浜名史学

歴史や現実を鋭く見抜く眼力を養うためのブログ。読書をすすめ、時にまったくローカルな話題も入る摩訶不思議なブログ。

歴史の進展

2013-07-31 10:54:29 | 日記
 今年は家永三郎氏の生誕100年であるという。家永三郎という研究者は、教科書裁判で有名であるが、学者としても様々な研究を行い、ボクも家永氏から学んだものも多い。

 家永氏は岩波新書も多数書いていて、そのなかに田岡嶺雲の生涯を書いたものがある。『数奇なる思想家の生涯』である。ボクはそのなかに書かれていた文、以下に掲げるが、それをいつも胸に秘めて生きてきた。当初、田岡の文だと思っていたが、石川啄木のことばであることがわかった。

 歴史の進展に一髪の力でも添えうれば満足なのです。添えうるかどうかは疑問だとしても、添えようとして努力するところに僕の今後の生活の唯一の意味があるように思われるのです


 これは、今はつけてはいないけれども、若い頃につけていた日記の巻頭に記していたものだ。

 そのほか、以下のようなものを記していた。


 真理と正義と善意のために(ロマンロラン)

 今日の自分が昨日の自分と変わらず、その生活が慣習の中に生気を失ったとき、その自分は過去の自分の奴隷にほかならない。(ニーチェ)


 すべての人間はまず人間であらねばならない。ほかの人間に対しても、人間が人間に対するようにしなければならない。(ドストエフスキー)
 


 これらのことばは、いまだボクのこころのなかに生きている。

 これを、8月から働き始める君に贈る。
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【本】新崎盛暉ほか『「領土問題」の論じ方』(岩波ブックレット)

2013-07-31 09:54:25 | 日記
 今、部屋の片付けをしている。7月は、いろいろな講演があったので、そのテーマに関する書物や資料が、床の上に散乱しているからである。秋からの新しい歴史講座の準備のために、これらを整理しておかなければならない。

 ボクに求められる講演の内容は多岐にわたるため、それに関する資料や書物、一応は整理してあるのだが、講演の直前になるとクシャクシャになってしまうのである。

 先ほどから進めているが、本の山から、読んでいなかった本などが見つかるたびに読むので、なかなか進まない。ちょうどでてきたのが、この本。

 最近は新聞も尖閣諸島付近の動きをあまり報道しないためか、ナショナリスティックな国民の反応も少なくなっているようだ。しかし、この問題に関しては、マスメディアや政府の自国に都合のよいような議論ではなく、冷静な議論に今こそ耳を傾けるべきなのである。

 領土問題で、今まで各所で話してきたが、この問題に興味関心を抱いている人々ですら、双方の主張や国際法、あるいは歴史的経過など、ほとんど知っていないし、知ろうともしていないようであった。

 この問題では、すでに多くの本が出版されており、ボクもかなりたくさんの本を読んだが、忙しい日常生活を送っている方々には、それは難しい。しかし、この岩波ブックレットはうすいし、読みやすいので。是非読んでいただきたい。

 新崎氏の、「領土」という観点ではなく、「地域住民の生活圏」という視点からのとらえ方はとても新鮮である。

 また岡田充氏のこの問題についてのマスメディアのあり方についての言及も捨てがたい。本来なら、政府がナショナリズムを煽っても、それをできるだけ沈静化させるというのが、過去の歴史的経験から導き出す教訓であると思うのだが、メディアは「「思考停止」と「絶対的価値」を側面から補強する」ものとなり、「「国策」を監視し、批判的に見つめる視点は欠落している」という。その通りだと、ボクも思う。

 だからこそ、メディアではなく、きちんとした本を読んで、正しい知識と冷静な議論を学ぶべきなのである。

 本書の基本的な視点は、武力を用いた解決ではなく、冷静な双方の話し合いにより解決に向かっていくべきだというものだ。当然の姿勢である。

 本書の最後には、国際法学者の最上俊樹氏の論考があるが、そこに書かれていた文が、とくに印象に残った。

 戦後日本が最も誇ってよいことの一つは、一度として武力で紛争を解決しようとしたことがないという事実である。

 もちろん日本国憲法の平和主義、第九条の存在がそうさせたのであるが、であるが故に、この領土問題をめぐっても、現憲法の意義はとても大きいと言うべきなのである。

 ぜひ本書を読んでいただきたいと思う。

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オスプレイが東京の空を飛ぶ

2013-07-31 07:35:51 | 日記
 米空軍のオスプレイが横田基地に配備されるという。すぐに地元では反対の声があがった。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2013073002000230.html


