浜名史学

歴史や現実を鋭く見抜く眼力を養うためのブログ。読書をすすめ、時にまったくローカルな話題も入る摩訶不思議なブログ。

複雑だ

2024-01-03 16:12:00 | 国際

 ユーチューブで、「ニューイヤーコンサート」と検索したら、ロシアのマリンスキー劇場管弦楽団のそれがでてきた。同管弦楽団は、ゲルギエフが芸術監督として名を挙げ、ウクライナ戦争までは世界各地で演奏会を開いていた。ゲルギエフがプーチンとつながっているということから、ウクライナ侵攻以後、欧米ではゲルギエフの演奏がぴたりととまっているようだ。

 ゲルギエフ指揮のマリンスキー劇場管弦楽団は、浜松市にも演奏に来て、私はそれを聴きに行ったことがある。素晴らしい演奏であった。

 音楽は国境をこえるものだという肯定的な考え方を持っていたが、ロシアのウクライナ侵攻以後、ゲルギエフとマリンスキー劇場管弦楽団を聴かなくなっていた。彼のCDは何枚か持っている。

 今日、指揮はゲルギエフではないが、マリンスキー劇場管弦楽団の「ニューイヤーコンサート」を聴いた。読書するときには、いつも音楽をかけているので、いつものように、それをバックグラウンドミュージックとしてながしておこうと思ったのだが、これができない。しっかりと聴いてしまうのだ。耳がその音をとらえてしまう。

 戦争状態にあるとき、音楽というものをどう考えたら良いのか。複雑な気持ちをもちながら聴いてしまった。

 

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「ホロコーストの呪縛」

2023-12-18 08:56:40 | 国際

 『東京新聞』が社説で、「ホロコーストの呪縛」を論じている。そのなかで、「迫害されたつらい体験を教訓として、自分たちの安全確保を最優先するあまり、他の民族の痛みに鈍感になっているのでしょうか」とある。

 私は、この地域におけるイスラエルの行動は、そんなものではないと思う。彼らは、かつてユダヤ人が受けた迫害の記憶とは無関係に、過ぎ去った時代につくられた宗教的言説を実現しようと、パレスチナ人を追放し、あるいは「処理」して、大ユダヤ国家を樹立しようとしているとしか思えない。

 ハマスの襲撃後、「ドイツの政治家らは、「イスラエルの安全を守ることはドイツの国是」」だとして、ガザの民衆が多数殺されてもイスラエル批判を封じているとも記されている。

 ドイツは、アウシュビッツにみられるように、もっともユダヤ人を迫害した国家である。そのドイツが、みずからおかした迫害という罪責を、パレスチナに住む人びとになすりつけた、肩代わりさせたのではないか。イスラエルが、ハマスによる攻撃がなされる以前から行ってきたパレスチナ人迫害・虐殺に、ドイツはどう対応してきたのか。厳しくイスラエルを批判してきたのか。ドイツが行ったユダヤ人迫害と、イスラエルが行っているパレスチナ人迫害は、同質ではないか。

 ドイツが、イスラエルによるパレスチナ人迫害を批判しないということは、みずからのユダヤ人迫害の罪責をきちんと見つめていないということではないのか。いかなる迫害をも認めない、という立場こそ、ドイツが採用すべき立場ではないか。

 

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「国境なき医師団」

2023-12-12 06:12:49 | 国際

 自分自身がすべきであるが、できないときにはお金を出す、それが私のやり方だ。

 いま、ガザはイスラエルによってそこに住む人びとが「一掃」されようとしている。許せないことだ。イスラエルという国家が現在の地に建国された1940年代後半から、国際社会は不当なことをしたと考えてきた。ヨーロッパのキリスト教徒たちは長期間ユダヤ人を差別し、とりわけナチスドイツはユダヤ人を根絶やしにしようとした。

 ヨーロッパ人がそうした差別を克服し贖罪したいとするなら、最適な解決策をとるべきであった。しかし彼らをはじめとした国際社会は、パレスチナに住む人びとをその居住地から追い出し、そこにイスラエルという国家をつくった。差別を続けてきたヨーロッパのキリスト教徒は、ユダヤ人差別の歴史的責任をとらなかった。

 その結果が現在のガザのありさまだ。

 イスラエルは、ガザから、西岸地区からパレスチナ人を追い出し、その地をイスラエル国家に包摂しようとしている。そこに住む人びとが、殺されようと、けがをしようと、そんなことは一切構わない。それは長い間続けられてきたことだ。多くのパレスチナ人は理由もなく殺され続けてきた。パレスチナ人の怒りと絶望を、私たちは想像しなければならない。

 現在ガザや西岸地区で行われているイスラエルの蛮行は、多くの戦争を経る中でつくられてきた国際社会のルールをまったく無視するというきわめて理不尽なものだ。許してはならない!イスラエルは、ただちに戦闘行為を止めるべきである。

The current Israeli brutality in Gaza and the West Bank is extremely inexcusable and totally disregards the rules of the international community that have been created through many wars. It must not be tolerated! Israel must immediately cease its combat operations.

