浜名史学

歴史や現実を鋭く見抜く眼力を養うためのブログ。読書をすすめ、時にまったくローカルな話題も入る摩訶不思議なブログ。

虚言をもとに事態を動かしていく時代

2017-03-05 07:39:53 | その他
 今日の『中日新聞』の「中日新聞を読んで」は、社会学者の上野征洋氏。「ヘイト言説と真実の行方」。「ニュース女子問題」。番組で行われた「辺野古新基地反対の運動をしている人が日当をもらっている」という根拠なき発言を、中日新聞論説委員という肩書きを持った長谷川幸洋という人物が、「ふつうのメディアはなぜ報じないの?」などと、根拠なき発言を肯定するかのような発言をしたことに、上野氏は「長谷川氏には出自を忘れた傲慢さが見える」と指摘する。

 長谷川のテレビで発言する番組を見たことがあるが、そこでの出演者みなが「傲慢」であることにあきれた記憶がある。類は友を呼ぶ、ということばがあるように、出演者全員に根拠なきみずからの思い込みを平気で堂々と語らせる番組が存在していること自体、現在の日本を象徴しているのではないかと思う。Post-truthというものは、日本で始まっていたのではないか。そのなかに長谷川もいる。

 中日新聞社員である長谷川にたいして、中日新聞でどういう責任をとらせたのか、その後の報道がない。上野も「本紙による総括はない」と書いているが、他社のテレビ番組とは言え、虚偽をひろめる役割を果たした長谷川に対して、中日新聞がどういう処置をしたのか。たとえば、社員が飲酒運転などした場合、なんらかの処置をするだろう。長谷川の言動は、言論機関としての中日新聞として、何らかの処置をするのが当然ではないだろうか。

 虚言を増幅させる発言は、新聞業界にある者が、もっとも戒めるべきことではないのか。

 この虚言に当事者たちが厳しい批判を展開したが、長谷川からの自戒の言が聞こえてこない。虚言が事態を動かすという時代に、もっとも棹ささなくてはいけないのが、言論に携わっている新聞社・新聞記者ではないか。

 それでは、森友学園の理事長と同様だ。

 『朝日新聞』記事。

森友学園の「連携合意」報告、相手法人は「事実無根」 石原孝

2017年3月5日05時00分

 学校法人「森友学園」(大阪市)が4月開設を予定している小学校を巡り、先月開かれた大阪府の私学審議会で、「愛知県の中等教育学校と推薦入学枠の提供で合意した」と報告されたが、この学校を運営する学校法人は「合意は事実無根」と否定している。府教育庁は「両者が合意したかは確認できておらず、報告に事実と異なる内容が含まれていれば指導する」としている。

特集:森友学園問題

 小学校は3月23日に開かれる予定の私学審議会の議論を経て、府教育庁が認可すべきかどうか判断する方針だ。府関係者によると、2月22日に開かれた私学審議会で、学園側は新1年生と新2年生で80人ずつ募集したものの、入学予定者は40人と5人だったと報告。寄付金などに頼った収支想定も示されたが、委員から厳しい指摘が相次いだ。

 審議会で配られた資料では、学園側は新年度以降の児童確保に向けた取り組みの一つとして、「連携する(愛知県の)中等教育学校への推薦入学制度のアピール」とし、「本校卒業生に対する推薦入学枠を提供して頂くことで合意している」などとし、「定員の確保を実現する」としていた。

 だが、中等教育学校を運営する学校法人の広報担当者は「合意どころか、学校法人として何かやりとりをしたような記録もない。そもそも、特定の学校との間に推薦枠を設けておらず、設ける予定もない」と否定する。この中等教育学校は、英国の名門校などをモデルに設立された私立中高一貫の男子校で、全寮制による次世代リーダーの育成を掲げる。難関大学に進学する生徒も多い。

 府教育庁私学課は「証明責任は学園側にある。学校法人同士による正式な合意文書を出すよう、学園側に求めていく」と話す。

 森友学園の籠池(かごいけ)泰典理事長は2月13日に小学校用地の国有地購入の経緯などを説明して以降、朝日新聞の取材に応じていない。代理人弁護士は3月2日、鴻池祥肇元防災担当相の会見に対する「反論」に応じて以降、取材に対応していない。(石原孝)
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