 しかし日本政府は、アメリカの言われるとおりにするのがならいになっている。

 普天間に追加配備されるオスプレイを、防衛省は諸手を挙げて受け入れる。オスプレイは輸送機。どこかへ海兵隊を運ぶためのもの。いったいどこへ運ぼうというのか。

  http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130730/plc13073019590016-n1.htm

 以下は、『中日新聞』の今日の社説である。こういうまっとうな意見が通らない日本社会。ほとんどの人は関心がなく、良識ある人々の気持ちを無視してことは進んでいく。そういうことができる国なのだ、日本は。


オスプレイ 民意顧みぬ配備強行だ   2013年7月31日

 沖縄県の米軍普天間飛行場に追加配備されるMV22オスプレイ十二機が山口県の米軍岩国基地に搬入された。仲井真弘多知事ら沖縄県民の多くが配備強行に反対している。なぜ民意を顧みないのか。

 外国軍である米軍機が日本の空を自由に飛び回る。その軍用機は安全性に疑念が残るから、配備をやめてほしいと基地周辺住民が再三求めても聞き入れられない。これが安倍晋三首相が思い描く「主権」国家なのか。

 垂直離着陸輸送機MV22オスプレイは、八月上旬にも岩国基地から普天間飛行場(宜野湾市)に移動し、配備済みの十二機と合わせて二十四機態勢が整う、という。

 住宅地に囲まれ、かつて米国防長官が「世界一危険」と認めた普天間飛行場に、開発段階から実戦配備後まで墜落事故を繰り返す軍用機を、なぜ配備できるのか。日本政府もなぜそれを許すのか。

 事故の危険性が指摘される飛行方法を米軍施設上空に限定し、人口密集地上空の飛行は避けるなどの日米合意も守られていない。

 仲井真知事は九日、菅義偉官房長官らに追加配備の見直しを要請した。沖縄県議会も十一日、全機撤収を求める意見書と抗議決議を全会一致で可決している。二十一日の参院選では、配備に反対する糸数慶子氏が当選したばかりだ。

 日米両政府は直近の民意がオスプレイ配備反対であることを、重く受け止めるべきではないか。

 米国内ではオスプレイの低空飛行訓練計画に周辺住民から懸念が出て、中止や見直しが行われたという。米国内では住民の意見に耳を傾け、国外では聞く耳を持たないというのでは二重基準だ。

 これでは自由と民主主義を「人類共通の価値観」と位置付ける米国が世界の民主化の先頭に立とうと意気込んでも、信用されまい。

 米太平洋空軍のカーライル司令官は、空軍仕様のオスプレイCV22の、嘉手納基地(沖縄県嘉手納町など)や横田基地(東京都福生市など)への配備に言及した。

 CV22は陸軍特殊部隊の輸送など特殊作戦機として運用されるため、MV22に比べて事故率が高いという。昨年六月には米国内で訓練中に墜落事故を起こしている。

 危険な軍用機が日本中を飛び回り、その配備も止められない。オスプレイは沖縄にとどまらず、「国の在り方」にもかかわる重い課題だ。日本国民全体が自らの問題として考えなければならない時機に来ているのではないか。


 残念だが、そういう「時機」が来ているのに、自らの問題として考えないのが日本社会なのだ。
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あなたはまだGoogleを使っていますか?