 現在、イスラエルの激しい攻撃のその下で、国境なき医師団の医療チームが活動を続けている。今までも国境なき医師団は、世界で医療が求められている現場に行き、医療活動を行っている。そういう人たちを、私たちは支えなければならないと思う。

 国境なき医師団が、この問題をユーチューブにアップした。見てほしい。

 

【トークイベント】ガザ地区で目撃した現実──今、私たちに何ができるのか

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イスラエルの蛮行

2023-11-13 20:44:23 | 国際

 ガザをめぐる報道にこころを痛めている。イスラエルが行っていることは、ナチスが行ったことに匹敵する。ジェノサイドである。

 イスラエル建国の頃からの歴史をいちおう知っているからこそ、イスラエルがパレスチナ難民を一掃して、ガザをはじめ、すべての土地をイスラエルが領有し、そこからパレスチナ人を追い出す、それはイスラエルが建国の頃から始めていたことだ。

 パレスチナ人を追い出すためには、手段を選ばないイスラエル。イスラエルはこの機会にパレスチナ人を完全に追い出そうと考えているんだろう。

 第二次大戦後の国際社会の最大の誤りが、イスラエル建国であった。とりわけ、ユダヤ人を差別していたロシアやヨーロッパこそが、ユダヤ人迫害の責任を負うべきであったのだ。それをしないで、平和に暮らしていたパレスチナに住む人びとの生活や生命を破壊してイスラエル建国に加担し、ガザをはじめとするパレスチナの人びとが追い立てられようとしているのに、手を差し伸べない。まさに見殺しではないか。

 イスラエルは殺戮と破壊をやめなさい。さもないと、ユダヤ人に対する嫌悪が世界的に巻き起こるかもしれない。

 ガザを救え、パレスチナ人を殺すな!!

 

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イスラエル軍兵士の蛮行

2023-11-11 21:51:13 | 国際

「だから私は沈黙を破った」パレスチナを占領するイスラエル兵が告白した“非人間的行為”と苦悩…

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イスラエルの蛮行

2023-11-04 08:18:19 | 国際

 イスラエルは建国のはじめから、パレスチナに住む人びとをむやみに、いとも簡単に殺してきた。今度のハマスの攻撃に対する「復讐」として、おそらくGazaのパレスチナ人を一掃するつもりなのではないか。

 イスラエルは、建国当初からそのつもりであったことは、その後の歴史をみれば明らかである。だから国連決議を一切守らず、アメリカという国家の後ろ盾を得て、勝手なことばかりをしてきた。その過程で、多くのパレスチナ人を殺傷してきた。

 ユダヤ人差別を行ってきた欧米、ロシアこそが責任を負うべきである。

 おそらく、イスラエルはハマスの討伐を口実に、Gazaを殲滅しようとしているのだろう。そしてそこにイスラエル人の植民をするつもりなのであろう、西岸地区のように。

 イスラエルの宣伝は信用できない。イスラエルはみずからの蛮行をいつもカモフラージュするために、でたらめの情報をたれ流してきた。

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イスラエルの宣伝に惑わされるな

2023-10-27 13:10:25 | 国際

西谷文和 路上のラジオ 第153回 「ガザとウクライナ。路上からの報告。」

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パレスチナ問題を理解するために

2023-10-25 18:00:50 | 国際

「緊急学習会 ガザとはなにか」―登壇 岡真理 早稲田大学大学院文学研究科教授

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パレスチナ問題を考えるために

2023-10-14 22:11:22 | 国際

19世紀ヨーロッパに端を発するパレスチナ問題

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「不視」ということ

2023-10-14 06:33:36 | 国際

 世界各地でいろいろなことが起こる。

 気候変動は、私たちの生活を苦しめる。今夏は猛暑が続いた。今までできるだけ使用しないように生活してきた我が家でも、エアコンは必需品となった。エアコンなしには、生活できなくなった。

 気候変動に対して、私たちはあまりに無力である。

 そして戦争。ロシアの侵攻に始まったウクライナ戦争は、終わる気配を見せない。開始されたときは、注目していたが、今では「早く終わらないかなあ」と思うくらいになってしまっている。

