浜名史学

歴史や現実を鋭く見抜く眼力を養うためのブログ。読書をすすめ、時にまったくローカルな話題も入る摩訶不思議なブログ。

『週刊金曜日』

2018-05-31 19:30:57 | その他
 『週刊金曜日』6月1日号が届いた。最初に横田一氏の新潟県知事選挙の記事が目にとまった。もちろん、私は池田千賀子さんに当選して欲しいと思っている。その選挙、官僚出身の花角陣営により辺野古型選挙が展開されているという。土建業者をフル動員して、そして創価学会が積極的に動いているようだ。創価学会という宗教団体とその政治部である公明党が、日本を腐らせているアベ政権を全面的に支援するという構図。平和、原発、働かせ方改革その他で、まさにアベ政権の別働隊として、草の根で蠢いている。
 辺野古では、札束が動いていたと言われているが、今回もそうなっているのかもしれない。

 アベ政権は、みずからがしたいことを何が何でも押し通すという、ファッショ的なやり方を貫く。まさにブルドーザーの如きである。それを創価学会=公明党が支える、いやその尖兵となって動き回る。

 政治家も、官僚も、そしてまたこうした宗教団体も、揃って腐臭を放つ。その腐臭がカネをもって迫ってくると、新潟県民も理性が曇らされてしまうのだろうか。

 阿部岳氏の「政治時評」も、「菅氏が切り崩し追い詰められる沖縄」という記事で、権力と金を背景に、沖縄の自治体や政治家、経営者に様々な「飴」をもって来ているようだ。政治権力が、その権力とカネをちらつかせると、地域の有力者はなびいていってしまうのだろうか。

 普通の人々は、やはり欲に弱い。とくにカネ。カネが動くところに、人々は集まる。そして人々には、出世欲というものがある。カネと出世を求めて行動する人々をたくさん見てきた。

 そして投書欄、投稿者は70代が多い。金曜日の読者の状況を示している。購読者が高齢化しているといっても、しかし多くは『週刊金曜日』を読んではいない。平和、民主主義、正義などそういうところに価値を見出す人は、常に少数派なのだ。

 この号で、もっとも気になった記事は、『週刊金曜日』の音訳CD版に関わるもの。中心となって音訳版をつくっていた舛田妙子さん追悼の記事だ。その音訳版を買っていた利用者から、電話で聞いた声が載っている。私のような健常者にはわからない、しかし知るべき内容が書かれていた。
 舛田さんという立派な女性に頭が下がる。また音訳を担っていたたくさんのボランティアの方々にも。

 相互扶助。今の日本にほとんど見られないこと。しかし、クロポトキンや大杉栄を持ち出すまでもなく、とてもとても重要なことだ。

 社会の日の当たるところには、私利私欲が渦巻いている。

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みんな“犬”

2018-05-31 15:06:33 | その他
 日本の官僚や政治家、司法機関の担い手、みんなアベ政権の番犬化している。刃向かう者には吠えて、アベには尾を振りながら体を擦りつ付けていく。出世や昇進が、そのエサである。もう完全に腐りきっている日本。

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近現代日本の最悪の政権

2018-05-31 10:13:43 | その他
 森友・加計問題などに関わる閣僚・官僚の対応は、もう尋常ではない。ほとんど外堀を埋められているにもかかわらず、いまだに居直っている醜いアベ政権と官僚たち。ここまで腐っていると、もう呆れるだけだ。これほどまでに厚顔で蒙昧な人々が日本国という国家の舵取りをしていると思うと、怒りよりまず恐怖である。

 日本という国家が、これほどまでに腐臭を放つようになったのは、史上最悪のアベという人物を首相にしたことが原因であろう。またそのまわりにいる者たちには、倫理とか道徳とか無縁の人々が集っている。

 世界からはどう見えているのか、もっとメディアは伝えるべきである。アベは「美しい日本」といっていたが、いまは腐臭を放つ腐りきった日本の姿があるだけだ。

 こういう人々を政治の中枢におく日本国民は、恥を知れ!といいたくなる。

安倍政権と財務省に改ざんの反省なし! 居直る麻生太郎財務相、安倍首相の後見人を黒塗り、昭恵夫人関与の記録を隠蔽
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雨の日

2018-05-30 12:58:00 | その他
3日前から親知らずが急に痛み始めた。6月1日に予約を入れてあったのでそれまで我慢しようとしたが、とても無理だと思い、10時頃歯医者に行って治療を受け、1日に抜歯することとなった。今は痛みもなく、パソコンにむかっている。