2013-07-30 17:31:30 | 日記
 もうボクはGoogleを使用していません。duckduckgoに完全に変えました。なぜか。

http://donttrack.us/
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やっぱり

2013-07-30 17:17:11 | 日記
 やっぱり、安倍自民党とナチスは親和性がある。

 これは『読売新聞』の記事。こういう人物が副総理なんだ。欧米に報道されたとき、どういう反応が返ってくるだろうか。


ナチスの手口学んだら…憲法改正で麻生氏講演


 麻生副総理は29日、都内で開かれた講演会で憲法改正について、「狂騒、狂乱の中で決めてほしくない。落ち着いた世論の上に成し遂げるべきものだ」と述べた。

 その上で、ドイツでかつて、最も民主的と言われたワイマール憲法下でヒトラー政権が誕生したことを挙げ、「ワイマール憲法もいつの間にかナチス憲法に変わっていた。あの手口を学んだらどうか。(国民が)騒がないで、納得して変わっている。喧騒けんそうの中で決めないでほしい」と語った。

(2013年7月30日07時32分 読売新聞)


http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20130730-OYT1T00050.htm
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参議院選挙での希望

2013-07-30 07:09:54 | 日記
 参議院の選挙では、自公が勝利し、今後の日本の行方に赤信号が点っている。

 しかし東京選挙区で、山本太郎が当選したことは、わずかな灯火であった。がんばれ、山本太郎!


http://digital.asahi.com/articles/TKY201307290441.html?ref=comkiji_txt_end_kjid_TKY201307290441
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日本の空は、アメリカ軍の空

2013-07-30 06:55:38 | 日記
 時事通信配信の記事である。横田基地に配備されるであろう空軍のオスプレイは、今や海兵隊化している日本の自衛隊を運ぶためではなかろうか。

 日本の陸・海・空の自衛隊は、すでに米軍と混成され、米軍の指揮下にある。属国日本はどこへゆく。



横田基地も有力候補=空軍オスプレイの配備先-日本政府と協議中・米高官

 【ワシントン時事】米太平洋空軍のカーライル司令官は29日、一部記者団とワシントン市内で会見し、空軍仕様の垂直離着陸輸送機CV22オスプレイの日本での配備先について、米軍嘉手納基地(沖縄県嘉手納町など)と並び、横田基地(東京都福生市など)も有力な候補だと述べた。配備先は2014年初めまでに決まる見通しという。

 司令官は「横田も議論されている」と語り、日米両政府が協議中だと明言。さらに「横田には恐らく(配備先として選ばれる)相当の可能性がある」との見方を示した。 

 CV22は、沖縄に駐留する陸軍特殊部隊の輸送などに使用される。特殊作戦機として運用するため、普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)に配備済みの海兵隊仕様のMV22オスプレイに比べ事故率が高く、地元から配備に強く反対する声が上がっていた。12年6月には、米南部フロリダ州で訓練中に墜落事故を起こしている。

 日米関係筋によれば、米軍は15年夏ごろをめどに10機程度のCV22配備を検討。日本側は「沖縄配備は認められない」と主張してきた。このため日米両政府は、政治的あつれきが比較的少ないとみられる横田基地に着目したもようだ。

 一方、司令官は、グアムに配備中の大型無人偵察機「グローバルホーク」を来年の台風シーズンから米軍三沢基地(青森県三沢市)に一時的に移駐させて運用することを検討していると明らかにした。台風シーズン中は、荒天のためグアムのグローバルホークの運用に支障が出ており、北朝鮮の監視がおろそかになると懸念も浮上していた。(2013/07/30-01:33)
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【本】中見真理『柳宗悦-「複合の美」の思想』(岩波新書)

2013-07-30 06:27:01 | 日記
 ボクを未知の世界へと誘ってくれた本である。今まで、民芸といい、柳宗悦といい、そういう世界があることは知ってはいたが、その世界へと足を踏み入れたことはなかった。

 今秋から、ボクは新たな歴史講座を引き受けるなかで、この浜松市にも民芸運動が存在していたことを知り、その資料を集め始めていた。そんなときに刊行されたのが、本書である。

 まず「序章」を読み、著者の立ち位置が、現代的な課題を十二分に意識しながら柳について書いていることに、大いなる安堵の感を抱いたのである。研究というものが、現代的な課題を意識せずに行われるという時代に入っていることに、ボクは慨嘆していたところであったので、本書の「まえがき」を読んで、ほっとしたことも事実である。

 さて、著者は「野に咲く多くの異なる花は野の美を傷めるであろうか。互いは互いを助けて世界を単調から複合の美に彩るのである」という柳のこの考えを中核として論じていく。この考えは、民芸に関してのみ妥当するものではなく、自然や社会、政治など、あらゆるところに敷衍することが可能となる思想である。

