浜名史学

歴史や現実を鋭く見抜く眼力を養うためのブログ。読書をすすめ、時にまったくローカルな話題も入る摩訶不思議なブログ。

続 デモの報道

2011-04-30 21:30:21 | 日記
 今日の「中日新聞」、デモの報道があった。第二社会面に東京渋谷のデモの記事があった。37行。外信面に台湾の1万人のでもの記事があった。44行であった。いずれも写真が載せられているが、台湾の写真は渋谷の2倍であった。

 今までも日本各地でデモ行進が行われている。しかしその報道は、ほとんどなし。これが日本のメディアである。大政翼賛新聞が原発推進政策を支えてきた。

 果たしてメディアは、ここで反省することができるだろうか。おそらく無理。
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子どもへの被曝を命じる菅政権

2011-04-30 20:00:12 | 日記
 年間1ミリシーベルトが基準。しかし日本政府は、子どもに20ミリシーベルトとするとした。これに対する批判が強まっている。それに関する資料。今までもいくつか紹介しているが、それでも修正されない。度し難い菅政権だ。 


http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2011/04/post-0e74.html


http://blog.goo.ne.jp/tokyodo-2005/e/8672d144a271453ea4a65990ed6944a6

http://www.jrias.or.jp/index.cfm/6,15092,76,1,html
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内閣官房参与  小佐古敏荘氏の辞意表明

2011-04-30 19:48:13 | 日記
 今日の『中日新聞』にも掲載されていたが、菅首相に任命された内閣官房参与の小佐古氏が辞任された。辞任に際して公表された意見は、ヒューマニズムにあふれ、また現在の研究水準に則った内容で、こういう当たり前のことが菅政権では取りあげられてこなかったのである。とくに子どもの被曝線量が20ミリシーベルトにするという暴挙については、このブログで何度も書いてきたことだ。

 ぜひ読んで欲しい。なおこの辞意表明が掲載されたNHKの「かぶん」のHPにアクセスして、そこに掲載されている投稿を読んでいただきたい。


平成23年4月29日

内閣官房参与の辞任にあたって(辞意表明) 内閣官房参与  小佐古敏荘


 平成23年3月16日、私、小佐古敏荘は内閣官房参与に任ぜられ、原子力災害の収束に向けての活動を当日から開始いたしました。そして災害後、一ヶ月半以上が経過し、事態収束に向けての各種対策が講じられておりますので、4月30日付けで参与としての活動も一段落させて頂きたいと考え、本日、総理へ退任の報告を行ってきたところです。

 なお、この間の内閣官房参与としての活動は、報告書「福島第一発電所事故に対する対策について」にまとめました。これらは総理他、関係の皆様方にお届け致しました。

 私の任務は「総理に情報提供や助言」を行うことでありました。政府の行っている活動と重複することを避けるため、原子力災害対策本部、原子力安全委員会、原子力安全・保安院、文部科学省他の活動を逐次レビューし、それらの活動の足りざる部分、不適当と考えられる部分があれば、それに対して情報を提供し、さらに提言という形で助言を行って参りました。

 特に、原子力災害対策は「原子力プラントに係わる部分」、「環境、放射線、住民に係わる部分」に分かれますので、私、小佐古は、主として「環境、放射線、住民に係わる部分」といった『放射線防護』を中心とした部分を中心にカバーして参りました。

 ただ、プラントの状況と環境・住民への影響は相互に関連しあっておりますので、原子炉システム工学および原子力安全工学の専門家とも連携しながら活動を続けて参りました。

 さらに、全体は官邸の判断、政治家の判断とも関連するので、福山哲郎内閣官房副長官、細野豪志総理補佐官、総理から直命を受けている空本誠喜衆議院議員とも連携して参りました。

 この間、特に対応が急を要する問題が多くあり、またプラント収束および環境影響・住民広報についての必要な対策が十分には講じられていなかったことから、3月16日、原子力災害対策本部および対策統合本部の支援のための「助言チーム(座長:空本誠喜衆議院議員)」を立ち上げていただきました。まとめた「提言」は、逐次迅速に、官邸および対策本部に提出しました。それらの一部は現実の対策として実現されました。