 今日は『法と民主主義』、『図書』(岩波書店)が届いた。抜歯するまでのあいだ、血流をよくするようなことはするなと言われたので、『図書』を読む。

 まず最初にドナルド・キーンの「雨」。キーンさんは「雨が好きだ」という。私は好きでも嫌いでもない。適度に降ってくれないと、農作業に支障がでるし、降り続いたりすると畑に行けなくなるし、豪雨だと野菜の葉に土がこびりつき、生長を押しとどめる。時々、優しく降る、そういう雨が好きだ。
 キーンさんの啄木の本、図書館から借りてきたが、いまだ読んでいない。読まなければならない。

 次は北方謙三の「わが青春の文学」。同人誌に書いたものが『新潮』に掲載されたことが契機となって作家になる道に進んだそうだ。編集者から「天才」だといわれてその気になって小説を書き続けたが、書いたもののほとんどがボツになったという。ここらは啄木とよく似ている。しかし10年ほどそういう時期を過ごした後は、仕事に追われるようになって忙しくなってきたとのこと。啄木には、しかしその10年間の余裕がなかった。金欠病と結核が、彼を26歳で死なせたからだ。

 北方の文中の、これ、まあよい文だ。

 青春というのは、人生で何かを成し遂げる時期じゃない。どれだけ馬鹿になれたか。どれだけ純粋になれたか。どれだけひとつのことを一途にできたか。命を賭けて突っ走る時期、それが青春なんですね。

 私は今でも馬鹿になり、純粋に生きているつもりでいるが、ひとつのことをずっと求め続けることはできない質で、他者の求めに応じて何でも引き受けて頑張ってしまうということをいまだにしている。研究テーマも、いろいろな分野にわたる。今年だけでも、近代天皇制の創出、石川啄木、天皇機関説、横浜事件と海野普吉、沼津市のコンビナート反対闘争など、直近は水道の民営化の問題であった。

 新井満の「第一回イランカラテ音楽祭」の文が、これまたよい。

 北海道に移住した新井は、アイヌの方と知り合いになった。その方から「イランカラプテ」(プは小文字である)ということばを教えてもらった。その意味は、「こんにちは。あなたの心にそっとふれてもいいですか」。素晴らしいことばだ、私はこのやさしさに大いに心を動かされた。

 アイヌ民族は、「静けさと微笑」が特徴だという。“ひかえめ”なのだという。

 その中の文。

 大自然には無数のいのちがあふれている。そのいのちたちのおかげで、人間は生きている。いや、生かしてもらっている。しかも様々ないのちは、どのいのちがどのいのちより偉いとか偉くないとかということはない。人間も含めて、あらゆるいのちがひとしく尊敬に価すると言ってよい。「だからアイヌは、いばらないのさ」

 よい文だ。ここには哲学がある。私は農業をしているから、ほんとうにそう思う。農業をしていると、自然に対して謙虚になれる。自然と会話しながら、農業は営まれる。その自然には、蛙もいるし、ミミズもいる、様々な鳥、蜘蛛、畑に生きるもろもろのいのち、そして風や雨、太陽など、自然のすべてのものとの関わりの中で農作物はできていく。そしてそこには、永年培ってきた農民の智恵がある。そういうものすべてに頭を垂れて、農業は行われる。

 またこういうアイヌ語もあるのだそうだ。

 カントオロワ(ロは小文字)
 ヤクサクノ(2番目のクが小文字)
 アランケプ(プは小文字)
 シネプカ イサム(プは小文字)

 意味は、全ての存在には、役割がある。役割なしに天からおりてきたものはひとつもない。

 よいことばだ。現実のあり方と切り離して、哲学的な面からだけみれば心から同意できる。なぜこんな事を記すかというと、アベや麻生も?って思ってしまうから。

 アイヌといえば、最近刊行された『現代思想6月臨時増刊号 明治維新の光と影』(青土社)のなかの、「「明治維新」を内破するヘテログラシア アイヌの経験と言葉」(平野克弥)は刺激的な論考であった。詳細は省くが、近代~現代の日本がおこなってきたアイヌに対する施策、そうしたものを今どう考えるべきかが記されている。私の歴史観に、たいへん響くものであった。

 今日は、雨。といっても小雨。家でじっと、これから啄木の日記を読む。



 
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連合の立場

2018-05-30 08:36:10 | その他
 1989年に、総評など労働組合が解散してできた全国の労働組合のナショナルセンター。この連合の結成に伴って、たとえば静岡県労働組合評議会(静岡県評)もなくなった。現在、同じ名を名乗っているのは、共産党系の組合の結集体であり、以前の静岡県評とは異なる組織である。

