴史的な訪問中、両首脳はトルコ議会で演説し、平和と二国家解決を主張した。これは、トルコがガザ地区のエレズ工業団地の修復を目指す「平和産業プロジェクト」を立ち上げてからわずか2年後のことであった。 パレスチナ人とイスラエ両首脳両首脳と私が、この構想を支持したとき、私たちは皆、パレスチナ経済の発展が地域の持続可能な平和への道を切り開くであろうと楽観的であった。
   残念なことに、この夢は、その年、ガザに陸、海、空の封鎖を課すというイスラエルの決定によって消え去った。 16 年後、10 月 7 日の出来事とその余波を目の当たりにし、私は再び、恒久平和の機会が失われたことに失望と悲しみに打ちひしがれている。

   10月7日は、イスラエルとパレスチナの関係における大きな転換点となり、国内、地域、そして世界に広範囲に影響を与えた。 この重要な岐路に立つとき、私たちは自問しなければならない。私たちは、共通の価値観に根ざしたルールに基づいた国際秩序を維持することに本当に取り組んでいるのであろうか、それとも、これらの価値観が時代遅れとなり、分断され二極化した世界に備える準備ができているのであろうか。
   誤解しないで欲しい。私は双方の民間人命の損失を明確に非難する。 ハマスによるイスラエル民間人の殺害と拉致は、いかなる状況であっても承認されてはならない。 同時に、イスラエルのネタニヤフ首相政府の不釣り合いな対応は、地域全体で更なる暴力と苦しみを引き起こすだけでなく、世界中で憎しみと分断を拡大させることになるであろうし、 結局、その被害を受けるのは民間人である。

   ガザで起きている悲劇的な出来事は驚くべきことではない。 特にパレスチナ人の窮状が日に日に悪化する中、イスラエルとパレスチナの紛争を無視することは決して持続可能ではない。 イスラエルによるパレスチナ領土の継続的な占領は、ヨルダン川西岸での違法かつ有害な入植地拡大によってさらに悪化しており、国連安全保障理事会決議に違反し、国際法の基本原則を損ない、確立された人権規範に違反している。
   さらに、現在進行中のガザ封鎖は、飛び地に住む230万人の住民を隔離し、トラウマを与え、基本的な必需品を奪っている。 さらに悪いことに、西側諸国、そしてアラブ世界さえも、この厳しい現状に慣れてしまっている。 この歴史的な誤算はパレスチナ人の怒りを引き起こし、現在の紛争の舞台となった。

   1999年、欧州評議会議会によって設立されたガザ地区への事実調査ミッションに参加したトルコ国会議員として、私はパレスチナ人の子供たちの目に映る無力さを目の当たりにした。 私たちの報告書は、維持できない生活環境と国民の不満の高まりを浮き彫りにした。 その後のトルコ外務大臣および大統領としての私の訪問では、この長引く紛争を引き起こしている政治的亀裂がさらに根強くなり、状況が悪化していることは明らかであった。
   過去50年にわたり、国際社会は、イスラエルとパレスチナの2国家を樹立して平和に共存するという唯一の実行可能な解決策を擁護できなかった。 チャンスが失われるにつれて、グラウンドの状況は急速に悪化した。 現在、パレスチナ人の子供たちは、イスラエル軍の砲撃で命を落とす可能性に備えて、家族に別れの手紙を書いていると伝えられている。 この状況は、間違いなしに、さらなる絶望と敵意を育む。

   ガザにおけるイスラエルの戦術は明らかに戦争法に違反している。 ガザ人から、電気、水、食料を剥奪し、住宅地、病院、モスク、教会、学校、難民キャンプを標的にすることは、ジュネーブ条約およびその追加議定書と矛盾する。 これらの攻撃は戦争犯罪にほかならず、歴史は間違いなく責任者らの責任を問うことになるであろう。
   この所業を考えると、イスラエルが、西側諸国、特に米国から確固たる支持を維持できていることは不可解である。 イスラエルの行動を盲目的に支持する人々は、パレスチナの領土一体性を守らないなら、どうやってウクライナの領土保全を説得力を持って守ることができるのか? と自問すべきである。国際法を尊重しないなら、どうやって信頼を保つことができるのか? この二重基準ダブルスタンダードは、ルールに基づいた世界秩序を弱体化し、そのような矛盾を利用して、勢いを増す権威主義的指導者や過激派運動の手で弄ばれる。

