電脳筆写『 心超臨界 』

本は鏡のようなもの
愚か者がのぞきこんで天使が顔を出すわけがない
( ショーペンハウエル )

50代の先生が「30年間やっていてこんな授業ですか」なんて言われる――大塚貢さん

2008-05-08 | 03-自己・信念・努力
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「致知」http://www.chichi.co.jp/ 2008年5月号 特集・工夫用力
教育現場の工夫用力「こどもたちを甦らせる」
●対談 上田市前教育委員長・大塚貢 & ジャーナリスト・ 櫻井よしこ


  [1] もはや非行ではなく立派な犯罪
  [2] 問題の根源は食にあった
  [3] 米飯給食の驚くべき効果
  [4] 安心安全な給食を食べさせるための工夫
  [5] 真田町の非行・犯罪がゼロになった理由
  [6] 子どもたちの学力向上の背景
  [7] 米飯給食導入のプロセスとは
  [8] 学校に潤いがあれば人を殺したりしない
  [9] 日本の社会の闇
  [10] 日本人よ 日本人になりなさい


[6] 子どもたちの学力向上の背景 (p28)

【櫻井】 さらに特筆すべきは、バランスのよい米飯給食に変えてから、真田町全体の成績がよくなったという実績がありますね。

【大塚】 はい。全国で百数十万人の生徒が参加する「数研式・CRT学力テスト」では、平均値より上をA、だいたい平均値をB、平均値より下をCと分けると、真田町の子どもたちは圧倒的にAとBが多いという結果になりました。全国平均に対して高いところで30~35%上回っていますが、塾に通っている子は少ないです。

【櫻井】 少数の頭のいいお子さんが伸びたのではなく、全体の底上げがなされていることに私はビックリしたのです。

【大塚】 それはやはり、一つにはカルシウムやミネラル、亜鉛、青魚を食べてEPAやDHAを摂取するようになって、血がきれいになり、前頭葉の回転が非常によくなってきているのが理由だと思います。勉強がしたい、学びたいという気持ちが体に出てきているからでしょう。

それともう一つは、真田町の教師の指導力が向上しているということが挙げられます。

長野県が教育県といわれていた頃は研究授業が多かったんです。ところが近年は1校で年に1回か2回あるかないか。先生が20人いれば10年たたなければ順番が回ってこない。

【櫻井】 それじゃ先生方は上達しませんね。

【大塚】 ところが、真田町の場合は全員が毎年1回は研究授業をやります。多い先生だと1年に3~4回やるんじゃないでしょうか。

【櫻井】 研究授業というのは自分の授業を公開して、他の先生方やPTAの方からいろいろな意見をいただきながら、改善していくというものですね。

【大塚】 はい。非常に厳しい意見も出るんですよ。まともな教案が書けなければ「いままで教案を書いたことはないんですか?」とか、たとえ50代であっても若い先生に「30年間やっていてこんな授業ですか」なんて言われる。

1回目は酷(ひど)い授業だと思っても、3回、4回と研究授業を重ねていくと本当によくなっていきます。

ですから、子どもたちが食事によって学習に適した体になってきている一方で、先生たちが勉強して指導力が上がっていることが、町全体の学力向上という結果に繋(つな)がっているのだと思います。

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