 「労働戦線の統一」という呼びかけにより結集した連合、そこから「戦線」、つまり「闘う」という機能はまったく消し去られた。労働組合を骨抜きにするために、連合が結成されたのだ。その際、共産党系の組合は連合にはいかず、共産党系だけで全労連を結成した。また全労協という組織もできた。つまり、連合が出来たからといって「労働戦線」が統一されたわけではなかった。

 連合加盟組合は、みていると、ほとんど何もしなくなった。おそらく旧同盟系や、電力総連など右派系の労働組合の流れが主導権を握っているからであろう。以前、茨城県かどこかの戦後の労働組合運動の論文を読んでいた時、労働組合運動を妨害していたのが電力系の労働組合で、その組合が「労働戦線の統一」に積極的であったことが記されていた。

 連合で主導権を掌握している組合は、はっきりいって「御用組合」である。会社の経営方針を体現する労働組合であり、何もしないけれども組織率だけは高い。そうなると、地方や地域の連合組織のなかでも主導権を握ることができる。かくて、「御用組合」が主導権をもった連合による地方の労働運動の支配力が強くなり、たとえば真面目に労働運動を行っていた労働金庫の労働組合もそうした支配を受けるようになった。

 労働運動が下火になり、労働組合の組織率も低下する。ユニオン・ショップ制度をとる企業内組合、それは労働運動をやらない、労働組合の人事は会社の総務課(人事)などが行う。そういうところは組織率が高いが、そうでないところ、たとえば全労連系の組合は組織率がどんどん低下していく。

 要するに、連合の成立は、労働組合の活動を抑圧し、労働者に平和運動などへの参加を抑えるものであった。そして細川内閣の時に吹き荒れた「政治改革」、この両者があいまって、現在の日本をつくりだした。つまり、組織的な大衆運動の消失と小選挙区制による政治の劣化である。小選挙区制を自民党が打ち出したのも、1989年であった(政治改革大綱)。

 1989年は、日本の政治や社会を不健全化するターニングポイントであった。その末路が現在である。

 以下は「朝日新聞」記事であるが、連合はおそらく本気ではない。

連合、ようやく「高プロ反対」 響く昨夏の「容認」騒動
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隠蔽工作

2018-05-29 20:27:05 | その他
 アベ政権を支えるために、官僚たちが総動員されて、アベ政権の無茶な政治を支えている。

森友問題めぐり財務省・太田理財局長が会計検査院への介入を密談した記録が! 菅義偉官房長官との連携もポロリ

「最後の砦」の会計検査院、森友学園公文書改ざんの隠蔽どころか財務省・国交省らとグルだった疑い
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「アベ化」

2018-05-28 20:06:15 | その他
 もう明らかにウソをついていることがまるわかりなのに、我が国の国会では、野党の質問に対して、政権側は官僚と共にウソをつき続けている。

 すると、日本大学のアメフト部の監督らも同じように見え透いたウソをつく。

 そういう風潮が蔓延しつつある。

 啄木もこう書いている。

 私利のために良心を欺き、理想を蹂躙して、雄弁とは自己の不正を巧みに隠匿し去るの利器と解するは我等の政治なりや。(「秋草一束」『盛岡中学校校友会雑誌』1904年11月)

 そして今日の『東京新聞』コラム。

ずるとかごまかしなどの不正行為は細菌のようなもので、人から人へと感染するものだそうだ

▼行動経済学者でイグ・ノーベル賞受賞者のダン・アリエリー教授の『ずる』(早川書房)の中にこんな実験があった。だれかに大勢の人の前でカンニングのような不正行為をやってもらう。監督官にはそれをとがめないよう頼んでおく。すると、それを見ていた他の大勢も、同じ不正行為をするようになるそうだ。ずるが感染している

▼ずるをやっても、それが見過ごされ、成功するのなら、自分だって…。そんな心理に陥るのか。この説でいけば、わが国における、大規模なずるとごまかしの大感染を疑ったほうがよいかもしれぬ

▼気の毒だが、政権中枢と中央官庁は既に菌にやられてしまったのだろう。国民に知られて困る記録は「ない」と隠す。政府の主張に沿った曲がったデータを国会に提出する。ここ数カ月の恥知らずなずるとごまかしの連鎖を見れば、その細菌は猛威をふるっている

▼政治行政にとどまらぬ。企業のデータ不正は後を絶たぬし、どこぞの大学アメフット部の前監督の不可解な説明を聞けば、ああこの方もと心配する。国中でずるを聞かぬ日がないとは、大げさではないかもしれない

▼教授の説が恐ろしい。「誰かの反倫理的な行動を目にするたびに私たちの道徳心もすり減っていく」という。このままだと…。
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日本大学という大学