 ただ、まだ対策が講じられていない提言もあります。とりわけ、次に述べる、「法と正義に則り行われるべきこと」、「国際常識とヒューマニズムに則りやっていただくべきこと」の点では考えていることがいくつもあります。今後、政府の対策の内のいくつかのものについては、迅速な見直しおよび正しい対策の実施がなされるよう望むところです。


1.原子力災害の対策は「法と正義」に則ってやっていただきたい

 この1ヶ月半、様々な「提言」をしてまいりましたが、その中でも、とりわけ思いますのは、「原子力災害対策も他の災害対策と同様に、原子力災害対策に関連する法律や原子力防災指針、原子力防災マニュアルにその手順、対策が定められており、それに則って進めるのが基本だ」ということです。

 しかしながら、今回の原子力災害に対して、官邸および行政機関は、そのことを軽視して、その場かぎりで「臨機応変な対応」を行い、事態収束を遅らせているように見えます。
 
 とりわけ原子力安全委員会は、原子力災害対策において、技術的な指導・助言の中核をなすべき組織ですが、法に基づく手順遂行、放射線防護の基本に基づく判断に随分欠けた所があるように見受けました。例えば、住民の放射線被ばく線量(既に被ばくしたもの、これから被曝すると予測されるもの)は、緊急時迅速放射能予測ネットワークシステム(SPEEDI)によりなされるべきものでありますが、それが法令等に定められている手順どおりに運用されていない。法令、指針等には放射能放出の線源項の決定が困難であることを前提にした定めがあるが、この手順はとられず、その計算結果は使用できる環境下にありながらきちんと活用されなかった。また、公衆の被ばくの状況もSPEEDIにより迅速に評価できるようになっているが、その結果も迅速に公表されていない。

 初期のプリュームのサブマージョンに基づく甲状腺の被ばくによる等価線量、とりわけ小児の甲状腺の等価線量については、その数値を20、30km圏の近傍のみならず、福島県全域、茨城県、栃木県、群馬県、他の関東、東北の全域にわたって、隠さず迅速に公開すべきである。さらに、文部科学省所管の日本原子力研究開発機構によるWSPEEDIシステム(数10kmから数1000kmの広域をカバーできるシステム)のデータを隠さず開示し、福島県、茨城県、栃木県、群馬県のみならず、関東、東北全域の、公衆の甲状腺等価線量、並びに実効線量を隠さず国民に開示すべきである。

 また、文部科学省においても、放射線規制室および放射線審議会における判断と指示には法手順を軽視しているのではと思わせるものがあります。例えば、放射線業務従事者の緊急時被ばくの「限度」ですが、この件は既に放射線審議会で国際放射線防護委員会(ICRP)2007年勧告の国内法令取り入れの議論が、数年間にわたり行われ、審議終了事項として本年1月末に「放射線審議会基本部会中間報告書」として取りまとめられ、500mSvあるいは1Svとすることが勧告されています。法の手順としては、この件につき見解を求められれば、そう答えるべきであるが、立地指針等にしか現れない40-50年前の考え方に基づく、250mSvの数値使用が妥当かとの経済産業大臣、文部科学大臣等の諮問に対する放射線審議会の答申として、「それで妥当」としている。ところが、福島現地での厳しい状況を反映して、今になり500mSvを限度へとの、再引き上げの議論も始まっている状況である。まさに「モグラたたき」的、場当たり的な政策決定のプロセスで官邸と行政機関がとっているように見える。放射線審議会での決定事項をふまえないこの行政上の手続き無視は、根本からただす必要があります。500mSvより低いからいい等の理由から極めて短時間にメールで審議、強引にものを決めるやり方には大きな疑問を感じます。重ねて、この種の何年も議論になった重要事項をその決定事項とは違う趣旨で、「妥当」と判断するのもおかしいと思います。放射線審議会での決定事項をまったく無視したこの決定方法は、誰がそのような方法をとりそのように決定したのかを含めて、明らかにされるべきでありましょう。この点、強く進言いたします。



2.「国際常識とヒューマニズム」に則ってやっていただきたい

 緊急時には様々な特例を設けざるを得ないし、そうすることができるわけですが、それにも国際的な常識があります。それを行政側の都合だけで国際的にも非常識な数値で強引に決めていくのはよろしくないし、そのような決定は国際的にも非難されることになります。