   このシナリオを回避するには、国際法と関連する国連安全保障理事会決議を遵守する必要がある。 2002年のイスラム協力機構によって承認されたアラブ平和イニシアチブは、特にイランからも支持されており、今後の実行可能な道筋を示しており、パレスチナ人の権利と尊厳を守るための現実的な枠組みを提供している。
   しかし、まずは流血を止め、即時無条件停戦を要求しなければならない。 安全保障理事会での「拒否権争い」の最中であっても、ガザで進行中の人道危機に注意を喚起しようとするアントニオ・グテーレス国連事務総長の努力は称賛に値する。 さらに、中東情勢への深い理解で知られるトルコのハカン・フィダン外相の貢献も、平和的解決を達成するために極めて重要となる。

   さらなる暴力と苦しみを防ぐためには、イスラエルとパレスチナの紛争に対する誠実かつ建設的なアプローチが不可欠である。 地域に対する強い責任感に裏打ちされた効果的な外交は、前進する最善の方法となる。 ガザでの現在の戦争は、ルールに基づいた国際秩序に対する私たちのコミットメントのテストである。 今、私たちはこれまで以上に、国際法の道徳的羅針盤に自らの行動の指針を頼らなければならない。

   このトルコ共和国アブドラ・グル元大統領の訴えかけは、まさに、良識、良心の心の底から滲み出た熱誠。
   歴史上、良いのか悪いのか分からないが、2000年間平和に暮らしていたアラブの土地にイスラエル国家が建設された。
   天井のない牢獄に閉じ込められて、GDPがイスラエルの40分の1と言う悲惨な状態に追い詰められたパレスチナのガザ人が、窮鼠猫を食んだ。
   歴史上、そして、今回も、ユダヤ人の受けた悲劇は筆舌に尽くしがたいが、現状の悲惨な状況も、ホロコーストを思い起こさせるほどの惨状である。
   期待していたバイデンの行動に、戸惑いを感じている。アメリカのダブルスタンダードにも、アメリカの民主主義の限界を感じており、それに追随して、国際秩序 The rules-based international orderを死守できない西欧先進国や日本の対応にも失望を禁じ得ない。
   私は、グル大統領が説くように、国際社会が結束して、名実ともに独立したイスラエルとパレスチナの2国家を樹立して平和に共存するという体制の確立が、唯一の実行可能な解決策であると考えている。
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NHKプラス:非常に便利なサービス

2023年11月19日 | 経営・ビジネス
   NHKで、何の気なしに「どーも」を見ていたら、「NHKプラス」の視聴方法について説明していた。
   地デジ放送だけだが、1週間の放映番組を、オンディマンド形式で、無料で視聴できるという。
   少し前に、NHKの名を騙るフィッシング詐欺にかかったので、気が重いのだが、NHKTVの指摘なので、指示に従ってパソコンを操作して、アプリを取り込んだ。
   説明は、最近何でもそうであるように、スマホの操作なのだが、殆どスマホなど使っていないし、TVは、パソコン内蔵のTVを使っているので、パソコンで視聴できるようにした。

