何億という数のうちのひとつ、偶然のなせる業。まわりあわせ、くみあわせで、人間は生まれてきている。否、人間のみならず、生きとし生けるものすべては、そのようにして、命を得、そして、次の世代と交代していく。
発生、消滅、なにがあっても不思議ではないし、不合理なことも多い。理屈なんてないといってもいい。そうかと思えば、なんだか、みえない力みたいなものもあって、それぞれの関係というのは、縁のようなもので、がんじがらめになっているようにも感じられる。
全く何もない、なんて言い切れないような感覚もある。だが、本質は、はっきりとはつかめない。あるような、ないような、変なこと、馬鹿なことをすれば、関係性の力学が働いて、それなりに、反動というか反応があったりする。
意味のある、「いいこと」をすれば、それなりの、ご褒美もあるような気もする。で、結局は、正しいと思うこと、やるべきだと思うことをきちんとやることしかないと思える。
それが、報われようと、報われまいと、それはどうでもいいことと考えて、すべてをうけいれ、たんたんと、自分なりに行動していく。それでいいではないかと思う。
元はといえば、なんにもないに等しい存在なのであり、いつ消えたとしても、なんの不思議もない存在である。けれども、なげやりではなく、丁寧に生きていかなければ、たちどころに、芥子粒のような存在であっても、その芥子粒世界のなかで、滅茶苦茶になるのは、確かなのである。