マーちゃんの数独日記

かっては数独解説。今はつれづれに旅行記や日常雑記など。

『算額』にご対面

2010年07月15日 | 和算

 
 渋谷の「金王八幡宮」にユニークな絵馬が掛けられたと新聞で読み、出掛けて来ました。金王八幡宮は、今年度本屋大賞受賞作「天地明察」の冒頭に登場する神社で、そこで主人公渋川春海は掲げられた算額問題に挑戦するも解けず、天才関孝和は”一瞥即解”したとされる場面の神社です。天地明察が本屋大賞と吉川英治文学新人賞をダブル受賞したことの影響から、この神社に全国からファンが訪れるようになった様です。(写真:金王八幡宮本殿)

 
 この神社では江戸時代に奉納された算額が保存されている事は知っていましたが、希望すれば拝観できることを知り、江戸時代の算額と新たに掲げられた算額の両方を観たくて、先週の土曜日(7月10日)黒田塾へ行く前に出掛けたのでした。


 東京はこの日30度を超す夏日。土曜日の連続快晴は既に途絶えていましたが、15週連続して雨が降らない日々は続いていました(注:黒田塾開講前後の時間帯に)。神社内の木陰で何人もの人が涼を求めて憩っています。社務所に赴き算額拝観をお願いしました。神主さん「先ほども拝観を求める方がいらして宝物殿は開いています」と語りつつ案内をして呉れました。やや仄暗い宝物殿には多くの絵馬が保存されていますが、その中にひときは小さい算額が置かれていました。インターネットでは見たことのある算額を初めて目にしました
。(写真:算額3題)

 

 宝物殿を出て普通の絵馬が掲げられた処へ移動。そこには先月新たに掲げられた算額問題がありました。直角三角形と長方形を繋いで作った台形の中に5つの円を描き、その中の2つの円、庚円と寅円の直径の大小を問う問題です。問題文の終わりには提出者のメールアドレスが書かれ、最後に「明察を期す」とあります。
写真:新たに奉納された算額)

 
 
 早速撮影し、帰宅後私もその問題に挑戦していますが、四苦八苦し未だに解決を見ません。「解けるなら解いてみなさい」との挑戦の仕方が江戸時代とは異なり如何にも現代風です。解けたならばメールで送信したいと密かに期しているのですが・・・。




 (こんな絵馬も:本当に爆笑問題が来たのでしょうか?)

 
          (こんな絵馬もありました)


虫食い算(その1)

2009年08月09日 | 和算

 江戸時代に、西洋数学とは独立に、日本独自の数学が発展し
ました。『塵劫記』(吉田光由著)なる書物も出版され、”ベストセ
ラー”にもなっていたそうです。又関和孝など傑出した数学者も
数多く誕生し、関和孝の業績は世界的レベルにあったと言われ
ています。
 その江戸時代の数学=和算の世界を時折紹介したいと思い
ます。
 
 『算学稽古出展』に虫食い算が登場します。
 問題は次のようにの述べられています。
 『米を銀で購入した記録がありますが、一部が虫食いになって
 います。
 「米を273石買った。1石につき❏❏匁だったので、合計❏❏❏4
 5匁支払った」
 ❏の部分には1桁の数字が入ります。
 この記録を基に、❏に正しい数字を入れて下さい』
     (桜井 進著 「江戸の数学教科書」による)
 この問題を、今様縦書きの計算に直すと下記の様になりま
 す。

 問題1 ❏に適切な一桁の数を入れてください。(比較的易しい 
      問題です)


 問題2は7月29日のブログで紹介し、マーちゃんが最近購入
 した『推理学校 虫食い算大会』からの出題です。❏に適切な
 1桁の数を入れて下さい。(この問題の難易度はかなり高いで
 す。 じっくりお考え下さい。解答は数日後に)