2018-05-28 08:29:56 | その他
 日本大学の前身、日本法律学校の初代校長は、金子堅太郎という人物である。皇典講究所所長の山田顕義らとともに設立した学校である。

 この金子堅太郎、法律学者であるが、彼は北海道での囚人労働を開拓に使用することを「一挙両得」、つまりかれらを使用すれば、監獄の経費は軽減できるし、開墾費用も節約できる、犯罪者であるから野垂れ死んでもしかたがない、というようなことを記している。

 日大アメフト部の選手に対する大学側の姿勢を見れば、選手等は大学の宣伝のための手段としてのみ存在するようである。みずからのプレーを包み隠さず明らかにした選手に対して、日本大学は教育的な姿勢をいっさい示していない。

 こういう姿勢は、建学以来のDNAではないかと思ってしまう。

 金子は、近代日本の保守的政治家でもあるし、保守思想の戦闘的な学者であった。ルソーの『民約論』に対抗して、保守思想家エドモンド・パークの論文集(『政治論略』)を刊行している。

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新潟県知事選挙に注目!

2018-05-27 22:26:03 | その他

 【新潟県知事選】池田千賀子候補 街頭演説(新潟駅万代口)―応援弁士 辻元清美衆院議員ほか6野党・会派国対委員長 2018.5.27
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この冤罪事件

2018-05-27 19:35:45 | その他
 白バイが、中学生を乗せたバスに衝突した事件。中学生や校長が、バスは動いていなかったと証言しているのに、検察も裁判所も聞くことをしなかった事件。これが冤罪と認められない理不尽。

高知白バイ衝突死(35)司法の厚い壁…最高裁も再審認めず
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ヘイト商法

2018-05-26 21:28:08 | その他
 なぜか現代日本は、ヘイトが時流となっている。きちんとした本は棚に立てかけられ、ヘイトがちりばめられている本は、積まれている。雑誌も同様。かろうじて『世界』は積まれているが、しかし『正論』などとは比べられないほど少ない。

 こうなると、ヘイトを書いた本の方が売れるとみた出版社がそういう本をどんどん出版する。そしてそれはネットにも反映する。ヘイトは、事実に基づかないからきわめて気楽に書き込むことができる。ヘイトがヘイトを呼ぶ。

 そういうある種のブームに乗ってカネを稼ごうとする輩が増える。そのひとりに竹田某がいる。

差別動画で荒稼ぎしていたタレント・竹田恒泰氏らのYouTube公式チャンネル相次いで閉鎖、数万本規模で動画が削除される
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【演劇】東京芸術座「蟹工船」

2018-05-25 21:59:45 | その他
 言わずと知れた小林多喜二の作品である。

 蟹工船で過酷な労働を強いられる労働者。しかしあまりに理不尽な扱いに、労働者の怒りが蓄積していく。そしてひとりの労働者が殺されたことを契機にして団結し、経営者に要求を突きつける。しかし、蟹工船に伴走していた帝国海軍の駆逐艦から水兵が乗り込んできて、首謀者を拉致していく。労働者たちは、帝国海軍はみずからの味方だと思っていたが、そうではないことを思い知らされる。
 書いてしまえば簡単な筋ではあるが、そこには底辺の労働者の生活や風俗、様々な社会意識の混在が描かれる。

 さてこの演劇である。「蟹工船」を演劇で見るのは初めてである。

 まず労働者の団結を示すためには、舞台の上に多くの役者を必要とする。労働者の団結と言う時、「多く」という数の問題が生じる。東京芸術座は、たくさんの役者を動員した。そして労働者が働く現場は、海の上である。それも荒波の北方の海である。それをどう表現するか。ホリゾントには、海や波しぶきを映し出す。そして舞台上の役者たちが、大きな波が蟹工船に寄せる時、一斉に動く。演じながら、波への対応もしなければならない。動き続ける舞台であった。
 また労働者という集団ではあるが、それぞれの労働者は思考や生活、生きていた地域も異なる。したがって、個としての姿も描かなければならない。

 多喜二が描きたかったもの、それがきちんと描かれていた。

 休憩を除き、2時間25分。終わった時、すでに9時を過ぎていた。終演は9時20分くらいだったか、舞台を凝視していたから、そんな遅くなっているとは気がつかなかった。

 テーマは重い。近代日本の歴史の本質、近代日本国家とは何か、帝国軍隊とは何であったかをつきつける。ミュージカルを観た後のように、心が躍動するという感じは、皆無であった。

