杵屋正次郎―30「菊寿草摺」
血気にはやる五郎を、少将が留める。
『女の撚れる黒髪に(女の色気を駆使すれば)
引かれて留まる心なら(どんな男も、いちころのはず)
やらじと引けば 時宗は(行かないで、と引き止めれば、時宗は)
日頃の本望 父の仇(やっと父の仇を討つ日が来たのだ)
妨げなすなと 突き飛ばし(邪魔立てするなと、突き飛ばし)
廓のじゃれとは違うぞよ(廓の遊びじゃないのだぞ)
放せ 留めた』
女の黒髪で編んだ綱には、いかな大象も引くことができる、
魔力があるという。
つまりは、どんな堅物の男も、女の魅力には魅かれる、
ということの喩えだ。
〓 〓 〓
tea breaku・海中百景
photo by 和尚
血気にはやる五郎を、少将が留める。
『女の撚れる黒髪に(女の色気を駆使すれば)
引かれて留まる心なら(どんな男も、いちころのはず)
やらじと引けば 時宗は(行かないで、と引き止めれば、時宗は)
日頃の本望 父の仇(やっと父の仇を討つ日が来たのだ)
妨げなすなと 突き飛ばし(邪魔立てするなと、突き飛ばし)
廓のじゃれとは違うぞよ(廓の遊びじゃないのだぞ)
放せ 留めた』
女の黒髪で編んだ綱には、いかな大象も引くことができる、
魔力があるという。
つまりは、どんな堅物の男も、女の魅力には魅かれる、
ということの喩えだ。
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tea breaku・海中百景
photo by 和尚