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「致知」http://www.chichi.co.jp/ 2008年5月号 特集・工夫用力
教育現場の工夫用力「こどもたちを甦らせる」
●対談 上田市前教育委員長・大塚貢 & ジャーナリスト・ 櫻井よしこ
長野県上田市真田町。現在この小さな町は非行・犯罪ゼロ、
いじめもゼロ、そして全国平均より抜きん出て学力が高いという。
「以前は非行・犯罪が絶えなかった」と話す前教育委員長の大塚貢氏は、
「授業改善、米飯給食、花づくり」によって子どもたちの心身を甦らせた。
氏の教育手腕に共鳴するジャーナリストの櫻井よしこさんとともに、
混迷する日本の教育問題に希望の光を与えるべく、
真田町の教育改革についてお話しいただいた。
………………………………………………………………………………
大塚貢(おおつか・みつぐ)
昭和11年長野県生まれ。35年信州大学卒業後、中学校教員を経
て、東京都内で会社員生活を送る。その後、長野に戻り、県教育委
員会指導主事、中学校教頭を経て、平成4年から校長に。9年旧真
田町教育長就任。市町村合併後、18年より上田市教育委員長。1
9年退任後、現在は教育・食育アドバイザーとして活躍
………………………………………………………………………………
………………………………………………………………………………
櫻井よしこ(さくらい・よしこ)
昭和20年ベトナム生まれ、ハワイ州立大学歴史学部卒業後、「ク
リスチャン・サイエンス・モニター」紙東京支局勤務。日本テレビ
ニュースキャスター等を経て、現在はフリージャーナリストとして
活躍。薬害エイズ、個人情報保護法、道路公団民営化、北朝鮮拉致
問題等に積極的に取り組み、発言している。教育問題への関心も高
い。著書に『日本人の美徳 誇りある日本人になろう』(宝島社)
他多数。最新刊は『異彩の大国中国 彼らに心を許してはならない
』(新潮社)
………………………………………………………………………………
[1] もはや非行ではなく立派な犯罪
[2] 問題の根源は食にあった
[3] 米飯給食の驚くべき効果
[4] 安心安全な給食を食べさせるための工夫
[5] 真田町の非行・犯罪がゼロになった理由
[6] 子どもたちの学力向上の背景
[7] 米飯給食導入のプロセスとは
[8] 学校に潤いがあれば人を殺したりしない
[9] 日本の社会の闇
[10] 日本人よ 日本人になりなさい
[1] もはや非行ではなく立派な犯罪 (p23)
【櫻井】大塚先生と初めてお目にかかったのは5年ほど前になりますでしょうか。長野県の真田町(現・上田市真田町)の中学校の校長先生をしておられた頃のお話を聞いて、ビックリしたんですね。
朝礼などで子どもたちが貧血で倒れるので、きっと家での食事が不十分であるに違いないと思われ、食生活について調査したところ、問題を起こしているお子さんほど食生活が乱れていることが分かった。
そういう時、普通の校長先生なら親御さんに「食生活をきちんとしてやってください」と言うだけですが、先生は自ら先頭に立って給食の改善に手をつけられた。パン食を米飯に変えたところ、子どもたちが元気になり問題行動も減っていったとお聞きして、これはすごい話だなぁと。
その後、真田町の教育長になられてからは、1校だけでなく町内の公立小中学校すべてに影響を及ぼされました。この大塚先生の実践をご紹介することが、いまの日本の教育問題を解決する一助になるのではなかと思っています。
【大塚】私が中学校の校長になったのは、平成4年でした。生徒数千2百名の大規模校でしたが、その荒れ方はもう非行なんてものじゃないですね。立派な犯罪です。強盗、窃盗も多いです。学校の廊下をバイクで走ったり、窓ガラスは次から次へ割られ、不登校も常に60~70人いました。
教室も見て周りましたが、とにかく授業がつまらないんですね。私ですら何を教えているのかちっとも分からない。だから机に伏している生徒が多いです。
しかし、伏している子はまだいいんです。エネルギーのある子は学校の外へ飛び出して窃盗や強盗をする。あるいは学校近郊でタバコを吸うとか、弱い子を連れ出していじめるとか。
【櫻井】授業中に机に伏せているのは、まだ真面目(まじめ)な子どもたちなわけですね。
【大塚】はい。私は民間会社に籍を置いていた時期がありますが、仮に民間会社でこんなつまらない授業をしていたらクビになるだろうというレベルでした。
そこでまず、取り掛かったのは授業の改善でした。徹底的に研究授業をやって、「こうしたらどうか、ああしたらどうか」と先生同士が互いに切磋琢磨(せっさたくま)し合う。またそれぞれが教材研究や指導方法を研究していくと、次第に授業のレベルが上がっていきました。
授業がおもしろかどうかのバロメーターは、なんと言っても子どもの姿勢です。机に伏している子がほとんどいなくなり、みな姿勢を正して授業に臨むようになりました。
いま、学級崩壊とか子どもが本気で勉強しないとかいいますが、99㌫は授業がつまらないのを子どものせいにしているだけだと思います。
【 これらの記事を発想の起点にしてメルマガを発行しています 】
