マーちゃんの数独日記

かっては数独解説。今はつれづれに旅行記や日常雑記など。

新春大歌舞伎で「市川右團次襲名披露」を観る(夜の部)

2017年01月16日 | 映画・美術・芝居・落語

 19日(月)に新橋演舞場で「市川右團次襲名披露 新春大歌舞伎」夜の部を観て来た。有り難いことに昼の部のみならず夜の部のチケットも頂いていた。夜の部では、三代目右團次の襲名披露の「口上」もあった。
 昼の部が通し狂言「雙生隅田川」のみであったのに対し、夜の部は多彩な内容だった。
 一 源平布引滝 義賢最期(義賢役を海老蔵)
 二 口上
 三 錣引(悪七兵衛景清役を右團次)
 四 黒塚(安達原の鬼女役を猿之助。阿闍梨祐慶役を右團次)



 
 二 口上では梅玉が司会役。
 猿之助・中車・海老蔵らの挨拶の後、右團次は
「長年名乗ってまいりました市川右近の名を改めまして、市川右團次の名跡を三代目として襲名いたす運びと相成りましてござりまする。81年ぶりの市川右團次の復活、この上は代々の右團次の名を辱めることのないよう懸命に努力精進を重ねて参る所存にござります」と決意を語った。
 右近は「いずれもさま、ご機嫌よろしゅうございます。この度、父の名跡市川右近を二代目として襲名いたす運びと相成りましてござりまする。どうぞよろしくお願い申し上げ奉りまする~」と健気で、可愛らしい挨拶。拍手は一段と大きかった。

 演目の中では「源平布引滝 義賢最期」を一番楽しく観た。実は、3年前に「新春浅草歌舞伎」で、片岡愛之助の義賢役も観ていた。今回は海老蔵の義賢。どんな演技を見せてくれるのか大きな期待をもって出かけた。その期待に十分過ぎるほど見応えのある大立廻り。
 舞台は後半がその場面。木曽義賢(海老蔵)の館に平家方の使者が現れます。義賢が後白河院から賜ったはずの白旗の詮議を始め、義賢の亡兄源義朝の髑髏を取り出し、これを踏む様に迫ります。義賢は一度はその言葉に従おうとしますが、実の兄の髑髏に足を掛けることは出来ません。最後には、表襖大紋という武家の礼服に身を改めると、押し寄せる平家の軍勢相手に立ち向っていきます。(「源平布引滝」での海老蔵)
 その場面でまず演じられるのが「戸板倒し」。3枚の戸板で組み上げられた板の上に立った海老蔵、そのまま倒れ落ちる凄まじい演技。そして最後が「仏倒し」。仁王立ちした海老蔵は7段はあろうかという階段を前のめりに倒れ落ちて、壮絶な最期。顔面が階段に直接当たったであろうと思われる荒技。愛之助も海老蔵も若いから演じられるのだとは思うが、それに応えられる鍛錬があったのだろう。大きな大きな拍手で幕となりました。