   間単に設定できたので、NHK+を開いた。
   登場したのは、口絵写真の画面である。
   一番上には、今放映中の番組が表示されているが、その下に「番組まとめリスト」の表示があって、それ以下に、
   #イスラエル・パレスチナ情勢、#見られていますで、大相撲やプラタモリect. #どうする家康、#ブギウギ と、1週間の番組をジャンル毎に表示されていて、簡単に、見たい番組を検索できる。
   放映中の番組、そして、放映直後の番組から過去1週間分の番組まで、いつでも、クリック一つで視聴できるのである。
   私が毎日見ている「キャッチ!世界のトップニュース」や「国際報道2023」など、録画をミスっても心配ない。謂わば、NHKが、代わって録画してくれているようなものであり、好き勝手な時に、見られるのが良い。
   クラシック音楽も、視聴をミスった「クラシック音楽館ジョン・ウィリアムズinセイジオザワ松本フェスティバル2023」を楽しむことが出来た。ドキュメンタリーで、「究極ガイド 2時間でまわる大英博物館」を見たが、
   とにかく、「番組まとめリスト」を順繰りに見ていると、1週間分のNHKの地デジ放送のプログラムが殆ど表示されるので、チェックするだけでも楽しい。それに、興味がありながら見逃していた番組などを探し当てると嬉しくなる。
   大分前に、NHKのテレビ番組雑誌「アエラ」が廃刊になったので、事前にNHKの番組をチェックできなくなって困っていたのだが、後追いながら助かる。

  願わくは、NHK+に、BS放送番組を組み込んで頂きたいことである。


   
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秋たけなわ:ツワブキ、小菊

2023年11月18日 | わが庭の歳時記
   暑かったのは、ほんの少し前のこと、急に朝晩、寒くなってきた。
   元関西人の私には、徐々に花木や野の草花が秋景色を装いながら、静かに暮れて行く田舎の秋を楽しんでいた記憶が濃厚なのだが、関東に来てからは、秋が短くて、一気に夏から冬に移り変る季節の変化にビックリし続けている。
   花が咲き乱れ木々が萌える春も素晴しいが、青春時代を、京都や奈良の古社寺や田舎を歩いて歴史散歩を楽しんでいた私にとっては、「柿食えば 鐘が鳴るなり 法隆寺」と言った趣の鄙びた田舎の、少しずつ深まり行く気の遠くなるような秋の風情が無性に懐かしい。

   わが庭には、草花は植えっぱなしで世話もそれなりなのだが、季節の移り変わりを察知して、所々で草花が咲いてくれるので、有り難く歳時記を繰るような感覚を覚えて感謝している。
   ツワブキが満開で、華やかに咲いている。今年は、何故か 斑入り株が花を付けなかった。
   
   
   
   
   
   

   小菊も咲き出した。
   まだ、一株だけだが、手入れして栽培している訳ではないのだが、思いがけないところから、花を見せてくれるので、嬉しくなる。
   
   
   
   
   
   キヅタが手まり状に蕾を付けたと思っていたら花を咲かせ始めた。
   茎の先に1個から数個の散状花序を出して、小花を多数つけ、花は5弁花で黄緑色、花弁の長さは3mmで、雄蕊は5本つく。と言うことだが、良く見るのは初めてである。
   花は、ヤツデに似た雰囲気である。
   
   
   

   今年の夏は暑かったので、季節がずれ込んだのか、何時もなら咲き出している椿が、まだ、咲かない。
   遠くの枝に、蕾が1輪。
   モミジの紅葉も遅いが、椿の蕾も、まだ、固い。
   
   
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PS:ジョゼフ・E・スティグリッツ「一時的インフレチームの勝利のラップ A Victory Lap for the Transitory Inflation Team」

2023年11月17日 | 政治・経済・社会時事評論
   PSの論文で、スティグリッツ教授は、
   パンデミック後のインフレの性質をめぐって経済学者らが対立陣営に分かれてから2年以上が経ち、今ではどちらの側が正しかったのかがわかった。 ディスインフレは、これまでの価格上昇が主に供給の混乱と部門別の需要の変化によって引き起こされた「一時的なもの」であったことを裏付けている。
    世界がパンデミックから回復しつつある中、世界的なサプライチェーンの広範な混乱と需要パターンの突然の変化により、インフレが急上昇した。 需要の変化は最良の時期であっても価格安定に課題をもたらしたかもしれないが、サプライチェーンの崩壊が事態をさらに悪化させた。 市場は新たな需要パターンにすぐに対応できず、価格が上昇した。
   しかし、現在はディスインフレ傾向にあり、今回のインフレは、FRBなどの過剰な総需要を非難するインフレタカ派ではなく、混乱は一時的で自然に修正されると主張する一時的インフレチームの勝利に終ったと言うのである。
 
