オクエゾサイシン。ウマノスズクサ科ウスバサイシン属。
山地~亜高山帯の林縁、林間の生える多年草。ウスバサイシンの近縁でより標高の高い所に分布する。
「日本の野生植物(平凡社)」によりウスバサイシン属(Asiasarum)としたが、カンアオイ属(Asarum)とする図鑑(原色植物図鑑:保育社)もある。
和名で混乱する例はいろいろあるが、オクエゾサイシンの場合は学名でも混乱がある。
オクエゾサイシンの葉。
葉は円心形で基部は深い心形(スペードの形)。短い根茎の先から長い柄のある2枚の葉を対生状にだす。
オクエゾサイシンの葉はヒメギフチョウの食草となる。
サイシンは「細辛」と書き、近縁種の根に辛味があって生薬になる
オクエゾサイシンの花。
葉の陰に隠れるように花をつける。花の付け方が変わっているだけでなく、花の構造も変わっている。
花被(萼)の下半部が合生して壷形になり、子房の下半部は花被より下、上半部は上となる。
それで「子房半下位」と呼ばれる。(普通は「子房上位」か「子房下位」)。
雄しべ12個が子房の周りに並び、6個の花柱には浅い溝がつく。