 今回、福島県の小学校等の校庭利用の線量基準が年間20mSvの被曝を基礎として導出、誘導され、毎時3.8μSvと決定され、文部科学省から通達が出されている。これらの学校では、通常の授業を行おうとしているわけで、その状態は、通常の放射線防護基準に近いもの(年間1mSv,特殊な例でも年間5mSv)で運用すべきで、警戒期ではあるにしても、緊急時(2,3日あるいはせいぜい1,2週間くらい)に運用すべき数値をこの時期に使用するのは、全くの間違いであります。警戒期であることを周知の上、特別な措置をとれば、数カ月間は最大、年間10mSvの使用も不可能ではないが、通常は避けるべきと考えます。年間20mSv近い被ばくをする人は、約8万4千人の原子力発電所の放射線業務従事者でも、極めて少ないのです。この数値を乳児、幼児、小学生に求めることは、学問上の見地からのみならず、私のヒューマニズムからしても受け入れがたいものです。年間10mSvの数値も、ウラン鉱山の残土処分場の中の覆土上でも中々見ることのできない数値で(せいぜい年間数mSvです)、この数値の使用は慎重であるべきであります。

 小学校等の校庭の利用基準に対して、この年間20mSvの数値の使用には強く抗議するとともに、再度の見直しを求めます。

 また、今回の福島の原子力災害に関して国際原子力機関(IAEA)の調査団が訪日し、4回の調査報告会等が行われているが、そのまとめの報告会開催の情報は、外務省から官邸に連絡が入っていなかった。まさにこれは、国際関係軽視、IAEA軽視ではなかったかと思います。また核物質計量管理、核査察や核物質防護の観点からもIAEAと今回の事故に際して早期から、連携強化を図る必要があるが、これについて、その時点では官邸および行政機関は気付いておらず、原子力外交の機能不全ともいえる。国際常識ある原子力安全行政の復活を強く求めるものである。


以上

http://www9.nhk.or.jp/kabun-blog/200/80519.html


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デモの報道

2011-04-30 12:54:45 | 日記
 以前にも書いたが、街頭におけるデモンストレーションや集会などは、憲法21条の表現の自由で保障されたきわめて大切な権利である。デモや集会を主催する側は、できるだけ多くの人に集まってもらい、さらに自分たちの表現したいことをできるだけ多くの人に知らせたいと思う。そのため、主催者は事前に記者会見を行い、事前の報道を期待すると同時に、デモそのものの報道も期待する。

 一般の庶民は、お金もないし、自らの主張をいつも書いてくれるメディアをもっているわけではない。

 ところが、いつの頃からか、日本のマスメディアは、デモの報道をしなくなった。たとえば浜岡原発を即座に停止して欲しい!という主張がある。しかし現実に浜岡原発は危険をもちながら操業している。それを何とかしたい、現実を良い方向に変えたいと思って行動する。その意見は少数意見かもしれないが、とにかく自らの主張を訴えたいと街頭で行進する。しかしマスメディアは事前にも事後にも報道しない。

 メディアがデモの報道をしなくなった時期は、メディアのなかに批判的な精神をもったジャーナリズム精神がなくなった時期と重なるのではないかと思う。

 今回の原発事故でも、福島原発の危険性を的確に予想していた人びとがいた。彼らは自らの主張を様々なかたちで発信していたはずだ。ところが、メディアはそれを報道してこなかった。

 選挙報道のときには、すべての立候補者が平等になるような扱いをする。しかしそれ以外では、メディアは、政府とか大企業とか、今実際に権力をもっている人びとや集団が流す情報を垂れ流すだけだ。

 今まで「脱原発」や「反原発」を主張する声は、メディアの中には登場してこなかった。原発事故が起きても、その構図は変わらない。週刊誌や新聞にはでるようにはなったが、テレビはもっとも体制的で、政府や東電などの代弁者の感がある。

 台湾で、原発に反対するデモが行われた。それが日本のテレビで放映された。しかし日本で行われるデモを、日本のメディアは放映しない。

 おかしな国だ。民主主義社会のメディアではないな、これは。


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静岡・4/24デモのもうひとつのビデオ

2011-04-30 09:27:32 | 日記


http://www.youtube.com/watch?v=YrYvIw5ix64&feature=email
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浜北区の医者 聞間元氏語る