   スティグリッツ教授は、自動車産業の半導体不足によるインフレや住宅価格のディスインフレ等について説明し、
   パンデミックによって引き起こされたインフレは、ロシアのウクライナ侵攻によってさらに悪化し、エネルギーと食料価格の高騰を引き起こした。 しかし、価格がそのような速度で上昇し続けることができないことは明らかであり、ディスインフレ、あるいは石油の場合はデフレ(価格下落)が起こるだろうと予測したが、それが正しかった。
   米国と欧州ではインフレが劇的に低下した。 たとえ中央銀行当局の目標である2%には達していないとしても、大方の予想(米国3.7%、ユーロ圏2.9%、ドイツ3%、スペイン3.5%)よりも低い。 さらに、2%という目標は何もないところから導き出されたものであることを忘れてはならない。 インフレ率 2% の国がインフレ率 3% の国よりも良いという証拠はない。 重要なのはインフレが抑制されていることである。と説く。
   
   中央銀行は何をしたのか。 金利を引き上げても、供給側と需要側のインフレという直面している問題には対処できなかった。 むしろ、中央銀行の行動にもかかわらずディスインフレが起こったのであって中央銀行のせいではなく、最近のインフレ解消にはそれらはほとんど関与していない。。
   市場はこれをずっと理解していて、インフレ期待が抑制されたのはそのためであり、中央銀行のエコノミストの中には、これは自らの強硬な対応によるものだと主張する者もいるが、データは別のことを物語っている。 供給側の混乱は一時的なものであると市場が理解していたため、インフレ期待は早い段階から抑制されていた。 中央銀行家たちが、インフレとインフレ期待が高まり始めており、そのためには高金利と失業を伴う長期の苦闘が必要になるのではないかという懸念を何度も繰り返した後でのみ、インフレ期待は上昇した。 (しかし、それでもかろうじて変動し、2021年4月には今後5年間の平均で2.67%に達したが、1年後には2.3%に戻った)。

   最近の中東紛争が再び原油価格高騰の懸念を呼び起こしているが、その前には、インフレタカ派が必要と主張するような失業率の大幅な増加なしに、インフレに対する「勝利」が達成されたことは明らかだった。 フィリップス曲線で表されるインフレと失業の間の標準的なマクロ経済関係は裏付けられていない。
   しかし、その後の 2 年間、価格上昇のタイミングと総供給に対する総需要の変化の大きさについての慎重な研究により、インフレタカ派の総需要の「物語」は、単に何が起こったのかを説明しておらず、その信頼性は大きく揺らぎ、現在はディスインフレによってさらにその信頼性が損なわれている。
   経済にとって幸いなことに、一時的インフレチームの移行は正しかった。 経済学の専門家が正しい教訓を吸収することを祈りたい。
   と結んでいる。

   スティグリッツ教授は、NHK BS1の「混迷する資本主義」の特別編で、もう少し簡潔に語っている。
   今回のインフレを、中銀は、超過需要によるものだと判断して、教えられたとおり、超過需要に対して利上げを盲目的に行った。しかし、今回は需要の問題ではなく供給の中断が原因であった。
   供給不足に対処するためには投資が必要なのだが、金利が上がると投資が難しくなり、更に事態が悪化した。
   アメリカのインフレの主な背景の一つは、企業による市場の支配・独占である。経済理論によれば、金利が上がった場合、企業は短期主義になるので、コストを大幅に上回る値上げを行った。
   更なる価格高騰が事態を悪化させたのであるが、日本の場合、更に賃金給与の抑制に繋がっている。
   
   インフレは、供給に対する需要過多の現象であるので、中銀は、金利引き上げという常備薬を処方し続けたが、スティグリッツ教授は、今回は、通常の需要超過現象ではなく、著しい供給サイドの欠陥による供給不足によるインフレであるから、供給曲線を引き上げるべきであって、金利上昇は投資意欲を減退させる逆療法であったと主張する。
   今回のインフレは、超過需要ではなく、世界的なサプライチェーンの広範な混乱と需要パターンの突然の変化により、インフレが急上昇したのであるから、市場が正常に起動し始めれば、短期に終熄するので、それを見越した市場の方が、中銀より賢かったというのであろうか。