 柳のその思想はどこから来たものか、著者は探索を開始する。そこには、多数の思想家が顔を出す。クロポトキン、
ブレイク、大杉栄、白樺派、浅川兄弟、トルストイ、バートランド・ラッセルなど、柳が影響を与えた人々の思想が列挙される。

 ボクは、それらの文学者や思想家の思想を、ボク自身が十分に咀嚼してこなかったことを大いに恥じた。すでに遅いであろうが、ブレイクやクロポトキンについては、今から読んでみようと思う。

 さて、柳は「複合の美」という中核的な思想から、朝鮮の文化、東北の民芸、アイヌや沖縄の文化や民芸に価値を見いだし、差別される現実を、自らそういう価値に誇りを抱いて乗り越えていくことを主張する。

 同時に、「複合の美」の視点から、平和思想へと発展させていく。著者は、この平和思想こそ、現代において注目すべきではないかと主張しているようなのだ。然り、とボクは、著者の意思に賛同する。

 よい本である。柳の思想が、「大日本帝国」の思想に抗いつつ、国内外の文学者や思想家の思想を、それこそ「複合」して形成されてきたものであること、でるがゆえに普遍性をもったものとして今も存在していることを著者は明示しているようだ。

 
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句点(ピリオド)のない話

2013-07-29 18:06:05 | 日記
 今日の午後、発達障がい児・者に関する説明会に出た。話をしたのは、臨床心理士のお二人であった。ボクは関心があったので、メモを取りながら聞いていた。最初の方の説明が終わり、 2人目の説明が始まった。

 しかしボクは、その話を聞いていてとても疲れた。なぜなら、話が延々と切れることなく続けられたからだ。とにかく句点(ピリオド)がないのだ。

 「・・ので」「・・とか」、「・・というと」、「・・し」、「・・というところで」、「・・で」、「・・と」などが多用されるなか、文が切れないままに話が展開されていく。

 そしてその間に、「あのー」「えー」が入り、さらに話の展開の中に、別の話が挿入されたり、同じような内容の説明が繰り返されたりして、何を説明したいのかがどこかへ飛んでいってしまっていた。僕はメモを取るのをやめた。

 おそらく彼は、相談にくる子どもらにわかってもらおうと、何度も繰り返して説明しているのだろう。それもできるだけ具体的例をあげながら。

 だが、今日は、児童福祉に関係している人々への説明会。それではせっかくの体験が伝わらない。

 1時間以上、話をきいたが、配付されたパワーポイントの資料だけで十分という感じだった。

 ボクも、人前で話をする機会があるが、きちんと言いたいことは句点を打って、論理的な話になるようにしなければならないと思った。

 
 
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インターネットは怖い

2013-07-29 07:25:53 | 日記
 アメリカがグーグル、アップルなどと協力し、人々の情報交換を監視していることが暴露されたが、しかしアメリカ政府はそれをやめようとはしていない。

 昨日の『中日新聞』社説。


週のはじめに考える サイバー監視国家の逸脱  2013年7月28日

 米中央情報局(CIA)元職員によるサイバー監視の暴露が止まりません。オバマ大統領は、晒(さら)された「合法性」の危うさを払拭(ふっしょく)せねばなりません。

 オバマ大統領が先月、戦略核削減の演説を行ったベルリンのブランデンブルク門前広場。そこから程近い通りに、旧東独の国家秘密警察の盗聴記録を保存する資料館、通称ガウク庁があります。

◆人権派大統領の沈黙

 過去の記憶を大切にするドイツが、旧東独市民を対象に行っていた盗聴の歴史を忘れまい、との思いを託す象徴でもあります。名称は初代館長を務めたガウク現大統領にちなんでいます。

 オバマ大統領は訪独の際、ガウク大統領を表敬訪問しましたが、すでに米英の主要紙を通じて報じられていたサイバー監視については、事実上何も語られないままでした。自由と人権を政治理念に掲げる二人の国家元首が会談しながら、公には触れることができないところに、この問題が孕(はら)む重苦しさが表れています。