2011-04-29 22:10:32 | 日記
 浜北区のきたはま診療所の医師・聞間先生は、ヒバクシャの医療について長年研究してきました。

http://www.youtube.com/watch?v=wKrZOW0YXa8


http://www.youtube.com/watch?v=Y8660muKOcs&feature=related


 ブログに書く回数が減っています。実は右の肘が痛くてキーボードを打つことができなくなっています。少し休憩するつもりです。
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東電には裏がある

2011-04-26 21:35:27 | 日記
 次の記事を読んで欲しい。

http://diamond.jp/articles/-/12036
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おかしな「学者」

2011-04-26 21:18:18 | 日記
 知人から、低放射線は人間を健康にすると叫んでいるいるときいた(低線量率放射線療法)。稲恭宏という人物だ。彼の「福島原発事故の医学的科学的真実」という講演を、you tubeで聴いた。

 低放射線は健康によいから、福島県産の野菜をどんどん食べるべきだと言っている。ぜひ稲氏には腹一杯食べていただきたい。

 講演の内容は、やはり事実にももとづかないことを言っている。たとえば福島原発の否定的な状況についてはまったく言及していない。炉心溶融が起こったことなどまったく言わない。

 彼のHPを見たが、新興宗教の教祖のようなものであった。またインターネットで検索してみたら、稲氏は電力研究所にいたらしい。ならばこういうことも言うだろうと思った。彼は中立的な「学者」ではない。

 また彼は東大がどうのと言っているが、現在の肩書きは何か分からない。医者でもないようだ。


 検索すると、どこかの美容関係の会社と提携している。その会社の経営者の女性は石けんなどを売って金儲けに走り、また娘の売り出し(写真がでている)を図っている。これも胡散臭い。

 さらに稲氏は学歴詐称しているとか、いろいろ暴露されているようだ。

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昨日のパレードのテレビ放映

2011-04-25 22:15:15 | 日記
 昨日のパレードが、ローカル放送で放映されました。静岡第一テレビとNHK静岡。他の局は来なかった。「中日新聞」は載っていたが写真なし。

 マスメディアは、昨日書いたように“脱原発”“反原発”の動きはほとんど報道しない。今回のパレードも、2局だけ(?)。

 http://www.youtube.com/watch?v=8UZoADxK5AU


 http://www.youtube.com/watch?v=qJSJ8K4VaUw

 主催者側の撮影も。

 http://www.youtube.com/watch?v=z2A5T-44FBE


 上記で見て欲しい。こういう動きを静岡県各地で繰り広げたい、浜松でも!!
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浜岡原発は危険だ!!

2011-04-25 13:36:34 | 日記
 御前崎市にある浜岡原発は今も稼働している。そしていつ大地震が起こるとも限らない。福島原発の事故が、こんなにも大きな被害をつくり出し、原発による発電がもっとも経済的だというウソがより明らかになってきているこのとき、政府も静岡県も、浜岡原発をストップさせようという気配が何もないのはどうしたことか。

 大きな津波が福島原発を襲った、だから津波よけのフェンスをつくると、中部電力はいう。だがそれも数年後だという。ボクはしかしたとえフェンスができたとしても、津波の襲来は防げないと思う。津波は普通の波とは違う。津波は、海水が可塑性を持った固体として上陸してくる。それも莫大な力を押し立てて襲ってくるのだ。たとえ砂丘があってもそれを乗り越えるだろうし、フェンスもなぎ倒してくるだろう。あの宮古の津波を防ぐ防波堤すら破壊され、乗り越えられたのだ。

 津波だけではない。大きな地震が、原発を大きく揺らすだろう。福島の第一号機は、津波ではなく地震による揺れで配管などがだめになったと言われている。

 2009年8月11日の駿河湾地震では、浜岡原発の5号機がもっとも大きな揺れを受けたという。

 全国的にも、浜岡原発を停止すべきだという声が高まっている。「熊本日日新聞」のコラム『射程』では・・・・・

浜岡原発への不安 2011年04月25日

 都内在住で1歳7カ月の女児を抱える30代女性が先月下旬、親類を頼って熊本市内に一時避難してきた。乳児を持つ同世代の親友も一緒で、福島第1原発事故による放射性物質拡散の不安から、首都圏脱出に踏み切ったという。