   インフレは、一時的な現象であり終熄に向かっており、供給サイドの増加拡大という謂わば攻めの経済への移行が期待されているのであるから、昨今話題になっていたスタグフレーションの心配はないということであろう。
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ボジョレーヌーヴォーと秋

2023年11月16日 | 生活随想・趣味
   11月第3木曜日は、ボジョレーヌーヴォーの解禁日である。
   Beaujolais nouveau「ボジョレー ヌーヴォー」とは、フランス・ボジョレー地区で、その年に収穫したぶどうを醸造した新酒ワイン。

   しかし、ヨーロッパに8年間いながら、フランスは知らないが、ボジョレー ヌーヴォーと騒ぐような雰囲気に出会った記憶は全くなく、レストランやパブなどで、どうかと聞かれる程度であった。
   したがって、毎年、ボジョレー ヌーヴォーを事前予約して買い続けているのは、日本に帰ってからである。
   欧米でのクリスマスは別格だが、バレンタインデーやハロウィーンもそうだが、西洋のお祭りに目の色を変えて浮かれ騒ぐのは、日本独特の文化かも知れない。

   それはともかく、ここ何年も、11月第3木曜日の朝に間違いなく送られてくるボジョレー ヌーヴォーを、その日に開栓して、ローストビーフなどを肴にワイングラスを傾ける。
   僅かな量だが、赤ワインを主に晩酌しているので、何も日常あらたまった訳でもないのだが、何となく一種の季節のケジメである。

   さて、今日は、珍しく朝は快晴であったので、庭の木々が輝いている。
   昨日、写りが悪かったエレガンスみゆきも、多少、見える写真になった。
   
   
   
   
   
   

   今年の夏は暑すぎたので、季節がずれ込んで、紅葉がグンと遅れた感じである。
   やっと、庭のモミジやブルーベリーの葉が、少し色付き始めた。
   
   
   
   
   
   

   
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桜:エレガンスみゆき咲く

2023年11月15日 | わが庭の歳時記
   秋から春にかけて咲く桜エレガンスみゆきが咲き始めた。
   日本花の会の「桜図鑑」によると、
   2016年に種苗法に基づき柴道昭により登録された品種。花が紅色八重咲で春と秋に開花する二季咲性品種は現在までこの品種以外には知られていません。

   庭植えして6~7年になるので、かなり高木であり、花弁が5㎜くらいで小さくて高みに咲いているので、望遠で撮ってもピントが甘くなり、その上、雨模様なので、写真にならない。
   それに、まだ咲き始めなので、今年はどうなるか分からないが、花付きがあまり良くないのが気になっている。
   そう言えば、庭の菊枝垂れ桜も、まだ、花付きが良くないのだが、やはり、桜は、公園や並木の桜のように、大きく成熟しないと満足に花を付けられないのかも知れないと思って、先を期待している。
   
   

   以前、千葉の庭には、八重桜普賢象を植えていた。
   庭植えして、すぐにヨーロッパに赴任して、8年後に帰ってきた翌年の春、正に、豪華絢爛、春爛漫に咲き乱れて喜ばせてくれた。
   しかし、主の帰国を待って精一杯咲ききって迎えてくれたのであろう、悲しいかな、それが最後で、翌年には虫にやられて消えてしまった。
   
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増加一途の迷惑メールの撃退

2023年11月14日 | 
   最近頻繁に迷惑メールが届いて、それも急に増えたようで困惑している。  
   多いのはAmazon、ETC、三井住友を騙った偽メールest. 他にも多数あり、あまりにも五月蠅いので、最初は順次消去していたのだが、最近では、迷惑メールに指定して受信拒否にしているのだが、一向に埓が開かない。
   Amazonなどプライムに入っていないのにプライムの決済が出来ないとか、ETCなど運転免許を返納したので縁がないし、三井住友カードを持っていないし銀行口座の方も最近では使用していない。とにかく、フィッシング詐欺であろうか、手当たり次第にメールを打ち込んでいるようで、それ以外にも、怪しいメールが多すぎて困っている。

