西園寺由利の長唄って何だ!

長唄を知識として楽しんでもらいたい。
軽いエッセイを綴ります。

梅暦 見立八勝人 二

2016-06-30 | 浮世絵
これは歌川国貞(3代目豊国・天明6~元治元・1786~1865年)の浮世絵だ。
制作年は安政6(1859)年とある。
8枚続きの組み物になっていて、役者を描いているが特に芝居の演目ではないようだ。

これはその2枚目の絵で、「梅暦 見立八勝人 男達・春駒の与四郎」
(うめごよみ みたてはっしょうじん おとこだて・はるごまのよしろう)だ。
役者は初代中村福助(後、4代目中村芝翫)とある。

      

書き入れを見てみよう。
(ひらがなは適宜漢字に変換した)

「春の初めの春駒より 心も勇む 土手八丁
 夢に見てさえ吉原は 闇も月毛(つきげ)の全盛に
 轡の街(ちまた)五丁町 鞍の山形二つ星
 そのおいらんの 格子先
 輪乗りに廻る 地廻りは 鞭の竹門 あぶみの金杉
 手綱 鳥越 蓑輪(みのわ)をかけて
 気も荒駒の その中で 人に知られし 春駒与四郎
 蹄(ひづめ)にかけるぞ 覚悟しろ」

土手八丁=正式には日本堤という。山谷掘りの土手で、吉原遊郭への道となる。
吉原は闇も月=「闇の夜も、吉原ばかり月夜かな」という其角の句が隠れている。
山形二つ星=遊女の等級は入山形に星で表す。二つ星は最高級の遊女だ。
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