 母子二組は、熊本に来て「安心し、ぐっすり眠れるようになった」と話す。放射性物質が及ぼす子どもへの影響が一番の心配だった。その不安とストレス、安全な水確保の難しさなどから「当面、都内で生活するのは無理」と判断している。

 都民の不安は、福島第1原発だけではない。今、あらためて問題視されているのが中部電力浜岡原発(静岡県御前崎市)だ。東海地震の震源域の真上にあり、もし福島以上の事故が起きれば首都圏は壊滅的な打撃を受けると指摘されている。

 浜岡原発は現在4、5号機が稼働中(1、2号機廃炉決定、3号機点検中)。10日には東京・芝公園で約2500人が参加した市民集会もあり、「東海地震が起きれば、浜岡原発は福島の二の舞いかそれ以上の事態を招く。即刻、運転中止するべきだ」と訴え、デモ行進した。運転中止を求める全国署名運動も展開されている。

 中電は、津波対策として高さ12メートル以上の防波壁を2、3年かけて設置する方針だ。ただ、それで不安が解消するとも思えない。東海地震は必ず起こり、今すぐ起こっても不思議ではないと地震専門家は警告している。

 熊本に避難した女性は「何も解決していないから、今後のことは決めかねている」と話す。浜岡原発への政府の対応は、福島後の原発政策への試金石となるのではないか。 (山本晃)


 次は『毎日新聞』のコラム「風知草」である。


風知草:浜岡原発を止めよ=山田孝男

 中部電力の浜岡原子力発電所を止めてもらいたい。安全基準の前提が崩れた以上、予見される危機を着実に制御する日本であるために。急ぎ足ながら三陸と福島を回り、帰京後、政府関係者に取材を試みて、筆者はそう考えるに至った。

 福島に入った私の目を浜岡へ向かわせたのは佐藤栄佐久・前福島県知事(71)だった。郡山に佐藤を訪ねて「首都圏の繁栄の犠牲になったと思うか」と聞いたとき、前知事はそれには答えず、こう反問した。

 「それよりネ、私どもが心配しているのは浜岡ですから。東海地方も、東京も、まだ地震が来てないでしょ?」

 5期18年(5期目半ばで辞任後、収賄で逮捕・起訴。1、2審とも有罪で上告中)。国・東京電力との蜜月を経て原発批判に転じた佐藤が、恨み節を語る代わりに首都圏の油断を指摘してみせたのである。

 浜岡原発は静岡県御前崎市にある。その危うさは反原発派の間では常識に属する。運転中の3基のうち二つは福島と同じ沸騰水型で海岸低地に立つ。それより何より、東海地震の予想震源域の真上にある。

 「原発震災」なる言葉を生み出し、かねて警鐘を鳴らしてきた地震学者の石橋克彦神戸大名誉教授(66)は、月刊誌の最新号で、浜岡震災の帰結についてこう予測している。

 「最悪の場合、(中略)放射能雲が首都圏に流れ、一千万人以上が避難しなければならない。日本は首都を喪失する」「在日米軍の横田・横須賀・厚木・座間などの基地も機能を失い、国際的に大きな軍事的不均衡が生じる……」(「世界」と「中央公論」の各5月号)

 これが反原発派知識人の懸念にとどまらないことを筆者は先週、思い知った。旧知の政府関係者から「浜岡は止めなくちゃダメだ。新聞で書いてくれませんか」と声をかけられたのである。原発輸出を含む新成長戦略を打ち出した内閣のブレーンのひとりが、浜岡に限っては反原発派と不安を共有し、「原発を維持するためにこそ止めるべきなのに、聞く耳をもつ人間が少ない」と慨嘆した。

 福島のあおりで中部電力は浜岡原発の新炉増設の着工延期を発表したが、稼働中の原子炉は止まらない。代替供給源確保のコストを案じる中電の視野に休止はない。ならば国が、企業の損得や経済の一時的混乱を度外視し、現実の脅威となった浜岡原発を止めてコントロールしなければならないはずだが、政府主導の原発安全点検は表層的でおざなりである。

 なるほど民主党政権は無残だが、自民党ならみごと制御できたとも思わない。空前の大災害であり、しかもなお収束のめどが立っていない。

 向こう1000年、3・11ほどの大地震や津波がこないとは言えないだろう。列島周辺の地殻変動はますます活発化しているように見える。そういうなかでGDP(国内総生産)至上主義のエネルギー多消費型経済社会を維持できるかと言えば、まず不可能だろう。