   ところで、多くの迷惑メールを処理していて、困ったのは、正常な大切なメールを、誤って気付かずに、迷惑メール処理してしまったのである。
   さて、修復して元に戻すには、どうしたら良いのか。
   大分前に、パソコンで処理方法を見つけて対処したのだが、もう、その方法は忘れてしまっている。
   
   パソコンを叩いて、修復ないし復元方法に関する質問を検索したが、適当な回答がない。
   パソコンは富士通製なので、富士通のFMVサポートを開いて検索したところ、
   「 間違えて迷惑メールの受信拒否リストに登録した差出人をリストから削除する方法を教えてください。」が出てきたが、vista版で、2008年の記事で、いくら探しても、window11版は出てこない。
   「Webから使い方、修理のご相談を承ります」という「チャットサポート」サービスがあるので、それに移動した。詳細は省略するが、質問は、「誤って受信拒否メールに振り分けたメールアドレスを、元の正常な受信メールに復元するにはどうしたら良いか」ということだったが、何回かやり取りしたが、とどのつまりは、マイクロソフトに聞いてくれと言う返事であった。

   指示に従って、windowの「スタート」ボタン→右上の「すべてのアプリ」→「問い合わせ」の順にクリック、
   「私たちがお手伝いいたします。」と表示されたので、入力欄にヘルプで検索するキーワードを入力し、【Enter】キーを押したが。前に進まない。
   色々試みたが、ITデバイドの老年には無理である。

   困って、念のためと思って、誤って処理した受信拒否メールをそのままにして、
   「迷惑メール」をクリックしたところ、選択肢が表示されたので、そのうち、「差出人ドメインを拒否しない(D)」をクリックすると、
   「差出人のドメインは、「信頼できる差出人」リストに追加されました。」と言う表示が現われた。「ok」をクリックした。

   これで、修復したのかどう自信はないが、インターネットで調べると、「差出人のドメインを拒否しないように設定するには」という記事が出ていて、この方法が説明されている。
   様子を見ようと思っているが、メーカーのテクニカルサポートを何処まで頼りにして良いのであろうか。一寸考えさせられた。

   さて、パソコンを叩いて、記事などを見ていて、一寸怪しげな記事をクリックすると、異常な画面が開いて、大音響で警告が発されて、ここに電話して修復しろとがなりたてる。心配になって、インターネットの電源を切って、再起動して、マカフィーを開いて調べると異常がないのでホッとする。マカフィーに聞くと、電話など絶対に掛けてはならない、それに、強制的に電源を切るとパソコンに負荷がかかるのでと言って、安全な方法を教えてくれた。マカフィーだと、警告画面で注意があるので、異常な場合は、慌てふためいてアクションを取ってはならないということだが、ついつい、信用させられて踊らされてしまう。
   どうにかこうにか、パソコンを不器用ながら操作しているが、元々、ITデバイドの最たる年齢、パソコンを使えない友もいる。
   最近フィッシング詐欺にあって、その後、注意してパソコンを叩いているが、我ながら、大過なく、ここまで良く持ったなあと思っている。
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都響の会員権の継続について

2023年11月12日 | クラシック音楽・オペラ
   今日の都響の定期演奏会Cは、次の通り 素晴しい演奏会であった。

第986回定期演奏会Cシリーズ
日時:2023年11月12日(日) 14:00開演
場所:東京芸術劇場コンサートホール

出演
指揮/ジョン・アクセルロッド
ヴァイオリン/アレクサンドラ・コヌノヴァ

曲 目
シルヴェストロフ:沈黙の音楽(2002)
シベリウス:ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 op.47
ショスタコーヴィチ:交響曲第5番 ニ短調 op.47
【ソリスト・アンコール】
J.S. バッハ : 無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第3番より「前奏曲」
 (ヴァイオリン/アレクサンドラ・コヌノヴァ)

