人の間に階級をもたらしたり、差をつけたがる傾向は、そう簡単にはなくならないだろうが、今回のコロナ騒ぎで、いろんなことが見えてきている。そんな姿勢では、この状況を打開できないのではないかと思わせる。人間が人間を尊重するという姿勢が、本質的になければ、この問題に対処できないのではないだろうか。価値観がどうなのかが試されている。
それぞれの人が、どんな思いでこの状況をみているか。急速な感染の進行で、政治、経済、人の熱意、真剣さ、医療のこと、なりわいのこと、困難な状況が続く中で、どのような作戦でいくのか。安倍政権は、今注目を浴びている。真剣に取り組めているのだろうか。
作戦なのか、検査を絞り、感染者数が上がらないようにするつもりなのか、世界からも不思議がられる動きをずっと続けている。その説明をしない。疑問が渦巻いていても、無視を続ける。答えない。誰がこの状況を打開していくリーダーなのか、姿がみえない。政権の熱がみえない。
原発事故のときの民主党政権は必死であった。連日記者会見を開き、実情を知らせ、困難ななかで、いろんなトライをした。そして熱があった。それをことごとくイチャモンをつけていたのが、自民党であった。
いい加減な安全神話のもと、原発が絶対安全だとして、自分たちが進めてきたエネルギー政策の失敗を棚にあげての恥知らずな行動であった。
今の事態の中で、「桜を見る会」のこと、財務省の再調査のことなど、野党が質問することに対して、いまどき、などと冷笑してみせるなど、質的な衰えを平然と出して恥じる様子はない。
はたして、医療がたいへんだと言っているのに、適切な段取りを打ち出すことができていない。医療崩壊に陥るかもしれないというのに、動きが鈍い。ひどいものだ。安倍首相はじめ、原稿を読むだけで、生きたことばがない。彼らには、初めから、人間尊重などの思いはないかのようだ。どういう思いで政治家になったのか。単に権力を振るいたかっただけなのか。官僚の人事権を奪い、これを武器に、彼らを、絶対服従させる態勢を作りたいだけだったのか。問題に対処する熱がない。
これからどうするつもりなのか。本当の「賢者」に教えを乞い、段取りをちゃっちゃと決めて、安倍首相の言う通り「先手先手」で行動すべきだ。