 日常生活は、世界各地で行われているもろもろの、あってはならない事態を忘れさせる、あるいは慣れへと誘い込む。

 私自身は、何かしなければならないが何もできないと思うとき、少ないけれども「国境なき医師団」などに送金することくらいしかしていない。

 そして今回のイスラエルに対するガザのハマスによる攻撃、それにともなうイスラエルの反撃。しかし経緯を見れば、イスラエルはガザや西岸地区へ恒常的に攻撃をしていた。パレスチナ人をあたかも囚人であるかのように取り扱い、ガザでは閉じ込め、西岸地区ではイスラエルは土地をあたかも植民地のように奪い、高い壁を設けていった。そしてパレスチナ人の苦悩は、報じられることもなかった。少数の知識人の、パレスチナと連帯する人びとの文章がときたま目につくだけとなっていた。

 しかし、私を含めて、そうした現実があるのに、見ることをしてこなかった。「不視」である。

 イスラエルは、どのような報復をするのだろうか。イスラエルが今までおこなってきたパレスチナへの仕打ちを考えると、大規模な軍事作戦が行われるような気がする。イスラエル国家は、パレスチナ人を人間扱いしない。イスラエルにとっては、パレスチナ人は「ウジ虫」なのだ。

 ガザに閉じ込められてきたパレスチナ人。そうした状況をつくりだしたのは、イギリスなどユダヤ人を差別してきた国際社会である。ユダヤ人虐殺になんら関わってこなかったパレスチナの民が住むところに、ユダヤ人国家を建設して、ユダヤ人への罪滅ぼしをしようとしたヨーロッパの国々。

 イスラエルが建国されてからずっと辛酸をなめてきたパレスチナ人。国際社会に訴えても何の解決策も打ち出されなかった。パレスチナ人は耐えるしかなかったのだ。耐えて、耐えて生きていた。しかし将来がよくなるという希望はいっさい見いだされなかった。絶望、絶望。

 その絶望を、「不視」のままではいけない。

ガザに闇が落ちる時、世界が私たちにも目を向けてくれることを願う

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戦闘はやめてほしい

2023-10-12 07:49:10 | 国際

 第一次大戦以後、戦争が起きると兵士だけではなく、より多くの民間人が犠牲になる。それでも、国家は戦争を行う。戦争は、まったく無駄な所業である。人間を破壊し、住居を破壊し、環境を破壊し・・・・まったく良いことは何もない。

 しかし軍需産業や、ナショナリズムを煽る政治家たちは、得をする。しかしその数は圧倒的に少数である。少数の利益のために、戦争が行われる。庶民にとっては、まったく得のないことだ。

 悲しいことに、イスラエル、パレスチナ(ガザ)間で戦闘が開始された。パレスチナは、イスラエルによる決められた境界をはるかに超えての「植民地」創設、ガザを軍事的に包囲し他所との交流を遮断し続けるなどのイスラエルの暴挙に対し、そしてそれに関して国際社会が沈黙を続けてきたことに対し、衝撃的な戦闘を開始することによって、アピールしようとしたのだろうか。

 メディアや欧米、日本などはパレスチナ(ハマス)の行動に対して一斉に非難の声をあげた。

 しかし私は、イスラエル建国に際してのイギリスなどの「西側諸国」の行動、そこに長く住み続けてきたパレスチナ人の意向も聞かず、ここはイスラエルの土地だとしてパレスチナ人を追い出し、あまつさえ、虐殺により恐怖をつくりだしパレスチナ人を追い出すなど、イスラエルの反人道的な行動を知るがゆえに、そしてそのイスラエルの行動になんら有効な対策をとってこなかった国際社会の冷酷さを知るゆえに、パレスチナ(ハマス)を非難する気にならない。

 国際社会が沈黙を続けてきたこと、それはイスラエルの暴挙を黙認してきたということでもある。国際社会はイスラエルの暴挙を抑えることなく、イスラエルのやりたいようにさせてきた。それにより、どれほどパレスチナ人が苦しめられてきたか。

 もしこの戦闘をとめたいならば、イスラエルの建国の経緯、その後の歴史をきちんと振り返ってみることがまず必要だ。それなしに、この問題を解決することはできない。

 私も、ガザや西岸地区に住むパレスチナ人の苦悩を知りながら、何もしてこなかった。私も、イスラエルの蛮行を黙認してきた。申し訳ないと思う。

 できれば早く戦闘が終わってほしい。戦闘は、多くの民間人を犠牲にするからだ。

 

