カーブの急さとか、施設の問題とか、ハードの危険性についての認識があったかどうかに、問題が集中しているようであるが、本当の原因は、そんなところにはない。
何故、運転手がそんなに急がなければならなかったのかである。猛スピードでカーブに向かったその原因である。
前の停車駅で、トラブルがあって、予定どおりに運行できていなかったこと、そして、その遅れをとりもどせないと、叱責され、「日勤教育」という処罰が待っていること、ここに事故の本質がある。
国鉄時代の労使関係に懲りて、JRになってから、労務管理の実態がどうだったのか、力関係の変化があって、労働者は、非人間的な扱いをされることを危惧し、危険をかえりみず、正常運行に戻ろうと、必死であった状況がみてとれる。
労働者をどのように、日常管理していたのか、どういう扱いをしていたのか、実態が調査されなくてはならない。
それを問題にしないで、管理者の責任を問うというのは、本質を外れている。こんなことでは、事故で犠牲になった多くの人がうかばれない。人を根本のところで大事にしない考えが、事故原因の最大の問題である。
ニュースはその点を追及しない。いったい何をみているのか。