空をみながら

 地球規模、宇宙規模で考える。死角のない視野の獲得。憲法9条を守ろう。平和のための最高の武器だと思う。

「聞く力」は本物か

2021年12月29日 17時39分10秒 | 思考試行

 国会の論議など、まともにこたえないとか、繰り返しばかりとか、政治の信頼が地に落ちた感が強かったが、岸田首相の「聞く力」のことは、結構新鮮な感じである。当たり前と言えば、そうだが、政治家が国民の声に耳を傾けるのは当然のことであって、できるかぎり説明をする努力をしなければならない。

 日本の民主主義は敗戦以後のものであって、ともすれば、国民世論は縛るものであって、聞くものではない、ぐらいが政治家らの本音だと、国民に思われているのではないだろうか。

 なんでもかんでも国民の言う通りは、うまくないだろうが、状況を説明し、政策についても懇切丁寧な説明をこころがけなければならない。その意味では、安倍・菅政権に比べて、岸田政権はその姿勢が、国民よりにみえて好感がもてる。

 一旦決めたことでも、そのプロセスに問題があったかもしれないが、具合が悪ければ、また、より良いことが考えられれば、変えるという姿勢も、好ましい。一旦決めれば、どうあっても変えないというのは、昔はそうだったかもしれないが、今は、そんな意地を張ることは、害悪である。

 決める前に、できるだけ万全にする努力が必要であり、配慮すべき問題も明らかにすべきだが、不備がわかり、あるいは、より良い方策があれば、行動は、大胆に変えるべきである。権力のメンツにこだわっているだけなら、そんなモノは全く害悪である。

 間違っているとなれば、直ちに変える、混乱を生ずることもあるかもしれないが、そういう姿勢こそこれからの社会にとって必要なことであろうと思う。

 ところが、政権は、憲法9条の改悪に本格的に踏み出す動きをみせている。これは、大変である。戦争をしないために、これ以上ないような憲法9条を変えようというのである。

 戦争やむなし、の姿勢があるということになる。戦争はできればしたくない、だが相手が仕掛けてきたら、やむを得ないという考え方だろう。だが、日本の憲法9条はそうはなっていない。どうあっても戦争はしない、というのだ。

 戦争をしない宣言をしているのである。戦争はしない、というのであれば、この憲法9条は変える必要はまったくないのである。岸田首相がどう考えているのか、先制攻撃についても考えているようであるが、どうあっても戦争はしないという決意はないのだろう。

 ではどうするか。戦争はしないけれども、戦争を仕掛ける国があれば、それは、その国が、大損をすることになるという手立てを考えなければならない。そんなことはできないのだろうか。できなければ人類は滅びる他ないのではないか。

 

 


うそかまことか

2021年12月03日 17時54分39秒 | 思考試行

本当のことを言っているのか、それともウソをついているのか。それがわかれば、世の中よほど住みやすくなる。

ほとんどの日常生活で、あえてウソをつかなければならない時は、ないといっていいだろう。ウソをつくのは、それがばれるとまずいと本人が思っているときであったり何らかの事情でそうした方が、自分のためと言うより、他の人のためであったり、なんらかの意味がある場合であろう。

ウソをついているかどうか、簡単にわかる場合もあるだろう。尋ねる側が真実を知っている場合で、知らぬふりをして、質問をする場合は、相手がウソをつくかどうか、その人物を信頼できる人物かどうか確かめたいときなど典型だろう。

東大の数学科を卒業して、大蔵省に入り、今は政治評論家といえばいいのか、ユーチュブに盛んに登場して、あれこれ意見を表明したり、政治家と対談したり、マスコミを「マスごみ」といい、ほぼ言いたい放題で、魅力的な人がいる。高橋洋一氏である。

幅広い発言内容で、財務省のエリートも「あっ法学部」などと、彼にかかれば形無しである。ある意味痛快だが、かれの発言内容は、すべて信用にたるのだろうか。

マスコミもだめ、官僚もダメ、彼が政治をやってくれないだろうか、と思うのだが高橋氏は政治家になる気はないようだ。多くの政策にかかわり、官僚としての仕事を多くしてきたわけだし、彼こそ、政治家になって大いに活躍してほしいものだ。

だが、自民党に仮にはいったとしても、当選回数やなんかで「雑巾がけ」からなどと言われてはつまらないし、いきなり、党首にはなれないのだから、あれこれ好き放題に言っている方が性にあっているのかもしれない。

彼が魅力的なのは、ウソをついていると思わされる場面がみあたらないことである。明快であり、体験話など非常に面白い。中国のテニスプレーヤーが、政府高官に、関係を迫られたことが話題となっているが、高橋氏が、官僚のときに、中国に行ったときの、ハニートラップを仕掛けられた話などは、非常に面白かった。

まさに、彼の好みのタイプの女性が、ホテルにやってきたというのだ。彼はその誘いに乗らなかったという話をしていたが、この種の誘いをかけられたことなど、まったくないコチトラなど、いちころでやられそうだが、さすが、高橋先生である。そんなハニートラップにはかからなかったというのである。

その高橋先生が、ある政治家と対談していて、中国に10回以上行っているというその政治家にハニートラップはありませんでしたか、と笑顔で尋ねた。

すぐに真顔で「ありませんでしたよ」と件の政治家が答えた。

それ以上突っ込んだ話題にならなかったが、瞬間、ウソだろうと感じた。中国はいろんなことをやってくるという話がある。いやあ大変でした、あれには参りましたよ、とかなんとかの反応を予想したのだが、そうではなかった。

うそかまことか 人間社会は、なかなか大変である。