   冒頭のシルヴェストロフはウクライナの作曲家で、2002年の作曲であるから、現代曲だと思っていたが、「沈黙の音楽」は、沈黙のワルツやセレナーデで、実に優雅で美しい曲であった。現下の悲惨極まりないウクライナ戦争の対極にあって、平和への祈りを切々と奏でる清浄なサウンドが胸に迫る。

   シベリウスのヴァイオリン協奏曲は、欧米でも何度か聴いた有名曲。私には、森と湖に囲まれたムーミンやサンタクロースの国と言うよりも、ウクライナ同様に、ロシアの圧政に苦しんでいたフィンランドの時代で、上空に飛来した敵機に向かって、自動小銃を構えて撃ち落とそうとするシベリウスの姿をイメージさせてくれる素晴しい曲である。
   華麗なヴァイオリンに感動しながら、アレクサンドラ・コヌノヴァの美しい容姿の、正に絵になる素晴しい演奏姿に魅せられていた。

   ショスタコーヴィチの交響曲第5番は、レコードもCDも持っていないのだが曲想を覚えていているので、ヨーロッパなどでも結構聴いた曲なのであろう。第3楽章最後のハープの素晴しいサウンドから第4楽章の冒頭にかけてのサウンドが印象的である。
   良く分からないが、「ムツェンスク郡のマクベス夫人」で、厳しく批判され絶体絶命の危機に陥りながら、この曲で名誉回復したという。 硬骨漢のショスタコーヴィチのことであるから、スターリンに迎合したはずはなく、「苦悩から歓喜へ」をテーマにした輝かしいフィナーレに、スターリンの途轍もない圧政に対する批判を叩き込んだような気がしている。

   いずれにしろ、今回の演奏会は、信じられないような悲惨なウクライナ戦争やパレスチナ戦争への限りなき批判と、平和への祈りを呼び起こして胸が熱くなった。
   指揮者ジョン・アクセルロッドの卓越したタクト捌きと素晴しい都響サウンドの響きが脳裏に焼き付いている。

   さて、先月、都響から定期会員券を継続するかどうか案内があった。期間が短かったし、大分どうするか考えたのだが、老齢故の体調を考えて、今までのように、元気で鎌倉から池袋の芸術劇場へ通える自信がないので、退会することにした。
   いつから都響の定期会員になったのか記憶はないのだが、15年は続いていると思う。
   と言っても、途中で途切れたこともあるが、クラシックの楽団の定期会員権の継続は、50年ほど続いていて、都響は、その最後のケースなのである。
   いずれにしろ、定期会員権の取得継続で、クラシック音楽を存分に楽しんできた私にとっては、非常に残念なことである。

   【都響の会員券なら・・・】
☆お好みのシリーズをあなただけの指定席で
 年間を通して同じ席でお楽しみいただけ、お気に入りの席は翌年度へ継続可能!
 チケットも一度にお届けいたしますので、都度お申込みいただく手間もございません。
☆お得なプライスでコンサートライフをお楽しみいただけます
 都響主催4シリーズのチケットは、シリーズ全公演を含む“会員券”としてお求めいただくのが最もお得。
 お手ごろにコンサートを楽しみたい方におすすめの選択肢です。
 定期A・B・C会員:1回券定価より約37%OFF

   残念なことではあるが、諦めざるを得ない。

   さて、一番最初の会員権取得は、N響の東京文化会館ホールのシリーズで、それから、海外に出たので、フィラデルフィア管、コンセルトヘボウ管、ロンドン響、ロイヤル・オペラ、その後帰国してからは、小澤征爾を聴きたくて新日本フィル、そして、今の都響である。
   定期会員権の取得の必要性を感じたのは、フィラデルフィア管の時で、定期会員権は、孫子の代までと言うか、会員の家族が代々継承して、市場に出ないので、非常に取得が困難であって、偶々、運良く直前にキャンセルがあったので、取得できたのである。それと同じことは、アムステルダムのコンセルトヘボウでも感じて、これも幸運に取得できたので、ロンドンに移ってからも継続していた。
   勿論、定期公演以外にもコンサートがあったのでチケットは取得可能なのであろうが、定期公演には特別の配慮があるのであろう、非常に質の高い意欲的な公演が多いのだが、チケットが品薄で取得が非常に難しくなる。
   したがって、フィラデルフィア管やコンセルトヘボウ管などの素晴しいコンサートを聞き逃さないためには、定期会員権の取得維持が必須だったのである。