 米政府からスパイ容疑で訴追されているスノーデンCIA元職員が暴露し続けるのは、国家安全保障局(NSA)から委託を受けた民間情報コンサルティング会社の社員として勤務していた際に傍受した機密情報です。

 いまや周知となった「PRISM」はじめ種々の極秘プログラムの監視対象とされていたのは、米市民の通信から欧州の国際会議、中国の大学、さらには日本を含む西欧友好諸国の在米大使館までが含まれていました。ネット交信から電話、あらゆる通信情報を傍受できるといいます。

 監視に当たってはグーグルやフェイスブックなど米大手IT企業が、法に基づきデータ提供に協力しています。

◆監視阻止二つの試み

 元職員が勤務していたブーズ・アレン・ハミルトン社のように、歴代幹部にNSA、CIA元幹部の名が連なる民間機関が深く関与している現状も明らかになりました。アフガニスタンやイラクで見られた戦争の民営化を思わせる官民協力体制が平時でも常態化していることを窺(うかが)わせています。

 「現体制は明らかに不正だ。是非は公の場で問われなければならない」。元職員の動機をめぐっては、発覚以来英雄か国家反逆者か、米国内で激しい議論を巻き起こしています。テロ再発への不安から、当初監視に寛容だった米国世論も、事態の長期化とともに批判色を強めています。

 オバマ大統領は、「外国情報監視法(FISA)や愛国者法に基づく合法的な捜査だ。対象は外国情報で、海外のテロ防止にも貢献している」との立場を貫いています。しかし、オバマ政権がブッシュ前政権下の対テロ政策を批判しながらその体制を継続、拡大していたことへの失望感は、国内外で拭えません。

 友好諸国からの批判は、強い口調とは裏腹に限定的なものにとどまっています。米国と伝統的な同盟関係にある英国では、国益を守るスパイ活動は半ば公然の秘密です。ドイツでも、政府が今回暴露された監視システムを含む情報交換を米国と長期間にわたって行っていた事実が毎週のように主要誌により暴かれています。

 サイバー監視がテロ対策に不可欠なのは事実でしょう。しかし、技術の圧倒的優位を背景に際限のない盗聴が国際的に行われているとすれば、明らかな逸脱です。

 その逸脱行為を阻止する動きは他ならぬ米国内から起きています。一つは、司法の場での挑戦です。人権団体の全米市民自由連合(ACLU)が、言論の自由、プライバシー保護を定めた憲法諸規定に違反する、などとして訴訟に踏み切っています。同様の訴訟はこれまで事実関係の立証が難しく門前払いに終わっていましたが、一連の実態暴露で訴訟の要件が整う可能性が指摘されています。

 いま一つは、教会関係者や人権監視団体が進める新たな「チャーチ委員会」を設ける動きです。チャーチ委員会は、一九七八年にFISAを成立させた米上院委員会です。七〇年代に横行した行政府による盗聴、外国政府の転覆、要人暗殺などの著しい逸脱行為を、法の枠組みの下に置くため設けられたものでした。サイバー時代の新たな法秩序を模索する試みは時代の要請に適(かな)っています。

◆盗聴国家が侵す尊厳

 「安全を得るために自由を放棄する者は、結局どちらも失うことになるだろう」。ガウク大統領は、最近の独メディアでベンジャミン・フランクリンを引用してこう述べています。国家による盗聴がいかに人間の尊厳を侵すか、身をもって体験したガウク大統領の言葉にこそ耳を傾けるべき時だと思えてなりません。


 「安全を得るために自由を放棄する者は、結局どちらも失うことになるだろう」は、監視カメラが各所に配置されている日本でも、有効な警句となるはずだ。

 さて、次の記事。これはリンクを貼るだけ。読んでほしい。

http://ukmedia.exblog.jp/20558220/

さあ、あひるさんと一緒に探そう!!

https://duckduckgo.com/

グーグルは確かに便利だった。しかしボクらが検索するたびに、ボクらはグーグルに利益を与えていた。もうグーグルに儲けさせるのはやめよう。このあひるさん、十分な検索機能がある。



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富裕層の退廃

2013-07-29 07:15:11 | 日記
 ヒトと近い大型類人猿の数が減っているという。

 たとえばオランウータンは、有史以前には120万頭を超えていたのに、現在では6万頭しかいない。そのほかゴリラが4万頭、チンパンジー15~30万頭、ボノボ1万頭、これが現在数である。

