電脳筆写『 心超臨界 』

良い話し手になるゆいつの法則がある
それは聞くことを身につけること
( クリストファー・モーレー )

大会の日ですらお弁当をつくってくれないのですから――大塚貢さん

2008-05-04 | 03-自己・信念・努力
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「致知」http://www.chichi.co.jp/ 2008年5月号 特集・工夫用力
教育現場の工夫用力「こどもたちを甦らせる」
●対談 上田市前教育委員長・大塚貢 & ジャーナリスト・ 櫻井よしこ


  [1] もはや非行ではなく立派な犯罪
  [2] 問題の根源は食にあった
  [3] 米飯給食の驚くべき効果
  [4] 安心安全な給食を食べさせるための工夫
  [5] 真田町の非行・犯罪がゼロになった理由
  [6] 子どもたちの学力向上の背景
  [7] 米飯給食導入のプロセスとは
  [8] 学校に潤いがあれば人を殺したりしない
  [9] 日本の社会の闇
  [10] 日本人よ 日本人になりなさい


[2] 問題の根源は食にあった (p24)

【櫻井】 授業がおもしろくなくなったのと同時に、非行やいじめは減っていきましたか。

【大塚】 かなり減ってはきましたが、なくなることはありませんでした。

さきほど櫻井先生がおっしゃったように、朝礼で子どもたちが貧血でバタバタ倒れたり、遅刻したり、登校しても保健室にいるので、これはもしかしたら食と関係があるのではないかと思いました。平成4年の頃で、まだ「食育」などという言葉もなかった時代です。

【櫻井】 私が先生のお話で感動したのは、子どもたちの職の実態を把握するために、朝早くからコンビニエンスストアで“張り込み”をされたと。

【大塚】 はい。陸上競技大会などの朝は、5時から会場の近くのコンビニエンスストアに車を止めて様子を見てみました。すると母親が車に子どもを乗せてきて、お金を渡して好きなものを買わせているのです。

そういう子どもの日常生活を調べてみると、やはり非行・犯罪を繰り返す、キレる、無気力など、指導に手を焼いたんですね。

たとえ親を呼んで「おたくのお子さんはこういう状況だから指導してもらいたい」と言ったところで、そういう子どもは親のいうことなんて聞きませんよね。大会の日ですらお弁当をつくってくれないのですから、親と子の心の絆は完全に切れてしまって、親はお金をくれる人としか思っていません。

【櫻井】 母親の愛情弁当を持たせるという概念がないわけですね。

【大塚】 ないですねぇ。また、並行して全校生徒の食の調査もやりましたが、朝食を食べてこない子どもが38㌫。その子たちもやはり非行や犯罪まがいのことをしたり、いじめなどに加担していたりする。あるいは無気力な生徒が多かったです。

【櫻井】 朝食を食べてこないということは、前日の夕食以降、給食までのおそらく16~18時間はまともな食事を摂(と)れないわけですね。それでは授業に集中できないばかりか、精神的にも不安定になるでしょう。

【大塚】 ただ、朝食を食べていると答えた生徒にしても、実態はほとんどがパンとハムやウインナ、それと合成保存料や着色料、合成甘味料の入ったジュースです。

そして夜はカレーや焼肉が多かったですね。こういう食事ばかりではカルシウムやミネラル、亜鉛やマグネシウムといった血管を柔らかくしたり、血をきれいにする栄養素はまったく摂取できません。

だから子どもたちの血液がドロドロで、自己コントロールができない体になって、普段は無気力でありながら、突如自分の感情が抑えきれなくなってしまう。いくら「非行を起こすな、いじめるな、勉強を本気でやれ」と言ったところで、体がついていかないのです。

そういったことをPTAの席でお話しして、「なんとかバランスのよい食事をつくってください」と呼びかけたところで、いまの若いお母さん方にはまったく聞き入れてもらえませんでした。

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