 いま、首相官邸にはあまたの知識人が参集し、「文明が問われている」というようなことが議論されている。ずいぶんのんきな話だと思う。

 危機は去っていない。福島の制御は当然として、もはやだれが見ても危険な浜岡原発を止めなければならない。原発社会全体をコントロールするという国家意思を明確にすることが先ではないか。(敬称略)


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今日、静岡のデモに参加した

2011-04-24 20:59:48 | 日記
 民主主義社会には、表現の自由がある。今回の福島原発の事故のように、マスメディアが原発推進政策の片棒を担いでいる時、新聞やテレビには“脱原発”や“反原発”を主張する学者や市民などの姿は出てこない。とくにテレビは途轍もなくひどい状態だ。

 そういう時、市民には自分たちの考えを市民に訴えるデモンストレーションやパレードというものがある。自分たちはこう考える、ということを、大きな声で叫んだりプラカードに書いたりして訴えるのだ。

 お金のない人びとは、こういうかたちで自らの考えを社会に訴える。これは憲法上の表現の自由のひとつだ(21条)。ボクがこの集会に参加しようと会場の近くを歩いているとき、女子高校生が「これってデモだよね、危険だよね!」などと話していた。日本国憲法の自由と権利についての理解がない高校生がいることに驚いた。

 ボクがこの集会とデモに参加しようとしたのは、世界でもっとも危険だといわれている浜岡原発、もしその原発が東海大地震で破壊され爆発でもしたら、ボクたちは今いるところから避難しなければならないし、同時に東京などの首都圏にも放射能雲がかかり、日本の終わりを見たくないと思ったこと、市民がこのデモを企画するという話を知った時、静岡に住むボクたちがたくさん、たくさん参加して、市民は浜岡原発が危ないと思っている、そういう人たちがこんなにもたくさんいるのだよ、ということを示すべきだと思ったからだ。

 だから浜松から参加した。東海道線の往復は、鈍行で約2500円。それだけのお金をつかっても訴えるべきだと思った。

 でも参加者は約800人だという。もっともっと多くの人に参加して欲しかった。民主主義というのは、市民一人一人がみずからの考えを表現するところから始まる。ボクは民主主義社会を維持すべきだと思うし、民主主義者(デモクラット)として動くべき時は動かなければならないと思っている。中には、かっこいいことを言っていても実際には口だけという人もいる(有言不実行)。そういう人はデモクラットとはいえないとボクは思う。

 丸山眞男という政治学者がいた。ボクは高校の時に彼の“「である」ことと「する」こと”という論文を読んだ。それは岩波新書の『日本の思想』に収載されている(この『日本の思想』を読んでいない人は、学ぶということをしていない人だ)。そこにこうある。

 「自由は置き物のようにそこにあるのではなく、現実の行使によってだけ守られる、いいかえれば日々自由になろうとすることによって、はじめて自由でありうるということなのです。」

 「民主主義というものは、人民が本来制度の自己目的化ー物神化ーを不断に警戒し、制度の現実の働き方を絶えず監視し批判する姿勢によって、はじめて生きたものとなり得るのです。」

 「民主主義はやや逆説的な表現になりますが、非政治的な市民の政治的関心によって、また「政界」以外の領域からの政治的発言と行動によってはじめて支えられるといっても過言ではないのです。」

 ボクは高校生の時に読んだこの論文で、民主主義と自分自身の関係、相互の在り方についての認識を得た。おそらく同じような認識を持った人びとは多いことだろう。

 今日本は様々な矛盾を抱えている。今回の原発被害の補償を、政府や東電などは、国民の電気料金や税金(消費税の増税!!)でまかなおうという計画を立てつつあるようだ。事故を起こした東電を免責するような方針をとらせてはならないと、ボクは思う。でも、そういう声を表に出していかないと、政府の計画はそのまま通過して現実化されてしまう。

 ボクは原発はとてもとても危険だと思う。福島原発で避難を余儀なくされている人びとは、明日の私たちだ。声をあげることが必要だ。声を出さないで、その「明日」がきたとき涙に暮れるのだろうか。仕方がないとうなだれるのだろうか。

