マーちゃんの数独日記

かっては数独解説。今はつれづれに旅行記や日常雑記など。

武蔵水路を訪ねて(その2)

2017年10月14日 | 

 武蔵水路に沿って車を走らせる前に、もう少し利根大堰に立ち止まってみたい。右の図は環境省環境カウンセラー・若林高子著『生まれ変わる武蔵水路』からの引用である。堰から取水した利根川の水は”沈砂池”からどの様に分水されたのかが良く分かる。埼玉県の川や用水路には門外漢だった私には実に有難い資料だ。








 その部分拡大図が右図で、その図の中でも特に見沼代用水路と武蔵水路に注目すると、肉眼で見たと同じく、上流から見て、見沼代用水が右側にあり、武蔵水路は左側。その両水路は平面図上交差し、左右が入れ替わっていく。実際には、後から造られた武蔵水路が見沼代用水の下を立体交差して潜っている。トンネルになっているのだ。水の流れの場合、その交差地点のトンネルをサイフォンと呼び、「伏越」と書く。この漢字は二文字で意味を十分に表している。



 そのサイフォンは武蔵水路に6ヵ所ある。その6ヵ所を一覧にまとめたものが右の図で、その6ヵ所のうち5ヵ所を巡った。









 
(1)荒木サイフォン。このサイフォンで水路(右の図)は見沼代用水(下の写真)の下を潜る。写真で示してもなかなか交差の様子は分りずらい。



 

 (2)上星川サイフォン。サイフォンには入口側に2つのタイプがあって「ローラーゲート」と「起伏ゲート」と区別されている。ここは「起伏ゲート」。残念ながら私には、その物理的差異や原理の違いが今のところ分からない。上星川はその下流で見沼代用水と交わる。その点は後日触れたい。


 (3)
白鳥田サイフォン。ここで秩父鉄道を伏越えする。右写真に見る如く2本の流路。何故2本の流路か?昨年初めて見たときは、下流では別れると思ったがさにあらず。一本の流れのみ流している間に他方の流路を止めて、整備・清掃等を行えるようにする為の2つの流れ。荒川近くまで2本のまま流れていく。上から見ると、水面の高さに差異が感じられる場所があった。(写真:下は秩父鉄道)

  

 
(4)長野サイフォン。

 (5)元荒川サイフォン。ここで元荒川の下を潜る。元荒川は深谷付近の方が清流に見えた。それ故ムサシトミヨも棲息していたのだろう。今回みたサイフォンのなかでトンネルの長さが最大だった。

 
 残る一つの
「箕田」については、水野さんのメールで“立派なサイフォンがあったのを見逃しておりました。”とあった。



 (番外)荒川との合流
 糠田橋を超えるときに車上からの撮影。右写真で、左の荒川に右の武蔵水路が合流する。

 オリンピックに間に合わせるために、急ピッチで造られた武蔵水路の施設は約50年近くを経て老朽化が進み、あちこちに傷みが激しく、数々の不具合が生じてきた。
 2015
年にリニューアルが完了。今私達が見ているのは流路が2本ある新武蔵水路だ。荒川はこの後、秋ヶ加瀬取水堰を経て隅田川などへと通じている。
 武蔵水路は東京都への給水の中心的役割を担っている。