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ウクライナでのダム破壊

2023-06-08 07:39:20 | 国際

 私は、ウクライナにおけるダム破壊について、ウクライナ、ロシアのどちらが行ったのかを判断する情報をもってはいない。したがって、それについての判断はしないが、ロシアが、破壊の一週間前に次にような法令を発出したことは何を意味するかを考えたい。

Russia decided accidents at hazardous facilities would not be investigated shortly before blowing up Kakhovka Hydroelectric Power Plant

その日本語訳。「ロシア、カホフカ水力発電所を爆破する直前に危険施設の事故は調査しないと決めた。」

そしてその条文。下記は英訳されたものを、日本語にした。 

"Until 1 January 2028, technical investigations shall not be carried out into accidents at hazardous production facilities and accidents at hydraulic structures that occurred as a result of military operations, sabotage and acts of terrorism."

"2028年1月1日までは、軍事作戦、サボタージュ、テロ行為の結果として発生した危険な生産施設での事故および水力構造物での事故について、技術調査を実施してはならない。"

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戦争のこと

2023-05-10 11:24:09 | 国際

 ロシアによるウクライナ侵攻に関して、欧米や日本のメディアは、もちろん反ロシアの報道を繰り返している。そのなかから、どうもおかしいのではないか、という疑問がでてくるのは必然であろう。戦争というのは、戦いあっている国々のどちらが正義であるのかを断定的に決めることはできない。

 ここでも松尾邦之助の登場を願おう。

いずれにしても、国家と国家の戦争は、利害打算の相剋であると同時に、教育や政治宣伝によって煽られた集団的、排他的な民族感情に支配されたものである。(219)

 実際その通り、今、ウクライナ戦争に関わっている国々は、それぞれが「利害打算」をもって参画しているのである。

 さて、戦争の開始を冷静にみつめるためには、時間的・空間的に俯瞰してみなければならない。

 アメリカは、このブログで何度も記してきたように、きわめて独善的な国家である。自国のためには何でも行う。ベトナム戦争、イラク戦争・・・・・アメリカが行った侵略戦争は数え切れないくらいである。とりわけあまり報じられてこなかったが、中南米に対する侵略行為は無数にある。その代表的なものが、チリにおけるアジェンデ政権をクーデターを起こして倒した事件である。

 今までアメリカがどれほどの「悪」を行ってきたのかは、以前紹介した『アメリカの国家犯罪全書』(作品社)をよめば一目瞭然である。

 さて今度はロシアである。ロシア帝国の時代までさかのぼることはしないが、ロシア革命後にできたソビエト連邦は、「収容所」を設け、「政敵」と睨んだ者を即座に銃殺するという蛮行を行った。世界各地の社会主義者たちが、「社会主義の祖国」と崇めたソ連は、自国のことを優先し、さらにそのなかでも共産党に関わる者だけが特権を享受するという体制をつくりあげた。ノーメンクラトゥーラ、「コトバンク」ではこう説明されている。

社会主義国家の各級党機関の職務・権限、とくに幹部ポストのリスト、およびこのポストの在任者または候補者の名簿を意味し、かつての職業的革命家集団にかわってスターリン以後の体制を支える特権的支配層をさす。旧ソ連についてみると、その数は70万人ほど(1700万党員の約4%)で、指導的党機関(その幹部)によって推薦・任命される。革命ではなく、現状維持(権力保持と立身出世)を志向する保守的体質をもつ職業的管理層・体制派エリートである。

 社会主義体制崩壊後も、ノーメンクラツーラは壊滅することなく温存され、旧ソ連時代よりもむしろ強化されたもののようで、旧ソ連時代からのメンバーが引き続き現在のロシアの新支配層の多くを占めるばかりでなく、なかにはマフィアと手を組んで地下経済の担い手として暗躍する者も少なくはない。

 この説明にもあるごとく、現在のロシアでも、ノーメンクラトゥーラという支配層は、権力の中枢にいるのだ。もちろんプーチンもそのひとりである。

 ソビエト連邦は、ナチスドイツと提携しポーランドを分割したり、敗戦国日本の兵士たちをシベリアで強制労働させたり、正義の側に立っていたわけではない。

 ソビエト連邦は、ハンガリー動乱、民主的な改革を行おうとしたチェコに侵入し、その改革をぶっ潰した。ソビエト連邦崩壊後も、今までソ連邦内にあった諸地域が独立を模索しようとすると、それを押し潰そうとしてきた。その代表的な事例がチェチェンである。旧ソ連邦だった地域に対するロシアの蛮行を、周辺諸国は恐怖を持って見つめてきた。ソ連の影響下にあった旧東欧諸国のロシアに対する強い警戒は、ソ連とロシアが歴史的につくりあげてきたものだ。

