西園寺由利の長唄って何だ!

長唄を知識として楽しんでもらいたい。
軽いエッセイを綴ります。

常磐の庭

2010-04-17 | 長唄の歌詞を遊ぶ (c) y.saionji
52-「常磐の庭」その2


安芸の宮島から始まったこの曲は、描写が江戸湾に移り、
海に因んで“貝づくし”で娘の恋心を詠む。

『仇と恋とを うつせ貝
 もしや海松布(みるめ)を
 打ち寄る浪に
 粋な州貝のそのお姿を
 いつか忘れん 忘れ貝
 顔は恥ずかし 紅葉貝 
 撫子貝の 可愛いらし』

● 浮気な心と、慕う心、
 どちらも人の世の常。
 もしかしたらお目にかかれるかしら、
 すれ違いでなかなか逢えない素敵なお方。
 いやだ、忘れなきゃ、でも忘れられるかしら、
 おお、おお、恥ずかしさに頬を染めて、おぼこ娘の可愛いこと。
 
うつせ貝は、虚貝と書いて中身のない貝殻をいう。
州貝・忘れ貝・紅葉貝・撫子貝などはもちろん造語。

 〓 〓 〓

tea breaku・海中百景
photo by 和尚
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