 総じて、この演劇は、たいへん丁寧につくられていたと思う。重い「現実」を「現実」として、観客にきちんと示すことができていた。

 私は高校生の頃、山村聡監督の映画「蟹工船」を見たことがある。月一回、土曜日の視聴覚教室を借りて映画会を開催していた。名古屋にあった中部日本フィルムセンターから目録を取り寄せ、その中からフィルムを選んで連絡し、浜松駅まで送ってもらう。私が駅までとりにいって上映し、また浜松駅に行き返送する。なぜ私がそういうことをしていたのか、その経緯を思い出せない。

 おそらく、私は非合法サークル・社会科学研究会の一員であったから、その会の仕事としてやっていたのだと思う。見たフィルムの中に、モノクロの「蟹工船」があった。結末は同じであるが、最後に日本海軍の旭日旗がはためいていたような気がする。

 今日の演劇、幕があがる前に、荘重な、いや何か心を不安にさせるような、重々しい音楽が流れた。山村聡監督の映画にも、そういう音楽が使われていたような気がする。

 昨年亡くなられたSさん、私が近代の人物を語る講座について、取り上げて欲しい人物を何人かあげていた、その一人が、小林多喜二であった。Sさんの望み、来年応えたいと思っている。

[補記]「蟹工船」の舞台であるが、書き忘れたことがある。労働者たちは、あの荒れた海のなかで仕事し、生活しているのであるから、航海初めの頃は、ヘドを吐いたりすることがあったほうがよい。私は、学生時代、キャンプをしていた神津島から東京まで、台風が近づくなか、連絡船に乗ったことがある。甲板に立つ私よりも波が高い。つまり大きな波の上に乗り、また落ちるというように、大きな上下動をくり返していた。落ちた時に、大きな波が視線よりはるかに高いところに見えた。
 私だけが酔わなかった。ほとんどの人は波に翻弄される船の中で、波と抗っていた。私は、抗わずに、その波に体を乗せていた。だから、私は全く酔わなかった。東京湾に入って波が静かになった時、物足りなさすら感じた。

 ホリゾントの光景から、「蟹工船」は私が体験した時と同様な状態であったことが想像される。そうすると、労働者たちの動きは、不自然となる。



 
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『プレジデント』の怒り

2018-05-25 15:26:18 | その他
 この文の末尾、その通りだ!

国会でウソをいうことは、国民にウソをつくことである。安倍政権は安倍首相をはじめ閣僚みなが、国民を愚弄している。怒り心頭に発す。いまこそ、国民が怒りを爆発させるときだ。

これだけウソを並べ立てる政権も珍しい。戦後、こんな政権があっただろうか。
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米朝会談の中止

2018-05-25 15:12:35 | その他
 きわめて合理的な外交政策を展開する北朝鮮、相手がTrumpだと、なかなか苦労するようだ。

 Trumpは、定見を持たない人、しかし目立っていないと気が済まない。だからふらりふらりと動き回る。その訳がわからない、先の見通しももたない動きに、アメリカの政界も右往左往する。

 定見を持たないから、その時その時の側近の声や、気分で、政治的な判断を下す。自動車の関税を25%にするという、常識では図れないアドバルーンをあげる。

 こういう非理性的な人物を相手に、北朝鮮当局も先が読めないのであろう。

 私は、朝鮮半島が分断された責任は、アメリカと日本にあると思っているから、南北が協調して、同じ民族同士が仲良くしてくれればそれでよいし、いずれは統合することも期待している。

 南北が緊張すると、アベ政権が小躍りして喜び、アメリカ軍需産業もよろこぶ、そういうマイナスの喜びを引き起こさないように動いて欲しいと思う。

 さて北朝鮮はどうしたらよいか。当面は中国、韓国、ロシアと協調していくことが肝要だ。敵対は損である。北朝鮮は最近の金正恩の訪中により、北朝鮮の安全確保の約束をとりつけたと思われる。韓国とは、文政権とできうるかぎり連携していくことだ。ロシアとはもちろんである。これらの国々と連携していれば、おそらくトランプ政権は攻撃を仕掛けていくことはないだろう。

 そしてできるだけ早く、トランプ政権と話し合い、朝鮮戦争にピリオドを打つことだ。

 緊張が緩和することにより、北朝鮮の国内政治も、緊張緩和に向かっていくことだろう。

 そしてそれは、日本の平和にとってもプラスである。

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財務省、まだ隠す

2018-05-24 22:28:18 | その他
 
 泥沼の森友問題、またしても「文書隠し」疑惑 なぜか2014年4月28日の面談録がなかった
 
 アベ夫妻を守ろうと、財務省は資料を隠す。
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