 なぜ現在、旧東欧諸国がウクライナを支援するのか、をしっかりと見つめるべきである。

 さてロシア・プーチン政権がウクライナに侵攻した。これは以前記したことがあるが、国際法において明確に違反行為である。ロシアが、アメリカをはじめとしたNATOの東方拡大に対抗して・・・・という言説があるが、そうであっても、ロシアがウクライナに軍事侵攻したことは、非難されるべきである。もしアメリカなどによる圧迫がロシアに対して展開されていたのなら、それに対して明確に反論し、軍事的な対応ではない方法を採用すべきであった。ロシアのウクライナ侵攻により、ウクライナの多くの国民は、反ロシアの感情を強く抱くようになり、今後長期間ロシアとウクライナの敵対感情は存続することだろう。

 現在、日本の自衛隊は南西諸島に展開している。敵として対象となっているのは中国である。日本で「敵基地攻撃能力」というとき、それは中国に対して向けられている。そしてアメリカ軍が、台湾周辺に軍艦を派遣している。まさに日米が、中国に軍事的に圧迫を加えている。

台湾危機」は、日本(アメリカ)と中国との条約からみれば、日本やアメリカがとっている行動はまったく条約違反である。

 日米の軍事的挑発に対して、中国は軍事侵攻するのだろうか、もし現状のなかで、日本に軍事的な攻撃をしかければ、それは国際法違反となる。もちろん中国が、である。アメリカは日本をそそのかして軍事的挑発を激化させ(軍事的挑発は軍事的侵攻ではない)、中国に先制攻撃をさせようとしているのかもしれない。しかし中国はそんな冒険的なことはしないだろう。

 軍事的侵攻をしない、というのが、20世紀からの国際法の原則である。

 私たちは、「国家」と同一化した認識をもってはいけないのだ。あくまでも、庶民の眼で見ること。それもきわめて冷静に、である。

 

 

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劣化ウラン弾

2023-04-16 12:45:01 | 国際

 アメリカによるイラク侵攻時、アメリカはイラク攻撃で劣化ウラン弾を使用した。コトバンクには、こう記されている。

 弾芯に劣化ウランを使用した砲弾をいう。劣化ウランは、天然ウランを核燃料や核兵器に使用するために濃縮した後の残存物で、有毒な超硬金属である。劣化ウランの比重は約19で、鉄(約8)の2.5倍、鉛(約11)の1.7倍である。したがって、劣化ウランを弾頭として用いると、鉄や鉛よりも大きな運動エネルギーが得られ、有効射程が25%延びるとともに装甲車両貫通力が大きくなる。さらに、劣化ウランは圧力を加えると発火し、1132℃で燃焼する。目標に着弾し発火した劣化ウラン弾は溶解し、さらに鋭利化して貫通能力が高まる。(中略)

劣化ウランは毒性のある重金属で放射性物質でもある。劣化ウランの放射線量は天然ウランの約60%であるが、劣化ウラン(ウラン238)の半減期は45億年と長い。目標に着弾し燃焼すると酸化ウランとなって数百メートルの範囲に飛散する。湾岸戦争後、米兵の間に癌(がん)や免疫不全など「湾岸戦争症候群」とよばれる病気が発生し、ボスニア・ヘルツェゴビナやコソボにおいても白血病の発生率や奇形児の発生率が高くなったという報告がある。

 その劣化ウラン弾が、イギリスからウクライナに供与されるというニュースがある。驚くべきことだ。攻撃により被害にあっているウクライナの人たちは、いずれ停止されるだろう戦闘を経て日常生活が回復しても、放射能汚染でさらに苦しむことになる。

 こうした非人道的な兵器(兵器はすべて非人道的だが)は、なくすべきである。劣化ウラン弾がウクライナの周辺で使用されることは、あってはならない。

 

 

 

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アメリカの軍事情報

2023-04-14 19:46:44 | 国際

 重大な軍事情報が漏れたということで大騒ぎになっている。どのような内容なのかは詳しく知らないが、騒ぐということはよほど重要な情報なのだろう。

 しかし若い州兵が、機密情報に簡単に接することができるというアメリカの軍事情報システムは、危険ではないか。

 そんなアメリカと、軍事的・政治的にのめりこんでいっていいのだろうか、日本は。

米情報管理の「穴」が露呈、21歳の下級兵士が機密情報にアクセス

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