「致知」http://www.chichi.co.jp/ 2008年5月号 特集・工夫用力
教育現場の工夫用力「こどもたちを甦らせる」
●対談 上田市前教育委員長・大塚貢 & ジャーナリスト・ 櫻井よしこ
長野県上田市真田町。現在この小さな町は非行・犯罪ゼロ、
いじめもゼロ、そして全国平均より抜きん出て学力が高いという。
「以前は非行・犯罪が絶えなかった」と話す前教育委員長の大塚貢氏は、
「授業改善、米飯給食、花づくり」によって子どもたちの心身を甦らせた。
氏の教育手腕に共鳴するジャーナリストの櫻井よしこさんとともに、
混迷する日本の教育問題に希望の光を与えるべく、
真田町の教育改革についてお話しいただいた。
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大塚貢(おおつか・みつぐ)
昭和11年長野県生まれ。35年信州大学卒業後、中学校教員を経
て、東京都内で会社員生活を送る。その後、長野に戻り、県教育委
員会指導主事、中学校教頭を経て、平成4年から校長に。9年旧真
田町教育長就任。市町村合併後、18年より上田市教育委員長。1
9年退任後、現在は教育・食育アドバイザーとして活躍
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櫻井よしこ(さくらい・よしこ)
昭和20年ベトナム生まれ、ハワイ州立大学歴史学部卒業後、「ク
リスチャン・サイエンス・モニター」紙東京支局勤務。日本テレビ
ニュースキャスター等を経て、現在はフリージャーナリストとして
活躍。薬害エイズ、個人情報保護法、道路公団民営化、北朝鮮拉致
問題等に積極的に取り組み、発言している。教育問題への関心も高
い。著書に『日本人の美徳 誇りある日本人になろう』(宝島社)
他多数。最新刊は『異彩の大国中国 彼らに心を許してはならない
』(新潮社)
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[1] もはや非行ではなく立派な犯罪
[2] 問題の根源は食にあった
[3] 米飯給食の驚くべき効果
[4] 安心安全な給食を食べさせるための工夫
[5] 真田町の非行・犯罪がゼロになった理由
[6] 子どもたちの学力向上の背景
[7] 米飯給食導入のプロセスとは
[8] 学校に潤いがあれば人を殺したりしない
[9] 日本の社会の闇
[10] 日本人よ 日本人になりなさい
[1] もはや非行ではなく立派な犯罪 (p23)
【櫻井】大塚先生と初めてお目にかかったのは5年ほど前になりますでしょうか。長野県の真田町(現・上田市真田町)の中学校の校長先生をしておられた頃のお話を聞いて、ビックリしたんですね。
朝礼などで子どもたちが貧血で倒れるので、きっと家での食事が不十分であるに違いないと思われ、食生活について調査したところ、問題を起こしているお子さんほど食生活が乱れていることが分かった。
そういう時、普通の校長先生なら親御さんに「食生活をきちんとしてやってください」と言うだけですが、先生は自ら先頭に立って給食の改善に手をつけられた。パン食を米飯に変えたところ、子どもたちが元気になり問題行動も減っていったとお聞きして、これはすごい話だなぁと。
その後、真田町の教育長になられてからは、1校だけでなく町内の公立小中学校すべてに影響を及ぼされました。この大塚先生の実践をご紹介することが、いまの日本の教育問題を解決する一助になるのではなかと思っています。
【大塚】私が中学校の校長になったのは、平成4年でした。生徒数千2百名の大規模校でしたが、その荒れ方はもう非行なんてものじゃないですね。立派な犯罪です。強盗、窃盗も多いです。学校の廊下をバイクで走ったり、窓ガラスは次から次へ割られ、不登校も常に60~70人いました。
教室も見て周りましたが、とにかく授業がつまらないんですね。私ですら何を教えているのかちっとも分からない。だから机に伏している生徒が多いです。
しかし、伏している子はまだいいんです。エネルギーのある子は学校の外へ飛び出して窃盗や強盗をする。あるいは学校近郊でタバコを吸うとか、弱い子を連れ出していじめるとか。
【櫻井】授業中に机に伏せているのは、まだ真面目(まじめ)な子どもたちなわけですね。
【大塚】はい。私は民間会社に籍を置いていた時期がありますが、仮に民間会社でこんなつまらない授業をしていたらクビになるだろうというレベルでした。
そこでまず、取り掛かったのは授業の改善でした。徹底的に研究授業をやって、「こうしたらどうか、ああしたらどうか」と先生同士が互いに切磋琢磨(せっさたくま)し合う。またそれぞれが教材研究や指導方法を研究していくと、次第に授業のレベルが上がっていきました。
授業がおもしろかどうかのバロメーターは、なんと言っても子どもの姿勢です。机に伏している子がほとんどいなくなり、みな姿勢を正して授業に臨むようになりました。
いま、学級崩壊とか子どもが本気で勉強しないとかいいますが、99㌫は授業がつまらないのを子どものせいにしているだけだと思います。
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