 ボクは、いやだ。予見できる、あってはならないことを現実のものにしてはならない。
 
 集会の写真を掲げる。クリックすると大きくなる。



 なお東京でも行われた。http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2011042401000511.html
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文科省の決定はおかしい

2011-04-24 20:57:31 | 日記
 福島県の子どもの被曝許容量を20ミリシーベルトにするのは、やはりおかしい。

 そのことを別の観点から知らせるHPを紹介する。

 http://blog.canpan.info/foejapan/daily/201104/23
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情報を出さない日本政府

2011-04-24 09:18:51 | 日記
 都合の悪いメディアやジャーナリズムは排除する。これは日本が記者クラブ制度という悪名高い制度をずっと維持してきたこととも共通する。

 記者クラブに加盟する大手メディアだけが情報にアクセスできるという制度が、権力による情報操作を生みだし、メディアの権力への同調をつくりだし、そして世論をつくり出してきた。

 インターネットメディアがそこに風穴をあけようとしてきたが、この原発事故で、情報隠し、情報操作を願う政治家・官僚・東電・学者・大手メディアの結束堅い体制が、その風穴をふさごうとしてきている。

 まさに日本は北朝鮮的国家体制を構築しようとしようとしているようだ。つまり批判は許さない、という体制だ。

 http://iwakamiyasumi.com/archives/8811

 岩上さんは、東電や保安院の記者会見を完全にネットで中継してきた。それを阻止しようという勢力が結束したのである。その背景には、原発推進政策を維持し、東電の責任(賠償責任)を一定にして免罪すると同時に存続させようとする深謀がある。賠償責任の多くを、税金と電気代(東電管内だけではない!)でまかなおうとする姑息な動きである。


 権力が国民を犠牲にして、国民の意識と逆行する政策を推進しようとするとき、権力は情報を隠す。まさにそれが今である!!

http://toyugenki2.blog107.fc2.com/blog-entry-2103.html

 東電や原発推進政策を担ってきた特殊法人は、高額なカネをばらまいて「文化人」や芸能人を抱き込んできた。その金額ははんぱではない。それはもちろんもとは電気代である。

 http://news.nicovideo.jp/watch/nw55733

 
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文科相の官僚は福島県に移れ!

2011-04-23 22:00:50 | 日記
 福島県の子どもは年間20ミリシーベルトを浴びても良い、という文科相の決定。この決定がきわめて問題であることは、このブログで指摘してきた。文科相と福島県民との交渉のyou tubeを紹介もした。

 その交渉をじっくりみたとき思ったのは、福島の子どもたちに被曝放射線量を20ミリシーベルトに決定したのは、おそらく官邸であるということ、官邸がその値のお墨付きを得ようとして原子力安全委員会に諮問、きちんとした議論もなしに委員会は20ミリシーベルトでよし、とし、それが文科省に伝えられ、そのまま福島県に下ろされた、ということなのだろう。

 しかし、年間1ミリシーベルトが一般的な基準値であることは、武田氏が主張するところだ。

 http://takedanet.com/2011/04/60_d799.html

 http://takedanet.com/2011/04/61_161b.html



 そこで「毎日新聞」の記事。「東日本大震災:福島第1原発事故 屋外活動制限の福島13校・園、放射線基準に不信
 ◇安心、ほど遠い 子の将来「想定外」困る」である。

 福島県の保護者らの不安や怒りは当然である。

http://mainichi.jp/select/weathernews/news/20110423dde001040002000c.html

 
東京電力福島第1原発の事故は、避難の対象区域から離れた福島・伊達・郡山の3市の学校現場にも影を落とす。文部科学省は基準値以上の放射線量が測定されたとして、小中学校、幼稚園、保育園の13校・園に「屋外活動を1日1時間以内とする」などの通知をした。対象校に通う小学生の母親は「我が子に『いつ(事故は)終わるの』と聞かれるたび、つらくなる」と話す。放射線への不安や国の対応への不満の声が上がっている。【河津啓介、八田浩輔、蓬田正志】

 第1原発から北西に60キロ以上離れた福島市立福島第三小。19日の文科省の通知で屋外活動が制限され、桜が残る放課後の校庭に児童の姿はない。同じ敷地内にある幼稚園はしかし、同省の放射線量の基準値未満だった。渋谷朗校長兼園長は当惑を隠せない。「安心安全を考え、幼稚園も同様に屋外活動を控えている。兄、姉が小学校にいる園児もおり、配慮が必要」という。

