電脳筆写『 心超臨界 』

本は鏡のようなもの
愚か者がのぞきこんで天使が顔を出すわけがない
( ショーペンハウエル )

私がいま気になっていることの一つに日本の医療費問題があります――大塚貢さん

2008-05-11 | 03-自己・信念・努力
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「致知」http://www.chichi.co.jp/ 2008年5月号 特集・工夫用力
教育現場の工夫用力「こどもたちを甦らせる」
●対談 上田市前教育委員長・大塚貢 & ジャーナリスト・ 櫻井よしこ


  [1] もはや非行ではなく立派な犯罪
  [2] 問題の根源は食にあった
  [3] 米飯給食の驚くべき効果
  [4] 安心安全な給食を食べさせるための工夫
  [5] 真田町の非行・犯罪がゼロになった理由
  [6] 子どもたちの学力向上の背景
  [7] 米飯給食導入のプロセスとは
  [8] 学校に潤いがあれば人を殺したりしない
  [9] 日本の社会の闇
  [10] 日本人よ 日本人になりなさい


[9] 日本の社会の闇 (p31)

【櫻井】 しかし、お話をお聞きすると、真田町の教育方法はある意味では大塚先生の闘いの歴史とも言えますね。先ほどの転任した栄養士の方の例もありますが、こういう改革は一人では難しいのでしょうか。

【大塚】 そうですね……。やはり自治体の首長さんの理解がないと難しいでしょう。もっと言えば、政治家が立ち上がって、政治の面から取り掛かってくれたらもっと早く効果が出ると思います。

実は、私がいま気になっていることの一つに日本の医療費問題があります。もうじき40兆円に達して、日本の税収のほとんどが医療費に使われてしまうような現状ですが、やはりその元となっているのは食事ですよ。昨年信州大学医学部で、抽出ですが長野県の中学生の血液検査をしたところ、36.9%がすでに高脂血症でした。高血圧も多かったですね。

【櫻井】 え、中学生が?

【大森】 そうですよ。このまま大人になれば間違いなく生活習慣病です。いま真田町の子どもたちの血液を検査しても、高コレステロール、高脂血症、高血圧、ほとんどいなくなりました。

政府は医療費が上がれば、どこから徴収するかしか考えていませんが、真田町のように食の改善に取り組んでいけば、医療費の削減にも繋がっていきます。地場の低農薬の米や野菜にすればアトピーやアレルギーも減るのです。実際に東京から転向してきた女の子は、アトピーがきれいに治って卒業していきましたから。

だから、なぜいまこれだけ中国からの輸入食品が問題視されているのに、使わなければならないのか。一番いい例が北海道です。北海道では売れないタマネギをブルドーザーで潰(つぶ)したりしていますが、日経新聞によれば学校給食で中国産の製品を扱っている割合が全国でも高いらしいです。

【櫻井】 そのようですね。

【大塚】 あるいは、北海道産米の「きらら」を使わずに、なぜ防腐剤を含んだ輸入の小麦を使うのか。

学校給食でも輸入小麦にはいまだに補助金が付いていますが、日本産の米には補助金はつかない。ここは日本なんですから、逆でしょう?

政治家は、選挙の時は「教育が大事」だと言うけれども、当選してしまえば後はどこ吹く風です。一方で食糧自給問題を論じておきながら、こんなことをしていたら日本の農業はますます廃(すた)れてしまいます。

【櫻井】 給食を取り巻く環境一つを切り取ってみても、日本の構造の闇が見えてきますね。

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