井伊影男の植物観察

植物の生き方の不思議さ、彼らのたくましさ、したたかさに触れる。しかし、観察者が井伊加減男だからなあ。

街路樹にも多く使われるイチョウ

2012年04月11日 | 日記
世界の四大街路樹はプラタナス、ニレ、ボダイジュ、マロニエ(トチノキ)で、イチョウはその中に入っていないが、日本では街路樹NO.1である。



北大の銀杏並木。イチョウ科イチョウ属。
日本でイチョウが街路樹として多く使われるのは、排気ガスなど公害に強いことや強い剪定にも耐えられるなどの理由が挙げられるが、黄葉の美しさも理由の一つとされる。
イチョウの黄葉の特別美しいのは、クロロフィルに隠された黄色の色素(カロチノイド)が特別多いからかも知れない。
街路樹に使う理由として成長が早いことも挙げられるが、札幌は生育の北限に近いこともあって、札幌ではナナカマドに次いで第2位である。(2009年)



イチョウの実。
果実というのは被子植物の子房が変化したものということで、裸子植物では果実と呼ばないで実とか種子と呼ぶ。
イチョウの実は、この写真のように2個ずつつく。外種皮は黄色くなり悪臭を放つ。写真の下は外種皮をはがした姿で、銀杏と呼ぶ。硬い銀杏の殻は種皮中層といい、内側の渋皮は種皮内層と呼ぶ。
上の北大銀杏並木には雌株もかなりあって、銀杏拾いに多くの人が集まるが、外種皮の悪臭や道路が汚れることなどから、通常の街路樹には雌株は嫌われる。街路樹のイチョウは殆どが雄株である。
「桃栗3年、柿8年、柚の大馬鹿18年」といい、「イチョウの気違い30年」と続く。実生から開花結実まで30年以上かかるとされる。



萌芽枝にみられるイチョウの葉。
イチョウの葉といえば独特な扇形で誰でも同じようなイメージを描ける。しかし良く見ると変異が大きく、1枚として同じものがないといわれるくらいである。
東京都のマークになっているイチョウの葉は裂け目のないタイプになっているが、化石に多く見られるのは2裂タイプで、学名のビローバもその意味でつけられたものだという。萌芽枝の葉は先祖返りするらしく、裂け方の大きいものが多い。
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