 文科省の基準値は毎時3・8マイクロシーベルトで、年間20ミリシーベルトを超えない線量。これは飯舘村などが指定された計画的避難区域の基準と同じ数字だ。「仮に基準以上(の学校)でも健康被害は起きない」という国の説明を素直に受け取る保護者は多くない。

 21日、福島市であった制限対象校の保護者説明会では、親から疑問や注文が続出した。中学生の娘を持つ母親は「国は(水素)爆発が起きて線量が一番高かった3月中旬に何もしなかった」と批判した。別の母親は「将来子供に何か起きても『想定外だった』と言われそう。行政は集団疎開の実施も考えてほしい」と訴えた。

 福島県内の多くの学校は4月から、自主的に屋外活動を控えてきた。保護者の不安が増す中、基準値を超えていなくても活動自粛の継続を求める市町村教委も出てきた。二本松市教委の幹部は「年間20ミリシーベルト以下」について「大人の基準を子供にあてはめた印象。保護者の理解は得られない」と強調。制限対象校に準じた対応を各校に求めるという。

 文科省は通知からわずか3日後の22日、福島市内の4校・園の放射線量が基準を下回ったと発表した。市などの学校設置者が通常活動に戻すかどうか判断するが、数日で変わる状況に学校現場は戸惑う。安斎育郎・立命館大名誉教授(放射線防護学)は「国は基準内だからと放置せず、放射性物質が積もった校庭の表土を削り取るなど汚染源を減らす対策を取るべきだ。学校が立ち退くことができない以上、校内の実測データに基づいた対策が望まれる」と話す。

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 ◇文部科学省が示した学校などの屋外活動制限基準◇
 ◇屋外活動の制限基準
 屋外観測で毎時3.8マイクロシーベルト以上

 (屋外8時間、屋内16時間の生活を想定し年間20ミリシーベルト以下)

 ◇制限内容
 体育や部活動などの校庭での活動を1日あたり1時間以内に。校外でも控える

 ◇求められる留意点
 (1)手洗い、うがいを励行する(2)乳幼児は砂場利用を控える(3)登校、帰宅時に靴の泥を落とす(4)土ぼこりが多い時に窓を閉める--など

 ◇解除の道筋
 2日連続基準値を下回る
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飯舘村のこと

2011-04-23 21:10:16 | 日記
  福島原発の西北方向にある。飯舘村。飯舘村は、計画的避難区域に指定され、村民は全体として避難することになる。福島原発からの放射性物質が大量に運ばれ、高い放射線が観測されている。

 この飯舘村。小さな村だ。しかし「平成の大合併」で静岡県はほとんどが合併への道を選択した(森町や川根本町はがんばってている)が、飯舘村は合併の話はあったけれども、合併ではなく自立して生きていく道を住民投票や村長選挙で示し、村民がみずから選んだところである。自らが生きている地域を愛し、村民が力強い意志をもって自立的な生活をしていこうと、着々とその歩みを進めてきたそのとき、今回の事故に際会してしまったのである。

 飯舘村の「広報いいたて」を読むと、その過程を垣間見ることができる。

 http://www.vill.iitate.fukushima.jp/log-pdf/kouhou/h1701/h170101-03.pdf

 飯舘村がそのような村であることを下記のサイトで読んだ。

http://diamond.jp/articles/-/11978

 
 何ということだ。こういう自立的な村を、自立的に村づくりをしていた村を、原発の事故は吹き飛ばしてしまった。もちろん、自立の道を選び取った飯舘村の人びとは、飯舘村民としてのプライドをもっているだろうから、最終的には村を再建するはずであるが、しかしこの事故が大きな苦難を与えたことは確かであろう。

 その意味で、東京電力と日本政府が(政・官・財・学・大手メディアが一体となって)、長年進めてきた原発推進政策に、怒りを覚える。

 「平成の大合併」は弱小町村を呑み込んで、広域都市を生み出した。しかしそのことが、今回の大震災の救援や復興を妨げているようだ。基礎自治体は、小さければ小さいほどよい。日本のように、地方自治体を、経営の観点から効率性だけを追求して大合併させるような国はないだろう。

 飯舘村の村民よ、頑張れ!!
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