 ところがその数は、どんどん減っているという。

 その理由。森林伐採、森林火災、内戦。まさに人類の所業が、その原因である。

 そしてもうひとつ。密漁と国際的な違法取引だそうだ。大型類人猿の捕獲が、富裕層のビジネスとなっているのだ。一年間の捕獲数、約3000頭。

 富裕層の欲望は、果てしもない。それが自然を破壊し、経済をかく乱する。

 富裕層に対する規制が、類人猿を救い、経済を救う。しかし、今、規制は「敵」だとされ、「規制撤廃」が叫ばれる。

 あくなき利益追求が類人猿のみならずヒトの存亡を危くしているのである。
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言論の自由 封殺事件に関する情報

2013-07-28 22:00:08 | 日記
自民党憲法草案が、日本の憲法になった時、どういう事態が起きるかがよくわかる。

 もちろん、それに対抗する動きがでてきている。以下のサイトもそれ。

 こういう事件は、忘れてはならない。


http://blog.livedoor.jp/wakaben6888/archives/30019844.html

http://kiikochan.blog136.fc2.com/blog-entry-3114.html
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北海道の地方紙は頑張っている

2013-07-28 20:39:23 | 日記
 北海道は、TPPにより、壊滅的な打撃を受けることがわかっている。北海道は農業で持っている地域であり、もし農業が壊滅的になれば、北海道経済そのものが崩壊する。だから、頑張らざるを得ない。そのためか、『十勝毎日新聞』は、PARCの内田さんから具体的な話を聞いたのだ。



日本の獲得「ゼロ」 TPP利害関係者会合出席 内田聖子氏に聞く

2013年07月27日 14時20分


 【東京】25日までマレーシアで開かれ、日本が参加した第18回環太平洋連携協定(TPP)交渉の全日程が終了した。現地で利害関係者(ステークホルダー)会合に出席したNPO法人アジア太平洋資料センター(東京)の内田聖子事務局長(42)が26日午後、東京都内で十勝毎日新聞社のインタビューに応じた。内田氏は米国企業の利益につながる要求が相次いだことや、交渉内容の情報が出てこない異常な秘密交渉であることを問題視した。(聞き手・関坂典生)

重要5品目 知られてない
米国企業に利益異常な守秘契約

 −ステークホルダー会合とは。マレーシアではどんな話があったか。
 交渉参加国の利害関係者が価値観や主張を交渉官らに接して訴えるロビー活動をする場。企業、業界団体、市民団体などが参加している。TPP交渉は毎回、約10日間あるがそのうち1日だけ設けられる。

 今回の会合は20日に開かれ、日本の正式参加前だったため米国の市民団体「NPO法人パブリック・シチズン」の一員として参加した。今回は各国交渉官らにプレゼンテーションを希望した交渉参加国11カ国の44団体がそれぞれ15分間行った。

 −TPPは大企業のための協定と主張する人もいるが、どうなのか。

 ステークホルダー会合の参加者に大企業が多いことや、米国企業がTPPで獲得しようとしていることはパブリックコメントを見れば明らかで、日本市場の関税や非関税障壁がなくなれば企業の利益となる。

 −日本政府はTPPがプラスをもたらすと言う。交渉でのルールづくりへの反映も可能なのか。

 このタイミングで入るのは常軌を逸している。これまでの交渉で決まったものは変えられない。推進派さえ「勝ち取れるものがあるのか」と言う。日本の姿勢は勝ち取るものより最初から農業、医療、安全・安心の基準を守ると言い、最大限の獲得でゼロ、失敗すればマイナスだ。重要5品目を守るという発言は国際的には知られていない。

 −交渉に参加し情報は得やすくなるか。

 交渉には秘密保持契約があり、何を話したのかも言えない。この先、日本政府から交渉情報が出てくることはこれまで以上にない。厳格な契約書まで交わされる貿易交渉は類を見ない。そこにこそTPPの異常性がある。

 −今後、交渉はどういう展開になると考えるか。

 年内妥結は崩していない。来月ブルネイで開催することも決まり、ハイペースでスケジュールを立てているので10月のアジア太平洋経済協力会議(APEC)には何らかの報告が出るだろう。