   これからは、行きたいコンサートを選んで、個々にチケットを取得することになるし、近くの鎌倉芸術館へ行くことになろう。
   しかし、膨大なレコードやCDやレーダーディスク、それに、DVDが残っていて、その上に、最近録り溜めたオペラやクラシック音楽が、2Tのパソコンや3Tの付属ディスクに残っており、これをどうするか。
   ただ、不思議なことに、ウィーン・フィルやベルリン・フィルやと言って目の色を変えて追っかけていた若かりし日の意欲は消えてしまって、クラシック音楽に淡泊になってしまっている。これも、歳の所為かも知れない。
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孫の小学校の運動会を見る

2023年11月11日 | 生活随想・趣味
   朝、いつもの朝寝を切り上げて、孫二人の小学校の運動会を見に出かけた。
   歩いてすぐのところに学校があるので、苦労はないのだが、足が弱くなっている所為もあって、多少気が重い。
   私の役割は、写真係であるので、少しは移動しなければならないし、事情によっては、長く立っていなければならない。
   老人席は設けられていはいるのだが、そこに座っていては写真を撮るには不自由であるし、それに、前の方は既に埋まっていてレンズが蹴られる。

   今年は、運動会が午前中に終ることになっているので、それ程気にすることはなかったのだが、転ばぬ先の杖で、杖を持って行き、撮影中には邪魔になるので、折りたたんで上着のポケットに入れておいた。
   写真は、運動場が広いので、どうしても望遠が必要で、重くて厄介だが、一眼レフを持って行かざるを得ない。
   望遠は200㎜だが、これでトリミングすれば十分であり、なまくらだが、1000分の1のシャッタスピード優先オートで連写設定、これで通している。
   結構失敗もあるが、鉄砲数打ちゃ当たるで、不便はしていない。

   さて、もう、75年以上も前の話になるが、私が小学生の頃の運動会は、殆ど朝から夕方まであって、1日仕事であった。
   それに、母親が準備してくれたランチを家族や友人たち家族たちと一緒にピクニックスタイルで、校庭で食べる一時が非常に楽しかった。
   ところが、このランチが途中で中止となったのである。
   我々両親が揃っていてそれなりに生活に恵まれている人間ばかりではなく、中には母子家庭であったり施設の生徒であったりして、何らかの事情で母親が手作りの昼食やおやつを用意できない子供がいて不都合だと言うことであった。
   これに気付かないで楽しんでいた自分の愚かさを知って、その後胸が痛いのだが、
   確かに、我々の場合は、終戦直後だったので、小学生でも働いていて不登校の友達がいたし、貧しくて弁当がなくて昼休みに校庭で遊んでいる友達がいたのを覚えている。

   パレスチナのガザやウクライナの惨状を痛いほど見せられて、毎日生きた心地がしないのだが、ほんの100年ほど前に、わが平和日本も、悪魔に魅入られて、愚劣の極致、悲惨な戦争に走った。
   今の日本が、自由で平和な民主主義国家であり、それなりの安穏な生活を送れているのだが、一寸振り子の針が異常を来せば、一気に奈落の底に突き落とされる。
   愚劣なトップが権力を掌握し、愚かな大衆が、ハーメルンの笛吹きのよろしく迎合して追従するとどうなるか、ウクライナ戦争など幾多の組織が証明しており、益々、宇宙船地球号が危機に追い込まれていく。

   子供たちの運動会は、子供たちには勿論、その家族にとっても、幸せな一時であり、素晴しいイベントである。
   撮った写真を整理してプリントアウトして、孫たちと運動会談義に花を咲かそうと思っている。
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