 −世界の経済はどうあるべきか。

 自由化が世界から貧困をなくしていない。格差が徹底的に広がった。一部はもうけ、多くの人が幸せになっていない。企業の経済活動は肥大化し、力を持った。企業は放っておけば利潤を追求する。暴走する企業に歯止めをかける存在として法律、労働組合、市民社会からの監視が必要だ。

 −十勝では反対が盛ん。今後その声をどう国に伝えるべきか。

 交渉に参加したので、断固反対を掲げた規模の運動継続とともに、政府に対しての主張をあらゆる形でロビー活動をする必要がある。政府の人と関わり、反対というだけでは無責任なので利害関係者として関与することだ。


http://www.tokachi.co.jp/news/201307/20130727-0016247.php
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高校野球のこと

2013-07-28 08:42:57 | 日記
 静岡県では、高校野球夏の地方大会では、どこの高校も1年生をその応援に送り込む。一種義務化されている。運動に関する部活動はいろいろあるが、野球だけは特別の位置にある。野球だけに、その応援が義務化されているのだ。

 この応援、入ってきた生徒に、その学校の生徒であるという自覚を作り上げる手段なのであろう。「敵」がいて、「味方」の勝利のために、必死に応援するなかでつくりあげられるアイデンティティ。

 さて今日の新聞も高校野球の記事があった。静岡県大会の決勝が、常葉菊川と菊川南陵によって戦われるというのだ。そのメンバーの出身中学校が、昨日の試合のメンバー表に付されていた。

 なんと、決勝を戦うメンバー多くが大阪出身者なのだ。

 昨日出場した菊川南陵のメンバー12人のうち、大阪が8人、兵庫1人、愛知1人。常葉菊川は、9人中大阪3人、愛知、東京、栃木それぞれ1人、つまりほとんどが他県からきた生徒なのだ。

 野球は、大阪がもっとも盛んなのだろうか。大阪出身者が全国に進出している。全国大会は甲子園球場。全国に散らばった大阪の野球に殉じた高校生があつまる。

 しかし、これって、どうもおかしい、ってボクは思う。
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想像力

2013-07-28 07:47:57 | 日記
 『朝日新聞』配信記事に「劣悪、バングラデシュの縫製工場 14時間労働・強度不足のビル」があった。今年4月にバングラデシュの縫製工場がはいるビルが崩壊し、多くの労働者が犠牲になった。

 この記事は、そのときに両足を切断されて救出されたバキさんの談話をまとめたものだ。

 彼女たちがつくっていたのは、世界的なブランドの衣料品。バングラデシュはアジア最低水準の賃金、そして世界第二位の衣料品輸出国である。

 もちろん労働に対する規制はある。一日の最長労働時間は10時間、週休1日。だがそういう規制は守られず、一日の労働時間は10~14時間で、月一回の休日があるだけだ。

 安い衣料品はなぜ安いか。それはこうした貧困と奴隷労働に近い劣悪な労働条件を前提にしているから。まさに資本主義の搾取と収奪がある。

 先進国となった日本ではそうした現実はみることはないが、昔日本にも「女工哀史」というものがあった。それは低賃金をもとめる資本により、韓国、中国、そしてミャンマーやバングラデシュへと進出していった。

 安い、は、消費者には魅力ではある。しかしものには適正な価格というものがある。あまりにも安い商品は、製造過程における搾取、輸送・販売過程における収奪や搾取が必ず存在している。

 安ければよい、ではなく、それをつくっている人々にも生活がある。絶対的に劣悪な労働条件でも働かざるを得ない人々の生活を犠牲にした「安い」には気を付けなければならない。

 それは農産物生産も同じだ。ボクが汗水たらしてつくった野菜、それは家で食べたり、近所の人にあげたりするものだが、しかしスーパーなどに行って値段をみると、はたしてあの労働に見合う価格なのかと思う時がある。

 ボクたちは、想像力を働かさなければならない、見えないものを見えるようにしなければならない。たとえばユニクロの製品の後ろに、労働する人々、販売する人々、そして高額の報酬を受け取る少数の人々を見なければならない。
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